ロードバイクのメンテナンスに挑戦してみようと思うんだけど、初心者の自分でも本当にうまくできるかなあ?
めっちゃ心配だ、、、
もし、初心者が失敗しやすい箇所があるなら、先に知っておきたいな!
そうしたら、自分がやる時に注意しながら作業できるでしょ?
こんな方にオススメの記事です。
【この記事で分かること】
- 初心者がロードバイクメンテナンスでやりがちなミス11選
- どんな作業をした時に起こるミスなのか
- 具体的な失敗の内容と、本来の正しいやり方
- 参考になる記事や動画
ご存知の方もいるとは思いますが、私は現在自転車ショップのメカニックとして働いています。
お客様の自転車を整備点検することが、大切な仕事の一つです。
点検に持ち込まれるお客様の中には、このような方がいらっしゃいます。
- 自分でメンテナンス(交換作業など)をしたから、ちゃんとできてるかチェックしてほしい
- メンテナンスにチャレンジしたら、うまくできなかった。何がいけなかったのか教えて欲しい
私は、“初心者の方”が初めて自分でメンテナンスをした自転車を、何台もチェックしてきました。
そうするうちに、「初心者がロードバイクメンテナンスでやりがちなミス」の傾向が分かるようになってきたんですよね。
ですので、この記事で全てお伝えしようと思います。
なぜ伝えるのか。それは、「あなたに同じ失敗をしてほしくないから」です。
失敗しがちなポイントを知っていれば、自分でやる時に注意しながらできますよね?
つまり、ミスをする確率が減りますよね?
今後、自分でメンテナンスをしようと思っている方は、ぜひ全ての項目に目を通して覚えておいてください。
忘れないよう、ブックマーク等しておくのがオススメです。
では紹介に移ります。
【注意!】初心者がロードバイクメンテナンスでやりがちなミス11選
メンテナンスに不慣れな初心者の方が、よく失敗するポイントはこちらです。
- パンク修理でタイヤレバーを使ってチューブに穴をあける
- タイヤのローテーションが逆
- ボルトの締めすぎ・緩すぎ
- バーテープがうまく巻けていない
- チェーンオイルの付けすぎ
- ヘッドのガタが取れていない
- チェーンの裏表が逆
- チェーンの接合向きが違う
- チェーンが長すぎる
- 変速調整にトライして、設定がグチャグチャ
- アウターケーブルが短すぎる
それぞれ詳しく解説します。
パンク修理でタイヤレバーを使ってチューブに穴をあける
本当によくあるミスの一つ。
タイヤを入れる際にレバーを使ったことにより、チューブに穴をあけてしまう方は非常に多いです。
ここでのミスは「穴をあけてしまったこと」ではなく、そもそもタイヤレバーを使ったこと自体を指します。
基本的に、タイヤレバーを使ってはめてはいけません。
初心者の方チューブ交換(タイヤ交換)に挑戦すると、ほとんどの方が「固くて入らない!」といいます。
そこでネットで調べ、「レバーを使おう」と書いてある記事を参考にし、信じて使ってしまった結果、穴を開けてしまうという事例が本当によくあります。
確かに、自転車ショップでも、どうしても固くて入らない時はタイヤレバーを使いますよ。
しかし、タイヤレバーを使うほど固いことは、体感で30~40回に1回くらいの頻度なんですね。
そう、ほとんどのタイヤは手で入るのです。
ではなぜ、初心者のほとんどの方が、「固くて入らない」というのか。
それは、単に「やり方が悪いだけ」です。
タイヤをはめる時にはコツがあって、タイヤの固い部分(ビード)をなるべくリムの中央に寄せます。
すると、手の力だけでスルスルポンッと入るようになるのです。
実際私は「固くてハマらない」と困っている方の目の前で、いとも簡単にはめたことがあります。
その時は、「楽に入る魔法でも使ってるんですか?」といわれました(笑)
初心者の方は「ハマればいい」としか思っていないので、この作業の必要性を知りません。
ですから、「固くてハマらない」と困るのです。
まずは、タイヤレバーを使う前に、ちゃんとした位置にビードが落ちているかを確認して下さい。
こちらの動画内で、私が言いたいことの解説をしています。目を通すといいですよ。
粘って粘って、それでもどうにも手の力では入りきらないと思ったら、ここでようやくタイヤレバーを使います。
あくまでも、手の力でやり切ったあとの最終手段です。
間違っても一番最初からレバーを使うのはやめましょう。
チューブをえぐって穴をあけ、パンクするリスクが非常に高いですからね。
タイヤのローテーションが逆
タイヤには「ローテーション(回転方向)」があるのをご存知ですか?
