ディスクブレーキの(フレーム側)台座には、種類があるみたいだね。
どんな形をしたものが、何て名前の台座なのだろう?
ブレーキを変えたりするにあたって、互換性があるブレーキが分からなくて…。
それぞれの見分け方や、特性、違いについて教えて貰えると嬉しいなあ。
ちょっと勉強したい!
こんな方にオススメの記事です。
【この記事で分かること】
- ディスクブレーキ台座の種類について(ポストマウント、フラットマウント、インターナショナルAスタンダード)
- それぞれの特徴と見分け方
- 変換アダプターの紹介
自転車ショップでメカニックとして働く私が解説します!
ディスクブレーキには3種類ありますが、「よく分からない」という方は、是非本記事で勉強をしてみて下さい。
ディスクブレーキの種類や違い【フラット/ポスト/インターナショナルA】
結論から言うと、ディスクブレーキの種類は3つあります。
現在主に使われているのは1と2。
フラットマウントが主にロードバイクやクロスバイク、
ポストマウントがクロスバイクやMTBに使われています。
インターナショナルA/インターナショナルスタンダード(呼び方はどちらでもOK。シマノのマニュアルには「インターナショナルAスタンダード」と書いてあります。)は、結構古い規格です。
今はもう、IS対応ブレーキキャリパーの新商品が出るようなことは無いですね。
基本的に、「昔から乗っている方の自転車に付いているパーツ」くらいに思っておいてください。
ただ、フレーム側がインターナショナルA台座の自転車は、未だにちらほらあります。
でもIS台座に対してISブレーキが付いていることはなく、変換アダプターを使って、ポストマウントのブレーキが付いている場合がほぼ全てです。
それぞれ詳しく解説します。
フラットマウント
フラットマウントはシマノが提唱した新しい規格で、最近のディスクロードは大半がフラットマウントです。
クロスバイクも一部フラットマウントを採用するモデルもあります。
「フラットマウント」という名の通り、取り付け部分がフラットです。
ねじ止め部よりも本体がフレーム側に出っ張らないのが特徴です。(対してポストマウントは出っぱる)
また、使うネジが「M5」サイズであることも、ポストマウント/ISとの違いでしょう。
最初にそれぞれの見わけがつかなければ、見た目やネジで判断すると良いかなと思います。
フラットマウントが対応するローター径は140/160mm。
- フロント側には元々棒状のアダプターが付いてきまして、上下ひっくり返すことで140/160mmに対応します。
- リア側は140mmローターに対してはダイレクトマウント(アダプター無し)、160mmに対してはアダプターを噛ませます。
>>>リアフラットマウントに必要なアダプター解説【140/160mm】
ポストマウント
ポストマウントは主にクロスバイクやMTBに使われます。
フラットマウントととの違いは…
といった感じ。
このポストマウント、実は次に紹介する「インターナショナルスタンダード」の後継として現れた規格。
ゆえに現在ではIS規格のブレーキが絶滅危惧種となっているわけです。
ポストマウントはM6サイズのネジを、写真の方向から取り付けます。
取付方向はフラットマウントと一緒です。
インターナショナルAはフレーム横側から取り付けるので、ぱっと見で見わけが付きます。(次に解説)
インターナショナルスタンダード/インターナショナルA
インターナショナルAは、ディスク台座における統一規格としては最も古いタイプ。
種類として把握しておくべきですが、実際に触れる機会はあまりないでしょう。
↑写真のフレーム台座がIS規格です。フレームだけに注目をしてください。
(ややこしいのですが、ブレーキはポストマウント。変換アダプターを使った車体です。ISブレーキは古すぎて写真が手に入りませんでした。)
ポストマウントやフラットマウントとの大きな違いは、ブレーキ本体を「横から固定すること」です
この車体についてはアダプターを固定していますが、そこに本来はブレーキ本体が来ると思ってください。
また、調整方法が少し異なります。
ポストマウントやフラットマウントは、取付時にディスクローターとの隙間を出すために、本体を横に微調整しながら取り付けます。
しかし、ISは横から固定しているため、横方向へ動かすことができませんよね。
では、ローターとパッドが擦れたときに隙間をどう作るかというと、本体とフレームの間にワッシャーを挟みます。
ワッシャーで物理的に横方向へ動かすのです。
…と勘が言い方はお察しかもですが、ISの調整はめちゃくちゃ面倒です(笑)
各ブレーキ台座の変換アダプター
フレーム側のブレーキ台座の種類と、付けたいブレーキキャリパーの種類が異なる場合、変換アダプターを使うことで対応できる場合があります。
変換できる組み合わせは以下の通り。
要するに、
- ポストマウント以外の台座をポストマウントへは変換できる
- しかし、ポストマウント台座をISやフラットマウントへは変換できない
(ポストマウント台座はポストマウントキャリパーで使う)
ということです。
変換アダプターを使った例をお見せします。
↑がIS台座に対して変換アダプターを使い、ポストマウントキャリパーを取付。
↑がフラットマウント台座に対して変換アダプターを使い、ポストマウントキャリパーを取付。
新車でも、最初から変換アダプターを使っている車体はよくあります。
ローター径の変更に使うアダプター
フラットマウントやポストマウントで、ローター径を変えたい時はアダプターを噛ませます。
フラットマウントが140/160mm対応、ポストマウントが主に~220mm径まで対応します。
アダプターの種類や選び方について、詳しくは以下の記事をどうぞ。
まとめ
最後に、本記事の要点をまとめます。
【ディスクブレーキの種類解説 フラット/ポスト/インターナショナルA】
- ディスクブレーキは3種類ある。
- フラットマウント/ポストマウント/インターナショナルスタンダード
- 形やネジの留め方が違うので、見て覚えるしかない
- ポストマウントへの変換アダプターはあるが、ポストマウントからのアダプターは無い
- ローター径の変更もアダプターを使う
というわけで、以上です。
少しでもお役に立てたら嬉しいです。ご覧いただきありがとうございました!