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【ロード/クロスバイク】フレンチバルブ(仏式)の空気の入れ方

仏式バルブ 空気の入れ方解説
悩んでいる人
空気の入れ方が知りたい人

スポーツタイプの自転車(ロードやクロスなど)に乗っているのだけど、普通の空気入れと違うからやり方が分からなくって。

 

  • どのような手順で空気を入れたらよいのか?

  • どこまで空気を入れたらいいのか?

  • どのくらいの頻度で空気を入れるのか?

…といったことを教えて欲しいなあ。

 

専門用語とか分からないから、初心者でも分かるよう解説して貰えると助かる!

こんな方にオススメの記事です。

 

 

【この記事で分かること】

  • スポーツタイプの自転車に使われる“仏式バルブ”に空気を入れる方法
  • 空気入れの使い方&注意点
  • 空気圧の単位&どこまで入れたらよいのか?
  • どのくらいの頻度で空気を入れるのか?
  • 空気入れを怠るとすぐにパンクする理由

 

かける
かける

自転車ショップでメカニックとして働く私が解説します!

 

自転車の空気入れは基本中の基本。

お花には水やりが欠かせないのと同じくらい、重要な行為です。

 

でも、「どうやって入れたらいいか分からない」という方が非常に多いですよね。

 

私たちもお店でポンプの説明は行っていますが、正直一回の説明で全て覚えるのは難しいでしょう…。

そこで今回は、スポーツ車によく使われる“仏式バルブ”に対する空気の入れ方について解説します!

仏式バルブとは、↓画像でいう中央。細長いバルブのことです。

自転車のバルブの種類(英式、米式、仏式)

 

初心者からよく質問がある内容を先回りしてお答えしてますので、是非参考にしてみて下さい。

 

かける
かける

空気入れをしないと、100害あって1利なし。

 

面倒だからと怠ると…修理費用が大変なことになります。

本記事で学ぶことで、不安なく空気入れ出来るようになりますよ!

 

 

この記事を書いた人
かける

かけると申します。
.
■自転車安全整備士、技士資格保有
■日本一周
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【気になる】街で見かける電動キックボード「LUUP」とは?
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【ザックリ解説】空気入れの全体像

仏式バルブ 空気の入れ方解説

まずは全体の流れから確認です。

 

  1. バルブキャップを外す
  2. バルブの先を緩める
  3. ポンプを固定
  4. 適正空気圧の確認
  5. 実際に空気を入れる
  6. 空気入れを外す

だいたいこんな感じ。

 

あとで詳しく説明しますが、空気入れの頻度は

  • ロードバイクなら1週間に1回
  • クロスバイクなら2週間に1回

このくらいを目安に行いましょう。

厳密にはタイヤの太さや空気圧によるので、一概にはいえません。

 

 

かける
かける

知っておいて欲しいことは「ママチャリよりも空気入れの頻度が多い。すぐに空気が抜ける。」ということです。

 

 

 

 

「お花に水をやる」くらい重要なのが、自転車で言うと2つの基本メンテ。

  • 空気入れ
  • チェーンの掃除&注油

 

 

なぜ大事かと言うと…

【空気入れをしなければいけない理由】

  • 空気入れをしないと必ずパンクするから。
  • タイヤの寿命がグッと縮まるから。
  • 走りが重たくなるから。。

 

【チェーンの掃除&注油をしなければいけない理由】

  • ゴミが溜まり、チェーンの寿命が半分以下になるから。
  • チェーンが錆びて切れたり、変速が決まりにくくなったりするから。
  • 金属抵抗が増えて走りが重たくなるから。

 

 

かける
かける

本記事では基本メンテの一つ「空気の入れ方」について解説します!

 

チェーンについてはこちらの記事(【初心者必見!】自転車チェーンの掃除・注油方法を完全解説)を参考にしていただければと思います。

前置きはこのくらいにして、本編へ移りましょう。

【用意するもの】仏式対応のメーター付きポンプ

空気入れをするシーン

空気入れ(ポンプ)をお持ちでないと、始まりません。

ママチャリ用の空気入れは使えませんので、「仏式対応」「メーター付き」の空気入れを購入してください。

 

例えばこんな空気入れなら使えます。

 

 


 

– 以下、一部の方へ案内です –

 

