
ロードバイクのバーテープがボロボロになってきたから、そろそろ交換したいなあ・・・
難しくなさそうだし、自分でチャレンジしてみようかな?
だから、初めてでも分かりやすいよう、バーテープの巻き方を教えてくれると嬉しいんだけど。
お店でやってもらうみたいに、綺麗に巻けるようになりたいなあ!!
こんな方にオススメの記事です。
【この記事で分かること】
- プロが教える!バーテープの巻き方(41枚の写真で解説)
- 綺麗に巻くためのコツ
- 初めての方でも巻きやすいオススメのバーテープ
- バーテープ交換と一緒に行うといいメンテナンス
ショップメカニックとして、これまでに何百回とバーテープを巻いてきた私が解説します。
ロードバイクに乗っている方で、気軽に取り組めるメンテナンスの一つに「バーテープ巻き」がありますよね。
必要なアイテムは家にあるものだけで揃いますし、誰でも行うことができます。
バーテープ巻きは一見簡単そうです。
見栄えがどうであれ「巻くだけ」なら、初めての方でもできるでしょう。
しかし、意外と“綺麗に”巻くのは難しかったりするんですね。
私も昔、動画を見て自分でやったことがありますが、プロとは程遠い出来栄えになってしまったことがあります。(笑)
そこで今回は、あなたも綺麗にバーテープが巻けるよう、沢山の画像を使って解説していきます。
難所であるシフトレバーの部分も詳しく解説しておりますので、安心してください。
それではどうぞ。
用意するアイテム
巻き方を解説する前に、以下のアイテムを手元に用意してください。
- バーテープ
- ハサミ
- セロハンテープ(約15cm×2)
- (必要なら)ビニールテープ
セロハンテープは、バーテープの巻き終わりで使います。
あらかじめカットしておかないと、バーテープから手を離した隙に緩んでしまうことがあります。
ですので、フレームや邪魔にならないところに張り付けるなどして、手に届くところに用意しておきましょう。
ビニールテープは、アウターケーブルを固定する際に使うことがあります。
詳しくは「事前準備」の項目で説明します。
【画像41枚】プロが教える!ロードバイクのバーテープの巻き方
バーテープを巻くまでの手順を、4つのパートに分けて解説します。
- 事前準備
- 下ハンドル
- シフトレバー付近
- 上ハンドル
それぞれ重要なポイントを含みますので、しっかりと確認しながら作業を進めてみてください。
では始めます。
事前準備
バーテープを巻き始める前に以下のことを済ませてください。
- ブラケットカバーをめくる
- 古いバーテープを剥がす
- アウターケーブルがハンドルに固定されているか確認
→テープが緩んでいたら、張り直し
ブラケットカバーをめくる
シフトレバーのゴム(ブラケットカバー)を、写真のようにめくってください。
簡単に破れてしまうものではありませんから、グッと引っ張ればOK。
古いバーテープを剥がす
説明不要ですが、古いバーテープは剥がしておいてください。
あまりにも跡(粘着テープ、バーテープのカス)が残ってしまったら、パーツクリーナーやテープ剥がしなどを吹きかけながら、綺麗にすると良いです。
完璧にゴミを除去するのが理想的ではありますが、多少残っていても問題ありません。
アウターケーブルがハンドルに固定されているか確認
バーテープをはがすと、アウターケーブル(黒いケーブル)が何かしらのテープで固定されているはず。
これが、写真のように緩んでしまっている時は、固定し直してください。
緩んでいるというのは、「ハンドルにぴったりくっついていない状態」を言います。
綺麗に巻かれている場合は、そのままで大丈夫です。
固定方法は、ビニールテープなどを使ってハンドルに巻き付けるだけ。
アウターケーブルを手で押さえつつ、テープにテンションを掛けながら巻き付けていきます。
写真のように全面的に巻いてもいいですし、部分的に3か所ほど巻いてもいいです。
だいたい写真の位置くらいまで巻きましょう。
あまりステム側まで巻きすぎると、バーテープを巻いた後に見えてしまうので気を付けてください。
下ハンドル
では、いよいよ巻き始めていきます。
下ハンドルパートで重要なポイントはこんな感じ。
- 巻き始め(スタート地点)のやり方
- バーエンドキャップの取り付けに関して
- バーテープを巻く“角度”と“幅”
一緒にやっていきましょう。
巻き始め(スタート地点)のやり方
まず、バーテープの粘着テープを出します。
一気に全部めくってもいいですし、巻きながら保護テープを剥がしていってもいいです。
全部めくる時は、粘着部分にゴミが付着しないよう注意してください。
バーテープの巻き始めは、写真のようにして巻きます。(正解はありませんが)
先端をハンドルの真下にセットした状態で、グルリと一周させます。
このとき、ハンドルから少しはみ出すようにバーテープを巻いてください。
はみ出していないと、次に行う「バーエンドキャップの取り付け」ができないからです。
バーエンドキャップの取り付けに関して
1~2周巻けたら、バーエンドキャップを取り付けます。

え?一番最初に取り付けるの?
