![悩んでいる人](https://sekisaicling.com/wp-content/uploads/2020/07/shinpai_man.png)
スポーツタイプの自転車(ロードやクロスなど)に乗っているのだけど、普通の空気入れと違うからやり方が分からなくって。
-
どのような手順で空気を入れたらよいのか?
-
どこまで空気を入れたらいいのか?
-
どのくらいの頻度で空気を入れるのか?
…といったことを教えて欲しいなあ。
専門用語とか分からないから、初心者でも分かるよう解説して貰えると助かる!
こんな方にオススメの記事です。
【この記事で分かること】
- スポーツタイプの自転車に使われる“仏式バルブ”に空気を入れる方法
- 空気入れの使い方&注意点
- 空気圧の単位&どこまで入れたらよいのか?
- どのくらいの頻度で空気を入れるのか?
- 空気入れを怠るとすぐにパンクする理由
![かける](https://sekisaicling.com/wp-content/uploads/2020/08/ff048604c3bd827c93aac5dd7de62dde.jpg)
自転車ショップでメカニックとして働く私が解説します!
自転車の空気入れは基本中の基本。
お花には水やりが欠かせないのと同じくらい、重要な行為です。
でも、「どうやって入れたらいいか分からない」という方が非常に多いですよね。
私たちもお店でポンプの説明は行っていますが、正直一回の説明で全て覚えるのは難しいでしょう…。
そこで今回は、スポーツ車によく使われる“仏式バルブ”に対する空気の入れ方について解説します!
※仏式バルブとは、↓画像でいう中央。細長いバルブのことです。
初心者からよく質問がある内容を先回りしてお答えしてますので、是非参考にしてみて下さい。
![かける](https://sekisaicling.com/wp-content/uploads/2020/08/ff048604c3bd827c93aac5dd7de62dde.jpg)
空気入れをしないと、100害あって1利なし。
面倒だからと怠ると…修理費用が大変なことになります。
本記事で学ぶことで、不安なく空気入れ出来るようになりますよ!
【ザックリ解説】空気入れの全体像
まずは全体の流れから確認です。
だいたいこんな感じ。
あとで詳しく説明しますが、空気入れの頻度は
- ロードバイクなら1週間に1回
- クロスバイクなら2週間に1回
このくらいを目安に行いましょう。
厳密にはタイヤの太さや空気圧によるので、一概にはいえません。
![かける](https://sekisaicling.com/wp-content/uploads/2020/08/ff048604c3bd827c93aac5dd7de62dde.jpg)
知っておいて欲しいことは「ママチャリよりも空気入れの頻度が多い。すぐに空気が抜ける。」ということです。
「お花に水をやる」くらい重要なのが、自転車で言うと2つの基本メンテ。
- 空気入れ
- チェーンの掃除&注油
なぜ大事かと言うと…
【空気入れをしなければいけない理由】
- 空気入れをしないと必ずパンクするから。
- タイヤの寿命がグッと縮まるから。
- 走りが重たくなるから。。
【チェーンの掃除&注油をしなければいけない理由】
- ゴミが溜まり、チェーンの寿命が半分以下になるから。
- チェーンが錆びて切れたり、変速が決まりにくくなったりするから。
- 金属抵抗が増えて走りが重たくなるから。
![かける](https://sekisaicling.com/wp-content/uploads/2020/08/ff048604c3bd827c93aac5dd7de62dde.jpg)
前置きはこのくらいにして、本編へ移りましょう。
【用意するもの】仏式対応のメーター付きポンプ
空気入れ(ポンプ)をお持ちでないと、始まりません。
ママチャリ用の空気入れは使えませんので、「仏式対応」「メーター付き」の空気入れを購入してください。
例えばこんな空気入れなら使えます。
– 以下、一部の方へ案内です –
仏式バルブを採用した自転車の中には「英式アダプター」の付いた自転車があります。
↓こんなやつ。