仏式バルブを採用した自転車の中には「英式アダプター」の付いた自転車があります。

↓こんなやつ。

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これは、仏式バルブに対して被せて使うもので、“ママチャリ用の空気入れ”でも使えるようにするためのものです。

便利そうに見えるのですが、2点の理由からオススメはしません。

 

  1. 適切な空気圧管理ができないから
  2. ロードバイクのような“高圧”まで入らないから

→【自転車】空気入れの変換アダプターを勧めない2つの理由

 

仏式バルブの自転車をお持ちなら、素直にメーターが付いた仏式対応ポンプを買うべきです。

【ロードバイク/クロスバイク】仏式バルブの空気の入れ方

写真を交えつつ、手順を一つずつ解説していきます。

 

バルブキャップを外す

キャップを締める

まず最初に、バルブの先に付いているキャップを外します。私のは透明ですが、基本は黒でしょう。

反時計回り、左回しで緩まります。

 

 

バルブの先を緩める

バルブのキャップを外す

見慣れない形のバルブがでてきましたね。

これが“仏式(ふつしき)バルブ”です。

 

 

空気を入れる前に、バルブ先端の“頭”を緩めて、一番上まで持ってきてください。

仏式バルブの先端を緩める

↑これが一番緩んだ状態です。

 

ここを緩めないと空気弁が閉じたままになりますので、空気が入りません。

初心者がよくミスるポイントなので注意です。

 

 

 

頭を緩めたら、指で2,3回押し込んでください。

仏式バルブの先端を押す

「プシュッ、プシュッ」と空気が抜けます。慌てなくてOK。

 

空気を入れる前にこの作業を行う理由は「弁の動きを確認するため」です。

ゴミなどが詰まっていると空気がうまく入らないので、プシュッっと空気を抜いて弁の動きを確認し、空気がスムーズに入るよう準備をしておくのです。

 

ポンプを固定

空気入れを片手で外すのはNG

バルブの先が緩まっているのを確認した上で、ポンプを固定します。

 

 

前提として、ポンプが緩まっていることを確認しましょう。

“緩まった状態”はポンプによって変わりますが、たいてい「レバーを立てるか、倒すか」です。

空気入れのヘッド

 

レバーの開け閉めで中のパッキンが広がったり、狭くなったりします。

広がっている状態→緩んでいる状態です。

空気入れの穴

 

 

 

バルブに対してグッと垂直に力を加え、差し込んで下さい。

空気入れをセットする

 

結構強めでOKです。奥深くまで挿入してください。

(※入らない時はレバーの位置が逆、緩まっていないかも。詳しくはポンプの説明書を読んでください。)

 

この入り浅いと空気が入りません。

適正空気圧の確認

空気を入れ始める前に確認すべきことが「適正空気圧」ですね。

 

スポーツ自転車はママチャリと違って“感覚”で空気を入れるわけではなく、具体的な数値(空気圧)を確認しつつ入れます。そのためのメーターです。

 

タイヤ側の適正空気圧

適正空気圧はタイヤによって変わります。

タイヤの側面をグルッと一周見てみてください。

 

適正空気圧の確認

どこかしらに、必ず指定空気圧の表記があります。(表になければ裏を見る)

  • 〇.〇bar(バール)
  • 〇〇〇kPa(キロパスカル)
  • 〇〇〇PSI(ピーエスアイ)

 

空気圧の3つの単位

bar/kPa/PSI…これらが空気圧の単位になります。

全て表記してあるタイヤもあれば、一つの単位しか書かれていないタイヤもあります。

 

かける
かける

とにかく、空気圧の書かれた数値を見つけましょう。

 

私たちプロでさえ、毎回タイヤを見て確認してから空気を入れます。

 

 

 

1つの単位でしか表記が無い場合は良いですが、複数ある場合はこう悩みますよね。

ギモンの声
ギモンの声

結局、どの単位を使ったらいいわけー?

 

 

はい、使う単位は「ポンプ側にある単位」でOK。

 

ここでちょっと、ポンプのメーターを確認しましょう。

メーターの内側、外側で用いられている単位が異なるはずです。

 

例えば私のポンプだと…

空気入れのメーター

 

  • 外側の単位が「kPa
  • 内側の単位が「psi

 

 

タイヤ側の空気圧を確認する時は、このどちらかで見るということです。

barやkPaが一般的ですかね。

 

なお、kPaの100分の1がbarとなります。※750kPa=7.5bar

 

空気圧の「min-max」

タイヤ側の指定空気圧の表記は2パターンあります。

  • min-max(〇〇以上〇〇以下)
  • maxのみ(最大○○気圧)

タイヤによりけりです。必ず確認。

 

例えばこのタイヤなら、「最大120PSI」。

タイヤの空気圧

 

 

 

ちなみにさっきのタイヤなら、「MAX8.0BAR(=120PSI)」

適正空気圧の確認

 

 

どこまで空気を入れるのか?

