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【ロードバイク/クロスバイク】ハンドルの高さや角度の調整方法

ロードバイク、クロスバイクのハンドルの高さや角度を調整する方法
悩んでいる人
悩んでいる人

ロードバイクやクロスバイクなどのスポーツタイプの自転車に乗っているんだけど、ハンドルの高さを変えたり、角度を変えたりするにはどうしたらいいの?

初心者の私にも分かるように教えてもらえると嬉しいんだけど・・・

このような方にオススメの記事です。

 

【この記事で分かること】

  • ハンドルの「角度」を調整する方法について
  • ハンドルの「高さ」を調整する方法について
  • 調整で使う工具
  • トップキャップの締め付けトルク
  • ステムの締め付けトルク
  • ハンドルにガタツキがある時の対処法
かける
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自転車店でメカニックとして働く私が解説します!

ステムの種類を確認

ロードバイク、クロスバイクのハンドルの高さや角度を調整する方法

記事の本題へ入る前に、ステムの種類を確認して下さい。

本記事で調整に使うステムのタイプは「アヘッドステム」というものです。

 

ステムとは自転車の「首」にあたるパーツのことで、主に2種類あります。

  1. スレッドステム
  2. アヘッドステム

 

記事のタイトルには「ロードバイク/クロスバイク~」と書きましたが、これはweb上での検索で見つかりやすいようあえて書いたもので、実際は車種ではなくてステムの種類で調整の方法が変わります。

スレッドステムとは

「スレッドステム」は、主にママチャリやクロモリ(鉄)フレームのスポーツバイクに使われていることが多い細身のステムです。

アヘッドステムとは

アヘッドステム」というタイプのステムは、ロードバイクやクロスバイク、マウンテンバイクなどのスポーツバイクをメインに使われています。

 

本記事では「アヘッドステム」を使った自転車の調整方法について説明していきますので、作業を始める前にステムの種類が同じかを確認してください。

 

では、本題である「ハンドルの調整方法」について詳しく紹介していきます。

使用する工具

ハンドルの角度・高さの使用する工具

【六角レンチの4mmと5mm】

を使うことが多いです。

 

しかしステムによっては6mmの六角レンチを使ったり、トルクスレンチという星形の工具が必要になることもありますので、一概に断言することはできません。

 

ステムに使われているボルトのサイズに合わせて工具を用意してくださいね。

 

携帯工具をお持ちであれば恐らく対応できると思います。

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【ロードバイク/クロスバイク】ハンドルの“角度”を調整する方法

まず最初に【ハンドルの角度を調整する方法】について紹介します。

 

高さの調整」は次の項目で説明しますので、そちらの情報が知りたい方は飛ばして頂いて構いません。

ただし、大切なポイントである「ボルトの締め付け具合(力加減)」については本項目内で行いますので、必ず目を通すようにしていただけると嬉しいです。

 

では早速作業方法に入っていきます。

ステム前方についたボルトを緩める

始めに、ハンドルを固定しているステム前方についたボルトを緩めていきます。

ボルトの数が4本だとは限らず、2本の場合もあります。

 

どのボルトから緩めても構いませんが、どちらか一辺のボルトを緩めるだけでハンドルを動かすことができます。

もちろん全てのボルトを緩めてもOKです。(そちらが正しいやり方です。)

 

例えば写真のように4本ボルトがある場合は、上側(あるいは下側)にあるボルト二本だけを緩めれば作業はできます。

ボルトを完全に抜く必要はないので、こんなゆるゆるの状態になっていれば大丈夫です。

好きな角度に設定する

ボルトを緩めたことでハンドルの固定が解けたので、好きな角度に合わせ、その状態で手を止めます。

 

この時、ハンドルがしっかりと真ん中にセットされているか確認してください。

ハンドル側に何かしらの目印があると思います。

ボルトを締める

ハンドルの角度が決まったら、その状態をキープしながらボルトを締めていきます。

緩めた上側2本を締めた後、全てのボルトの締め付けをチェックします。

ボルトの締め付けの力加減について

しかし、初心者で作業に慣れていない方だとこのように思う方もいるでしょう。

ギモンの声
ギモンの声

ボルトってどのくらいの力で締め付ければいいの?

答えはステムに書いてあることが多いです。

 

例えばこの写真のステムを見てみましょう。

「48lbf.in」「5.5 N.m」という表記がありますが、これがボルトの締め付けトルクを表しています。

トルクとは締め付けの力加減」のことで、単位には「Nm(ニュートンメートル)」の方が一般的に良く使われますね。

 

この締め付けトルクに従ってボルトに力を加えていきます。

 

中には表記がないステムもありますが、大体「5-6Nm」あればハンドルをしっかり固定することができますよ。

締め付けトルクを確認するには

しかし、説明を聞いたほとんど全ての方がこのように思っていることでしょう。

ギモンの声
ギモンの声

具体的な締め付けトルクがその数値だというのは分かりました。

ところでその力加減をどうやって測ればいいの?

