自分はロードバイクに乗っているのだけど、「消耗品」って何があるのだろう?
そして、具体的な交換時期ってどのくらいなの?
高級な自転車だし、必要な消耗品はしっかり交換して、いい状態で保ちたいんだよね。
メンテナンスに掛かるザックリとした費用も教えてもらえると助かるなあ。
こんな方にオススメの記事です。
【この記事で分かること】
- ロードバイクの「消耗品」は何があるのか?
- 消耗品の具体的な交換時期、確認方法
- 交換時期を(寿命)過ぎて使い続けると、どんな悪影響があるのか?
- 交換に掛かるザックリとした費用
自転車ショップでメカニックとして働く私が解説します。
消耗品を適切に交換しないと、大きな悪影響が出ます。
性能が著しく落ちたり、パーツの寿命を急激に縮めてしまったり。
とにかく良いことが一つもないのです。
もちろん、メンテナンスにはお金が掛かります。もしかすると、お金を掛けたくないがために、消耗品を積極的に交換しようと思わない方もいるでしょう。
…それ、違いますよ。
消耗品の交換時期を過ぎて使い続けてしまった方が、修理の内容が大掛かりなモノになり、むしろ多額の出費になってしまいます。
ショップで働く中で、そういったお客様を幾度となく見てきました。
でもそもそも、「なぜ、寿命を超えても気づかないのか?」という点ですが、単純に知らないのです。
何が消耗品で、交換基準が何かを。
私も昔、「チェーン」が消耗品だとは知らずに、伸び切った状態で使い続け、痛い目に合ったことがあります。
ロードバイクをいい状態で維持するには、消耗品に関する情報を知っておく必要があります。
本記事で紹介する内容は非常に大切ですから、ぜひ、最後までご覧ください。
忘れないよう、ブックマークなどして定期的にチェックするのも効果的です。
ロードバイクの消耗品の交換時期は?【目安費用も解説】
時間がない人のために、結論ファーストでお話しします。
以上3点を表にまとめましたので、ご覧ください。
消耗品名 | 交換時期 | 目安費用 |
チェーン | 約3000km~ | 約4000円~ |
スプロケット | 歯が減ったら | 約3000円~ |
タイヤ | 約3000km~ | 約5000円~ |
ブレーキシュー(パッド) | 約3-5000km | 約2000円~ |
ディスクローター | 厚み1.5mm以下 | 約4000円~ |
ブレーキインナーワイヤー | 約5000km~ | 約2500円~ |
シフトインナーワイヤー | 約3000km~ | 約2500円~ |
シフト、ブレーキアウターケーブル | 約5000km~ | 約2500円~ |
バーテープ | 汚れたら | 約4000円~ |
これらが、一般的に意識すべき消耗品です。
だいたい5000キロも走ると多くの消耗品が寿命を迎えるので、注意しましょう。
「5000km」と聞くと途方もない距離に聞こえるかもですが、実際にサイクリングにハマり出すとすぐですからね。
では、それぞれ詳しく解説していきます。
チェーン
チェーンの寿命はおよそ3-5000km。
変速段数が多いほど寿命が短くなります。
変速段数 | 交換が必要になる距離(目安) |
6・7・8速チェーン | 4000-5000km |
9・10速チェーン | 3500-4000km |
11速チェーン | 3000km |
お店で働いた経験から導き出した値ですが、おおむね間違いではないかなと。
実は、一番手頃な「8速チェーン」が一番長持ちするのです。
ただこの数値は、あくまでも「良好な状態で」で使った時の寿命です。
といった場合だと、上記の値よりも短くなります。
具体的に「チェーンの交換時期」を判断するために、「チェーンチェッカー」というツールを使って計測します。
チェーンは使っていくと“伸び”が生じますので、その%を測って、交換が必要か否かを判断するツールです。
0.75%を超えたら、即交換ですね。
関連記事を紹介しておきますので、興味があればご覧ください。
スプロケット
スプロケットの交換時期は、使用する状況によって大きく変わります。
およそ5000キロくらいが目安かなと。
あいまいですが、「スプロケットの歯が減ったら」交換となります。
スプロケを長持ちさせるには、チェーンを適切なタイミングで交換しているかがポイントです。
タイヤ
モノにもよりますが、タイヤの寿命はおおむね3000km~って感じです。
持ちが良くても5000kmくらい。
体重が掛かり、かつ駆動輪である「後輪」の方が減りが早いのはご存じですかね。
タイヤを上手に使い切れる人は、「空気圧管理」をしっかり行っている人です。
ロードバイクのタイヤは細くて高圧ですから、最低限2週間に一回は空気入れしないとダメですね。
空気が少ないと減りが増えるだけでなく、サイドのひび割れも起こりやすくなります。
つまり、本来の寿命よりも縮まります。
ちなみにですが、タイヤを交換するとなると、片輪で5000円~が目安です。
ブレーキシュー(パッド)
ブレーキを掛けるたびにシュー(パッド)が少しずつ擦り減っていきます。
だいたい5000㎞を越えたあたりから、交換時期を迎える方が多いですかね。
雨の日にもよく乗る方だと、もっともっと早いです。
ブレーキシューの具体的な交換時期の判断は、シューに刻まれた“ライン”を見ることで分かります。あるいは、溝が見えなくなるまで摩耗していたらです。
ディスクブレーキパッドの場合、パッドの厚みが0.5mm以下になったら交換となります。
目安の料金としては、片側2000円~。
