
自転車の空気を入れたいのだけど、空気入れの使い方がよく分からない…。
どうやって使ったらよいのだろう?
あと、空気はどのくらいまで入れたらいいの?
“空気入れ”の手順を知りたいのと、注意事項が知れたら嬉しいなあ。
ちなみに自転車知識は全くないから、専門用語はナシでお願い…。
こんな方にオススメの記事です。
【この記事で分かること】
- 一般的な自転車の空気入れ(英式バルブという)のやり方
- ポンプのセッティング方法
- 空気を入れるメリット/空気を入れないデメリット
- 空気入れの際によくあるトラブル
- 空気入れに関するよくある質問と、その回答

自転車ショップでメカニックとして働く私が解説します!
自転車に乗る上で空気入れは欠かせません。
しかし、その「空気入れ」のやり方を知らない人が非常に多い。
空気入れには専門的な知識が必要?いえ、そんなことはありません。
おばあちゃんでも、誰でもできます。
大事なことを言います。
いずれ必ずです。100%。
「へぇー、そんなこともあるだ!」程度に思うかもですが、事実、自転車屋に来るパンクの原因の7割程度は空気圧不足によるものです。(体感ですが)
空気入れは1カ月に1回程度行いましょう。
本記事を見ることで、空気入れのやり方が分かりますよ。
それはつまり無駄なパンクを減らすことに繋がるので、余分な出費を無くし、自転車を押して歩く手間も省けます。
是非最後までご覧ください。
【確認】本記事で解説するのは「英式バルブ」の空気入れ
まず確認。
本記事で解説するバルブ形式(空気を入れるところ)は「英式バルブ」です。
一般的な自転車、ママチャリ…大半の自転車に使われています。
↓写真のうち「一番左」です。
お持ちの自転車も同じ形をしていますか?

同じならば、読み進めていってOK!
記事の内容と合致しています。
他のバルブ形式(米式/仏式)であった方は、おそらくスポーツタイプの自転車ですよね。
仏式バルブについては、こちらの記事で解説しています。
【ママチャリなど】自転車(英式バルブ)の空気の入れ方解説

まずは全体の流れを掴みましょう!
…という感じです。
写真を沢山交えつつ、詳しく解説していきますね!
大事な注意点や補足情報もお伝えするので、スキップせず読んで頂けると嬉しいです。
バルブの黒いキャップを外す
“黒いキャップのみ”をつまみ、反時計回りで回転させて緩め、外します。
緩めるのは黒いキャップのみ。銀の部分を緩めると…
「黒いキャップのみ」と強調したのは、間違えて下の袋ナット(銀の部分)も一緒に緩めてしまう方がいるからです。
↓この部分。
ここを緩めてしまうと、中の棒(虫ゴム/プランジャーという)が勢いよく飛び出し、空気が一気に全て抜けます。一瞬です。
英式バルブの構造
なぜならば、この“棒(虫ゴム)”が空気をせき止める弁の役割をしているからです。
もし分解してしまったら、「棒」→「袋ナット(銀の部分)」の順で元に戻しましょう。
袋ナットを締める時は、ぎゅっと強く締め付けてください。
虫ゴム単体の解説について、詳しくはこちらの記事で解説しています。
(アダプタータイプの空気入れなら、取り付けて準備しておく)
※該当者だけ確認ください。
お持ちのポンプがアダプター式なら、予め取付をしておきます。
英式バルブのみに使えるポンプをお持ちの場合は、そのまま空気がいれられます。
でも、中には複数のバルブ形式に対応できるのもあります。
こういうタイプのものは、予めポンプ本体に「トンボ口(洗濯バサミみたいな部分)」を取り付けておいてください。
トンボ口の固定は、レバーを倒すか立てるかすると緩んだり締まったりします。
※ポンプによって異なる
緩んだ状態でトンボ口をはめ、締めて固定をしてください。
空気入れをセットする
空気入れの洗濯ばさみみたいな部分(トンボ口)をセットしていきます。
グッとつまんで開いた状態で…
下のフック部分を棒に引っ掛けつつ…
指を話してセットします。
なお、トンボ口に“穴”から空気が出てきます。
この“穴”が、棒の中の“穴”にぴったり合うようにセットをしてください。
これがズレていると、空気は「シューシュー」抜けてしまいますから。
タイヤが適正空気圧になるまで空気を入れる
空気入れをセットしたら、あとは入れるだけ。
しっかりと空気が入っているか確認しつつ、体重を掛けながらポンピングしましょう。
タイヤの適正空気圧は、一般的な自転車なら“3気圧”程度。
※タイヤによって変わる

