- 普通の自転車(ママチャリ等)の空気圧はどのくらい?
- 具体的にどうやって確認したらいいのだろう?
- 入れる時に気を付けることはあるのかな?
こんな悩みを解決します。
【この記事で分かること】
- 自転車(ママチャリ)の適正空気圧
- 適正空気圧の確認方法
- どうすれば「適当なタイヤの硬さ」を確認できるか
- 英式バルブはメーターで空気圧を測れない理由
- 空気が少ないとどうなるか?
自転車整備士の私が解説します。
詳しくない方でも理解できるよう、専門用語は嚙み砕いてお話しします。
なお「空気の入れ方の流れ」については、こちらの記事で解説しています。
>>自転車の空気の入れ方は?ママチャリ等の「英式」バルブで解説
※本記事は「ママチャリの空気圧」にフォーカスした内容です。
「ママチャリの空気圧」って、どのくらいを保てばいいか知らない方が多いですよね。
それゆえ街を走るママチャリの多くが「空気が少なすぎる状態」になっています。
【適正空気圧を守らないと…】
- パンクしやすくなる
- 漕ぐのが重くなる
- タイヤの劣化が激しくなる。寿命が急激に縮まる
といった悪影響しかなく、無駄な修理費用が発生します。
そこで本記事を読めば、正しい空気圧を入れることができますよ。
自転車を良い状態に保ち、長持ちさせることに繋がります。参考にどうぞ。
自転車(ママチャリ)の適正空気圧は?
結論から言うと、ママチャリなどの一般的な自転車の適正空気圧は「3気圧」が標準です。「硬式テニスボールくらいの硬さ」なんて表現されます。
知っている方向けに具体的な単位で表すと、下記の通りです。
【具体的な空気圧】
- 約300kPa
- 約3BAR
- 約44PSI
※ただし英式バルブは空気圧をメーターでは正確に測れません。後述します。
注意点ですが、あくまでも“適正空気圧”は使用するタイヤによって異なります。
全ての自転車が一概に「3気圧が目安」ではありません。3気圧では少ない場合も全然あります。
なので、タイヤに空気を入れる際は必ず“適正空気圧”を確認します。
私たちスタッフは一日に何十台と空気を入れるわけですが、それでも毎回タイヤの指定数値を確認するものです。それくらい大事。少なすぎても、入れすぎてもダメだからです。
適正空気圧の確認方法から順に解説しますね。
タイヤで異なる「適正空気圧」の確認方法
適正空気圧は「タイヤの側面」に記載があります。
[例:○○気圧/○○BAR/○○kPa]という数字が、空気圧を表しています。
タイトルは「ママチャリの~」と書きましたが、どんな自転車も確認方法は一緒です。
実際のタイヤを使って見ていきましょう。
↑このタイヤは、私の祖母が乗る電動アシスト自転車のタイヤです。
タイヤの側面には[空気圧:300Kpa(=3気圧)]と記載がありますね。これが適正空気圧です。
「このタイヤは3気圧を目安に空気を保ってくださいね。」という意味になります。
↑次にこちらが、私の弟が乗る通学自転車(アルベルト)のタイヤです。
たまたま同じで[空気圧:300kPa(=3気圧)]との指定でした。
このように、空気を入れる前に必ず「適正空気圧」を確認します。
今回の例では2台とも3気圧が目安でしたが、ママチャリでもタイヤによっては450kPa(=4.5気圧)程度のより硬い状態が適正の場合もあります。
今回はママチャリの標準である「3気圧」で話を進めていきます。
空気圧を測る方法(例:3気圧の場合)
【よくある質問】
- タイヤの側面を見て適正空気圧を確認したよ。
- でも、どうやって「今が適正空気圧の状態だ!」って判断したらいいわけ?