厳密に言えば、
- ローテーションがあるタイヤ
- ローテーションがないタイヤ
の二種類がありますが。
これを知らないと、タイヤを逆に取り付けてしまうことがあります。
初心者がやりがちなミスです。
タイヤを取り付ける時は、必ずローテーションがないかどうかをチェックしてください。
タイヤの側面をぐるっと見渡すと、どこかに表記があるはずです。
「→(矢印マーク」や「direction」と書いてあったりします。
ローテーションがある時は、その方向に合わせて取り付けましょう。
ローテーションの表記がなければ、どちら向きに付けても構いません。
ボルトの締めすぎ・緩すぎ
作業全般におけることなのですが、「ボルトの締め付け」が強すぎたり、弱すぎたりする方がいます。
厳密に言えばそれぞれのパーツに「締め付けトルク」が決まっているので、適切な力加減でボルトを締めるようにしましょう。
そもそもなぜ初心者の方が締め付け具合をミスするかというと、「適性」が分かっていないからです。
例えば、ステムのボルトが「5Nm」の締め付けトルクだと表記があっても、よく分からないですよね。
強いのか、弱いのかもサッパリだと思います。
力加減の伝え方は非常に難しく、文字や動画で説明しても、具体的に伝えることができません。
そんな時にオススメなのが、「トルクレンチ」です。
初心者の方は使ってみるのがオススメ。
トルクレンチとは、力加減を可視化できるアイテムです。
設定された以上に力が加わらないよう、一定の力で固定するための工具。
これを使えば、「○○Nm」の力加減が分かるようになり、ボルトを適正な力で締めることができますよ。
締めすぎても、緩すぎても危ないので、初心者の方は一つ用意しておくとミスを防げます。
特に、カーボンバイクに乗っている方は必須でしょう。
バーテープがうまく巻けていない
バーテープは“巻くだけ”に見えて、意外に難しい作業。
グチャグチャになってしまっている方が多いです。
私も昔はそうでして、特にSTIレバーのところの巻き方が全く分かりませんでした。
適当に巻いた結果、外からハンドルが見える部分があったり、見た目が汚かったりした覚えがあります。
バーテープは、巻き方をしっかり覚えれば、誰でもできるメンテナンスです。
綺麗に巻けるコツをこちらの記事で詳しく解説しておりますので、是非ご確認ください。
チェーンオイルの付けすぎ
最もやりがちなミスを紹介します。
「チェーンオイルの付けすぎ」です。
原因は恐らく、
- 掃除する必要性を知らないから
- 適量を知らないから
だと思います。
注油をする時は、必ず“洗浄”とセットで行いましょう。
なぜなら、洗浄をしないと、いつまでたっても付着したゴミが取れないからです。
そして、汚れた黒い油も付きっぱなし。
チェーンにゴミが付いていると、寿命を縮めます。
ゴミが研磨剤となって、漕ぐたびに金属を削ってしまうんですね。
なので、チェーンを長く使うためには、掃除は必須です。
そして、掃除をしたら注油をしますが、決して付けすぎてはいけません。
オイルを付けすぎると、ゴミを拾いやすくなります。
ゴミを拾うと、それが抵抗となって、回転を重くしてしまうんですよね。
ですので、オイルは適量付けるのがポイント。
洗浄方法と注油手順については、こちらの記事で解説しています。
チェーンのメンテナンスに自信がない方は、一度目を通すといいでしょう。
ヘッドのガタが取れていない
トップキャップボルトを触った方の7割以上が、ヘッドのガタツキを取らずに固定してしまっています。
ステムの高さを変えるときなど、ステムにあるボルトをいじる時は要注意。
トップキャップボルトととは、ステムのてっぺんにあるボルトのことです。
よく勘違いされるのですが、このボルトの役割はステムを固定することではありません。
フォークを引き上げることでヘッドのガタツキを取りつつ、ベアリングへの当りを調整するためのボルトです。
ヘッド部分の構造を知ると、理解しやすいと思います。
このボルトをゆるゆるの状態でステムを留めてしまい、ヘッドがガタガタの状態になっている自転車をよく見ます。
ステムのトップキャップボルトを触った後は、必ず「ガタツキが無いか」をチェックした上で、固定するようにしましょう。
詳しくはこちらの記事で解説しています。
チェーンの裏表が逆
チェーン交換におけるミスです。
チェーンには裏表が設定されているモノもありますので、間違えないようにしましょう。
どのように確認したらいいか。(シマノの場合)
チェーンを交換する際に裏表を確認して、
- 両面とも文字が書いてある→向きなし
- 片面にしか文字が書いていない→向きあり(文字がある方が表)
となっています。
これを間違えると変速性能が悪くなったり、チェーンが落ちやすくなったりする(というか、本来の性能が発揮されなくなる)ので、必ずチェックしましょう。
チェーンの接合向きが違う
チェーン交換におけるミスの2つ目です。
チェーンをつなげる時には「向き」がありますが、ご存じでしょうか?
