ロードバイクを買おうか迷ってるんだけど、タイヤが細いからパンクしやすそうで怖いんだよねー。
タイヤが太めのクロスバイクとか、マウンテンバイクの方がパンクしにくいだろうから、そっちにしようかな。
「パンクしたら走れなくなる」
・・・これがホントに怖い。
こんな方にオススメの記事です。
【この記事で分かること】
- ロードバイクの細いタイヤは、太いタイヤに比べてパンクしやすいのかどうか
- パンクのリスクを減らすためにできること
- パンクしたときの対処法
私は自転車店で働いているのですが、お客様からよくこんな質問を受けます。
「ロードバイクを買おうと思ってるんですけど、やっぱりタイヤが細い方がパンクしやすいですよね?
通勤・通学に使おうと思ってるので、パンクすると困るんですが・・・」
このように、
細いタイヤ⇒パンクしやすい
というイメージを持っている方はとても多いです。
でもそれって、本当なのでしょうか?
ロードバイクはパンクしやすいのかどうかについて、解説していきます。
「ロードバイクはタイヤが細いからパンクしやすい」←勘違いです
結論から言うと、「ロードバイクはタイヤが細いからパンクしやすい」は、ただの勘違いです。
正直、太いタイヤも細いタイヤも、パンクの頻度はほとんど変わりません。
なぜなら、パンクは“運”によるところが大きいからです。
恐らく多くの人が「太いタイヤの方がパンクしにくい」と感じているのは、タイヤのゴムが分厚くて頑丈そうだからではないでしょうか。
確かに、例えばMTBなどに使われごつごつのブロックタイヤは、ロードバイクに比べてタイヤが分厚いです。
そのため、「小さな異物を踏んだことが原因」となって起こるパンクのリスクは減るでしょう。
比較的ゴムが薄いロードバイクのタイヤだったらパンクしていたものが、ゴムの分厚いタイヤならパンクせずに済んだというケースもあります。
これだけ聞くと、
「やっぱり細いタイヤはパンクしやすいんじゃん!」
と思いそうですが、ではこのようなケースではどうでしょうか。
例えば、「踏んだら絶対にパンクする異物」が道路に落ちてたとします。
太いタイヤ、細いタイヤのケースを考えてみましょう。
細いタイヤの場合、路面との接地面積が少ないですよね。
ロードバイクのタイヤは横幅25mmのモノが多く、実際に地面に接しているのは15mm程度ではないでしょうか。
タイヤが細いので、道路に落ちている異物を踏む確率も下がります。
踏むと絶対にパンクする異物が落ちていたとしても、細いタイヤだから踏まずに済んだというシチュエーションが考えられますよね。
しかし、太いタイヤだったらどうでしょうか。
例えば、MTBのように横幅が50mmあるタイヤだとします。
太さで言ったらロードバイクの倍になるので、接地面積もおよそ2倍の30mmだと仮定。
そうすると、ロードバイクの細いタイヤに比べて、単純に2倍の量の異物を踏んでいるといっても過言ではありません。
その中に「踏んだら絶対にパンクする異物」があったとしたら、ロードバイクに比べてパンクする確率は高いですよね。
いくらゴムが分厚くても、釘のようなものがタイヤにぶっ刺されば、パンクは避けられないしょう。
まとめると、
- 細いタイヤに比べて太いタイヤは肉厚なので、小さな異物が原因でパンクするリスクは確かに減る。
- しかし、太いタイヤの方が接地面積が多い分、異物を踏む確率は上がる。
つまり、タイヤの細さによってパンクする確率は、ほとんど変わらないというわけです。
勘違いが解けたでしょうか?
実際お店で働いている身からしても、タイヤの太さによってパンクの頻度が変わるとは全く感じません。
結局は、運です。(笑)
なので、「タイヤが細いロードバイクはパンクしやすい」と思っている方は、気にしなくても大丈夫ですよ。
空気を入れないだけで、パンクの頻度は急増する
ただ、今まで説明したのは「刺さりものパンク」が原因になった時です。
パンクというと、「何かが刺さって起こるもの」と認識している方も多いですが、実はそれだけではありません。
よく起こるパンクの種類は、主に3つです。
- 刺さりものパンク
- リム打ちパンク
- チューブの摩耗パンク
このうちの
- リム打ちパンク
- チューブの摩耗パンク
は、主に「空気を入れていないことが原因」で起こるパンクです。
どういうことか。
リム打ちパンクは、チューブに空気が入っておらず、プニプニな状態で走行する中で、体重によってチューブが押しつぶされて穴が開くパンクです。
適切な空気圧さえ保っていれば、ほぼ確実に防げます。
そしてもう一つ。
チューブの摩耗パンクとは、チューブに空気が入っていないことによって、走るたびにタイヤの内側で動き、擦れ、摩耗によって穴が開くパンクです。
これも、空気を入れていないことが原因となって起こり、チューブ本来の寿命を年単位で縮めてしまいます。
このように、「空気を入れないだけ」でパンクの頻度って急増するんですよね。
空気圧不足が原因でパンクする人の割合がどれほど多いことか。
耐パンクタイヤを使う、ゴムが厚いタイヤを使う、など・・・
どんなパンク対策よりも、まず行うべきは「ちゃんと空気を入れること」です。
なぜこの話をしたかというと、ロードバイクに乗る方でも「空気圧不足が原因」でパンクをする方が非常に多いからなんですね。
ロードバイクのタイヤは細い分、入れる空気量も少なり、かつ高圧です。
なので、非常に空気の抜けが早いです。
