
ロードバイクのメンテナンスをやってみたいんだけど、どんな工具が必要になるのかな?
もちろん、行う作業によって必要な工具は変ってくるよね・・・
だからとりあえず、メンテナンスをする上で“欠かせない”と思うほど、共通して使用頻度の高い工具を教えてほしい。
こんな方にオススメの記事です。
【この記事で分かること】
- 持っていて損はない!ロードバイクのメンテナンスで欠かせない工具10選
- それぞれどんな時に使う工具なのか
- オススメする工具
自転車店でメカニックとして働く私が解説します。
これからロードバイクのメンテナンスをやってみようという方の中には、「どんな工具を揃えたらいいのだろう?」と悩んでいる方もいるのではないでしょうか。
本記事ではそんな方へ向けて、「メンテナンスに欠かせない工具10選」を紹介しています。
どれも本当に使う工具ばかりなので、揃えておいて損はないです。
是非ご覧ください。
ロードバイクのメンテナンスに欠かせない工具10選
私がロードバイクのメンテナンスに欠かせないと思う工具はこちらです。
使用頻度順に、よく使うであろうものから並べています。
- 六角レンチ
- プラスドライバー
- チェーンチェッカー
- タイヤレバー
- スプロケットリムーバー
- ペダルレンチ
- トルクスレンチ
- クランク工具
- ワイヤーカッター
- チェーンカッター
これらの工具を「一体どんな時に使うのか・なぜ必要不可欠なのか」を解説するとともに、私がオススメする工具についても紹介していきます。
六角レンチ
ロードバイクのメンテナンスには、六角レンチが必要不可欠です。
自転車界では「アーレンキー」と呼ばれますが、一般的には「ヘックスレンチ」とも呼ばれます。
なぜ必要不可欠かというと、ロードバイクに使われているボルトの多くが六角ネジだからです。
具体的にどんなところに使われているか、例を紹介します。
- ハンドル
- ステム
- シートクランプ
- サドル
- リアディレイラー
- フロントディレイラー
- ドリンクケージ
など・・・
探せばきりがないほどあります。
つまり、どんな作業をするにも六角レンチは必須。
なので、必ず用意しましょう。
セットになったものを購入すればOK。
オススメはこちら。
中には「携帯工具があるからいいや」という人もいるかもしれませんが、オススメはしません。
本格的にメンテナンスをするには作業性が悪すぎるし、トルク(力)がかからないためです。
ちゃんとした六角レンチのセットを用意すべきですね。
六角レンチの中でもよく使うサイズが、
- 4mm
- 5mm
この二種類です。
先ほど紹介した例のほとんどは、4mmか5mmの六角レンチがあれば作業のできるパーツです。
それほど使用頻度が高い。
なので、4mmと5mmの2種類については、セットで用意した六角レンチとは別に、T字ハンドルタイプを用意しておくと格段に作業がしやすくなります。
私が使っているのは、KTCのT字六角レンチです。
手頃な値段なのにもかかわらず、驚くほど使い易いのでオススメ。
それと、初心者の方にこそ用意すべきなのが「トルクレンチ」です。
トルクレンチとは、トルク(力加減)を確認できる工具のこと。
なぜ初心者の方にこそ使っていただきたいかというと、「適正なトルク感覚」が身についていないと思うからです。
それぞれのパーツ(ボルト)には、適正トルクがあります。
例えば、ステムの最大締め付けトルクが「5Nm」だとしましょう。
Nm(ニュートンメートル)というのは、トルクの単位です。
初心者の方だと、この「5Nm」という表記を見ても、具体的にどのくらいの感覚かって恐らく分からないですよね。
分からないままボルトを締めると、
- 締めすぎてパーツが壊れる・ネジ山が舐める
- 緩くてパーツが外れる・ガタツキが出る
といった危険性があります。
特に、デリケートな素材であるカーボンの自転車にお乗りの方は注意が必要です。
最悪フレームが割れて、使い物にならなくなります。
そうなっては嫌ではないですか?