これは、仏式バルブに対して被せて使うもので、“ママチャリ用の空気入れ”でも使えるようにするためのものです。
便利そうに見えるのですが、2点の理由からオススメはしません。
- 適切な空気圧管理ができないから
- ロードバイクのような“高圧”まで入らないから
仏式バルブの自転車をお持ちなら、素直にメーターが付いた仏式対応ポンプを買うべきです。
【ロードバイク/クロスバイク】仏式バルブの空気の入れ方
写真を交えつつ、手順を一つずつ解説していきます。
バルブキャップを外す
まず最初に、バルブの先に付いているキャップを外します。私のは透明ですが、基本は黒でしょう。
反時計回り、左回しで緩まります。
バルブの先を緩める
見慣れない形のバルブがでてきましたね。
これが“仏式(ふつしき)バルブ”です。
空気を入れる前に、バルブ先端の“頭”を緩めて、一番上まで持ってきてください。
↑これが一番緩んだ状態です。
ここを緩めないと空気弁が閉じたままになりますので、空気が入りません。
初心者がよくミスるポイントなので注意です。
頭を緩めたら、指で2,3回押し込んでください。
「プシュッ、プシュッ」と空気が抜けます。慌てなくてOK。
空気を入れる前にこの作業を行う理由は「弁の動きを確認するため」です。
ゴミなどが詰まっていると空気がうまく入らないので、プシュッっと空気を抜いて弁の動きを確認し、空気がスムーズに入るよう準備をしておくのです。
ポンプを固定
バルブの先が緩まっているのを確認した上で、ポンプを固定します。
前提として、ポンプが緩まっていることを確認しましょう。
“緩まった状態”はポンプによって変わりますが、たいてい「レバーを立てるか、倒すか」です。
レバーの開け閉めで中のパッキンが広がったり、狭くなったりします。
広がっている状態→緩んでいる状態です。
バルブに対してグッと垂直に力を加え、差し込んで下さい。
結構強めでOKです。奥深くまで挿入してください。
(※入らない時はレバーの位置が逆、緩まっていないかも。詳しくはポンプの説明書を読んでください。)
この入り浅いと空気が入りません。
適正空気圧の確認
空気を入れ始める前に確認すべきことが「適正空気圧」ですね。
スポーツ自転車はママチャリと違って“感覚”で空気を入れるわけではなく、具体的な数値(空気圧)を確認しつつ入れます。そのためのメーターです。
タイヤ側の適正空気圧
適正空気圧はタイヤによって変わります。
タイヤの側面をグルッと一周見てみてください。
どこかしらに、必ず指定空気圧の表記があります。(表になければ裏を見る)
空気圧の3つの単位
bar/kPa/PSI…これらが空気圧の単位になります。
全て表記してあるタイヤもあれば、一つの単位しか書かれていないタイヤもあります。
![かける](https://sekisaicling.com/wp-content/uploads/2020/08/ff048604c3bd827c93aac5dd7de62dde.jpg)
とにかく、空気圧の書かれた数値を見つけましょう。
私たちプロでさえ、毎回タイヤを見て確認してから空気を入れます。
1つの単位でしか表記が無い場合は良いですが、複数ある場合はこう悩みますよね。
![ギモンの声](https://sekisaicling.com/wp-content/uploads/2020/07/question_head_boy.png)
結局、どの単位を使ったらいいわけー?
はい、使う単位は「ポンプ側にある単位」でOK。
ここでちょっと、ポンプのメーターを確認しましょう。
メーターの内側、外側で用いられている単位が異なるはずです。
例えば私のポンプだと…
- 外側の単位が「kPa」
- 内側の単位が「psi」
タイヤ側の空気圧を確認する時は、このどちらかで見るということです。
barやkPaが一般的ですかね。
なお、kPaの100分の1がbarとなります。※750kPa=7.5bar
空気圧の「min-max」
タイヤ側の指定空気圧の表記は2パターンあります。
タイヤによりけりです。必ず確認。
例えばこのタイヤなら、「最大120PSI」。
ちなみにさっきのタイヤなら、「MAX8.0BAR(=120PSI)」
どこまで空気を入れるのか?