3気圧ってどのくらいのかたさ?
入れすぎもダメだから怖いなあ…
と、よく聞かれます。
タイヤを指でグッと押し込んだ時、「硬式テニスボール」と同じくらいのかたさですね。

3気圧は結構「かたい」です。実際に触ってビックリする方も多いですよ。
少なくとも女性がタイヤを握って“プニプニ”なるような状態なら、それは空気が少なすぎます。もっともっと入れて大丈夫!
ちなみにですが、英式バルブの場合は空気圧を「メーター」では測れません。基本的に感覚のみが頼りです。
「なぜメーターで測れないのか?」など、“空気圧”に関して詳しくはこちらの記事で解説しています。
>>>自転車(ママチャリ)の空気圧ってどのくらい?【目安と確認方法】
空気入れを外す
適正空気圧入れ終わったら、空気入れを外してください。
袋ナットを指で強く締める(確認)
空気を入れ終わったあとに重要な作業が残っています。
「袋ナット(銀の部分)」をぎゅっと強く締めてください。時計回りです。
ここが緩んでいると、少しずつ空気が抜けてしまうからです。
「かたくてもうこれ以上回らない!」というところまで締めてくださいね。
黒いキャップを付ける
最後に黒いキャップを取り付けて終了です。
お疲れさまでした。

よく「黒いキャップがなくなると空気が抜けてしまう…」と勘違いしている方います。
このキャップは中へゴミや水が入らないよう防いでいるためのフタであり、空気の漏れには一切関係ありません。
フタが無くても空気は抜けないので、心配なさらず。
そのままでもOK。
もしなくしてしまった場合はどうするべきか、こちらの記事で解説しています。
空気入れの際に気を付けること

空気入れをする際に注意すべきことは2つ。
ひび割れの激しいタイヤは圧を下げる
ヒビの激しいタイヤは、適正量まで空気圧を入れない方が良いです。
タイヤが圧に負けて裂けてしまうから。ボフッと破れてしまうから。
正直足りないですが、少なめにセーブしておきます。

ひび割れの激しいタイヤは、基本的に交換が必要です。
入れすぎ注意
空気をどこまでも入れてはいけません。
タイヤには指定の適正空気圧があり、これを大幅に超えるとタイヤが外れて爆発します。
あくまでも「硬式テニスボール」くらいのかたさまで。
…と文字で説明しても分かりにくいと思うので、自転車屋に行って「適正空気圧」まで」入れてもらい、実際に触って確認するのがオススメです。
【Q&A】空気入れでよくあるトラブル、質問へ回答
文中と重複する内容もありますが、以下のよくある質問にお答えします。
黒いキャップ無くした
黒いキャップがなくても、空気は全く抜けません。
なぜなら、ゴミの付着や水の侵入を防ぐのがフタの役割だからです。
もしキャップをなくしてしまった時は、「自転車タイヤの「キャップ」が割れた、なくした時の入手方法」を参考にどうぞ。
硬くて空気が入らない

空気入れにグッと力を入れても、全然空気が入りません。
かたいです…。
もしかすると、タイヤの中でチューブが寄って折りたたまれているかもです。
普段から空気が少ないとチューブがズレて寄り、バルブ付近で折りたたまれます。
するとチューブに空気が入っていかないことがあります。
無理に入れようとしてはいけません。
一か所だけに空気が溜まり、爆発する恐れがあるからです。
一度タイヤを外してチューブの位置を元に戻す必要があるので、自転車屋へ行きましょう。
どのくらいまで空気を入れたらいいの?(再度アンサー)
硬式テニスボールくらいになるまでです。
英式バルブの場合は、メーターを使って空気圧を測ることはできません。
あくまでも指の感覚で空気圧を確認です。
>>>自転車(ママチャリ)の空気圧ってどのくらい?【目安と確認方法】
空気を入れたら破裂した
考えられる原因は以下の通り。
いずれにせよ、破裂した場合はチューブのみの交換、あるいはタイヤとチューブの交換になるでしょう。
自転車ショップへGOです。
>>>【ママチャリ】自転車のパンク修理/タイヤチューブ交換の値段は?
空気を入れようと思ったら、バルブ根元からシューシュー漏れる

