長期(長距離)の自転車旅をしようと思ってるんだけど、トラブル対策で重要なこととかある?
パンク修理と携帯工具なら持ってるけど、足りないかなあ?
こんなチャリダーの方にオススメの記事です。
【この記事で分かること】
- 長期の自転車旅では、予備スポークを絶対に持つべき理由
- 私がスポークが折れて困ったときの話
- 予備スポークを用意する方法
自転車ショップでメカニック経験を積み、日本一周をしたこともある私が解説します。
自転車旅におけるトラブル対策は、どのようなことをしていますか?
多くの人は「パンク修理くらいかな」って感じだと思います。
確かに、最低限必要ですね。
ただ、長期(長距離)の自転車旅をするなら、「予備スポーク」も持っておいた方がいいですよ。
その理由について、解説します。
【長期自転車旅をするなら!】予備スポークを絶対に持つべき理由
修理には、長さの合うスポークが必要
スポークとは、ホイールの“細い棒”のことです。
長距離の旅をするなら、絶対に予備スポークを用意しておくべき。
理由は一つ。
トラブル発生時に直せなくて困ってしまうからですね。
スポークには様々な長さがあり、ホイールによってミリ単位で異なってきます。
スポークが折れてしまった時は、なるべく元々付いていたスポークの長さと同じものを付けたいところです。
しかし、合う長さが無いからと、修理対応してもらえないことが往々にしてあります。
だから、予備スポークを持つべきなのです。
特に、荷物が多いチャリダーほどスポークは折れやすいので、注意してください。
お店で修理できなくて困った過去の経験
私は大学2年の時、実家の愛知県から、日本最北端の北海道「宗谷岬」を目指して自転車旅をしました。
その行き道のことです。
確か福島県の田舎道で、トラブルが起きました。
ぎゃあああああああああああ
スポーク折れたああああああ pic.twitter.com/ehgvJqPlf2— かける【自転車旅人】 (@sekisaicling) August 9, 2017
スポーク折れです。旅中に折れるのは、初めての経験です。
「スポークは折れるもの」だと認識しておりましたが、対策は何もなく。
その理由は明確で、「自分でスポーク交換することができなかったから」です。
なので、対策は何もしていなかった。
というより、「どうせ自分で直せなかったので、何も持っていなかった。」というのが正しいでしょう。
恐らくこの記事を見ているあなたも、自力で折れたスポークを交換することはできないのではと察します。
自分で直せない私は、旅に出る前からスポークが折れた時の行動を考えていました。
行動といっても、「最寄りの自転車屋さんに駆け込む」です。それしかないです。
折れたその場で、最寄りの自転車屋さんを探します。
あった…けど、ココから20キロ先か。
スポークを折れた状態で走るなんて、ドキドキするなあ。
症状が悪化しないように、丁寧に走ろう。
そうして私はなんとか走り、次の街にあった自転車ショップにたどり着くことができました。
「さっき、スポークが1本折れてしまいまして。修理、お願いできますか?」
私は、スポークくらいどこでも直せるだろうと思っていたので、特に心配はしていませんでした。
しかし、返事は“NO”でした。
「これは、700Cのホイールだねぇ。
うちはママチャリがメインだから、申し訳ないけど、このホイールに合うスポークを用意していないんだ。だから、修理できないよ」
修理・・・できない!?
ここで自転車を直せなかったら、一か月丸々使う予定で組んだ旅の工程が全て狂います。
なんとしても、直さないと。
そこは地域の自転車チェーン店だったので、店長さんが近隣店舗にも電話をしてくださいました。
しかし、2店舗に聞いていただいたにもかかわらず、「合うスポークがない」と。
流石に焦ります。
それほど大きな町ではないので、次の町へ向かうとなると、再び20km以上走ることになるからです。
店長さんが、私にこう伝えました。
「ここから3kmほど進んだところに、イ〇ンバイクさんがあるから、そこに聞いてみるしかない」
その町にある、残された1軒の自転車屋さんです。もう後はありません。
私に残された手段は「イ〇ンバイクに行く」、それだけです。
祈るような気持ちで、お店に向かいました。
結果として、その店舗は「スポーク切り機」を持っていたので、その場でスポークをカットして長さを出し、修理交換することができました。
本当によかった。
このトラブルから、教訓を得たのです。
- 全ての自転車屋さんが、スポーク切り機を持っているわけじゃない
- 自転車屋さんに行けば、必ずスポークを直せるわけじゃない
もし、私が長さのあった予備スポークさえ持っていれば、最初のお店で直せたはずです。焦らなくて済んだはずです。
この経験から、自分で修理できる人も、出来ない人も、「予備スポークを持つべきだ」ということをお伝え出来たらなと思います。
日本一周した知り合いも同じトラブルに遭った
たまたま、かけるさんがいた地域では対応してもらえなかったんじゃない?
