- シマノの10速チェーンの種類を知りたい
- 10速HGチェーン[CN-4601]と[CN-6701]の違いを知りたい
- 10速チェーンの互換性を知りたい
こんな悩みを解決します。
【この記事で分かること】
- 10速チェーンの種類
- CN-4601とCN-6701の具体的な違い
⇒シマノに問い合わせてみました - どのようにチェーンを選べばいいのか
自転車整備士である私が解説します!
本記事を読めば、10速チェーンの違いを理解できますよ。
まず確認ですが、「10速用チェーン」といっても、実は現行モデル(23/11現在)で5種類存在します。これらは互換性問題がややこしいので、間違って取り付けている方も多いです。
【10速チェーンの種類】
- CN-6701
- CN-4601
- CN-6600
- CN-HG95
- CN-HG54
本記事で解説するのは赤文字で書いた2種類のチェーン。
これらは何が違うかというと、コンポーネントとの「互換性」によって選ぶものが変わります。
具体的に言うと[HGチェーン]か[HG-Xチェーン]かの違いです。
現行の4700系ティアグラ及びMTB10速コンポに使うチェーンは、本記事の内容とは異なります。
HGチェーンに互換が無いので、HG-Xを使います。こちらをご覧ください。
余った[CN-6600]は、旧ロード系コンポのフロントトリプルギアの場合に使います。
で、本記事で扱うCN-4601とCN-6701は、旧ロード系10速コンポに互換性のあるチェーンです。
現行モデルのティアグラには互換性が無くて、古い10速のティアグラ、105、アルテグラ、デュラエースに使えます。
CN-4601とCN-6701の違い
というわけで、ちょっと古い10速ロード系コンポに使えるチェーンは2種類です。
[CN-4601]と[CN-6701]という型番。違いを見るためにカタログを確認してみましょう。
(出典:シマノ 電子カタログ)
CN-4601と6701を比較し、違いのある重要な部分を抜き出してまとめた表が下記の通り。
アウターリンク 表面処理 |
インナーリンク 表面処理 |
重量 | 希望 小売価格 |
|
CN-6701 | 亜鉛合金メッキ | グレー | 267g | 4,066円 |
CN-4601 | グレー | ブラウン | 277g | 3,501円 |
カタログから読みるに、3点に違いがあると分かります。
「インナーリンク、アウターリンクってなに?」という方は、チェーンを分解したこちらの写真でご確認ください。
チェーンを構成するパーツのひとつです。プレートのコーティングに差があるとのこと。
アウターリンク表面処理
それぞれのチェーンで、アウターリンクの表面処理が異なります。
アウターリンク 表面処理 |
|
CN-6701 | 亜鉛合金メッキ |
CN-4601 | グレー |
グレードの高いCN-6701はチェーンの色が「銀色」で、ピカピカと輝いています。
反対に、CN-4601は「グレー」となっており、光沢はありません。
ただ、これら表面処理による具体的な違いはカタログに載っておらず、確認することができませんでした。
インナーリンク表面処理
インナーリンクも表面処理方法が異なります。
インナーリンク 表面処理 |
|
CN-6701 | グレー |
CN-4601 | ブラウン |
グレーかブラウンか。恐らく色のことでしょう。
しかし、こちらも具体的な違いについての記載がないため、色以外の差を確認することができませんでした。
重量
アルテグラグレードのCN-6701の方が、ティアグラグレードのCN-4601に比べて10g軽いです。
重量 | |
CN-6701 | 267g |
CN-4601 | 277g |
どちらのチェーンも、はインナーリンク両面+アウターリンク片面に穴あき加工があります。
シマノに問い合わせてみた
カタログから読み取れるのは、あくまでも表面的な違いだけでした。
「具体的に性能がどう変わるのか?」について言及がなく、分からなかったため、シマノに問い合わせをして聞いてみました。
実際のやり取りが以下になります。
こんにちは、シマノの旧10速(HG)チェーンについてお尋ねします。
- CN-6701
- CN-4601
これら二種類の具体的な違いを教えてください。
表面処理の違いです。
それによって「耐食性(サビに強いか)」が変わります。
もちろん、グレードの高いCN-6701の方がサビに強いです。
そうなんですね。
走行性能の違いは無いのでしょうか?
例えば一部上位グレードのチェーンに施されている「シルテック加工」のように、
- 耐摩耗性
- 摩擦抵抗
- 走行ノイズ
- 泥はけ性能
などで違いはありますか?
いいえ、ありません。
走行性能はどちらも一緒です。
ですから、「耐食性」と「重量」だけが違いですね。
なるほど。
CN-6701の方が、耐食性にも優れているし、重量も軽いというわけですね。
ではなぜ、グレードの高いCN-6701の方が価格が安いのですか?
→価格改定されたので、今は6701の方が高くなりました。以下のやりとりは一応残しておきますが、飛ばしてOKです。
よくお問い合わせをいただく内容なんですが・・・
これは在庫上の関係なんです。すみません。
生産や注文数、出荷工場などいろんな要因で価格が決まっているのですが、その関係上、おかしな価格設定になってしまっています。
ということは、わざわざ高いCN-4601を選ぶ必要は全くないってことですか?
互換性も一緒ですし。
そういうことになります。
価格が改定されるまでは、CN-6701を選んだ方がお得ですね。
やっぱりそうなんですね(笑)
詳しく教えていただきありがとうございました!
- 違いは「耐食性(さびにくさ)」と「重量」のみ
- 走行性能の違いはなし
10速(HG)チェーンの選び方
以上の説明をふまえ、10速チェーンの選び方を紹介します。
ネットでの実売価格だと、ほとんど価格に差がないことも多いです。
↑上記のリンクで値段を確認し、わずかな差なら迷わずCN-6701を買うことをオススメします。4601を選ぶメリットが特に無いので。
注意点(cn-6600とcn-6701の違い)
今回紹介したのは旧ロード系10速チェーン(HG)でしたが、「フロントトリプル」の場合はまた別のチェーンを使います。冒頭でもちらっと説明した「CN-6600」ですね。
CN-4601/CN-6701はフロントダブル用のチェーンなので、フロントトリプルのクランクとは互換性がありません。
フロント3速ギアをお使いの方は、「CN-6600」をお使いください。
まとめ
改めて、CN-6701とCN-4601の違いをまとめます。
【まとめ】
- 10速チェーンは全部で5種類あるが、旧ロード系10速コンポに使えるのは2種類(HG)。
- 違いは「耐食性(さびにくさ)」と「重量」のみ
- 走行性能の違いはなし
会社の都合上おかしな価格設定になっている高くてグレードの低い「CN-4601」を選ぶ必要はない
意外にも、走行性能に差はないとのことでしたね。
実売価格に大きな差がなければ、基本的にCN-6701を選べばいいかなと思います。
ちなみに、私は全てのシマノチェーンについて違いを調べました。
勉強として知りたい方向けに、記事を貼っておきますね。よければ参考にどうぞ。
この情報が役に立てば幸いです。ご覧いただきありがとうございました。