
フロントディレイラーにチェーンが擦ってしまって、「ガラガラ」と音が鳴って気になるだよね。
干渉を無くしたいんだけど、解決方法を教えてよ。
こんな方にオススメの記事です。
【この記事で分かること】
- フロントディレイラーとチェーンの干渉を解決する方法
- トリムが効かない時の理由
スポーツバイクに乗っていると「ガラガラ」と音鳴りが気になることってありますよね。
漕ぐたびに音が鳴るので、「調整がおかしいんじゃないか?」と心配になります。
確かに、調整おかしくなっている場合もありますが、そうではない場合もあります。
というのも、どんなスポーツバイクでもフロントディレイラーの音鳴りが起こってしまう構造だからです。
そのために、実は「トリム」という機能があります。
これは、フロントディレイラーとチェーンが干渉して音が鳴る時に使う機能です。
もしかすると、あなたはトリム機能が使いこなせてないだけなのかもしれませんよ。
記事を参考に、音鳴りの解決方法について知っていただければと思います。
ではご覧ください。
【音鳴り解消】フロントディレイラーにチェーンが当たる時の解決方法
フロントディレイラーにチェーンが干渉してしまう時の解決方法を2パターン紹介します。
- トリム操作
- フロントディレイラーの調整
順に詳しく解説していきますね。
操作
チェーンとフロントディレイラーが干渉してしまっている方は、まず最初に「トリム」機能が正しく使いこなせているかどうかを確認して下さい。
トリムとは
(出典:https://si.shimano.com/pdfs/um/UM-6VX0A-002-00-JPN.pdf)
トリムとは、フロントディレイラーとチェーンが干渉し、音鳴りが発生してしまった時、解消するために使う機能のことです。
変速レバーを半押し・半戻しすることで使えます。
今回は、ロードバイクの方向けにSTIレバーで解説しますね。
※ロードバイクのSTIレバーの場合は全て使えますが、クロスバイクなどのラピッドファイアタイプの変速レバーの場合、使えるものと使えないものがあります。
多くのスポーツバイクの場合、フロント変速が2段以上、リア変速が8段以上ありますよね。
なので、掛かっているギアの組み合わせによっては、チェーンの角度が大きく変わってしまいます。
そのため、今から説明する「トリム操作」を行わないと、フロントディレイラーに干渉して音鳴りが発生してしまうのです。
これは、パーツのグレードの関わらず発生するトラブル・・・というか仕組みになっているため、スポーツバイクに乗る方は操作方法を知っておく必要があります。
トリムの操作方法
「トリム」の使いどころは、クランクのインナー側・アウター側にそれぞれ設けられています。
フロントインナー(軽いギア)でのトリム操作
まずは、インナー側の説明から。
自転車に乗る時は、軽いギアからだんだんとスピードアップさせていきますよね。
軽い×軽いの組み合わせである「インナーロー」の状態がコチラです。
フロントディレイラーとチェーンにはわずかな隙間があり、干渉はしていません。
そこからスピードを上げるために後ろのギアをトップ側(重い方)へ移動させると、ギアの位置関係はこのように変化します。
するとどうでしょうか。
フロントディレイラーとチェーンが擦って、干渉してしまっているではありませんか。
実際にこの状態で自転車に乗ってみると、常にガラガラと音鳴りが発生してしまいます。
そこで、紹介した「トリム」という機能の出番です。
左STIレバーの大きい方のレバーを、ギアが上がらない程度に軽く押し込んでみてください。
すると、「カチッ」という音と共に、フロントディレイラーが1-3mm程度、外側へ移動しますよね。
これがトリム動作になります。
トリムをしたことでわずかな隙間が生まれ、フロントディレイラーとチェーンが擦らなくなりました。
反対の場合も同じです。
フロントインナー(軽い方)の状態からリアのギアをロー側(軽くする方向)へと戻していったとき、今度は逆の面がチェーンと擦ってしまいますよね。
なぜなら、既にトリム機能を使って、位置をずらしているからです。
なので、左STIレバーの小さなレバー(軽くする方)を「カチッ」というまで軽く押し込むんで見てください。
すると、トリムをする前の元の状態に戻ります。
そうすることで、フロントディレイラーとチェーンの干渉を避けることができます。
フロントアウター(重いギア)でのトリム操作
アウター側(フロントの重いギア)にも、トリム操作があります。
フロントギアをアウターに入れたあと、リアギアをトップ側(重い方)に動かしてみると、フロントディレイラーの外面がチェーンと擦って干渉します。
