自転車のチェーンを交換してみたいんだけど、何が必要で、どんな手順でやればいいの?
自分は初心者で、とても不安なんだよね。
失敗しないよう、詳しく教えて欲しいんだけど・・・
こんな方にオススメの記事です。
【この記事で分かること】
- 自転車のチェーンの交換方法
- チェーンの種類と選び方
- チェーン交換で使うアイテム
- チェーンの長さの決め方
- ピン、ミッシングリンクでの結合方法
- チェーン交換でよくある失敗
- (補足)チェーンのメンテナンスについて
自転車ショップでメカニックとして働く私が解説します!
実は、自転車の交換作業自体、それほど難しいものではありません。
ややこしいのが、「長さの決め方」ですね。
初めてのチェーン交換で、失敗しやすいポイントの一つです。
でも、安心してください。
別に詳しく書いた記事での説明を交えつつ、誰でも分かるよう詳しく解説していきます。
初心者の方でも、不安なく作業に取り組んで頂けると思いますよ。
チェーンの選び方から、交換後のメンテナンスまで。
あなたに必要な情報を全てお伝えしますから、最後まで是非ご覧くださいね!
チェーンの種類と選び方【8-11速】
本題へ入る前に・・・
「自分の自転車に使えるチェーンがどれか分からない」
「まだチェーンを用意していない」
という方もいるでしょう。
自転車のチェーンは、変速段数によって選び方が変わります。
この表を見ると分かりやすいでしょう。
リア変速数 | 条件 | 対応チェーン |
11速 | CN-HG-901-11 | |
CN-HG-701-11 | ||
CN-HG-601-11 | ||
10速 | 4700系ティアグラの場合 | CN-HG95 |
CN-HG54 | ||
それ以外で、フロントギア2段の時 | CN-6701 | |
CN-4601 | ||
それ以外で、フロントギア3段の時 | CN-6600 | |
9速 | CN-HG93 | |
CN-HG53 | ||
8速 | CN-HG71 | |
CN-HG40 |
チェーンには「グレード」があり、何かしらの“違い”があります。
詳しくはこちらの記事で解説しておりますから、ぜひ目を通してみてください。
あなたの自転車で使えるチェーンの種類と、選び方が分かりますよ。
チェーン交換に使うアイテム
では、本題へ。
チェーンの交換作業では、3つのアイテムが必須です。用意しましょう。
- チェーンカッター
- チェーンフッカー
- ミッシングリンクプライヤー
チェーンカッター
チェーンを切るための工具です。
ミッシングリンクで繋ぐ場合も、必要になります。
使いやすくてオススメなのが、シマノのチェーンカッターですね。
8-11速対応で、非常に使い勝手がいいです。
「もう少し小さいのがいいなあ」という方は、こちらがいいでしょう。
しかし、小さい方が作業性は落ちます。やりにくいです。
作業性を取るか、コンパクト重視か。
お好みの方を選んでください。
チェーンフッカー
チェーンをつなげる時、保持しておくための工具です。
無くてもできますが、あった方が確実に作業性が上がります。ほぼ必須アイテム。
ぶっちゃけなんでもいいですが、買うなら「チェーンチェッカー付き」のモノを選ぶとお得でしょう。
- チェーン交換をする時は「フッカー」として
- チェーンの交換時期を確かめる時は「チェッカー」として
2パターンの使い方ができます。
ミッシングリンクプライヤー
ミッシングリンクを使う方のみ、着脱に使う工具です。
ピンで結合する方は、必要ありません。
あってもいいもの
あと必要な方は、作業用手袋があるといいかも。薄手のやつですね。
【サルでも分かる】自転車チェーンの交換方法【初心者向け】
チェーンの交換は、この手順で行います。
- 古いチェーンをカットする
- (パーツを掃除する)
- 新しいチェーンの長さを決めてカット
- チェーンを通す
- チェーンを結合する
- チェーンの動きを確認する
- ピンを折る
- 最終確認
一番最後に、「よくある間違い」についても触れますね。
詳しく解説します。
古いチェーンをカットする