ギモンの声
ギモンの声

タイヤの空気圧には「min-max」や「max」の表記があることはよく分かったよ。

 

ところで、空気圧には範囲があるけど、どこまで入れたらいいわけ?

最大の数値ピッタリまで入れるべきなのかな…?

おそらく、こんな疑問が湧きますよね。

 

 

かける
かける

ひとまず、最初は「最大数値の9割」くらいを目安に入れればOK!

 

慣れてきたら「好みの空気圧」を探しましょう。

例えば…

 

[min600kPa]-[max850kPa]だとしたら、850×0.9=765kPa。

→約750kPa(7.5bar)を目安に空気を入れればOK。

 

[max7.0bar]だったら、7×0.9=約6.3bar(630kPa)が目安です。

空気圧で変わる乗り心地の差

「ひとまず最大の9割」と言いましたが、走り慣れてきたら色々な空気圧を試してみて、好みの硬さを探って欲しいのです。

 

というのも、空気圧によって乗り心地が変わるからです。

体重や走る道、走り方、感じ方などによって、その人に対する“最適な空気圧”は変わります。

 

【空気圧の特徴】

<空気圧が低め>
→タイヤに弾力がでて振動を吸収しやすくなるため、乗り心地が柔らかくなる。
→一方でタイヤが変形しやすく路面との接地面積が増えるため、抵抗が増えてスピードが出にくくなる。

 

<空気圧が高め>

→タイヤが硬くなり変形しづらくなるので、クッション性が無くなり振動を感じやすく、疲れやすくなる。
→一方で路面との接地面積が減り、抵抗が少なくなりスピードが出やすくなる。

 

 

サイクリングにハマってきたら、入れる空気圧を変えてみて、走りの違いを実感してみて下さい。

長く走れば走るほど、その違いがよく分かりますから。

実際に空気を入れる

かける
かける

今現在の状態を確認します。

 

 

 

  • ポンプをバルブに固定している
  • タイヤの指定空気圧の確認が終わり、どこまで入れるか分かっている

間違いないですね?進めていきましょう。

 

空気を入れるコツ、姿勢

空気を入れる姿勢

ポンプに力を入れて押し込み、空気を入れていきます。

コツは腕の力ではなく、体全体、体重をうまく使って押し込むのです。

 

 

極端な話、空気を入れる時に一瞬足を浮かせてみてください。

空気を入れる姿勢、体重のかけ方

その時の姿勢、力の入り方です!

 

肘はピンと伸び、背筋は立ち、膝の屈伸と共に体重をグッとかける。

そうすると、力を使わず楽に空気が入ります。

 

 

ママチャリと比べて高圧入れるため、かたくて跳ね返されてしまうこともしばしば。女性は特に。

コツさえ覚えれば軽く入るようになるので、最初は練習ですね。

 

指定空気圧まで空気を入れる

うまく空気が入ると、メーターの針が動いていきます。

「目標の空気圧(最大の9割程度)」まで空気が入ったら完了です。

 

もちろん前後輪行ってください。

空気入れを外す

ポンプのレバーを緩め、バルブから抜き取ります。

空気入れを外す

この時、必ず垂直に力を加えて抜いてください。

斜めに引っ張ったり、ぐりぐり引っこ抜こうとすると、バルブの先が曲がってしまう恐れがあるからです。

 

両手の親指でスポッと抜ける

私がやっているオススメの抜き方はこう。

空気入れを外す時にけが注意

かける
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右手はポンプに添えるだけ。

左手はホイールに添えて、親指でグッと押し出します。

軽い力で“安全に”スポッと外れます。

 

 

なぜ「安全」を強調したかというと、最初必ず失敗するからです。ケガをするから。

空気入れを外す時

片手で「抜くことだけ」を考えて引っ張ると、勢いよくポンプが抜け、手がギアに刺さってけがをします。

 