…おそらく誰もがこう思いますよね。
結論…「感覚」に頼るしかありません。
空気圧計が付いたポンプもあるのですが、ママチャリに使われる「英式バルブ」の場合は正しく測れないからです。
「なんだよそれ。分かるわけないじゃん…」と思うかもですが、そうなんです。
これが英式バルブの特徴であり、不便な点なんですね。
なので最初はプロに空気を入れてもらって、その感覚を覚えるのがオススメです。
3気圧=硬式テニスボールくらいの硬さ
冒頭でも述べた通り、[3気圧=硬式テニスボールくらいの硬さ]と表現しました。
これってすごく曖昧な表現なのですが、具体的に測る術がないのでこう説明するしか手段がないのです。
…少なくとも女性がタイヤをつまんで「プニプニ」している状態なら、それは少なすぎます。
整備士目線で街中を走っている自転車を見ると、「適正空気圧入っている自転車」を探す方が難しいくらい、空気の少ない自転車ばかりです。
空気が少ないと体重によってタイヤが押しつぶされるので、その具合で分かります。
実際に私は適正空気圧をお客様にお伝えする立場です。
「タイヤにはこのくらい空気を入れてくださいね(例:3気圧)」とつまんで確認して貰います。
一番多い反応が「え、こんなに入れていいの?メッチャ硬い!」です。
…何が言いたいかというと、一般人の“適正空気圧”の認識は大きく間違ってる場合が多いよ!ということです。
たいてい少なすぎるので、もっともっと空気を入れる必要があります。
買った店でプロに空気を入れてもらい、その感覚を覚える
「適正空気圧入れたタイヤの硬さ」を覚えるために、一度買ったお店でプロに空気を入れてもらうのがオススメです。
適正状態でタイヤをつまみ、感覚を養うのです。メーターでは測れないからですね。
先ほどの例で言うと[100ccの水は、片手ですくったくらい]と表現するとしましょう。
でも手の大きさは人によって違うし、すくう量の認識も人によって変わるわけです。
一度目の前でプロがその量を教えてくれれば、「正解のイメージ」が具体的に分かるはず。
「正解のイメージ」が掴めていれば、多少の誤差はあるにしろ、明らかに少なすぎたり/入れすぎたりを防げますよね。そうなれば十分です。
英式バルブはメーターで空気圧が測れない理由
↑のように、スポーツバイクに対応した空気入れだとメーターが付いています。
しかし、ママチャリの「英式バルブ」の場合はメーターの数値が当てになりません。
その理由が下記です。
(国内タイヤチューブメーカーのパナレーサー様のポストより引用)
Q.英式バルブは内圧ゲージで空気圧を測ることができないのは何故ですか?
A.前回説明したとおり、英式バルブ内のムシゴムを押し開かないと空気が通りません。ですので、内圧ゲージを差しても空気を取り出すことができず、空気圧の測定ができません。#パナレーサーお客様相談室 #本日のご質問— パナレーサー株式会社 (@PanaracerJ) April 26, 2021
引用:パナレーサー公式サイト
↑英式バルブは、空気が入る棒の先に「虫ゴム」という黒いゴムが被さっています。
これが空気弁の役割をしています。
つまりメーターに表示されるのは「タイヤ内の圧」ではなくて、「虫ゴムまでの圧」なんですよね。だから英式バルブは感覚で空気を入れるしかないのです。
※虫ゴムを使わないスーパーバルブも同様。
エアチェックアダプターを使えば測定可能
エアチェックアダプターは、プランジャー(銀の棒)を抜き替えて使うものです。
実質「米式バルブ」に変換するような感じですね。
※プランジャーを抜き差しする手順はこちらの記事で解説しています。
>>【超簡単!】自転車に使われる「虫ゴム」の交換手順
[エアチェックアダプター+米式対応ポンプ(メーター付き)]を組み合わせれば、ママチャリでも具体的に空気圧が測れるってわけです。“100ccの水”を計量カップで測ることができます。
感覚よりも正確なのは言うまでもなし。
心配な方は交換するのがオススメですね。
↓に載せた商品ならバッチリ使えます。
空気を入れる頻度【月に1回】
自転車(ママチャリ)の空気入れは、月に1回を目安に行ってください。
最低でも2ヶ月に1回です。
それ以上空気を入れないと必然的にパンクします。
偶然ではなくて、起こるべくしてパンクが起こるのです。
自転車の空気は時間の経過と共に徐々に抜けます。
これはバルブから空気が漏れているわけでも、パンクをしているわけでも無くて、「チューブ(ゴム風船)の素材を空気が通過するから」ですね。ごくわずかずつ抜けてしまう。
ゴム風船も一緒です。固く口を縛ったはずなのに、数日たつとしぼみますよね。
口から空気が抜けているわけでは無くて、粒子が小さい空気がゴムを抜けてしまうから。完全に塞ぐことはできません。
空気を入れないとどうなるか?【甚大な悪影響】
「空気を全然入れないこと」を皮肉っぽく言うと…
- あえて漕ぐのを重くして、頑張って漕いでます!トレーニング大好きです!
- あえて修理代を沢山払いたいです!パンク大好きです!
- 良い自転車、いいタイヤを使っているのに、あえてその性能を台無しにしています!
という意味になるんですよね。上記は悪影響の言い換えです。
本当にもったいないので、空気だけは絶対入れてください。絶対ですよ。
まとめ
最後に本記事の要点をまとめます。
というわけで以上です!
最後までご覧いただきありがとうございました!