![ギモンの声](https://sekisaicling.com/wp-content/uploads/2020/07/question_head_boy.png)
タイヤの空気圧には「min-max」や「max」の表記があることはよく分かったよ。
ところで、空気圧には範囲があるけど、どこまで入れたらいいわけ?
最大の数値ピッタリまで入れるべきなのかな…?
おそらく、こんな疑問が湧きますよね。
![かける](https://sekisaicling.com/wp-content/uploads/2020/08/ff048604c3bd827c93aac5dd7de62dde.jpg)
ひとまず、最初は「最大数値の9割」くらいを目安に入れればOK!
慣れてきたら「好みの空気圧」を探しましょう。
例えば…
[min600kPa]-[max850kPa]だとしたら、850×0.9=765kPa。
→約750kPa(7.5bar)を目安に空気を入れればOK。
[max7.0bar]だったら、7×0.9=約6.3bar(630kPa)が目安です。
空気圧で変わる乗り心地の差
「ひとまず最大の9割」と言いましたが、走り慣れてきたら色々な空気圧を試してみて、好みの硬さを探って欲しいのです。
というのも、空気圧によって乗り心地が変わるからです。
体重や走る道、走り方、感じ方などによって、その人に対する“最適な空気圧”は変わります。
【空気圧の特徴】
→タイヤに弾力がでて振動を吸収しやすくなるため、乗り心地が柔らかくなる。
→一方でタイヤが変形しやすく路面との接地面積が増えるため、抵抗が増えてスピードが出にくくなる。
<空気圧が高め>
→タイヤが硬くなり変形しづらくなるので、クッション性が無くなり振動を感じやすく、疲れやすくなる。
→一方で路面との接地面積が減り、抵抗が少なくなりスピードが出やすくなる。
サイクリングにハマってきたら、入れる空気圧を変えてみて、走りの違いを実感してみて下さい。
長く走れば走るほど、その違いがよく分かりますから。
実際に空気を入れる
![かける](https://sekisaicling.com/wp-content/uploads/2020/08/ff048604c3bd827c93aac5dd7de62dde.jpg)
今現在の状態を確認します。
- ポンプをバルブに固定している
- タイヤの指定空気圧の確認が終わり、どこまで入れるか分かっている
間違いないですね?進めていきましょう。
空気を入れるコツ、姿勢
ポンプに力を入れて押し込み、空気を入れていきます。
コツは腕の力ではなく、体全体、体重をうまく使って押し込むのです。
極端な話、空気を入れる時に一瞬足を浮かせてみてください。
その時の姿勢、力の入り方です!
肘はピンと伸び、背筋は立ち、膝の屈伸と共に体重をグッとかける。
そうすると、力を使わず楽に空気が入ります。
ママチャリと比べて高圧入れるため、かたくて跳ね返されてしまうこともしばしば。女性は特に。
コツさえ覚えれば軽く入るようになるので、最初は練習ですね。
うまく空気が入ると、メーターの針が動いていきます。
「目標の空気圧(最大の9割程度)」まで空気が入ったら完了です。
もちろん前後輪行ってください。
空気入れを外す
ポンプのレバーを緩め、バルブから抜き取ります。
この時、必ず垂直に力を加えて抜いてください。
斜めに引っ張ったり、ぐりぐり引っこ抜こうとすると、バルブの先が曲がってしまう恐れがあるからです。
両手の親指でスポッと抜ける
私がやっているオススメの抜き方はこう。
![かける](https://sekisaicling.com/wp-content/uploads/2020/08/ff048604c3bd827c93aac5dd7de62dde.jpg)
右手はポンプに添えるだけ。
左手はホイールに添えて、親指でグッと押し出します。
軽い力で“安全に”スポッと外れます。
なぜ「安全」を強調したかというと、最初必ず失敗するからです。ケガをするから。
片手で「抜くことだけ」を考えて引っ張ると、勢いよくポンプが抜け、手がギアに刺さってけがをします。
危険なので、私のように抜くのがオススメですね。
バルブのネジを締める
ポンプを外したら、バルブ先のネジを必ず締めてください。
