自転車の変速レバーの動きがおかしくなってしまって、どうやったら直るのだろう?
具体的に言うと、レバーを押しているのに効かない時がある。
“スコッ” “スカスカ”と手応えなく空打ち(空振り)してしまうんだよね。
だから思うように変速できなくて困ってる。
一体何が原因なんだろう?どうしたら直るのかな?
もしレバーが壊れてしまっていたら嫌だなあ…。
こんな方にオススメの記事です。
【この記事で分かること】
- 自転車の変速レバーが空打ち(空振り)してしまう時の原因と対処方法
- 主に考えうる3つの原因
- 直すために自分で試せること
自転車ショップで働く私が解説します。
「変速が上手く出来ないんです。空振りするんです。直して欲しい…」
こんなお客様がたまにいらっしゃいます。
“空振り”と聞いた時、経験から3つの可能性を疑うんですね。
それぞれ確認して、対処します。たいていの場合レバー自体の故障ではなく、直る場合が多いです。
空打ち(空振り)するレバーの直し方について、サクッと解説していきますね。
一応、ご自身で直すための方法についても記載していますが、よく分からない時は自転車屋に持ち込むことをオススメします。
自転車の変速レバーが「空打ち・空振り」する原因と対処方法
結論からいうと、よくある原因3選がこちらです。
自転車を持ち込んだお客様が「空振りする」という症状を訴えてきた際、まずはこれらが頭によぎります。
そして続けて私が質問することがあります。
読者の方の中にも「確かに久しぶりに乗った」という方もいるでしょう。
そのような方の場合、最も疑うべき原因は“3”ですね。ラチェット部分の固着。
逆に、「いや毎日、毎週のように乗っているけれど…」という方であれば、“1”や“2”の可能性が高いです。
それぞれ具体的な原因と解決策について、詳しく解説させていただきますね!
シフトワイヤーが切れかかっている(切れている)
自転車によく乗っている方に多いのが、「シフトワイヤーが切れかかっている(切れている)」です。
シフトワイヤーが完全に切れている場合は、
- ギアを重くする方
- ギアを軽くする方
どちらのレバーを押してもスカスカで、手応えがありません。
明らかに異常なので、乗っていれば誰でも気づくと思います。
シフトワイヤーが切れかかっている場合ですと、完全に切れている場合とは少し挙動が変わります。
- ギアを重くする方に押しても重くなるまでにラグがあったり、一定のギア以上重くならなったりする
- ギアを軽くする方にレバーを押すと、手応えはあるが変速がうまくいかない。
シフトワイヤーが切れかかっており、レバー内部で“ほつれ”が生じていると、レバーが空振りすることがあります。
中でワイヤーが絡まって、ラチェット部が元の位置へ戻らなくなるからです。
ですので「あれ、レバーが空振りするぞ?」と思ったら、まずはワイヤーの状態を確認します。
シフトワイヤーのRD側の固定を外し、緩めることで確認ができます。
STIレバーの場合であれば、ブラケットカバーをベロッとめくりカバーを開けたらワイヤーが見えますので、ライトを当てて確認するのもOKです。
(https://si.shimano.com/api/publish/storage/pdf/ja/dm/RBSL001/DM-RBSL001-03-JPN.pdf)
ただ、自転車イジりを全くしない方にとっては難しい作業だと思います。
自転車屋さんに見てもらうのがいいでしょう。
確認だけで済めば無料のところが多いと思います。
ちなみに、シフトワイヤーの寿命は「およそ3000kmを超えてきたら」って感じです。
>>>自転車のシフトワイヤーの交換時期は?【目安は3000km~】
良く乗る方だと割とすぐに交換時期は来ますから、要注意。
シフトワイヤーにもグレードがあるので、交換の際はどれを使うか決めておくと良いでしょう。
レバー内に小さなゴミが混入している
ロードバイクに使われるデュアルコントロールレバー(STI)に多いのですが、レバー内にゴミが付着していることで、空振りが連発するケースもあります。
ゴミと言っても、砂とか小石とか、そのくらい小さなものです。
おそらくゴミがラチェット部に入り込んだことで噛み合わせが悪くなり、正しい動きを阻害するのでしょう。(分解して原因を突き止めたことはないので、真相は分かりません。)
私がお店でやる対処法はこの順番です。
STIレバーをぐっと握った状態で、エアーガンを使って空気を送り、ゴミを飛ばします。
何回かやってすぐに直ることもあれば、症状が改善しないことも。
次にやることは、フォーミングマルチクリーナーをぶっこみます。
これは泡状のクリーナーでして、掛けたところにモコモコと泡が発達するんですね。
これを繰り返します。
家でやる場合はエアーガンがないので、ひたすらフォーミングマルチを掛けます。
これでも駄目なら、オイルをぶっかけます。ラスペネでいいです。
バーテープやレバーにオイルが付くのは仕方ないですが、ブシューっと掛けます。
とにかく掛けます。
これらを繰り返していると、だいたい直ります。
いつの間にかゴミが取れるんでしょうね。
レバー内部、ラチェット部分が固着している
「久しぶりに自転車に乗ったら、変速レバーが空振りする…」
という方に多いのが、レバー内部のラチェットの固着です。
グリスが固くなって動きが悪くなり、戻らないから“空振り”します。特に寒い時期になることが多いです。
この場合は、ひたすらオイル攻めでラチェット部に浸透するのを祈ります。
同じくラスペネを使って、レバー内部にぶっかけます。ボタボタ垂れるくらい掛けます。
すごーく地味ですが、ひたすらこの作業を続けるだけ。
私の場合、オイルを塗布した状態でエアーガンを噴射することも多いです。
だいたい10分も続ければ、直ることが多い印象ですね。
これならご自身でも出来ると思います。
レバーの故障である可能性は低い
あくあまでも経験上の話ですが、レバーが空振りする原因が「本体の故障」だったことはごく稀です。
ほとんどありません。たいてい直ります。
レバーの故障(寿命)が訪れた時の挙動としては、ラチェットの爪が擦り減って、「一気に二段重くなる」等の症状が現れるのでまた別ですね。
「空振り」という症状の場合は直ることが多いので、根気よく作業を続けるのみです。
グローブによる原因もアリ
言い忘れてました。もしあなたがSTIレバーを厚めのグローブで操作しているなら、それが原因かもです。
STIレバーの場合、意図的に空振りを起こすこともできるんですよね。
大きい方のレバー(軽くする方)を少しだけ押しつつ、小さい方のレバー(重くする方)を同時に押してみてください。
「空振り」が起きるはずです。
厚めのグローブをしていると、指が引っかかって無意識のうちにこれが起こりやすいです。
もし状況が当てはまりそうなら、一度グローブ無しで試してみて、症状が出ないか確認してみてくださいね。
まとめ
最後に、本記事の要点をまとめます。
【自転車の変速レバーが「空打ち・空振り」する原因と対処方法】
よくある原因は以下の3つ。
- シフトワイヤーが切れかかっている(切れている)
- レバー内に小さなゴミが混入している
- レバー内部、ラチェット部分が固着している
「久しぶりに乗ったらなった」のパターンでは、“3”の疑いが強いです。
たいていレバー本体の故障ではなくて、直る場合が多い。根気よく頑張りましょう。
というわけで、以上です。
最後までご覧いただきありがとうございました!
最後に乗った時は普通に使えていましたか?