他の人は最後って言ってたけど・・・
と思った方もいるでしょう。
なぜ最初にバーエンドキャップを取り付けるかというと、バーテープのはみ出し量によっては、入らないことがあるからです。
巻き終わりにエンドキャップを付けるのが一般的ですが、それでは入らない時に困ります。
全てほどくのも嫌ですよね。
なので、巻き直しができる最初に行うのがオススメ。
ちなみにですが、バーテープのはみだし量は「エンドキャップの形状」によって変えるといいですよ。
- 押し込むタイプ→はみだし量が「中~大」
- ネジ式で中で広がるタイプ→はみだし量が「小~中」
今回取り付けたバーエンドキャップはこちら。
押し込むタイプですが、ゴムのひだが多め。
はみだし量が多すぎると、きつくてハマらなくなる可能性があります。
なので、中程度(写真くらい)のはみだし量にしました。
同じはめ込むタイプでも、ゴムひだがないものもあります。
こういう場合は、「はみだし量多め」でセッティングします。
でないと、スカスカになってすぐに取れてしまうからです。
あとは、「ねじ式」があります。
これは、ねじを締めることでエンドキャップの胴体が広がり、ハンドル内で固定されます。
バーテープのはみだし量に関わらずガッチリ固定できるので、「小~中」程度でOK。
バーテープを巻く“角度”と“幅”
バーエンドキャップを固定できたら、下ハンドル部分への巻き付けていきます。
「一定の角度、一定の幅、一定の張り具合」を意識して、丁寧に巻いていきましょう。
巻く角度は人それぞれですが、初めは写真を参考にしてみてください。
幅は、粘着テープがハンドルに付くくらいを目安にするといいです。
あまり広すぎるとバーテープが巻けていないところ(ハンドルが見えている)が出やすいので、注意してください。
適宜裏表をみて、しっかり巻けているか確認しながら慎重に進めていきましょう。
シフトレバー手前まで巻けたら、次のパートに移ります。
このとき、シフトレバーとの間に「0.5巻き分」くらいの隙間を作っておくと、見た目がきれいになります。
私たちの場合、狭い時は一度ほどいて間隔を再調整したりしますが、初心者の方はどちらでもいいです。(難しいと思うので)
「プロのように」を目指すのであれば、レッツトライです(笑)
シフトレバー付近(8の字巻きのやり方)
難所に突入です。
0.5巻き分の隙間を残した上で(無くてもいいです)、写真のように「シフトレバー方向」へ巻き付けてください。
ぐるっと一周させます。
そうしたら、ハンドルの下側にくぐらせます。
逆から見るとこんな感じ。
そのまま次は、シフトレバーの下側をくぐります。
0.5巻き分の隙間を残していたのは、↓のようにするためです。
ハンドル側とレバー側に「0.5」ずつ巻くことで、綺麗に仕上がります。
隙間が無いと、この一か所だけ巻く間隔が狭くなってしまい、カッコ悪いです。
(あくまでも、完璧を求めるならですが)
これで、難しいシフトレバーのパートが終了です。
ちなみに、インスタにも簡単な動画を投稿しています。
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シフトレバー付近(目隠しテープを使うやり方)
バーテープの箱の中に、10cm程度にカットされたものが入っていることもありますよね。
これは「目隠しテープ」といって、シフトレバーのバンド部が見えるのを防ぐためのものです。
上記で紹介した「8の字巻き(目隠しテープなし)」と、目隠しテープを使った方法の2種類の巻き方があります。
どちらでもいいので、好みに合わせるといいでしょう。
初心者向けで簡単なのは、目隠しテープを使う方法です。
私は目隠しテープが入っていても、使わずに8の字巻きすることが多いです。
【目隠しテープを使うやり方を解説】
下ハンドルを巻くまでの手順は一緒です。
シフトレバー部まで巻けたら、目隠しテープをこのようにセットしてください。
8の字巻きのように複雑な動きはせず、回転方向を変えないまま、目隠しテープを一緒に巻き付けていきます。
こんな感じ。簡単でしょう?
