自分の乗っているクロスバイクのタイヤって、どこまで太く・細くできるのだろう?
例えば、ロードバイクのような25Cとかの細いタイヤでも使えるの?
逆に、マウンテンバイクみたいなふっといタイヤも入るのかなあ?
タイヤを変えたら、乗り心地やスピードが変化するのかなって気になるんだよね…。
こんな方にオススメの記事です。
【この記事で分かること】
- クロスバイクのタイヤはどこまで細く/太くできるのか
- リムの内幅が重要
- タイヤを変えるなら、このタイミングがベストだと思う
- ぶっちゃけタイヤを変えただけで、大きな違いが出るものか?
- ケブラービードとワイヤービード
自転車ショップでメカニックとして働く私が解説します!
結構聞かれることが多い質問ですし、昔の自分も気になっていた内容ですので、記事にしてみました。
是非最後までご覧いただければと思います。
【解説】クロスバイクのタイヤはどこまで太く/細くできるの?
クロスバイクのタイヤはどこまで太く/細くできるのか?
まずは結論からお話ししましょう。
てな感じです。これはあくまでも「限界ギリギリを攻めるなら」の話。
最初から付いているタイヤの一回り太い/細いくらいなら、たいてい入ります。
何を基準に、どうやって調べたらいいのか?
自転車のことが詳しくはない初心者の方に向けて、順に解説していきます。
リムの内幅とは?
これから説明をしていくうえで、まず「リムの内幅とは何か?」を理解する必要があります。
「リム」とは、ホイールを構成するパーツ。車輪の輪っかの部分です。
リムの断面図を用意した時、“ここ(緑線)”のことを「リムの内幅」といいます。
画像:http://www.riteway-jp.com/pa/820503.html
タイヤが引っかかるビードフック間の距離ですね。上記の場合18.6mm。
ホイールのカタログなんかを見ていると「15C」「17C」「19C」…といった表記がありますが、これは内幅のことです。○○C=○○ミリ。
リムの内幅(○○C)は、ホイール自体に書いてあることが多いです。
たいていバルブ付近のステッカーに小さく記載があります。
もちろん書いて無いのもあります。
そんな時は…
ですかね。書いてあったらラッキーです。
「リムの内幅を把握すること」がタイヤサイズを選ぶ上で最重要になるので、必ず確認しましょう。
本記事を読み進める上での前提条件です。
これが「分からない」と、どこまでのタイヤを付けられるかも「分からない」です。
細さの限界→リムの内幅×1.4(目安)
本題に入っていきます。
「クロスバイクのタイヤサイズを変えたい!」という人の多くは、「細くしたい」派です。
こんなことが動機になる人が多いですね。
さて。どこまで細くできるかは、「リムの内幅×1.4倍」が目安になります。
例えば15Cだとしたら…
15×1.4=21mm幅以上のタイヤは履けるというわけです。
クロスバイクは17Cや19Cが多いので、それぞれ…
- 17×1.4=23.8mm以上のタイヤはOK
- 19×1.4=26.6mm以上のタイヤはOK
てな感じ。あくまでも目安ですけど。
タイヤの太さのラインナップはたいてい「23C、25C、28C、30C、32C…」というふうです。
なので、
- リム内幅17Cの場合は、実際は25mm幅以上のタイヤ
- リム内幅19Cの場合は、実際は28mm幅以上のタイヤ
てな感じになります。
太さの限界→リムの内幅×2.4(目安) か フレームに擦れないかどうか
反対に太さの限界はというと…
となります。
先ほどと同じ例を挙げてみると…
- 17C×2.4=40.8mm以下のタイヤならOK
- 19C×2.4=45.6mm以下のタイヤならOK
というイメージです。
しかしながら、クロスバイクの場合、実際はそこまで太いタイヤは付けられないと思います。
なぜなら、「フレームに擦れるから」です。
ですので、実際は「フレームに擦れない程度の太さまでならOK」てな感じになりますね。
現状付いているタイヤとフレームの隙間を確認し、リム内幅を確認し、余裕がありそうならタイヤを太くできます。
【参考】シュワルベにある、リムの内幅とタイヤの太さの適合表
参考までに、タイヤチューブメーカーの「シュワルベ」がFAQを用意しています。
>>タイヤ幅とリムの幅(内幅)の適合範囲をおしえてください。
PDFファイルを開くと出てくる「リムの内幅×タイヤ幅の適合表」がコチラ。
横軸がリムの内幅、縦軸が対応タイヤ幅です。
割と広い。
これも参考にしつつ、「最小1.4/最大2.4」の掛け算をすると尚良いかと思います。
タイヤを変えるタイミング
タイヤを細く/太くするなら、「消耗しきった時」が良いですよ。
どうせ交換しなければならない時に試せば、もったいなくないですよね。
でも、今のタイヤがまだ使えるのに交換してしまっては、もったいないように思います。
もちろん、どうしても興味が湧いて今すぐにでも交換したいならいいのですが、「ちょっと気になっている」程度であれば、タイヤ消耗時がベストかなと。
ぶっちゃけタイヤを変えて違いは出るの?