全国的に見れば、修理してくれる店が多いんじゃない?
運が悪かっただけかもよ?
そんな風に思う方もいるでしょう。
結論から言うと、そんなことはないです。
2020年に、知り合いが自転車で日本一周をしました。
私はそのサポートとして、トラブルがあったときに連絡を受け、やるべきことを伝える立場でした。
ある時、彼から連絡が入ります。
「今、鳥取市にいるんですが、スポークが折れてしまって。どうしたらいいですか?」
私は答えます。
ホイールに衝撃を与えないよう丁寧に走行しつつ、自転車ショップで直してもらって!店まで近いなら、乗らずに押して行って!
その後、再び連絡が入りました。
「合う長さのスポークが無いみたいで…。市内6か所の自転車ショップに電話をしたのですが、いずれも同じ対応でした。直すところがありません。助けてください。」と。
まさか!と思いましたが、そんなこともあるのです。
彼は結局、そのまま200km以上走ったことで複数本スポークが折れてしまい、ホイール交換をするハメになりました。
ここで言いたいことは、「意外と、すぐにスポーク交換に対応できる店(スポークを揃えている店)は無いんじゃない?」ということです。
豊富な種類のスポークもなければ、スポーク切り機もない。そんなお店が、多くあるように感じました。(全国的に見たら、どうかは知りませんが)
ですから、「スポークの予備」を自分で用意して、持ち運ぶと安心でしょう。
スポーク交換後の作業(振れ取り)自体は、どの自転車屋さんでも出来るだろうと思いますから。
予備スポークを用意する方法
ところで、予備のスポークって、どうやって用意したらいいの?
自分の自転車に合う長さは?
必要な長さを調べる方法は主に2つですかね。
- 製品情報を確認する
- スポークを一本外して、計る
ホイール名で検索して出てきたり、あるいは、メーカーホームページからホイールの詳細情報へ飛ぶと、分かったりします。
ただ、中には分からないものもあります。
そういう時は、1本抜いて計るしかありません。
自転車屋さんにお願いすれば、「スポーク交換」と同じ工賃でやってもらえると思います。
スポークは、前後輪合わせて計3種類(ディスクは4種類)が必要です。長さが異なるため。
- 前輪:1種類(ディスクだと2種類)
- 後輪:2種類
それぞれ用意しておきましょう。自転車屋さんで注文できます。
2本ずつ(計6本)あれば、安心かと思います。
そもそも「スポークが折れにくい頑丈なホイール」を使うべし
スポークが折れた時の対策をすることは、とても大切です。
でもそもそも、「スポークの折れにくい、頑丈なホイール」を使うことの方が大切ですね。
壊れないに越したことはありませんから。
こちらの記事で詳しく解説しておりますので、合わせてご覧ください。
まとめ
さいごに、本記事の要点をまとめます。
【長期(長距離)の自転車旅をするなら、「予備スポーク」を持つべし!】
理由:長さの合うスポークが無いと、修理してもらえないから。
荷物が重い人ほど折れやすいので、注意しましょう。
スポークは前後輪で計3種類必要です。2本ずつ持っておくと安心。
→そもそも、頑丈なホイールを使うことが前提です。
「予備スポークなんて用意してなかったや…。次の旅には持って行こう!」
そんな風に思っていただけたら、この記事を書いた甲斐があります。
あなたの旅の無事を祈って。
ご覧いただきありがとうございました。