一般的な自転車の、下記の修理費用が知りたい。
- パンク修理の値段
- チューブ交換の値段
- タイヤ&チューブ交換の値段
具体的に「どんな修理をするのか?」を教えて貰えると助かるなあ。
こんな悩みを解決します。
【この記事で分かること】
- 自転車の「パンク修理」「チューブのみ交換」「タイヤ&チューブ交換」の値段
- パンク修理とタイヤ/チューブ交換の違い
- パンク修理ができないケース
- 「パンクかな?」と思ったら、まず確認してほしい事
某チェーン店での勤務経験を持つ、自転車整備士の私が解説します。
「パンク修理の値段が知りたい」…と気になってはいませんか。
実際お店で働いていてもよく聞かれる質問です。
本記事では、パンク修理やタイヤ/チューブ交換の相場価格をお伝えしています。
それと合わせて「具体的にどんな作業をするのか?」もお話ししています。
なぜかというと、一般人の思う“パンク修理”は「パッチ(シール)を貼る作業」だけをイメージしている方も多いからです。
確かに「パンク修理=パッチ貼り」は間違いではないですが、パンク修理で済むケースは多くありません。
つまりチューブの交換や、タイヤ&チューブの交換が必要なケースも多いです。
そうなると修理費用が高くなるので、「どうして高額な修理になったのだろう?パンク修理は1000円くらいって書いてあるのに!」と不満に思う方もいます。
本記事を読めば、修理方法の違いや費用の相場が分かります。参考にどうぞ。
【ママチャリ】自転車の「パンク修理」「タイヤチューブ交換」 値段は?
“工賃表”に書いてある金額はあくまでも作業工賃のみです。
「パンク修理」の場合は工賃のみ発生ですが、「チューブ交換」や「タイヤチューブ交換」になるとパーツ代が別途掛かります。
※上記の費用はパーツ代も含めた概算です。
この金額はあくまでも概算。
もちろんお店によって値段は異なるし、選ぶタイヤ/チューブの価格によっても変わります。メーカー純正タイヤだとより高い傾向です。
※今回は比較的安いノーマルタイヤの場合を想定しました。
この金額表を見た時に…
「パンク修理」なら1200円程度でやってくれるんだね!
タイヤやチューブは変えなくていいから、パッチだけ貼って修理してもらおうかな。
と思う方もいるかもですが、そういうわけにはいかないですね。
パンクには様々な修理があって、「パンク修理(パッチ貼り)」で直せるのは比較的小さな穴が開いたときだけに限られるからです。
という流れで、どの修理をするかが決まります。
タイヤ/チューブの状態によって修理内容が変わりますので、一概には言えませんし、指定することもできません。整備士が最適な修理方法を提案するので、それに従いましょう。
なぜ修理方法によってこれほど金額が異なるのか?
気になる方もいると思うので解説します。
「パンク修理」と「タイヤ/チューブ交換」の違い
結論から言うと、金額に大きな差が出る理由は下記の通り。
【値段が異なる理由】
- パンク修理:車輪を外す必要が無いから安い
- タイヤ/チューブ交換:パーツ代に加えて、車輪の脱着作業が発生するから高い。特に外すのが後輪側は前輪に比べて工賃が高い。
工賃が異なるのは「作業時間」の違いです。より時間が掛かる作業ほど高くなります。
またタイヤ/チューブ交換の場合はパーツ自体の金額も乗ってくるので、パンク修理に比べて高くなります。
「パンク修理」で行う作業とは?
「パンク修理」は、おそらく皆さんのイメージ通りです。
パッチと呼ばれる黒いシールのようなものを貼り、穴をふさいで修理します。
一般的な自転車のタイヤは2重構造になっていて、実は外から見えている部分が「タイヤ」で、その中にあるゴム風船が「チューブ」です。
空気が入っているのはチューブの方で、これに穴が開くとパンクします。
パンク修理の場合、タイヤ/チューブともに交換するわけではありません。
チューブにシールを貼って修復するだけです。
そのためパーツの代金が掛からず、工賃のみで安くなっています。
「タイヤ/チューブ交換」で行う作業とは?
「タイヤ/チューブ交換」の場合、パーツ自体を交換します。修理ではなくて新しいものに変えます。
- タイヤがまだ使える場合 → チューブのみ交換
- タイヤもチューブも損傷が激しい場合 → タイヤ&チューブの交換
タイヤ・チューブを交換するためには、車輪を外す必要があります。パンク修理と大きく工賃が異なるのはこの点。より手間が大きいのです。
外すのが簡単な「前輪」よりも、ブレーキを外す必要のある「後輪」の方が工賃が高くなっています。
パンク修理で済む場合、タイヤチューブ交換が必要な場合
先ほども言いましたが「パンク修理」できるのは、一部のケースのみです。
どんなパンクでもシールを貼れば直るわけではありません。
パンクといっても穴の開く原因は様々。「何かが刺さった」だけが原因ではありません。むしろ刺さりもの以外のパンクの方が多いくらいです。
↑はザッと流し読みして貰えればいいのですが…
パンク修理できるのは基本「刺さりものパンク(穴が小さい)」のケースくらいです。
それ以外の場合はパッチ修理できない場合が多く、根本的にチューブやタイヤを交換しないと直りません。つまりパンク修理で対応できるケースは多くはないのです。
特に、ママチャリは「空気圧不足」によるパンクの割合が非常に多いです。
【あなたに質問】
月に一回は定期的に空気を入れて、適切な空気圧を維持していますか?