空気を入れたあと(入れたとき)、バルブの根元からシューシュー空気が漏れてくる…。
どうして?パンクしてるの?
「バルブの根元から漏れてくる」というのがヒントでして、まずやるべきは虫ゴムの状態を確認することです。
虫ゴムに亀裂が入っていたり、ゴムがズル剥けてしまっていたら、「虫ゴムの劣化」が原因である可能性が高いです。
交換をしてもう一度空気を入れてみましょう。
虫ゴムを変えてもバルブ付近から空気が抜けるなら、おそらく「バルブ折れ(バルブの根元に大きな穴空き)」があります。
チューブ交換が必要になる可能性が高いので、自転車ショップへ持ち込みましょう。
空気を入れたあと、時間が経つと抜けてしまう
「時間が経つと…」の“時間”って具体的にどのくらいでしょう・
例えば1カ月くらいして空気が抜けてしまうなら、それは正常。
月に1回程度の頻度で空気を入れましょう。
空気を入れて「数時間」「1-2日」で空気が抜けるなら、パンクの可能性が高いです。
でもまずは虫ゴムの状態をチェック。
ダメなら交換して空気を入れて様子見。
それでも抜けるならパンクっぽいので、自転車屋へどうぞ。
>>【パッチ貼り】自転車のパンク修理は自分でできる?【難しい】
虫ゴムの寿命ってどのくらい?
虫ゴムの寿命は一概には言えませんが、最低でも1年に1回は変えたいですね。
半年に1回くらい交換していれば安心です。
空気を入れるメリット/入れないデメリット
最後に、空気入れの大切さをお伝えして終わろうと思います。
【空気を入れるメリット】
- 路面抵抗が減り、楽に軽く速く漕げるようになる
- タイヤの摩耗がしにくくなったり、ひび割れが起きにくくなるので、寿命が延びる
- 「空気圧不足によって必然的に起こるパンク」を避けられるので、運要素が大きい“刺さりものパンク”が主になる
【空気を入れないデメリット】
- 路面抵抗が増え、漕ぐのが重くなるし、進みも悪くなる
- タイヤの摩耗を促進し、ひび割れがすぐに起き、寿命がとても縮まる
- 空気圧不足によって必然的にパンクが起こる。運ではないため無駄なパンク。無駄な出費。

要するに、空気を入れないのは自転車にとって悪いことしかないのです。
- 走りがとっても重たくなる
- タイヤの寿命が半分以下に縮む
- 運ではなくて必然的なパンクが起こる(「空気入れてないなら当然パンクするよね」ってこと)
この「空気圧不足によるパンク」が、どれほど多いことか。
修理をする身だからこそ思います。もったいないなって。
空気圧不足によるパンクの場合、タイヤもチューブも劣化が激しいです。
いわゆる「パンク修理」では済まない場合が多く、タイヤ&チューブの交換になることが多い。
そうなると、ザっと見積もって前後のタイヤチューブ交換で1万円は掛かります。
>>>【ママチャリ】自転車のパンク修理/タイヤチューブ交換の値段は?
空気を入れず、修理に1万円を払う未来を選ぶか、
空気を入れて、修理代1万円の余分な出費を節約できる未来を選ぶか。
「空気を入れる」だけで、自転車はうんと長持ちするようになります。
無駄な修理代を払いたくなければ、今から空気を入れる習慣を付けていきましょう!

空気入れなんて、月に1回5分もあれば終わりますから。
まとめ
最後に、本記事の要点をまとめます。
【一般自転車(英式バルブ)の空気の入れ方を解説】
- バルブの黒いキャップを外す
- (アダプタータイプの空気入れなら、取り付けて準備しておく)
- 空気入れをセットする
- タイヤが適正空気圧になるまで空気を入れる
- 空気入れを外す
- 袋ナットを指で強く締める(確認)
- 黒いキャップを付ける
別に難しいことはありません。
空気入れさえ持っていれば、誰でも出来ます。
「空気入れが高くて、買うのがもったいない?」
…なんて、記事を読んだあなたはもう思いませんよね?

空気入れを買わず、空気を入れず、無駄な修理代が掛かる方がよっぽどもったいないですからね。
最後までご覧いただきありがとうございました!