
自転車のサドルの高さを調整したいのだけど、どうやったらできるのだろう?
レバーをどうにかすれば動くと思うけど、どっちに回せばいいか分からなくて…。
もうちょっと乗り心地をよくしたいから、高さの調整方法について教えて欲しい。
こんな方にオススメの記事です。
【この記事で分かること】
- (一般的な)自転車のサドルの高さを調整する方法
- レバーが固くて緩まない…という悩み
- サビて棒が動かない時の対処法
- サドルを目いっぱい高くする時の「限界線」の存在

自転車ショップでメカニックとして働く私が解説します!
サドルの高さを調整する方法はとても簡単…ですが、意外に知らない方も多いですよね。
本記事で学び、実際にやってみて下さい。
【上げる/下げる】自転車サドルの高さを調整する方法
どのようにサドルの高さを変えるのか?
まずは全体の流れから把握しましょう。
…たったこれだけ。
画像を使って、各項目を詳しく解説していきます。
レバーを握り、反時計回りに緩ませる
サドル座面の下部分にレバーがあります。
レバーを握り「反時計回り(左回転)」に力を加え、緩めましょう。
ちなみにですが、よくこんな相談を受けます。

固すぎてビクともしない。全然緩まないんだけど…
確かに、サドルのレバーは固く締められています。
特に女性の方や高齢の方ですと、力が足りずに緩められないこともあるでしょう。
どうにも無理ならば男性の方にやってもらうか、お店に持って行くといいかなと思います。

「お店の人が締めすぎなんじゃない!?
こんなの自分で調整できないじゃん!」
という声もあるのですが、決して締めすぎではありません。
というのも、サドルのレバーは結構ガチガチに締めないと、サドルが動いてズレてしまうんですよね。固定力不足。非常に危険。
「女性の方でも軽い力で出来るよう、あえて緩く締めておく」ということはできませんので、悪しからず。
高さを調整し、固定したい位置で“真っ直ぐ”持っておく
レバーが緩まったら、サドルが上下に調整できるようになります。
好みの位置に調整しましょう。
なお、サドルの高さには限界がありますので要注意です。
(※「レバーを緩めても動かない時の対処法」「高さの限界とは」については、後ほど解説します。)
位置が決まったら、サドルを固定(レバーを右回転)する前に…
必ず「サドルがフレームに対して真っ直ぐか」を確認。

サドル後方から見たとき、「サドルの先端がフレームと一直線」になればOKです。
レバーを握り、時計回りで締め、ガッチリ固定する
左手でサドルを持ち「任意の高さ」「フレームと一直線」の位置で保持しつつ、右手でレバーを締めていきます。
締める時は「時計回り(右回り)」です。
レバーの位置によって力が加えにくくなったりするので、適宜位置をずらしながらグイグイ締めていきましょう。※レバーは水平方向に位置替え出来ます。
サドルの鼻を拳で叩き、簡単にズレないか確認

レバーはどこまで締めこんだらいいの?
もうだいぶ固くなってきたけど…

最後にサドルを横から叩き、ズレなければ固定力は十分です!
それ以上レバーは締めなくてOK。
ある程度レバーを締めこんだら、最後、確認のためにサドルを横から叩きます。
サドルの先端へグーパンを“ドンッ”と当ててください。
強さは「自分の太ももを叩いて“ちょっと痛い”と思うくらい」ですかね(笑)
右から2回/左から2回程度叩き、サドルがズレる様子が無ければ大丈夫です。
そのまま乗ってOK。
逆にズレてしまう場合は固定力不足ですので、叩き直してサドルを“真っ直ぐ”に戻し、もっとレバーを締めこんでください。
そしてまた確認をし、ズレなければ終了です。
あらためて触れますが、この「ズレない締め付け力」がサドルの固定には必要です。
実際、自転車の整備士試験でも「サドルの固定力」がチェックポイントの一つ。
簡単に動いてはいけないのです。走行中にズレたら危ないから。
「お店の人がやったらレバーが固すぎて動かない」と思うかもですが、安全に走行するためにはこれだけの締め付けが必要だと理解しましょう。
【上がらない?】サドルが錆びて動かない時は…
雨風に当たって自転車が錆びてしまっている場合、レバーを緩めてもサドルが動かないことがあります。
まずサドルを両手でグッと握り、横方向にひねってみて下さい。
それで動く様子があれば、少しずつでも動かしていきましょう。
それでも全くビクともしないなら、注油して様子見ですね。
レバー部及びサドルの棒(フレーム内に浸透するように)に対してオイルを吹きかけます。
5分ほど置き、再度トライ。
オイルがうまく効いてくれればヌルッと動くようになっているかもです。
まだ動かない場合は、またオイルを掛けて→時間をおいて→動かしてみて…の繰り返しですね。
どうにも動きそうにないなら自転車屋さんで見てもらいましょう。
【要注意】サドルの高さは限界がある
サドルを上げる時の高さには限界があることをご存知ですか。
自分でサドルを上げた方で、「限界を超えてしまっている」例は結構多いので要注意。
サドルの高さを上げていくと、だんだん棒が出てきますよね。
ある一定のところまで出てくると、こんな点線→(|||||)が見えるはずです。
これが「サドルの限界線」でして、これ以上上げてはいけません。
点線の位置が、上げられる最大の高さということです。
棒が長く飛び出るので、てこの原理で体重の負荷がより大きくかかってしまうからです。
棒がある限りどこまででも上げられるわけではないので、注意してくださいね。
まとめ
最後に、本記事の要点をまとめます。
【自転車のサドルの高さを調整する方法】
- レバーを握り、反時計回りに緩ませる
- 高さを調整し、固定したい位置で“真っ直ぐ”持っておく
- レバーを握り、時計回りで締め、ガッチリ固定する
- サドルの鼻を拳で叩き、簡単にズレないか確認
- 錆びて動かない時はオイルを吹いて様子見
- サドルの高さには限界がある
サドルの高さ調整は、レバー一つで簡単にできます。
工具も何もいりません。
紹介した画像を参考にしつつ、実践してみて下さいね。
最後までご覧いただきありがとうございました。