…この質問に「はい」と言えない場合、もしかするとパンクの原因は「空気圧不足」かもしれません。
空気が少ないとタイヤ内にあるチューブが動き、ズレて擦れ、摩耗に耐えられず穴が開きます。
また低圧のタイヤは体重で押しつぶされながら走ることになるので、タイヤの側面がひび割れします。そして裂けます。
このような場合、パンク修理してもまた穴が開いてしまいます。修理不可です。
だからパーツ自体を交換する必要があります。
お店に修理を持ち込むと、整備士が必要な修理を教えてくれます。プロがタイヤやチューブの状態から判断した答えですから、従うが吉です。
パンク修理/タイヤチューブ交換に掛かる時間は?
本記事を読んだ後に自転車屋に行かれる方も多いと思うので、修理時間の目安をお伝えします。
※もちろん店の込み具合、状況による。
あくまでも目安です。
なお、自転車屋が混みやすい時間帯があります。
待ちたくない場合、上記の時間帯を避けるとよさそうです。
【直るかも】店に行く前にやるべきこと
「パンクかな?」と思ったら、修理へ持ち込む前に試してほしいことが2点あります。
- 一度空気を入れてみる
- 虫ゴムの状態をチェックする(破れていたら交換)
これを試すだけで直る可能性があるので、まずはご自身でやってください。
お店に持ち込む手間が省けたり、修理費用を省けます。
例えば[スマホの画面が暗いまま動かない]となれば、誰しもまずは充電をしてみますよね。
いきなりお店に持ち込まないはずです。
「ただ充電が切れていただけ」と同じようなパンクもありますので、まずは順にチェックしてください。直ったらラッキーです。
一度空気を入れてみる
とにかく、一度は空気を入れてみて下さい。
「ただ空気が抜けてただけ」というケースはぼちぼちあります。
空気の入れ方については、こちらの記事で解説中。
>>自転車の空気の入れ方は?ママチャリ等の「英式」バルブで解説
特に最後、「袋ナット」を強く締めてくださいね。ここが緩んで空気が漏れていることもありますので。
虫ゴムの状態をチェックする(破れていたら交換)
- 空気を入れてみたけど、やっぱりスグ抜けてしまう。
- なんかバルブ(空気を入れる口)の付近からシューシュー抜ける…
再度空気が抜けてしまう場合、次は「虫ゴム」をチェックします。
※虫ゴム不要のスーパーバルブの場合はチェック不要。
「虫ゴム」はバルブの中に入っている銀の棒(プランジャー)に被さっている黒いゴムです。
空気の逆流…つまり漏れを防ぐ弁の役割を担っています。
虫ゴムは消耗品で、半年~1年に1回は交換が必要です。
このゴムが破れると空気がツーツーに抜けます。
一度抜いて状態を確認しましょう。やり方はこちら。
虫ゴムが原因で空気が抜けているケースは多いです。これはチューブに穴が開いて「パンク」しているわけではありませんから、ゴムを交換すれば直ります。
再び空気を入れて抜けないようなら大丈夫です。
- 空気を入れても抜けてしまう
- 虫ゴムを変えても抜けてしまう
→2点試してダメそうなら、いよいよパンクが疑われます。お店に持ち込みましょう。
この確認作業なら自転車知識がない方でも5分もあれば終わります。
まとめ
最後に本記事の要点をまとめます。
【自転車のパンク修理/タイヤチューブ交換の値段は?】
※23年10月時点の相場
- パンク修理:1210円(穴1か所)
- 前輪のチューブのみ交換:3300円程度
- 前輪のタイヤ&チューブ交換(ノーマルタイヤの場合):5500円
- 後輪のチューブのみ交換:4400円程度
- 後輪のタイヤ&チューブ交換(ノーマルタイヤの場合)6600円
車輪を外す必要がある「チューブ交換」「タイヤ&チューブ交換」は工賃が高くなります。パーツ代もかかります。
どんな穴でも「パンク修理」で塞げるわけではありません。ケースによって必要な修理が異なるので、整備士の提案を聞いてください。
というわけで以上です!少しでも参考になれば幸いです。
最後までご覧いただきありがとうございました!