- チェーンがあとどのくらい持つのか知りたい
- チェーンの交換時期が知りたい
- チェーンの伸びを測る方法が知りたい
- おすすめのチェーンチェッカーを知りたい
こんな方にオススメの記事です。
【この記事で分かること】
- チェーンチェッカーとは何をする道具なのか
- チェーンチェッカーの使い方
- 伸びすぎた(寿命を超えた)チェーンを使い続けるとどうなるのか
- チェーンの寿命はおよそ何キロか
- チェーンチェッカーの種類
- おすすめのチェーンチェッカー4選
自転車ショップでメカニックとして働く私が解説します。
自転車を良い状態で保つためには、チェーンのメンテナンスが欠かせません!
【交換時期を確認する】チェーンチェッカーとは?
何のために使うの?
チェーンチェッカーは、自転車の「チェーンの伸び」を測るために使う道具です。
言い換えると、「寿命(交換時期)」を確認するために使います。
チェーンは消耗品でして、使うごとに「伸び」が生じます。
伸び率が0.75-1%になるとチェーンの交換時期なのですが、目視では分からないですよね。
そこでチェーンチェッカーを使って、伸び率を測定するのです。
「チェーンが伸びる」とは?
そもそも、「チェーンが伸びる」とはどういうことなのでしょうか?
実は、「金属が削られて、ガタツキ(隙間)が発生すること」なんですね
伸びるというと、“びよーーん”と伸びるイメージを想像してしまいがちですが、実は違います。
人間の脚力くらいでは、金属は伸びません。。。(笑)
分かりやすいように解説します。
チェーンを分解すると、
- アウターリンク
- インナーリンク
- ピン
- ローラー
に分けられます。
それらを組み立て、連結させることで、1つのチェーンが出来上がります。
チェーンを使い込んでいくと、「ピン」や「ローラー」が削られ、やせ細っていくんですよね。
そこにわずかな“隙間”ができます。
チェーンには100か所以上の連結部分がありますから、「わずかな隙間×100以上」になることで、新品の時に比べ数ミリの「伸び」となるのです。
新品のチェーンと使い切った(寿命を迎えた)チェーンを比べてみた時の違いがコチラ。
新品のチェーンに比べて、中古チェーンが1cmほど“伸び”ているのが分かると思います。
「たったこれだけしか伸びていないの!?」と思うかもしれませんが、この伸びがあらゆるトラブルを生んでしまいます。
これがチェーンの伸びであり、消耗品である理由。
この伸びを測るために、チェーンチェッカーを使います。
過度なチェーン伸びが起こす悪影響
寿命を超えたチェーンを使い続けると、自転車に甚大な悪影響を及ぼします。
- 変速がキビキビ決まらなくなる
- 歯飛びを起こして力を加えられなくなる
- 駆動系系パーツ(RD、チェーンリング、スプロケット)を削ってしまう←重要
特に注意してほしいのが、「駆動系パーツ」を削ってしまうことですね。
伸びたチェーンの間隔に合わせて、駆動系パーツの“歯”が削られてしまうのです。
この写真を見ると、分かりやすいです。
チェーンが伸び切った状態で使い続けると、駆動系パーツが手裏剣になります。
刃先が削れて、尖ってくる。チェーンが噛み合わなくなり、「歯飛び」が起こります。まともに走れない。
直すにはパーツ交換が必要です。
チェーンの寿命は割と短い。
約3-5000km程度です。ちゃんと交換しましょうね。 pic.twitter.com/J9Zrcl6HLP
— かける【自転車旅人】 (@sekisaicling) December 27, 2020
チェーンを交換せずに1万キロくらい走ると、このようになります。
ちゃんと走れる状態に修理するには、
- スプロケット
- プーリー
- チェーンリング
- チェーン
全てのパーツを新品に交換しなければなりません。
修理費用は、最低でも1万5000円はかかるでしょう。(グレードによります)
チェーンの伸びの怖いところは、「寿命を迎えても目立った悪影響が出ない」ところですね。
交換時期を過ぎたからと言って、すぐに漕げなくなるとか、気になるトラブルが発生するわけじゃないんです。
だから、知らない間に乗り続けてしまう。
走行に支障が出るほど大きな異変が出て気づくころには、もう遅いです。
さっきの写真と同じ状態に近くなっています。
だからこそ、普段からチェーンチェッカーで伸びを確認することが、非常に大切なのです。
チェーンチェッカーの使い方
チェーンチェッカーの種類
チェーンチェッカーは主に2種類あります。
「フック型」と「メモリ型」です。
どちらを使っても構いません。
それぞれの特徴を紹介します。
使い方と特徴
フック型
チェーンにパコッとはめるだけのを、「フック型」と呼んでいます。
使い方は説明するまでもありません。
「ステップ1」「ステップ2」の順にチェーンに引っ掛けるだけ。
- チェーンチェッカーがチェーンにはまらない
→まだ使える - チェーンチェッカーがチェーンにはまる
→交換が必要
このように確認します。
「交換が必要か、否か」が明確で、使いやすいですね。
しかし、次に紹介するメモリ型のように、「細かい伸び率(%)」を確認することはできません。
その代わり壊れにくく、値段も手ごろです。
メモリ型
対してこちらを「メモリ型」と呼んでいます。
チェーンチェッカーをチェーンにセットし、ダイアルを回して使います。
ダイアルの裏に“ピン”がついてまして、それが広がっていきます。
止まったところの数値が、チェーンの伸び率です。
0.75-1%(赤色のゾーン)になったら、交換時期となります。
フック型と違い、細かな伸び率が分かるのが特徴ですね。
- 「大体あと○○kmくらい使えるかな」
- 「まだまだ使えるなあ」
と、分かりやすいです。
しかし、フック型に比べて少しだけ値段が高いのと、意外と壊れやすい(ピンが曲がりやすい)というデメリットがあります。
力を入れずに、優しく使うことを心がけましょう。
チェーンの寿命はどのくらい?
