自転車のチェーンってすぐ錆びるよね…。
気づいたら茶色の錆びが沢山出てきていて、見た目的にもすごく悪い。
どうにかチェーンを錆びないようにする方法ってないのかな?
できるだけ手間が掛からなくて、簡単なのがいいのだけど…
こんな方にオススメの記事です。
【この記事で分かること】
- 月1でOK!自転車のチェーンを錆びないようにする方法
- 錆びないチェーンは存在しない
- 外に置くなら、雨天時は自転車カバーが効果的
- チェーンが錆びてしまったら、元に戻すことはできない
自転車ショップでメカニックとして働く私が解説します!
【月に1回】自転車チェーンを錆びないようにする方法
チェーンを錆びないようにする魔法はありません。
オイルを注すといっても、何も専門的な知識は必要ナシ。
オイルスプレーや液体状のモノをシューっとするだけです。
月に1回、1分程度の作業です。
(本当は掃除をしたあとに注油をしていただきたいですが、まずは注油だけでも出来たら上出来です。)
きっと、世の自転車屋で働くスタッフ全員が切実に願っているでしょう(笑)
街を走る多くの自転車のチェーンが茶色く錆びているのは、ぶっちゃけ誰も注油というメンテナンスをしていないからです。
チェーンが錆びるといくつかデメリットが生じます。
錆びは100害あって1利なしです。損しかありません。
この事実を知れば、チェーンの注油がどれほど重要かご理解いただけたことでしょう。
あらためて月に1回、チェーンへの注油をお願いします。
それだけでサビは防げますから。
絶対に錆びないチェーンは無いのか?【ベルトの存在】
残念ながら、絶対に錆びないチェーンはありません。
ママチャリの安いチェーンだろうが、スポーツ用の1万円ほどするチェーンだろうが、錆びに強いハイガードチェーンだろうが、オイルを注さなければいずれ錆びます。
しかし、一つ代替案はあります。
チェーンではなくて「ベルト」の自転車なら、ベルトが錆びることはありません。
一部の自転車(高級帯)には、チェーンではなくてベルトが使われています。
ブリヂストンの「アルベルト」とか有名です。聞いたことありません?
約6万円以上はする価格帯ですが、どうにも錆びが気になるなら、次に買う自転車はベルトを選ぶという選択肢もありですね。
個人的には、通勤や通学などに使うなら絶対に「ベルト」がオススメです。
錆びを生まないための自転車保管方法
錆びを発生させないためには、欲を言えば自転車の保管は「室内」がオススメです。
玄関とかにスペースがあれば、そこがよいかと。
でも、自転車って結構大きくて場所を取るので、中々室内には入れるのが難しいことも多いはず。
そのような時は外に置くしかないわけですが、なるべく錆びを生まないようにするためには、
といったことが効果的です。
特に雨ざらし状態では錆びの発生が早くなりますから、カバーを掛けるのがオススメです。
ただ一つ注意点がありまして、「カバーを掛けるのは雨の時だけ」にするのがいいですよ。
例えば、普段あまり自転車に乗らない方ですと、基本的にカバーをかけっぱなしにしている方もいると思います。
確かに雨が直接当たるのは防げるのですが、湿気がこもり、結果的にサビを生んでしまいます。
私たち人間がずっとビニールハウスの中にいるようなものです。
ムシムシして気持ち悪いですよね、、、
ですから、適度にカバーをめくって換気をしたり、雨の日だけカバーをかぶせるようにすることが大切です。
チェーンの錆を戻すことはできない
チェーンが一度錆びてしまうと、元に戻すことはできません。
だからこそ、錆びを生まないための「防錆」が大事なのです。
よくある質問で、
チェーンのさび落としって、何がオススメですか?
と聞かれることがあります。
確かに「さび落とし」の商品は色々ありますが…
そもそも「錆を落とすこと」自体がオススメではないですね。
理由は以下の通り。
- 錆を落としても見た目が少しマシになるだけで、チェーン自体の強度は落ちたままだから
- 錆び落とし作業は意外にも大変だから
- 錆び落とし材を買うくらいなら、チェーン交換費用に充てた方がよっぽどいいから
私たち自転車屋が「錆びたチェーンはダメ!交換しよう!」というのは、決して「茶色い見た目がカッコ悪いからダメ!」という理由ではないんですよね。
理由はあらためて、
- 錆びるとチェーン(鉄)が脆くなり強度が落ち、切れる可能性が高くなる
- 摩擦抵抗が増して漕ぐのが重たくなる
- 変速が入りにくくなる
といったところです。
特に「切れる」危険性が高まっているので、交換をオススメするわけです。
力を入れている途中にチェーンが切れたら、急にスコッとペダルが空転するので、転んで大けがをする可能性があるから。
「チェーンの錆び落とし」を労力掛けて頑張っても、得られる効果は「見た目がちょっとマシになる」というだけです。
チェーンの本質的な性能の回復にはならないのです。
分かりやすく例えるなら、
焦げ焦げになった食パンの表面(黒いところ)を削って落とせば見た目は綺麗になります。
…しかし、パン自体はどんどん薄く、もろくなっていきますよね。
黒くないところを食べても、なんだか焦げの風味がして美味しくないですし。
といった感じ。
チェーンの交換自体、本体+工賃含めて3-5000円といったところです。
※一般的なチェーンの場合。
例えば錆び落とし剤を1500円で買うくらいなら、本体を交換してしまった方がよっぽどいい。
チェーンを新品に交換した上で、失敗から学び、錆びないよう手入れを行えばいいのです。
まとめ
最後に、本記事の要点をまとめます。
【月に1回!自転車チェーンを錆びないようにする方法】
- 結論:チェーンへの注油(オイル注し)を定期的に行うこと
- 錆びないチェーンはありません
- 錆びたチェーンは絶対に元に戻ることはありませんから、錆びさせないための「防錆」が一番大事です
- 錆び落としは見た目がちょっとマシになるだけで、性能の回復は見込めません
- 個人的に無駄だと思うので、チェーンを新品に交換した方がよっぽどいいです
というわけで以上です。
錆び落としは本質的な意味がないことを理解し、チェーンが茶色く錆びているのなら交換をしましょう。