「自転車を直してほしかったのに、修理を拒否されてしまった!」
あなたはそんな経験をしたことがありませんか?
実は私、自転車屋でアルバイトをしている立場なのですが、確かに理由があって修理をお断りさせていただく場合もあります。あなたが断られてしまったのも、店員が不愛想というわけではなく、しっかりとした理由がある場合が多いです。
「修理を拒否するほどでもないだろう!」と思う気持ちも十分理解できますが、中にはお客様のためを思って拒否している場合もあるのです。
そんな「自転車屋が修理を断る本当の理由」をお伝えいたします。
どうして拒否するの?
自転車屋が修理を拒否する理由は様々ですが、主に考えられるのはこちら。
2.明らかに問題が多い自転車
3.修理する工具が無い
4.作業に余裕がない
5.自店顧客との差別化
以下で詳しく説明します。
パーツが手に入らない
あなたが持ち込んだのはこんな自転車ではありませんか?
・インターネットで購入した自転車
・そのお店に取り扱いが無いブランド
・マニアックな(特殊な)自転車
もしこのうちのどれかに当てはまった場合は、パーツが手に入らないことから断った可能性があります。
自転車の修理ということは、必ずあなたの自転車に何らかの作業が加わりますよね。
ほとんどの場合がトラブルなく作業を終わらすことができるのですが、人間ですから絶対にミスが生じないとは限りません。
何らかの理由でお客様の自転車を壊してしまう(傷つけてしまう)可能性が0ではないわけです。
そういった時、あなたが上記のような自転車をお使いであれば、自転車屋側が必要なパーツが手に入らないということになりかねません。
問題を未然に防ぐために自転車を修理拒否したということが考えられます。
明らかに問題の多い自転車
これは安い自転車に多いのですが、お願いされた箇所を修理する前に調整しなければいけない箇所が沢山ある場合があります。
安い自転車というのは、当然品質もそれなりです。各パーツの耐久性が乏しく、一流品に比べてすぐに状態が悪くなってしまいます。
そんな自転車をお客様がお持ちになり、「Aという場所を直してほしい」と修理依頼をした時、明らかにその場所単体では済まず、「Aを直すためにはBもCも直さなければいけない・・・」ということも少なくありません。
もちろんそれら全て修理してくださるのであれば自転車店の利益も大きく、ありがたいお客さんとして受け入れられるのですが・・・
安い自転車に乗っている人は高い修理代に理解を示さない方もいらっしゃいます。
下手に修理してトラブルになるよりは、最初からそれを防ぐという意味で断る場合もあります。
修理する工具が無い
一言に「自転車」といっても、
ママチャリ、マウンテン、ロード、クロス、ミニベロ、折り畳み、BMX、トライアルバイク、など様々で、全てに対応できる工具を持っていない場合があります。
例えば私のアルバイト先はスポーツバイク専門店であり、一般車(ママチャリなど)の修理は受け付けておりません。
店のコンセプトに合っていないからというわけではなく、単純にスポーツ車と一般車では使用する工具が異なり、技術はあっても直すことができないのです。
とはいえ、専門であるスポーツ車でも修理受付できない場合もあります。
それはどんな時かというと、専用工具が必要になる時です。
フレームやパーツに対してある特定の工具(専用工具)が必要になる場合、それを持ち合わせておらず、断られてしまうこともあります。
作業に余裕が無い
あなたが持ち込んだお店の規模が小さかった場合、他で購入したお客様を受け入れられるほど余裕が無い場合があります。
なるべく自分のお店で買ってもらったお客様を大切にしたいでしょうから、優先順位の関係でやむなく断るケースもあるようです。
また、店主1人で経営されているようなお店ですと、大事なお客様の接客から手を離すことができず、断るケースもよくあります。
自店顧客と差別化
当然ですが、差別化も考えられます。
「ウチで買った自転車じゃないと修理はしません」なんてお店もあるようですが、それは囲い込みによる差別化か、上記の「質の悪い自転車」を門前払いするためのどちらかだと考えられます。
よそで買った人にとってはいい気はしませんが、一方でそのお店で買った方は手厚いサービスが受けられることでしょう。
なるべく自分のお店で自転車を買って頂けるようそのような方針を取っているのでしょう。
また他によくある差別化として「自店購入か他店購入かでサービスが異なる」ことがあります。
そのお店で自転車を買った方は、無料で点検サービスが受けられたり、工賃が特別価格になったりするものです。
なぜこのようなことをするのかというと、正直ネットに値段では勝てないからです。
しかし、その値段が高い分の付加価値としてサービスを提供しています。
それを全ての人が同じサービスを受けられてしまったら、店舗で購入するメリットがなくなってしまいますよね?
そのための差別化として価格を変えているのです。
さいごに
以上のように、自転車屋側にも理由があって修理をお断りしていると考えられます。
自転車屋の店主というのは職人気質な方も多く、詳しく説明することもなく一方的に断ってしまったのかもしれません。
しかし、反対にあなたにもお店を選ぶ権利はありますので、自分に合ったお店探しから始めてみましょう。
きっとあなたの自転車を受け入れてくれるお店が見つかるはずです。
ここまでご覧いただきありがとうございました。