危険なので、私のように抜くのがオススメですね。

 

バルブのネジを締める

ポンプを外したら、バルブ先のネジを必ず締めてください。

バルブの先を閉じる

時計回りで一番下に来るまで回します。ギュッと。

締めが甘かったり、締め忘れたりするとスグに空気が抜けるのでお忘れなく。

 

キャップを付ける

キャップを締める

外したキャップを取り付けて終了です。

 

なお、最初に付いてくるキャップはプラスチック製でして、いずれ割れます。なくなります。

そうなったら、“アルミ製”のキャップに変えるのがオススメですね。

 

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カラーも選べるので、誰でも出来るお手軽カスタムとしてもいいでしょう。

空気入れの頻度

かける
かける

空気の入れ方解説は以上です。

最後に補足で「空気入れの頻度」について改めて説明します。

 

空気入れの頻度ですが…

  • ロードバイクなら1週間に1回
  • クロスバイクなら2週間に1回

くらいが目安となります。

 

タイヤの太さや空気圧の高さにもよるので、一概には言えませんが。

 

スポーツ自転車は空気の抜けが早い

いずれにせよ「絶対に1カ月は持たない」という認識を持ってください。要注意。

スポーツ自転車はママチャリに比べて、空気の抜けが早いです。

 

 

そもそも、タイヤの空気はゴム風船と同じで、何もしなくてもすこーしずつ抜けていきます。

スポーツ自転車がより早く空気抜けしてしまうのは、

  1. 仏式バルブの特徴
  2. (比較的)タイヤが細く空気量が少ないこと
  3. 高圧であること

が原因ですね。まあ「そういうもの」なのです。

空気を入れるメリット/デメリット

空気入れをするシーン

最初に「空気入れは花への水やりくらい大事なメンテ」だと言いました。

なぜか?

 

【空気を入れるメリット】

  • 路面抵抗が減り、楽に軽く速く漕げるようになる
  • タイヤの摩耗がしにくくなったり、ひび割れが起きにくくなるので、寿命が延びる
  • 「空気圧不足によって必然的に起こるパンク」を避けられるので、運要素が大きい“刺さりものパンク”が主になる

【空気を入れないデメリット】

  • 路面抵抗が増え、漕ぐのが重くなるし、進みも悪くなる
  • タイヤの摩耗を促進し、ひび割れがすぐに起き、寿命がとても縮まる
  • 空気圧不足によって必然的にパンクが起こる。運ではないため無駄なパンク。無駄な出費。

 

かける
かける

要するに、空気を入れないのは自転車にとって悪いことしかないのです。

 

  • 走りがとっても重たくなる
  • タイヤの寿命が半分以下に縮む
  • 運ではなくて必然的なパンクが起こる(「空気入れてないなら当然パンクするよね」ってこと)

 

この「空気圧不足によるパンク」が、どれほど多いことか。特に学生。

修理をする身だからこそ思います。もったいないなって。

 

 

空気圧不足によるパンクの場合、タイヤもチューブも劣化が激しいです。

いわゆる「パンク修理」では済まない場合が多く、タイヤ&チューブの交換になることが多い。

 

 

そうなると、ザっと見積もって前後のタイヤチューブ交換で1万円は掛かります。

>>>ロードバイクのタイヤを交換すると、値段はいくら?【目安】

 

 

空気を入れず、修理に1万円を払う未来を選ぶか、

空気を入れて、修理代1万円の余分な出費を節約できる未来を選ぶか。

どっちの道を選ぶかは、あなたの心がけ次第です。

 

 

「空気を入れる」だけで、自転車はうんと長持ちします。

無駄な修理代を払いたくなければ、今から空気を入れる習慣を付けていきましょう!

 

かける
かける

空気入れなんて、1回5分もあれば終わりますから!

まとめ

最後に、本記事の要点をまとめます。

 

【仏式バルブの空気の入れ方】

  1. バルブキャップを外す
  2. バルブの先を緩める
  3. ポンプを固定
  4. 適正空気圧の確認
  5. 実際に空気を入れる
  6. 空気入れを外す

 

スポーツ自転車は空気入れの頻度が多いので、入れ方はマスターしなければなりません。

本記事でも分かりやすく解説したつもりですが、どうにも分からなければ自転車購入店へ尋ねてみましょう。

 

お役に立てば幸いです。

最後までご覧いただきありがとうございました。