 

動画にしろブログにしろ、具体的な力加減をで伝えるのはとても難しいです。

 

しかし、締め付けトルクを数値化して、誰でも正確な力加減でボルトを締める方法があります。

 

トルクレンチ」というアイテムを使ったやり方です。

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このアイテムを使うことで、具体的な締め付けトルクを目視で確認することができるようになります。

 

締め付けが緩いと力を加えたときにズレてしまってとても危険ですし、かといって強すぎる力で締め付けてしまうとパーツの破損につながってしまうこともあります。

特にカーボンパーツを使っている方は要注意で、最大トルクを守らないと「パキッ」と簡単に割れてしまうほど繊細な素材なのです。

 

今回のハンドル調整はもちろん、厳密にいえば全ての調整で「トルク管理」が必要になります。

具体的な締め加減が分からず不安な方は、是非トルクレンチを使ってその“感覚”を覚えてみてください。

最終確認

ボルトをしっかりと留めたら、ハンドルに対してグッと体重をかけてズレてしまわないか確認しましょう。

 

無事チェックができたら作業は終了です。

【ロードバイク/クロスバイク】ハンドルの“高さ”を調整する方法

次に、「ハンドルの高さを調整する方法」について説明します。

ボルトを緩める

ハンドルの高さを変えるためには、ステムを一度外す必要があります。

まずはステムを固定しているボルトを緩めていきましょう。

 

  1. 側面のボルト(2本)
  2. 上部のボルト(1本)

の順にボルトを緩めていきます。

側面のボルト

始めに作業するのはステム側面についたボルトです。

 

多くの場合2本あるので、これらを半時計回しで緩めていきます。

ボルトを抜き切る必要はなく、固定力がなくなるまで緩めればOKです。

上部のボルト

次に、ステム上部にあるボルトを緩めていきます。

 

ステムの一番上にある”フタ”のことを「トップキャップ」と言い、そこのボルトを「トップキャップボルト」と呼びます。

 

トップキャップがあるとステムを抜くことができないため、トップキャップボルトが完全に抜けるまで緩めます。

ステムを取り外す

トップキャップを取り外したら、ステムを手で持って上方向に引き抜きます。

これで取り外すことができました。

 

引き抜いたハンドル及びステムはこんな感じで置いておくか、片手で持ったまま以下の作業をしてください。

スペーサーで高さを調節

ステムを取り付けるパイプのことを「フォークコラム」というのですが、そこにはステムの他にいくつか円形のパーツが取り付けられています。

これは「コラムスペーサー」と言うもので、ステムの高さを調整するために組み込まれているパーツです。

 

上の写真の場合、4枚のスペーサーが取り付けられています。

上から順に、

  • 10mm
  • 5mm
  • 7mm
  • 7mm

の4枚です。

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ハンドルの高さの調整幅は「コラムスペーサーの高さ」に依存します。

スペーサーがある高さ分だけ、ステムの取り付け位置を調整することができます。

ハンドルを下げる時は

元々4枚のスペーサーが挿入されており、ステム(ハンドル)が一番高い位置にありました。

そこからスペーサー2枚分(10mm+5mm=15mm)を下げると仮定して、作業を説明します。

 

1.ステムを取り外した状態で、ハンドルを下げたい分だけスペーサーを取り除きます。

10mmと5mmのスペーサーを一枚ずつ外しました。

 

2.ステムを取り付けます

 

3.取り外した2枚のスペーサーを、ステムの上に挿入します。

これでステムをスペーサー2枚分(計15mm)を下げることができました。

下げたい分だけスペーサーを抜き、抜いた分だけステムの上に取り付けるだけでOKです。

 

続きについては後で解説しますね。

ハンドルを上げる時は

悩んでいる人
悩んでいる人

「首が痛くて・・・」

「前傾姿勢がきつくて・・・」

こんな悩みからハンドルを上げたいと思う方も少なくないですよね。

今の状態よりもハンドルを高くできるかどうかは、スペーサーが挿入されているかどうかによります。

 

ステムが一番高い位置にある場合

ステムの上にはトップキャップしか無く、スペーサーが挿入されていない場合は、スペーサーの入れ替えでハンドルを高くすることはできません。

 

他にハンドルを高くする方法としては、

  • ステムを上下ひっくり返す(角度を上向きにする)
  • コラムエクステンダーを使う

などがあります。

 

興味があれば試してみると良いでしょう。

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ステムの上にスペーサーがあった場合

ステムの上にスペーサーが挿入されていた場合、スペーサーの高さ分だけハンドル上げることができます。

 

やり方は下げる時の反対で、ステムの上にあったスペーサーをステムの下に移動させるだけです。

トップキャップを取り付け、ステムを固定する

スペーサーの入れ替えが終わったら、いよいよステムを固定する最終作業に入っていきます。

 

作業は必ずこの順番で行います。

  1. トップキャップの締め付け
  2. ステム側面のボルトの締め付け
 

 