そうなったら、左STIレバーの大きなレバー(重くする方)をさらに押し込んでみてください。
すると、トリムによってフロントディレイラーが1-3mm程度外側へ動くはずです。
トリムによって、隙間が生まれました。
分かりやすい正面からの写真はこちらです。
※もし、「これ以上レバーを動かせない」状態なら、それはすでにトリムが効いています。
それでも干渉状態が解決しないのなら、以下で紹介する他の調整が必要になります。
逆に、アウター×ロー(前が重くて後ろが軽い)に近づけていくと、フロントディレイラーの内側がチェーンと擦れますよね。
そこで、左STIの小さなレバーを「カッ」というまで軽く押し込んでみてください。
先ほどの反対で、フロントディレイラーが内側に1-3mm程度移動すると思います。
「フロントディレイラーにチェーンが干渉する」という方で、トリム操作がうまく使えていない方が多くいらっしゃいます。
なので、まず一番最初にトリムで解決できるかを確認してみて下さい。
解決方法②:フロントディレイラーの調整
トリムを行っても干渉が解消しない場合、フロントディレイラー側の調整が出来ていない可能性があります。
具体的に言うと、この2点です。
- ワイヤーの張り調整
- 可動範囲の調整(アジャストボルト)
解説していきます。
ワイヤーの張り調整

- 説明通りにトリム操作を試してみたど、全く動かなかった
- やってみたけど、ほとんど動かなくて擦ったままだよ
という方は、シフトワイヤーの張り具合(緩み)が原因かもしれません。
緩み(遊び分)があるせいで、レバーを押してもトリムができないという現象が起きています。
もし、「自転車を購入したばかりなのに・・・」という方がいれば、それは正常です。
恐らく納車時に説明があっただろうとは思いますが、「初期伸び」による影響だからです。
新品のワイヤーは使い始めに急激に伸びが生じるため、かならず変速調子が狂います。
起こるべくして起こったトラブルなので、心配ありませんよ。
新車ではない方も、シフトワイヤーは少しずつ伸びるものなので、誰にでも緩んでいる可能性はあります。
解決するためには、シフトワイヤーの張り調整をしなければいけません。
しかし、フロントディレイラーの張り調整は、初心者の方には難しいだろうと思います。
一応、やり方の載っている動画を紹介しておきますが、自転車屋さんに頼んだ方が無難ですね。
可動範囲の調整(アジャストボルト)
もう1つ考えられることは、フロントディレイラーのアジャストボルトの調整です。
アジャストボルトとは、フロントディレイラーの可動範囲を制限するボルトです。
ここの調整がうまくいってないと、どれだけワイヤーを張ってもチェーンとの干渉が直らないことがあります。
しかし、この調整は初心者の方が自分でやるのはあまりオススメしません。
あやふやなまま調整を終わらせてしまうと、チェーンが外れて大事故につながってしまうことも考えられるからです。
なので、トリムをしても干渉が直らなければ、自転車店へ持ち込むのがいいでしょう。
「自分でやってみたい」という方は、上に載せた動画内で解説しています。
注意点
中には「調整は完璧でも、干渉してしまう」自転車もあります。
これは解決方法が無いので、もう仕方がないですね。

えー、なにそれ。なんか嫌だな・・・
と思うかもしれませんが、実際の影響はほとんどないので心配ありませんよ。
なぜなら、そもそもチェーンを極端なたすき掛けの状態(インナートップ・アウターロー)で使うのはよくないからです。
これについてはペダリングコーチフランキーたけさんが詳しく解説していらっしゃいますので、こちらを参考に。
基本的にチェーンが“平行”になるよう変速することを心がければ、フロントディレイラーとチェーンの干渉はほとんど起こらないはずです。
なので、実際には問題はありません。
まとめ
最後に、要点をまとめてお伝えします。
「フロントディレイラーにチェーンが当たって、干渉している」と思ったら、まずはトリムがしっかりと行えているかを確認して下さい。
そして、トリムを行っているはずなのに、
- 「フロントディレイラーが動かない」
- 「ほとんど動かなくて擦ったままだ。」
というのなら、おそらくシフトワイヤーの伸びが原因です。
あるいは、フロントディレイラーのアジャストボルトの調整が原因かもしれません。
いずれにせよ、初心者が自分で行うにはちょっと難しいかなと思うので、自転車店へ見てもらうと良いと思いますよ。
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