自転車の「振れ取り」とか「ホイール組」をしてみたくて、振れ取り台の購入を考えてる。
そこで、振れ取り台のオススメってあるかなあ?
参考程度に知れたらいいなと思って、調べてみた。
ちなみに、自分はある程度自転車のメンテができるような感じだけど、“プロ”とは全然言えないレベルかな~ってとこ。
こんな方にオススメの記事です。
【この記事で分かること】
- 自転車の振れ取り台を買うならどんなものが良いのか?
- 振れ取り台で「振れ取り」だけするのか「ホイール組」もするのかによって、選ぶべきものが変わる
- 安い工具は、それなりの品質(経験談)
- ホイール組をするなら、良い振れ取り台を使うべき理由
自転車安全整備士・技士資格を持ち、ショップでメカニックとして働く私が解説します!
ホイールを専門で組んでいるわけではありませんが、ある程度綺麗なホイールを作るのには自信があります。
少しでも参考になる部分があれば幸いです。
是非最後までご覧ください!
自転車ホイールの「振れ取り台」オススメは?【メカニックの経験談】
使用用途に応じて2パターン紹介します。
ちょっと使うだけ。横振れ取ってみるだけ。的な使い方
このくらいの軽~い感じでつかうなら、ぶっちゃけ安い振れ取り台でOKです。
廉価な振れ取り台では、ミノウラのがおすすめです。
オススメ…ではありますが、あくまでもあまりガシガシ使わない人用です。
マジでホイールを極めたいとかなると、この価格帯の振れ取り台ではダメですね。後ほど話します。
真剣にホイールを組んでみる。今後ホイールを極めたい。的な使い方
振れ取り台をガンガン使っていきそうな方は、廉価なものではダメです。
使い勝手が悪く、うまいように調整ができないからです。
“イイモノ”を知ってしまった身としては、非常にやりづらい。まともに集中できない…て感じです。
そんなわけで、「真剣にホイール組を練習したい」くらいのレベル感で振れ取り台を探しているなら、それなりのモノを買いましょう。
5種類ほど振れ取り台を使ってきた私。お気に入りは2種類あります。
【ギザプロダクツ】SC-921D ホイール トゥルーイング スタンド
【パークツール】TS-2.2P 振取台
高いですよね。ビックリするほどの値段ですよね。「さすがに手が出ないわ…」って。
自転車ショップに置いてるレベルのものです。
「こんなものを、趣味でやってるくらいの自分が買えるか~い!」って言いたくなる気持ちも分かるのですが、オススメするのには理由があるのです。
経験談からお話しします。
安い振れ取り台と高い振れ取り台の違い
「安い振れ取り台」と「高い振れ取り台」では何が違うのか?
一言でいえば「作業性」です。
どれだけ作業(ホイールの調整)がしやすいかどうか。
安い振れ取り台の嫌いなところは、「揺れる」ところです。
本体が軽すぎるものが多く、ホイールをはめて、振れ確認のために回転させると、振れ取り台自体が振動したりするんですよね。
振れ取り作業及びホイール組をやったことがある人ならわかると思いますが、振れ取り中は「ミリ単位」で修正をしていくわけです。
まずは目視で「どこが振れているのか?」を探すところから始まります。
集中力を必要とする細かい作業。
なのに、ホイールを回転させるたびに振動してたら作業にならなくないですか?
振れ取り台が振れてるのか、ホイールが振れてるのかわからん!ってなります。(笑)
まあ、ゆーっくり回せばよかったりするのですが…
例えば「ホイールを組む」ってなると何度も回転させる必要があるわけで、毎回気を付けてられないですよね。
気を付けている状態、意識を向けること自体、「作業の妨げ」になるわけです。
他にも、ホイールを台に乗せた後のセッティングのやりやすさ(ハブを挟む、横振れや縦振れを取る棒の位置調整、振れ取り台のセンター合わせ)が段違いですね。
安い振れ取り台はそのあたりが非常に面倒でして、“作業開始”までに時間が掛かるのです。
…という感じで、「作業性が悪い」ため、本格的にホイールをいじろうと思っている方には安い振れ取り台はオススメしないということです。
ちなみにですが、ホイールを組む際に使うセンターケージも全く同じで、安いものは精度が悪くて「ピッタリのセンター」を測りづらいのです。おもちゃみたいなものです。
初心者こそ、良い振れ取り台を使うべき理由
金銭面で難しい話ですが、本当は初心者こそ良い振れ取り台を使うべきだと思っています。
やり易いものを使った方が、上達も早いからです。
やりにくい安い振れ取り台だと、作業が悪いがゆえに、うまくホイールの調整がいかないかもしれません。振れ取り台が良ければ、もう少しはちゃんとできたのに…みたいな。
なんでもそうだと思います。
(詳しいことは知らないですが)例えば、初心者だからと言ってお刺身を切るのに安い包丁を使わせるより、高い包丁を使わせた方が「正しく綺麗に」切れますよね。
腕ではなくて、ツールが手助けをしてくれるわけです。
確かに、腕のある人なら安い包丁でも刺身をうまく切れるかも…ですが、初心者が安い包丁でやっては、「腕の悪さ×道具の悪さ」でいい結果にならないのは当然でしょう。
なので、本当は一度でも「良い振れ取り台」での作業を経験してもらいたいのです。
そういう環境が無ければ、思い切って買ってみるしかないのかなあ…。
もし、あなたが自転車業界の人で職場等に“良い振れ取り台”を使える環境があるなら、普段はそっちで練習をして、家でちょっと触る時とかに“安い振れ取り台”を使ってもいいかなと思います。
…話が長くなってしまいました。
要するに伝えたいこととしては、「初心者で腕が悪い頃は、せめて道具だけは良いのを使うことが上達への近道」だということです。
プロが使ってもやりにくいもの(安い振れ取り台)では、初心者が使ったらなおさら使いにくいので、ガチで使っていく人にはあまりオススメはしませんよ…という話でした。
とはいっても、やはりイイ振れ取り台は金額が金額なので、参考程度に聞いてもらえたらと思います。
まとめ
最後に、本記事の要点をまとめます。
【自転車ホイールの「振れ取り台」オススメは?】
- “興味程度”でやってみるなら、安い振れ取り台でOK
- ホイールを組んでみるとか、真剣にホイール調整をやっていきたいと考えているなら、安い振れ取り台はNG
- ぶっちゃけ高いですが、初心者こそ「良い振れ取り台」を買うべきです
- 個人的にオススメは2種類あるので、買う時は候補に入れてみて下さい
というわけで、自分のメカニックとしての経験談が多くなってしまいました。
一応商品紹介の記事なんですけどね(笑)
そこらへんのアフィリエイトだけを目的とした記事よりは、よっぽど参考になるかなあと思います。
「ふむふむ」と読んでくれる人がいると信じて。
最後までご覧いただきありがとうございました!