タイヤの空気は、乗る乗らないに関わらず、時間の経過によって減っていきます。
(詳しくは、自転車を放置していただけでパンク?原因は“空気が抜けただけ”で解説)
ママチャリなら空気を入れる頻度は1カ月に一回程度でいいのですが、ロードバイクは最低限2週間に1回は入れなければいけません。
サイクリングで使うなら、乗る度に入れるのが理想的なほどです。
その事実を知らずにロードバイクに乗り始めてしまうと、空気圧不足からパンクしてしまう方が非常に多いです。
その点、「細いタイヤの方が(空気が減りやすく)、(空気入れを怠ったことで)パンクしやすい」ということはあるかもしれません。
しかし、ちゃんと空気さえ入れていれば全く問題ないので、改めて、タイヤの太さによってパンクの頻度が変わることはありません。
パンクを減らすための心がけ
「パンクは運だ」と言いましたが、心がけ次第でリスクを減らすことは可能です。
誰でもできる心がけを2つ紹介します。
①タイヤを寿命ギリギリまで使わない
②道路の端ギリギリを走らない
タイヤを寿命ギリギリまで使わない
タイヤを寿命ギリギリまで使うのはやめましょう。
これまでに説明したように、ロードバイクのタイヤはもともとゴムが薄め。
タイヤの寿命は約3000-5000kmなのですが、ギリギリまで使うとゴムが薄くなり、当然パンクのリスクは高まります。
なので、
「タイヤの接地面がツルツルになってきたな」
「平たくなってきたな」
と感じたら、迷わず交換しましょう。
でも中には、
「寿命が近づいてきたし、次パンクしたらタイヤを交換しようかな」
という方もいるでしょう。
これは一見、消耗品費を節約できるように思えて、実際は違います。
なぜなら、パンクしたらチューブを交換しなければいけないからです。
結果、チューブとタイヤを新品に交換しなければいけないので、高くつく。
それに、タイヤが薄くなって、パンクのリスクが高まった状態で走るのは不安ですよね。
それで例えば通勤に遅刻したら、節約どころの話ではないわけです。
なので、タイヤは完全に消耗しきる前に交換するのがオススメ。
普段使いのタイヤならせいぜい4000円程度です。
車の維持費に比べたらうんと安いので、ケチらず、交換しましょう。
道路の端ギリギリを走らない
ロードバイクは車道を走るのが一般的だと思いますが、あまりに端を走るのはやめましょう。
なぜなら、パンクを起こしうるゴミが沢山溜まっているからです。
例えば、鉄くず、釘、鉄板、ガラス片、など。
ただ、もちろん思いやりのある走行は必要です。
後続車がたくさんいるにもかかわらず、ゴミが少ないからといって車道の真ん中を走るのは、どう考えても迷惑。
車の邪魔にならないように考え、シチュエーションに応じてなるべく端を避けて走ることで、パンクのリスクを軽減することができますよ。
それでもパンクが怖いあなたへ
(出典:シュワルベ マラソン)
自転車のタイヤは「ノーパンクタイヤ」ではない限り、パンクのリスクは0にはなりません。
しかし、「なるべく、パンクをしたくない!」と、誰もが思うことでしょう。
そんな時にパンクのリスクを減らすためにオススメなのが、「最強の耐パンクタイヤ」を使ってみることですね。
最強の耐パンクタイヤとは、「シュワルベ マラソン」のことです。
私はこのタイヤを履いて日本一周(11543km)を走ったのですが、なんと、パンクは0回でした。
それ以前の自転車旅でも使っておりますが、パンクしたことは一度もありません。
確か、マラソンを履いてから合計2万キロはパンクなしで走行できています。
なぜこれほど“最強”なのか。
シュワルベのマラソンについて、詳しくはこちらの記事で解説しています。
ロードバイクにも使えるタイヤなので、パンクしたくない人は絶対に使った方がいいですよ。
オススメです。
もしもパンクしてしまったら
どれだけ気を付けていても、どれだけ対策をしても、パンクをしてしまうことはあります。
そんな時でも、ロードバイクなら簡単にパンク修理ができるのです。
自転車屋に駆け込む必要なし。
簡単なやり方さえ知っていれば、自分で、その場で、10分程度でチューブを交換することが可能です。
街中を走るピチピチのジャージを着た自転車乗りを見たことがありませんか?
おそらくですが、彼らのほとんどは自分でパンク修理をすることができるはずです。
それほど簡単なパンク修理。
「パンクが怖いな」と思っているなら、「パンクを直す方法」を覚えてしまえばいいのです。
こちらの動画を参考に、パンク修理をマスターしてみてください。
まとめ
本記事を振り返り、要点をまとめます。
- ロードバイクのタイヤは細いから、パンクしやすいの?
⇒勘違いです。太さによって、パンクの頻度はほとんど変わりません。 - しかし、細く、空気圧の高いロード用タイヤは、空気が抜けやすい
⇒空気圧の低下が原因で、パンクが起こす人は多い。
⇒でも、空気さえ入れていればほぼ防げます。パンクのしやすさには関係なし。 - パンクのリスクを減らすための心がけ
①タイヤを寿命ギリギリまで使わない
②道路の端ギリギリを走らない - それでもパンクが怖いなら、「シュワルベ マラソン」という最強の耐パンクタイヤがオススメ。
- そもそも、誰でも簡単にできるパンク修理を覚えれば、パンクなんてへっちゃら。
タイヤが細いからと言って、パンクが増えるということはありません。
ロードバイクでも全く心配ないので、気にしなくてOKです。
ご覧いただきありがとうございました!