
シマノの旧型10速HGチェーンには、
・CN-4601(tiagra)
・CN-6701(ultegra)
ってあるけど、具体的に何が違うの?
グレードの高いCN-6701の方が価格が安いのはなんで?
こんな方にオススメの記事です。
【この記事で分かること】
- CN-4601とCN-6701の具体的な違い
⇒シマノに問い合わせてみました - なぜグレードの高いCN-6701の方が安いのか
- どのようにチェーンを選べばいいのか
自転車のチェーンは消耗品です。
走行距離に応じて、適切に交換する必要があります。
交換時に必ず考えなければいけないのが「どのチェーンを使うか」ですよね。
今回は2種類の旧10速用HGチェーンを紹介しますが、それぞれグレードが異なるため、もちろん値段も違います。
そんな時、
「これら2種類は一体何が違うんだろう?」
「どのような差があるのだろう?」
と気になりますよね。
そこで今回は、10速用チェーンの「CN-4601」と「CN-6701」の具体的な違いについてまとめてみました。
メーカーに直接聞いたので、情報も正確です。
チェーン選びの参考に、是非ご活用ください。
CN-4601とCN-6701の違い
CN-4601とCN-6701の違いを紐解いていくために、まずはカタログを確認してみます。
(出典:シマノ 電子カタログ)
カタログから、違いのある重要な部分を抜き出してまとめた表がコチラです。
アウターリンク 表面処理 | インナーリンク 表面処理 | 重量 | 希望 小売価格 | |
CN-6701 | 亜鉛合金メッキ | グレー | 267g | 3,072円 |
CN-4601 | グレー | ブラウン | 277g | 3,111円 |
なぜか、グレードの高い「CN-6701」の方が安いという謎の価格設定です。
表を見てみると、これら3点で違いがあることが分かります。
- インナーリンク表面処理
- アウターリンク表面処理
- 重量
「インナーリンク、アウターリンクってなに?」という方は、チェーンを分解したこちらの写真でご確認ください。
チェーンを構成するパーツのひとつです。
アウターリンク表面処理
アウターリンク 表面処理 | |
CN-6701 | 亜鉛合金メッキ |
CN-4601 | グレー |
それぞれ表面処理が異なります。
グレードの高いCN-6701はチェーンの色が「銀色」で、ピカピカと輝いています。
反対に、CN-4601は「グレー」となっており、光沢はありません。
ただ、これら表面処理による具体的な違いはカタログに載っておらず、確認することができませんでした。
インナーリンク表面処理
インナーリンク 表面処理 | |
CN-6701 | グレー |
CN-4601 | ブラウン |
インナーリンクも表面処理方法が異なります。
グレーかブラウンか。
恐らく色のことでしょう。
しかし、こちらも具体的な違いについての記載がないため、色以外の差を確認することができませんでした。
重量
重量 | |
CN-6701 | 267g |
CN-4601 | 277g |
アルテグラグレードのCN-6701の方が、ティアグラグレードのCN-4601に比べて10g軽いです。
どちらのチェーンも、
- インナーリンクの両面
- アウターリンクの片面
に穴あき加工がしてあります。
シマノに問い合わせてみた
カタログで確認できるのは、表面的な違いだけです。
具体的に「性能や効果にどのような違いがあるのか」が全く分かりませんよね。
カタログに載っていないだけではなく、ネットにも確かな情報が無い。
出てくる情報は「~らしい」「~かもしれない」「~と思う」など、信頼性に欠ける説明ばかりです。
「一体どれが正確な情報なの?本当の違いはなに?」ともやもやしてしまいます。
そこで今回、正しい情報を得るためにシマノお客様相談窓口へ直接電話をし、確認してみました。
実際のやり取りがコチラです。

こんにちは、シマノの旧10速(HG)チェーンについてお尋ねします。
・CN-6701
・CN-4601
これら二種類の具体的な違いを教えてください。

表面処理の違いです。
それによって「耐食性(サビに強いか)」が変わります。
もちろん、グレードの高いCN-6701の方がサビに強いです。

そうなんですね。
走行性能の違いは無いのでしょうか?
例えば上位グレードのチェーンに施されている「シルテック加工」のように、
・耐摩耗性
・摩擦抵抗
・走行ノイズ
・泥はけ性能
などで違いはありますか?

いいえ、ありません。
走行性能はどちらも一緒です。
ですから、「耐食性」と「重量」だけが違いですね。

なるほど。
CN-6701の方が、耐食性にも優れているし、重量も軽いというわけですね。
ではなぜ、グレードの高いCN-6701の方が価格が安いのですか?

よくお問い合わせをいただく内容なんですが・・・
これは在庫上の関係なんです。すみません。
生産や注文数、出荷工場などいろんな要因で価格が決まっているのですが、その関係上、おかしな価格設定になってしまっています。

ということは、わざわざ高いCN-4601を選ぶ必要は全くないってことですか?
互換性も一緒ですし。

そういうことになります。
価格が改定されるまでは、CN-6701を選んだ方がお得ですね。

やっぱりそうなんですね(笑)
詳しく教えていただきありがとうございました!
- 違いは「耐食性(さびにくさ)」と「重量」のみ
- 走行性能の違いはなし
- 会社の都合上おかしな価格設定になっている
- 高くてグレードの低い「CN-4601」を選ぶ必要はない
10速(HG)チェーンの選び方
以上の説明をふまえ、10速チェーンの選び方を紹介します。
選び方といっても、価格が改定されるまでは「CN-6701」一択です。
CN-4601に比べてサビにくく、10g軽く、かつ価格が安い。
わざわざ高くて質の低い方を選ぶ必要はありません。
- 6700系アルテグラ
- 5700系105
- 4600系ティアグラ
など、HGチェーンを使う10速コンポーネントをお使いの方は、CN-6701チェーンをお選び下さい。
注意点(cn-6600とcn-6701の違い)
紹介した旧10速コンポーネントの中でも、一部CN-6701と互換性が無いパーツがあります。
それは、「フロントギアが3段変速」の時です。
CN-4601/CN-6701はフロントダブル用のチェーンなので、フロントトリプルのクランクとは互換性がありません。
フロント3速ギアをお使いの方は、「CN-6600」をお使いください。
まとめ
改めて、CN-6701とCN-4601の違いをまとめます。
- 違いは「耐食性(さびにくさ)」と「重量」のみ
- 走行性能の違いはなし
- 会社の都合上おかしな価格設定になっている
- 高くてグレードの低い「CN-4601」を選ぶ必要はない
意外にも、走行性能に差はないとのことでしたね。
価格に大きな差が出ない限りは、CN-6701を使えばOKです。
この情報が役に立てば幸いです。
ご覧いただきありがとうございました。
10速チェーンの選び方は複雑です。
購入を決める前に、こちらの記事で「どのチェーンが合うのか」を確認してみてください。
チェーンの洗い方と注油方法について、この記事で解説しています。