ロードバイクを始めて、そろそろ「六角レンチ」が欲しいなぁと思ってきた。
サドルの上げ下げから、他にも様々なメンテナンスでも使うからね。無いと困る。
自分はまだ初心者だから、100均の六角レンチで十分かなあ?
それとも、自転車屋さんに売っているような、しっかりした物のほうがいいのかな?
最初に買うならどっちがいいか、教えて欲しい。
こんな方にオススメの記事です。
【この記事で分かること】
- ロードバイクで使う六角レンチは100均のモノで十分か
- 値段(グレード)による違い
- 六角レンチは「携帯用」「家での整備用」に二種類あると便利
自転車ショップで働く私が解説します。
正直、100均六角レンチは…
ロードバイクで使う六角レンチは「100均」で十分?【微妙】
結論から言うと、ロードバイクに100均の六角レンチを使うのは、あまりオススメしません。
正直言って微妙です。
2000円ほど出して、しっかりした自転車用の六角レンチを買うことをおすすめします。
(もちろんこの意見は、実際に私が100均の六角レンチを使ってみた上での感想です。)
では一体、何が微妙だったか。不満だった点を3つ紹介します。
- 工具としての精度が悪い
- 六角レンチの長さが短い
- すぐに錆びる
これらを深掘りして解説していきますね。
工具としての精度
第一に「精度が悪い」。
そもそも100均の工具に期待するのが間違いですが、まぁ~精度は良くないです。
あまり機械いじりの経験が無い方だと、「工具の精度ってなに?どういうこと?」と思う方もいるでしょう。
簡単に言えば、「ボルトに対してがっちりはまるかどうか」です。
精度の良い工具は、ガッチリ・ピッタリはまります。ガタツキがありません。
ですから、力を入れた時でもボルト側に傷がつきにくいのです。
対して、「精度の悪い工具」だとどうなるか。100均の六角レンチだとどうなるか。
最悪、ボルトの六角穴がなめます。
六角レンチの精度が悪いので、ボルトに対してちょっと遊びがあるんですね。隙間がある状態。
それで力を入れると、ボルトの穴にダメージが入り、変形します。
何度もボルトの締める・緩めるを繰り返すと、変形を積み重ね、結果として最悪の場合なめてしまうのです。
「なめる」と言うのは、「ボルトが使い物にならなくなる」という意味です。
穴がツルツルになり、六角レンチが引っかからなくなります。
もちろん、これは最悪の場合の話です。必ずなるとは限りません。
でも、100均の六角レンチの場合は明らかに精度が良くないので、こうなりやすい傾向にあるのは確かです。
これは、使用者の技術のある/なしに関わりません。
もしかすると、「工具にお金をかけたくないから」と100均の六角レンチを買おうと思っている方もいるかもしれません。
確かに工具は安く買えますが、代わりにパーツを壊してしまって、高くつくかもしれませんよ。
それでは本末転倒ですよね。
ロードバイクのボルトは、力が必要となる場所も多くあります
100均の工具を使うには、ちょっと危険かな。
なので、おすすめはしません。
少なくとも私は絶対に使いません。って感じ。
六角レンチの長さ
100均に売っている六角レンチは、短いです。
なので操作性が悪く、作業がやりづらい。
ロードバイクに六角レンチを使うシーンって、大きく2種類あると思います。
- サイクリング中に携帯して使う
- 家のメンテナンスで使う
サイクリング中に携帯して使う分には、まだいいでしょう。
「短い」を言い換えると、「コンパクトで荷物にならない」と言うメリットがあるからです。
作業性よりも、携帯性に重きを置くシーンならOK。
でも、家のメンテナンスで100均の六角レンチを使うのは、全くおすすめしません。
特に不満に思ったのが、「5ミリ」と「4ミリ」の六角レンチ。
この2種類は、ロードバイクのメンテナンスにおいて非常によく使うサイズです。
にもかかわらず、六角レンチの柄が短いので、とにかく力を加えにくい。
短いがゆえに作業もしづらいです。
携帯してサドルの上げ下げに使うぐらいだったらまだ良いですが、家で本格的なメンテナンスをするには全く向いていませんね。
(携帯して使うにしても、精度が悪いので使いたくありませんけど…。)
すぐに錆びること
100均の六角レンチは、すぐにサビます。茶色いサビが発生します。
安いものは劣化も早いです。
ママチャリと同じですね。
使い捨て的に使うならまだしも、長期に渡って使うには、適していないと言えるでしょう。
自転車用の六角レンチを用意しよう
以上3つの理由から、私は100均の六角レンチはオススメしません。
買うならやはり、自転車用のものですね。
初めて六角レンチを買うなら、「携帯工具」を1つ持っておくと便利です。
サイクリング中に使うだけではなく、家で簡単なメンテナンスをする時にも使えます。
自転車用の工具なので、セットになっている工具はロードバイクで必要になるものしか使われていません。
100均の六角レンチだと、必要のないサイズまであるので無駄ですよね。
例えば、最低限の機能を持った自転車用携帯工具なら…
六角レンチ2、3、4、5、6mm
プラスドライバー
くらいはついています。
これだけあれば、たいていのメンテナンスが可能。十分です。
さらに、100均のものに比べて工具の精度も格段に良く、ボルトを傷つけにくいです。
始めて六角レンチを買うなら、オススメはトピークの「ミニ6」。(写真は“ミニ9”)
詳しくはこちらの記事で解説しています
家でもメンテナンスをやるようになってきたら、バラになった六角レンチセットも用意するといいですよ。
携帯工具はあくまでも“携帯用”であり、作業性を犠牲にしているからです。
作業がしやすく、力も加えやすい。2種類の六角レンチを使い分けましょう。
「必要だと感じたら」で良いです。
まとめ
最後に、本記事の要点をまとめます。
【ロードバイクで使う六角レンチは100均で十分なのか】
- 結論、おすすめはしない
- 工具としての精度が悪いから
- 六角レンチの長さが短いから
- すぐに茶色く錆びるから
- 初めて六角レンチを買うなら「自転車用携帯工具」がオススメ
- 具体的に商品名を紹介すると、トピークのミニ6
- メンテナンスに興味が湧いてきたら、バラの六角レンチと使い分けると便利
工具選びの参考になれば幸いです。