ディスクローター(ディスクブレーキのみ)
削られるのはパッド側だけではありません。
ローター側も削られ、薄くなり、いずれ交換時期を迎えます。
具体的な交換判断基準としては、「ローターの厚みが1.5mm以下になったら」でして、距離でいうと1万キロくらい?結構長持ちします。
ディスクローターに汚れが多いと減りも早いので、一概には言えませんけれど。
日ごろから掃除をし、キレイな状態を保つことがとても大切になってきます。
交換料金の目安は4000円~。
使うローターのグレードによって、大きく変わります。
ブレーキインナーワイヤー
油圧ブレーキでない限り、ブレーキは「ワイヤー」を引っ張ることで動いています。
頭を何度も引っ張られ、ケーブルと摩擦しますので、いずれ切れるのです。
一本ほつれただけでも、もちろん交換です。
ブレーキワイヤーはあまり切れるものではありませんが、おおむね5000km~が交換目安かなと。
切れていなくても錆びや劣化によって動きが重くなってきますので、交換した方がいいです。
交換に掛かる料金の目安は、2500円~。
しかし、ブレーキワイヤーにはグレードがありますので、どれを選ぶかによって、値段は大きく変わってきます。
シフトインナーワイヤー
Di2に代表される「電動変速機」を使っていない限り、シフトワイヤーによって各変速機を動かしています。
こちらのワイヤーも同様に、使っているといずれ必ず切れます。
寿命は3000km~って感じですかね。
変速数の多いリアの方が、フロントに比べて切れるのが早いです。
交換料金の目安は、約2500円~。
シフトワイヤーにも種類がありますので、選ぶものによって値段が大きく変わってきます。
シフト、ブレーキアウターケーブル
アウターケーブルも消耗品です。
外から見てひび割れていたり、折れていたりしたら即交換です。
そうでない場合も、約5000km使う頃には交換した方がいいですね。
アウターケーブル内が劣化し、ワイヤーの滑りが悪くなることで、レバーの引きが重くなるからです。
シフト側なら、変速がうまく決まらなくなってきます。
交換料金の目安としては、約2500円~。
ただ、アウターケーブルを交換する時は普通、インナーケーブルも一緒に交換します。
作業が重複するので、実質的な工賃は0円(インナー交換料金でOK)に近いでしょう。
ちなみにですが、アウターケーブルを交換するには、バーテープを剥がさなければなりません。
ですので、バーテープを交換するタイミングで一緒にやるのが、一番お得で賢いかなと思います。
バーテープ
で、「バーテープ」ですが、汚くなったら変えましょう。ボロボロになったら変えましょう。
臭うし、手は汚れるし、衛生的によくありませんので…。
交換料金の目安としては、約4000円~。
ただバーテープ本体の値段もまちまちでして、1000円から4000円といったところ。
選んだモノに応じて、値段も変わります。
「工賃が高いな…」と感じたら、自分でやってみるのもアリですね。
リアディレイラーの調整みたく、ミスった時のリスクがありませんから、挑戦しやすいです。
何度も練習すれば、きれいに巻けるようになりますよ。
最も注意すべき消耗品は…
以上、ロードバイクの消耗品を紹介させていただきました。
結構多くて、「管理が大変だな…」と思った方もいるかもしれません。
もちろん、全てをきっちり管理出来たら最高ですが、難しいかなと思います。
ですので最後に、最も注意すべき消耗品だけお伝えさせてください。
なぜなら、チェーンの異変に気付くころには、もう手遅れになっていることが多いから。
チェーンの寿命は、伸び率が「0.75%」を超えたらといいました。
しかし、このラインを超えたからと言って、すぐに不調が現れるわけではないんですね。
正直言って、何も分からない。誰も気づかない。
それゆえ、寿命を超えて使い続けてしまった結果、伸びたチェーンが駆動系パーツを全て削り、異変に気付くころには全パーツを交換しなければ直らないという状況になるのです。
費用でいえば、2万円くらい。良いコンポを使っているならもっとです。ヤバいでしょ。
他の消耗品は、鈍感な人でも乗ってると気づくはずです。
といったように。気づいてから交換しても、まだ間に合います。
でも、チェーンだけは違うのです。
だからこそ、高級なロードバイクに乗るならチェーンチェッカーだけは必携し、定期的にチェックするようにしてください。
そして、交換ラインを超えたら必ず交換しましょう。
やらずにいると、絶対に後悔する日がやってきます…
まとめ
最後に、本記事の要点をまとめます。
【ロードバイクの消耗品の交換時期は?交換費用は?】
消耗品名 | 交換時期 | 目安費用 |
チェーン | 約3000km~ | 約4000円~ |
スプロケット | 歯が減ったら | 約3000円~ |
タイヤ | 約3000km~ | 約5000円~ |
ブレーキシュー(パッド) | 約3-5000km | 約2000円~ |
ディスクローター | 厚み1.5mm以下 | 約4000円~ |
ブレーキインナーワイヤー | 約5000km~ | 約2500円~ |
シフトインナーワイヤー | 約3000km~ | 約2500円~ |
シフト、ブレーキアウターケーブル | 約5000km~ | 約2500円~ |
バーテープ | 汚れたら | 約4000円~ |
これを覚えて、適切に消耗品を交換すれば、ロードバイクは必ず長持ちします。
走行のパフォーマンスも上がります。
「知らなかった」とならないよう、今日から意識しましょう。