どこでもいいので、チェーンをカットしましょう。そして外しましょう。
チェーンカッターをセットし、ハンドルを回して、中央の“ピン”を押し抜きます。
カットする時は、チェーンの位置を「インナー×トップ」にしておいてくださいね。
「前が軽い、後ろが重い」の組み合わせです。
この状態が一番チェーンのテンションが抜けていて、作業をしやすいからです。
テンションが掛かった状態でチェーンを切ると、勢いよく跳ねて、フレームを傷付けるおそれがあります。
古いチェーンが外れました。
(パーツを掃除する)
チェーンを外したタイミングで、パーツを掃除しましょう。
強制はしませんが、その方が気持ちいいですよね。
パーツが汚れていると、新品のチェーンを付けてすぐに黒くなっちゃいますので。
これら3つのパーツを洗いましょう。
- リアディレイラー(プーリー)
- クランク(チェーンリング)
- スプロケット
こちらの動画が非常に分かりやすく、参考になります。
チェーンクリーナーとフォーミングマルチクリーナーを使って掃除すると、ピカピカになります。
もちろん、パーツを付けたまま掃除してもOK。
しかし、スプロケやクランクは簡単に外せますので、それから洗うのもいいでしょう。
「より綺麗にしたいなら」って感じですね。
参考記事はこちら。
新しいチェーンの長さを決めてカット
自転車のチェーンは、箱から出したままの長さでは付けません。
自転車ごとに違う適正な「長さ」にカットした上で、取り付けます。
この「長さの決め方」が、チェーン交換の難しいところともいえるでしょう。
「チェーンだけを交換する」という時は、簡単です。
切った古いチェーンと長さを揃えるだけですから。
ややこしいのが、新しくチェーンの長さを決める時ですね。
- スプロケットの歯数を変える
- チェーンリングの歯数を変える
- 元々チェーンが付いていなかった
という時。
結論、チェーンの長さはこのようになります。
【フロントダブルギア】
- 最大スプロケット(ローギア)が28T以上の場合
→アウターロー+2リンク - 最大スプロケットが27T以下の場合
→アウタートップでプーリーが地面と90度以上
※ただし、シャドータイプ(新型)のリアディレイラーの場合、ローの歯数に関わらず「アウターロー+2リンク」を使います。
【フロントトリプルギア】
- 最大スプロケットが32T以上の場合
→アウターロー+2リンク - 最大スプロケットが30T以下の場合
→アウタートップでプーリーが地面と90度以上
・・・といっても、すぐに理解できる人はまずいないでしょう。
こちらの記事で超詳しく解説しておりますから、確認して下さい。
チェーンを適正な長さにカット出来た方から、本記事の続きをどうぞ。
チェーンを通す
こちらの動画を参考にしつつ、チェーンを正しく取り付けてください。
重要なポイントが3つあります。
- チェーンの裏表を確認
- チェーンの向きを確認
- リアディレイラーへチェーンが正しく通っているか
チェーンの裏表を確認
チェーンには、裏表があるモデルもあります。
両面を確認してみてください。
- 片面には文字あり、片面は何も書いていない→裏表あり
- 両面とも刻印、文字がある→裏表なし
裏表があるチェーンなら、文字の書いてある方を「表」にしてください。
裏表を間違えると、変速に悪影響があります。
チェーンの向きを確認
チェーンには「向き(進行方向)」の指定もあります。
チェーンの回転方向に合わせて、
- 引っ張る側(前側)がインナープレート
- 引っ張られる側(後側)がアウタープレート
になるようにしてください。
チェーンが矢印の方向へ動くとき、この向きで取り付けます。
「インナでアウターを引っ張る」と覚えると、分かりやすいかもです。
リアディレイラーへチェーンが正しく通っているか
初めてチェーン交換をする方で多い失敗が、コレ。
脱落防止のピンや板の内側を、チェーンが通るようにしてください。
次の写真は、失敗例です。
慎重に取り付けましょう。
チェーンを結合する
いよいよ、チェーンをつなぎます。
繋げる時、チェーンフッカーを使ってかけておくと、やりやすいですよ。