中でも「トップキャップボルトの締め付け」が本作業で最も難しい調整となります。

ミスを起こさないよう詳しく解説していきますね。

トップキャップボルトの締め具合・調整方法

取り外したトップキャップを所定の位置に戻し、トップキャップボルトを締め付けていきます。

 

ボルトを締め付けながら、ある程度タイヤが真っ直ぐになるよう整えてください。

固定するわけではないので、完璧じゃなくても大丈夫です。

トップキャップボルトの調整(締め付け具合)はちょっと難しいです。

先ほど言った「〇〇Nm」という決まった締め付けトルクではなく、人間の感覚で行う必要があるからです。

 

どのくらいまで締め付ければよいかというと

  • ガタツキが無いか
  • ハンドリングはスムーズか

二点を満たすポイントで固定します。よく確認して下さい。

 

ではその2点のチェック方法について紹介します。

ガタツキはないか

  1. トップキャップボルトを締め付けていき、ある程度抵抗を感じるくらい(感覚でOK)になったら一度工具を置きます。
  2. 自転車にまたがり、前ブレーキ(右手のレバー)をガッチリ握ります。
  3. ホイールをロックしたその状態で車体を前後に揺らしたとき、ステム付近が「カタカタ」と動かないか確認して下さい。

 

【動くとき⇒×】

トップキャップボルトの締め付けが甘いです。もう少し締め直し、同じ作業を繰り返してください。

 

【動かないとき⇒〇or△】

締め付けが足りていることは確かです。
しかし、締め付けすぎている場合もあります。

次に進んで「ハンドリングがスムーズに行えるか」をチェックしてください。

 

ハンドリングはスムーズか

片方の手で車体を持って前輪を浮かし、もう片方の手でハンドルを左右に揺らしてみてください。

本当に軽い力で大丈夫です。

 

これでハンドリングがスムーズかをチェックします。

 

滑らかにハンドルが動けば正常。

操作が重かったり、回転の途中で止まったりするようなら異常です。

 

【ハンドリングが重いとき⇒×】

トップキャップボルトの締めすぎです。
ボルトを少し緩めた後、①再度ガタツキチェック ②ハンドリングチェック を行ってください。

 

【ハンドリングもスムーズで、ガタツキも無かったとき⇒◎】

ガタツキもなく、ハンドリングもスムーズならボルトの締め付け具合が適正です。

この状態になった方から、次の作業に移ってください。

 

側面ボルトの固定について

最後に側面のボルトを固定したら、ステムが完全に固定されて作業が終了です。

 

1.ハンドルとタイヤが真っ直ぐになるよう微調整をしてください。

ステムの中央とタイヤが一直線になる位置が正解です。

2.ステム側面についた2本のボルトを交互に締め付けていきます。

 

最終的な締め付け加減が「10」だとしたら、8-8、10-10 と2段階に分けるようなイメージです。

片方のボルトごとに10-10と一気に締めてしまうと、もう片方が緩んで適正なトルクにならないからです。

こちらのボルトへの締め付け加減(トルク)も、先ほど説明したのと同じようにステムによって異なります。

 

必ず締め付けトルクを確認し、固定してくださいね。

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最終確認

ステム側面のボルトを締め付けたら全ての作業が終了です。

 

改めて以下の3点について再チェックをしてみてください。

  1. ハンドルは真っ直ぐか
  2. ブレーキを握って前後に揺らし、ガタツキはないか
  3. ハンドリングは滑らかか

問題がなければ大丈夫です。

 

お疲れさまでした!

構造を知りたい方へ ~ハンドルのガタツキが出るのか~

ギモンの声
ギモンの声

トップキャップボルトの締め具合でハンドリングが悪くなったり、ガタツキが出たりするのはどうして?

 

今回の作業をもっと深く理解したい方へ向けて、簡単に構造を説明しようと思います。

 

ハンドルの調整でイジった「フォークコラム」には、ステムやスペーサーだけではなく、実はたくさんのパーツが付いています。

 

いわゆる「ヘッドパーツ」ってやつです。

出典:https://masahiru5003.hatenablog.com/entry/2018/04/05/190000

 

で、中でも重要なのが「ベアリング」の存在です。

 

ヘッドの上下にはベアリングが装着されており、これがあるおかげで軽い力でハンドルを動かすことができるわけなんですね。

 

先ほどのトップキャップボルトを締め付ける作業というのは、実はベアリングへの当り調整なのです。

 

ボルトを強く締めるとハンドリングが悪くなるのは、ベアリングに対して圧力をかけすぎたことで、ボール(ベアリング)の転がりが悪くなるからです。

 

逆にボルトの締め付けが緩いとガタツキが生じるのは、ボールに対して適正な圧力がかかっておらず、遊び(隙間)ができているからです。

 

だから、

  • ガタツキが無く
  • ハンドリングがスムーズ

の2点を満たすポイントにセットする必要があるのです。

まとめ

以上でハンドルの角度調整・高さ調整の説明が終了です。

 

本記事の内容を動画で再確認したい方は、こちらが参考になります。

 

本記事があなたのお役に立てば幸いです。

ご覧いただきありがとうございました!

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