チェーンの伸び率が「0.75-1%が寿命」と言いました。
走行距離に直すと、およそ3-5000kmです。
しかし、チェーンの種類と、使用状況によって大きく異なります。
チェーンの種類(変速段数)で寿命は変わる
チェーンには、「〇速用」ってありますよね。
使っているコンポーネントに依存します。
変速段数が少ないほどチェーンの寿命が長く、多いほど短い傾向にあります。
メカニックとして働く経験からすると、大体こんな感じ。
9・10速チェーン:3500-4500km
11速チェーン:3000km
なぜかというと、変速段数が増えると、チェーンが薄くなるからです。
つまり、「削れやすくなる→伸びやすくなる」ということ。
ユーザーの多い11速なんて、約3000kmしか持ちません。
チェーンの寿命は割と短いので、注意してください。
使用環境の影響も大きい
「どこを走るか」「どんなふうに走るか」によって、寿命は大きく変わります。
負荷の大きい走り方をしている人ほど、チェーンが早く伸びます。
例えばこんな使い方。
- トレーニングとして
- スピードを意識した走り方
- ヒルクライムが好きな方
- 重いギアばかり使う方
走り方によって寿命は大きく変わるので、一概に〇kmということはできません。
また、「どんな風に走るか」もあります。
例えば、私は沢山の荷物を積んで自転車旅をするのですが、この使い方だと異常なほど伸びが早いです。
私の使っている8速用チェーンなら、普通4-5000kmは持つはず。
しかし、2000kmしか持ちませんでしたから。
このように、「乗り方」によってチェーンの寿命は大きく変わります。
一概に〇kmで交換が必要と表しにくいんですよね。人それぞれ違います。
だからチェーンチェッカーが必要なのです。
こまめなメンテナンスは、寿命を延ばす
実は、「メンテナンスの有無」で、チェーンの寿命は変わります。
チェーンの“ローラー”内部にゴミが溜まっていると、それが研磨剤と化して、チェーンを無駄に削ってしまいます。
つまり、寿命を縮めてしまう。
また、こめまにオイルを挿しているかどうかも大切。
オイルがないと潤滑が悪くなり、金属抵抗が増し、普段よりも早く削られてしまいます。
チェーンの寿命を延ばすためには、メンテナンスが欠かせません。
詳しくは、こちらの記事で解説しています。
チェーンチェッカーのおすすめ4選
チェーンの伸びを測る重要性を確認いただけたところで、「オススメのチェーンチェッカー」を紹介します。
私はフック型を使っていますが、細かな伸び率をチェックしたい方はメモリ型がいいでしょう。
どっちがよくて、どっちが悪いというわけではありません。
使いやすいと思う方を選んでください。
フック型のおすすめ2選
ほとんどの方がシマノ製コンポをお使いですよね。
なので、シマノが出しているチェーンチェッカーがおすすめ。
どこよりも信頼できます。
「もうちょっと手頃なのがいいかな」と思った方は、バイクハンドのモノがいいでしょう。
安いですが、お店のカタログにも載っている一流のメーカーです。
メモリ型のおすすめ2選
使いやすかったのが、パークツールのチェーンチェッカーです。
メモリも見やすく、おすすめ。
ただ、個人で使うには少し高いかなといった印象。
より手頃なのがよければ、ギザプロダクツがオススメです。
少しピンが曲がりやすいのが気になりましたが、注意して使えば問題なしです。
チェーンの交換方法
もし、チェーンが伸びていたら。
なるべく早く、新品のチェーンに交換しましょう!
チェーンの交換方法については、こちらの記事で解説しています。
まとめ
本記事の要点をまとめます。
- チェーンチェッカーとは、チェーンの伸びを測るための道具です。交換時期を確認することができます。
- メモリ型、フック型があります。
- チェーンの寿命は、3-5000km。変速段数や使用状況、メンテナンスの有無によって大きく異なります。
てな感じですね!
チェーンチェッカーを使って、日ごろから伸びを確認するように心がけましょう。
良い状態で自転車を保つことができますよ!
ちなみに、新しいチェーンに交換する時の選び方は、こちらの記事で解説しています。
この記事がお役に立てば幸いです。
ご覧いただきありがとうございました!