知らずに取り付けている方も多いです。
向きというのは、チェーンの進行方向の前側のアウターリンクの穴にセットするようにします。
つまり、ペダルを漕いだ時にインナーリンクがアウターリンクを引っ張るような形ですね。
言葉では分かりにくいと思うので、シマノのマニュアルをご覧ください。
これを反対にして取り付ける方が少なくありません。
注意して取り付けてください。
チェーンが長すぎる
チェーン交換におけるミスの3つ目です。
「チェーンが長すぎる」という失敗をする方もよく見かけます。
自転車のチェーンは、取り付ける前に一度カットする必要があります。
この長さは自転車によって変わるため、それぞれ測ってからカットして取り付けなければいけません。
それを知らずに、新品のチェーンを切らずにつけてしまう方がいるんですよね。
それではチェーンがだるんだるんになって悪影響出まくりなので、「カット」が必要なことを忘れないでください。
変速調整にトライして、設定がグチャグチャ
変速調整にチャレンジする方は多いですが、ほぼ100%の人がどちらかのミスをします。
変速調整は難しいので、動画を見ただけで完璧にできる人はまずいないと思った方がいいでしょう。
なので、自分で調整をした後は、必ずプロにチェックしてもらうようのがオススメ。
でないと危険だからです。
特に危険なのが「アジャストボルトの設定ミス」でして、このボルトはFD/RDの可動域を調整するためのボルトです。
ボルトが緩んでいる状態だと、ディレイラーがおかしなところまで動いてしまうんですね。
例えばリアディレイラーのL側アジャストボルトが緩んでいたとすると、リアディレイラーが動きすぎてチェーンがホイール側に落ちてしまうことも考えられます。
するとどうなるか。
ホイールがチェーンを巻き込み、リアディレイラーごとぶっ飛びます。
場合によっては大事故になるでしょう。
しかし、初心者の方は、「ミスしている状態を“ミス”だ」と気づきません。
その状態で走っている方もいるのが事実です、、、
ですから、仮にうまく調整ができたと感じた場合でも、必ずプロの目でチェックしてもらうようにしてください。
アウターケーブルが短すぎる
自分でアウターケーブルを交換した人がやりがちなミス。
「アウターケーブルが短すぎる」です。
アウターケーブルは短いと危険なので、注意しましょう。
例えば、リアブレーキアウターが短かったとすると、ハンドルを切ると勝手にブレーキがかかるようになってしまいます。
つまり、コーナリングの途中でブレーキがかかるかも、、、というわけです。
とても危ないですよね。
なので、アウターケーブルをカットする際は、ハンドルを切っても余裕がある程度の長さにしましょう。
これは自転車によって変わるので、一概に「○○cm」ということはできません。
(それが難しい要因かも・・・)
まとめ
メンテナンスに不慣れな初心者の方がよくミスをするポイントを再確認します。
これから上記のメンテナンスを行おうと考えている方は、同じ失敗をしないよう注意して取り組んでくださいね。
メンテナンス本を一冊持っておくと、困ったときに役立ちます。
メンテナンスができると、もっと自転車が楽しくなりますよー!