タイヤを変えれば違いが出ると信じて疑わないけど…
ぶっちゃけどうなの?効果ある?
圧倒的に「細くしたい方」が多いので、細くした場合の効果について話しましょう。
ここからは個人的な感想なので、さっと聞き流す程度でOK。乗る人によって感じ方は全然違いますからね…。
気になるスピードについて。
これはタイヤを細くするほど速くなります。スッと軽やかに進むようになるのは確か。
要因はタイヤ自体が軽くなることと、接地面積が減り路面抵抗が少なくなるからです。
ですが、細くすると空気圧を上げる必要があります。
その結果「乗り心地が悪くなる」という負の特徴が出始めますね。タイヤがカチカチになるので、振動を吸収しにくくなるのです。
街乗りでクロスバイクを使うなら、個人的には「28-35C」の間で使いますかね。使用可能でも25Cまでは細くしません。
- スピードが欲しいなら28C
- 乗りやすさを求めるなら35C
って感じ。
- 通勤通学で10km近く走るなら28C
- ママチャリの代わりに、用事の“足”としてクロスバイクを使うなら35C
みたいなイメージです。
オールマイティにいくなら、中間の32Cがちょうどいいかな。
ただ…
タイヤを変えただけでは、すごーーーく大きな違いはでません!
クロスバイクからロードバイクに乗り換えたときのスピード感の違いとか…
クロスバイクからマウンテンバイクに乗り変えたときのグリップ感、安定性の違いとか…
カテゴリの違う自転車に乗ったときほどの「違い」は、もちろん出ないです。
「今乗っているクロスバイクの特性をちょっと変える」くらいのイメージですかね。
速く走りたいなら、タイヤ幅以上に重要なこと
クロスバイクのタイヤを細くすると、確かに今より速く走りやすくはなります。
でも、幅の縮小上に効果があると思うのは、「質の良いタイヤを使ってみること」ですね。
タイヤは今のサイズのまま変えずに、です。
クロスバイクに最初から付いてくるタイヤは、ぶっちゃけ安いタイヤ。重いです。
それをサイズそのままに、ちょっといいやつ使ってみましょ。
タイヤには2種類あって、「ワイヤービード」か「ケブラービード」か。
違いの見分け方はタイヤを折りたためるかどうか?ですね。
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安いタイヤは、タイヤのふちにワイヤーが入っていて重たいです。
折りたためないタイヤがワイヤービード。
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高いタイヤになるとケブラーという繊維がふちに入っています。
ワイヤーに比べてうんと軽いです。折りたためるタイヤがこっち。
クロスバイクに最初から使われるタイヤは基本「ワイヤービード」ですから、これをケブラーに変えてみましょう。
一本3500円を超えてくると、だんだんケブラー化してきます。
オススメ3選を貼っておきますので、よければ詳細見てみて下さい。
マジで、タイヤで、変わります。
まとめ
最後に、本記事の要点をまとめます。
【クロスバイクのタイヤはどこまで太く/細くできるの?】
- 細さの限界→リムの内幅×1.4(目安)
- 太さの限界→リムの内幅×2.4(目安) か フレームに擦れないかどうか
- タイヤを変えると違いは出るが、すごーーーく大きな違いは出ない
- 自転車の特徴が少し変わる程度と考えましょう
- サイズの変更も効果ありですが、それ以上に「良いタイヤ」を使うと、まるで別の走りになります。
以上です。参考になれば幸いです。
ご覧いただきありがとうございました!