なので、
- メンテナンスを始める方
- 「トルク」の感覚が分からない方
は、トルクレンチを持っておくと安心です。
本当はデジタル計の付いたものが良いのですが、それだと高すぎるので、“5Nm”がわかるアナログなトルクレンチがあればOK。
なぜ5Nmかというと、それをおよその基準としたパーツが多いからです。
例えば、ステムやハンドル、シートクランプなどがそうです。
5Nmの感覚が分かるようになれば、それを基準として安心して作業ができるようになりますよ。
だから、初心者にこそ使っていただきたい工具です。
オススメのトルクレンチはこちら。
六角レンチの2/3/4/5/6mmとトルクスレンチ(後述します)のT25サイズが付いているので、ロードバイクで使うにはピッタリです。
プラスドライバー
プラスドライバーは、フロントディレイラー・リアディレイラーの調整や、アタッチメントの取り付けなどに使います。
六角レンチほどの使用頻度はありませんが、必要になるシチュエーションが多い工具です。
オススメのプラスドライバーは、ベッセルのもの。
価格の割に、とっても使いやすく、お気に入り。
ネジにガッチリ食いついてくれるので、トルクを掛けても滑りにくいです。
チェーンチェッカー
チェーンチェッカーとは、チェーンの伸びを測る工具です。
チェッカーを使うことで“チェーンの伸び率”を測ることができ、交換が必要かどうかの確認することができます。
タイヤやブレーキシューなどの消耗品は目視で確認できますが、チェーンの伸びは目視では分かりにくいですよね。
なぜなら、寿命を迎えたチェーンの伸び率は、全体の約1%にすぎないからです。
長さにして、たった1-2cm程度。
なので、定期的にチェーンチェッカーを使って交換の時期を確認することが大切です。
オススメのチェーンチェッカーについては、こちらの記事をご覧ください。
タイヤレバー
タイヤレバーは、タイヤを外す時に使う工具です。
タイヤ交換、チューブ交換(パンク修理)の時に使います。
初心者が初めの頃に覚えるメンテナンスの一つに「チューブ交換」は絶対だと思うので、用意しておきましょう。
これができるようになれば、出先でのパンク修理にも対応できるようになりますよ。
オススメのタイヤレバーは2つ。
出先で使うなら、連結してまとめられるパナレーサーのタイヤレバーがオススメ。
家で使うなら、マルニのタイヤレバーが個人的に一番使いやすくてオススメです。
スプロケットリムーバー
スプロケットリムーバーとは、スプロケットを外す工具です。
2つセットで使います。
スプロケットを外すシーンは、こんな感じ。
- 掃除をしたい時
- スプロケットを交換する時
- Rスポークを交換する時
特に、掃除をするために外すことが多いと思います。
結構汚れが溜まりやすいパーツだからです。
スプロケットを外すのは、実はとっても簡単。
誰でも出来るといってもいいくらいの難易度なので、是非チャレンジしてみてください。
工具及びスプロケットの外し方については、こちらの記事で解説しています。
ペダルレンチ
ペダルレンチは、ペダルを外す時に使います。
頻度は高くありませんが、恐らく多くの人がチャレンジしたいと思うメンテナンスなのではないでしょうか。
例えば、初心者の方だと、フラットペダルからSPDに交換する時なんかにやりたいと思いますよね。
ペダルの取り付けに使う工具は2種類あって、
- ペダルレンチ
- 六角レンチ
このどちらかです。
ペダルによって、変わります。
基本的にペダルレンチがあればOK。オススメはこれです。
しかし、一部ペダル(SPD-SLなど)は、六角レンチで取り付けをします。
六角レンチと言っても、上記で説明した六角レンチセットのものでは、最適ではありません。
柄が短いのと、本体の剛性がないので、力を加えるのが難しいからです。
なので、ペダル用の六角レンチを用意するのがオススメです。
トルクスレンチ
トルクスレンチとは、星形になったレンチのことです。
一部の高級な自転車のハンドル周りに使われていることが多いです。
なので、そういう方は用意した方がいい(というか六角レンチの代わりなので必須)ですが、トルクスネジが使われていない方はあまり必要ないです。