時計回りで一番下に来るまで回します。ギュッと。
締めが甘かったり、締め忘れたりするとスグに空気が抜けるのでお忘れなく。
キャップを付ける
外したキャップを取り付けて終了です。
なお、最初に付いてくるキャップはプラスチック製でして、いずれ割れます。なくなります。
そうなったら、“アルミ製”のキャップに変えるのがオススメですね。
カラーも選べるので、誰でも出来るお手軽カスタムとしてもいいでしょう。
空気入れの頻度
![かける](https://sekisaicling.com/wp-content/uploads/2020/08/ff048604c3bd827c93aac5dd7de62dde.jpg)
空気の入れ方解説は以上です。
最後に補足で「空気入れの頻度」について改めて説明します。
空気入れの頻度ですが…
- ロードバイクなら1週間に1回
- クロスバイクなら2週間に1回
くらいが目安となります。
タイヤの太さや空気圧の高さにもよるので、一概には言えませんが。
スポーツ自転車は空気の抜けが早い
いずれにせよ「絶対に1カ月は持たない」という認識を持ってください。要注意。
スポーツ自転車はママチャリに比べて、空気の抜けが早いです。
そもそも、タイヤの空気はゴム風船と同じで、何もしなくてもすこーしずつ抜けていきます。
スポーツ自転車がより早く空気抜けしてしまうのは、
が原因ですね。まあ「そういうもの」なのです。
空気を入れるメリット/デメリット
最初に「空気入れは花への水やりくらい大事なメンテ」だと言いました。
なぜか?
【空気を入れるメリット】
- 路面抵抗が減り、楽に軽く速く漕げるようになる
- タイヤの摩耗がしにくくなったり、ひび割れが起きにくくなるので、寿命が延びる
- 「空気圧不足によって必然的に起こるパンク」を避けられるので、運要素が大きい“刺さりものパンク”が主になる
【空気を入れないデメリット】
- 路面抵抗が増え、漕ぐのが重くなるし、進みも悪くなる
- タイヤの摩耗を促進し、ひび割れがすぐに起き、寿命がとても縮まる
- 空気圧不足によって必然的にパンクが起こる。運ではないため無駄なパンク。無駄な出費。
![かける](https://sekisaicling.com/wp-content/uploads/2020/08/ff048604c3bd827c93aac5dd7de62dde.jpg)
要するに、空気を入れないのは自転車にとって悪いことしかないのです。
- 走りがとっても重たくなる
- タイヤの寿命が半分以下に縮む
- 運ではなくて必然的なパンクが起こる(「空気入れてないなら当然パンクするよね」ってこと)
この「空気圧不足によるパンク」が、どれほど多いことか。特に学生。
修理をする身だからこそ思います。もったいないなって。
空気圧不足によるパンクの場合、タイヤもチューブも劣化が激しいです。
いわゆる「パンク修理」では済まない場合が多く、タイヤ&チューブの交換になることが多い。
そうなると、ザっと見積もって前後のタイヤチューブ交換で1万円は掛かります。
>>>ロードバイクのタイヤを交換すると、値段はいくら?【目安】
空気を入れず、修理に1万円を払う未来を選ぶか、
空気を入れて、修理代1万円の余分な出費を節約できる未来を選ぶか。
どっちの道を選ぶかは、あなたの心がけ次第です。
「空気を入れる」だけで、自転車はうんと長持ちします。
無駄な修理代を払いたくなければ、今から空気を入れる習慣を付けていきましょう!
![かける](https://sekisaicling.com/wp-content/uploads/2020/08/ff048604c3bd827c93aac5dd7de62dde.jpg)
空気入れなんて、1回5分もあれば終わりますから!
まとめ
最後に、本記事の要点をまとめます。
【仏式バルブの空気の入れ方】
- バルブキャップを外す
- バルブの先を緩める
- ポンプを固定
- 適正空気圧の確認
- 実際に空気を入れる
- 空気入れを外す
スポーツ自転車は空気入れの頻度が多いので、入れ方はマスターしなければなりません。
本記事でも分かりやすく解説したつもりですが、どうにも分からなければ自転車購入店へ尋ねてみましょう。
お役に立てば幸いです。
最後までご覧いただきありがとうございました。