コネクトピン、ミッシングリンク、それぞれ解説します。
コネクトピンの場合
- チェーンに付属するコネクトピンを指で差し込みます。
- 次に、チェーンカッターをセットし、ハンドルを回してピンを押し込みます。
- ピンの出っ張りが無くなったら、ハンドルを下ろします。
チェーンフッカーで引っ掛ける
ハンドルを押し込んでいくと、一瞬「ヌルッ」といくポイントがあるはず。
少し、力の抜ける場所です。
それを感じたら、押し込むのをやめる感じですね。
ミッシングリンクの場合
こちらの動画が参考になります。
ミッシングリンクを一つずつ取り付け、組み合わせてから、工具を使ってはめ込みます。
チェーンの動きを確認する(ピン)
「ピン」で結合すると、チェーンの動きが渋いことがあります。
ピンの位置が悪いこともあれば、ちゃんとした位置なのに仕方なくなるときもあります。
ピンを押し込んだ後、手で動きを確認してみてください。
チェーンの動きがかたくて、形状を記憶してしまうほどなら、直しましょう。
結合部分を中心にしてチェーンを両手で持ち、「グイグイ」と強い力をかけます。
親指を使って押したり、引っ張ったり。
何度か繰り返すと、ピンがうまくはまって、動きがよくなるはずです。
ラスペネや5-56など、潤滑油を一吹きするのも効果的ですね。
必ず動きをスムーズにしてから、使い始めましょう。
コネクトピンを折る(ピン)
ピンで結合した方のみ、ピンを折って終了です。
ペンチを使ってもいいですし、チェーンカッターの穴を使って折れるモデルもあります。
折れればOK。
最終確認
これで、チェーンの交換が終了です。
最後に、以下の項目をチェックしましょう。
- 変速はおかしくないか
- アウター×ローにしてもチェーンの長さは足りているか
- インナー×トップにした時、チェーンはたるんでいないか
- 特に異常はないか
お疲れさまでした!
よくある間違い3選
初心者によくある失敗を紹介します。
全て、チェーンを通す時の注意点ですね。
詳細は先述したので、再確認しましょう!
【歯飛びは大丈夫?】スプロケットの交換時期をチェック
チェーンを交換したら、チェックしなければいけないことがあります。
「スプロケットの摩耗」ですね。
スプロケットの摩耗が進んでいると、“歯飛び”を起こします。
力を加えた時に、チェーンが滑ってしまう現象です。
- 摩耗の確認方法
- 歯飛びとは具体的にどういうことか
- スプロケットも交換が必要かどうか
など、詳しくはこちらの記事で解説しています。
自転車チェーンの交換時期は?
新品のチェーンに交換したところですが、そもそも「チェーンの寿命」ってどのくらいかご存知ですか?
変速数やメンテの有無によって変わりますが、およそ「3-5000km」です。
変速段数 | 交換が必要になる距離(目安) |
6・7・8速チェーン | 4000-5000km |
9・10速チェーン | 3500-4000km |
11速チェーン | 3000km |
今後、この距離を目安に交換時期の管理をするといいでしょう。
詳細はこちらです。
チェーンの掃除と注油は必須!
誰しも、チェーンは良い状態で保ちたいと思いますよね。
ならば、メンテナンスは欠かせません。
「掃除&注油」のことです。
しっかりメンテナンスをすることで、2つのメリットがあります。
- 寿命を延ばす
- 走行パフォーマンスを向上
黒い汚れの残らない、完璧なチェーン掃除&注油方法について解説しておりますので、よければご覧ください。
この記事に書いてあることを実践すれば、チェーンの管理は完璧ですね。
さいごに
チェーンの交換ができるようになると、いいですね。
工賃が浮くだけでなく、万が一走行中にチェーンが切れてしまった時でも、直すことができるようになります。
本記事を見るまでは、チェーン交換を「難しそう」と思っていた方も多いでしょう。
しかし、意外と難しくないことは実感していただけたと思います。
そう、自転車のメカ作業は、意外と簡単なものばかりです。
今後もメンテナンス解説記事を投稿していきますから、よければまた、見に来てくださいね。
ご覧いただきありがとうございました!