ただ、シマノのホローテック2のクランクのチェーンリングを外す際には、トルクスレンチのT30というサイズを使います。
この作業を行う方は用意するといいでしょう。
セットで買ってもいいですが、「トルクスはクランクしか使わない」というのなら、シマノの純正工具でOKです。
クランク取り付け工具[TL-FC16]
上の項目で説明したのと同じく、シマノのホローテック2のクランクを外すなら、この専用工具が必要不可欠です。
- 「クランクを外してグリスアップしたい!」
- 「クランク(チェーンリング)が汚いからちゃんと洗いたい!」
という方は、この工具を用意しましょう。
逆に言えば、ホローテック2のクランクでなければ使い道はないです。
ワイヤーカッター
メンテナンスに慣れてきた中級者の方は、シフトやブレーキのワイヤーを交換することもあるでしょう。
そんな時に使うのが、ワイヤーカッターです。
インナーワイヤーを切断したり、アウターケーシングを切ったりする時に使います。
初心者の方はあまり使わないと思いますが、この作業ができるようになると、結構な高頻度で使うようになると思います。欠かせない工具の一つです。
オススメのワイヤーカッターはこちら。
チェーンカッター
チェーンを切る時、繋げる時に使うのが「チェーンカッター」です。
これもワイヤーカッターと一緒で、出来るようになると割と使うことが多い工具。
チェーンの交換は一見難しそうに感じますが、ポイントさえ抑えれば、出来る内容です。
変速のように“調整”が必要のないメンテナンスなので、手は出しやすいですよ。
チェーンカッターのオススメはこちら。
工具はセットとバラで揃えるのはどっちがいい?
アマゾンなどで調べると、ロードバイクのメンテナンス用にセットになった手頃な工具が売られていますよね。
例えばこんなのです。
今まで私が紹介してきたように、工具を一つずつ揃えるのか、セットで買った方がいいのか、迷う方もいると思います。
そんな時の選び方としては「使う頻度」で考えるといいと思います。
- あまりメンテナンスをしない⇒手頃なセット
- 頻繁にメンテナンスをする⇒割高だが、バラで揃える
なんでかというと、手頃な工具セットは、耐久性や精度もそれなりだからです。
例えば、そのセットの中にある「六角レンチ」を自転車ショップで使ったとしましょう。
一日中作業に使いますし、時には強い力を加えられることもあるでしょう。
そんな頻繁に使うシチュエーションで安物の工具を使ってしまうと、恐らくすぐに壊れます。
六角レンチがねじれたり、曲がったり、削れてかみ合わせが悪くなったりするでしょう。
それに、精度が悪いので、使いにくくてストレスになったり、パーツを傷つけたりすることになると考えられます。
なので、自転車屋さんで使う工具はプロ用の高価なモノを使っているんですよね。
つまり、精度が良くて、かつ耐久性が高いもの。
値段は高いけど、長持ちするので、結果的に安価なものを買うよりお得になることもあります。
ですので、このように頻繁にメンテナンスする方は、手頃なセットは向いていないです。
バラバラに、気に入ったものを揃えていくのがいいでしょう。
あるいは、もしセットでまとめて買いたいというなら、シマノの工具セットがオススメです。
もちろん、値段も値段ですが(笑)
そうではなくて、メンテナンスの頻度が少ない方は、基本的に手頃なセットでOK。
あまり使わないので、耐久性や精度も、それほど重視しなくていいからです。
ホームメカニックでちょっと使う分には、とてもコスパの良い商品だと思いますね。
まとめ
ロードバイクのメンテナンスに欠かせない工具を改めてまとめます。
- 六角レンチ
- プラスドライバー
- チェーンチェッカー
- タイヤレバー
- スプロケットリムーバー
- ペダルレンチ
- トルクスレンチ
- クランク工具
- ワイヤーカッター
- チェーンカッター
どれもよく使う工具なので、メンテナンスを本格的に始めようと思っている方は参考にしてみてください。
なお、工具の選び方としては、
- 使用頻度が高くなりそうなら⇒バラで、お気に入りの工具を
- 使用頻度が低いなら⇒お手頃でコスパの良いセットの工具を
買うと良いと思いますよ!
このまとめが役に立てば幸いです。
ご覧いただきありがとうございました!