上ハンドル
バーテープの位置がこのようになったら、あとはグルグル巻きつけていくだけ。
回転方向は「ハンドル内側→外側」です。
「あれれ?回転方向が違うぞ?」となった方は、シフトレバーのパートでミスがあります。
一度ほどいて、巻き直しましょう。
改めて、「一定の角度、一定の幅、一定の張り」を意識して、丁寧に巻きます。
ステムに沿って3本指を置いた位置までバーテープが巻けたら、いよいよ締めに入ります。
余分なバーテープをカット。
この時、ハンドルの真下で切り落とすと、末端が目立たなくて綺麗です。

切る角度を確認
立ち位置を変えて、ハンドル後方(サドル側)に立ってください。
バーテープの巻き終わりを“真っ直ぐ”にするため、斜めに切る必要があります。
まずは切る角度を確認するため、バーテープの角度は変えずに、ハサミを「ステムと平行」になるよう当てましょう。
それがカットするラインです。
どこまでカットするかは、写真の「ハサミの先端部分」つまり、アウターケーブルに被さるくらいの位置がいいでしょう。
目立たなくて綺麗だからです。
しかし、このままでは切りにくいので、一巻き分戻します。
左手でつまんでいる位置が、切り落とす位置です。
再確認すると、アウターケーブルに被さるくらいの位置ですね。
つまんでいたポイントに向かって、確認した角度でカットします。
切れました。
あとは、これまで巻いてきた角度に合わせてラスト一巻きすれば・・・
ステムと平行に、しかもバーテープの角度や間隔を崩さずに、巻き終わることができます。
指三本分の隙間も空いているので、バッチリです。
(※指三本分は目安なので、“絶対に”ではないです。ライトなどアクセサリーが多めなら、広く取りましょう。)
バーテープが緩まないよう片手で押さえつつ、近くに用意したセロハンテープを巻きます。
ピンピンにテンションを掛けて貼り付けてください。
付属の化粧テープを巻いて終了です。
テープの末端がハンドル下部にくるようにすると、より美しいです。
巻き終わりがコチラ。
反対側も同じ手順で巻いていきます。
ただし、巻き始めの方向が逆になるので注意してください。
左右どちらも、「ハンドル内側」に向かって巻き始めます。
そこさえ間違えなければ、あとは同じです。
お疲れさまでした。
【初心者向け】巻きやすいバーテープのオススメ
もうバーテープを買ってしまった方は遅いですが、「先に解説を見てから、実際にやってみよう!」という方もいますよね。
初めてバーテープ交換をするなら、この辺りのバーテープが巻きやすくてオススメ。
初心者にあまりオススメしないのは、
- 硬くて巻きにくいモノ(フィジーク、スパカズなど)
- 上下で色が違う「二色巻き」
ですかね。
特に「二色巻き」は、角度や幅の調整がシビアで難しいです。
伸びのある、巻きやすいもので練習してからの方がいいでしょう。
アウターケーブルは換えなくて大丈夫?
アウターケーブルは使うと劣化する消耗品。
新品に換えるなら、「バーテープ交換」のタイミングがベストです。
なぜなら、バーテープを剥さないと交換ができないから。
大体5000km以上走るとへたってきます。
といったトラブルの原因になりますので、5000km以上走っている方は一緒に交換するといいですよ。
さいごに
バーテープ交換は意外と難しかったのではないでしょうか。
綺麗に巻くために重要なポイントをおさらいします。
- バーエンドキャップは最初に付ける
- バーテープは「一定の角度、一定の幅、一定の張り」で巻く
- 巻き始めや、カット部分など、汚く見えてしまう部分はハンドル下部へ!
プラスで、「丁寧に巻こうとする“意識”」も重要ですかね(笑)
あなたにとってこの記事がお役に立てば幸いです。
ご覧いただきありがとうございました!
【これからメンテナンスに挑戦する初心者の方におすすめ!】