- 自転車の「バンドブレーキ」と「ローラーブレーキ」の違いを教えて欲しい
- どっちがどっちのブレーキか、見分け方を教えて欲しい
- 買うならどっちがいいの?
こんな悩みを解決します。
【この記事で分かること】
- バンドブレーキとローラーブレーキの違い(メリットデメリット)
- 両者の見分け方
- 買うならどっちがおすすめか?
- ブレーキだけを後で交換できるのか?
自転車整備士の私が解説します。
格安ママチャリの落とし穴は「ブレーキ」でして、適当に選ぶと音に悩まされます。自転車を購入する際は「どのブレーキを使っているか?」を確認すると、のちの不満がでにくいでしょう。
【自転車知識】バンドブレーキとローラーブレーキの違い
結論、バンドブレーキとローラーブレーキの違いは下記の通りです。
違い
- 価格の違い
- 効きの違い
- 音鳴りのしにくさ
一言で言えば「ローラーブレーキの方が高級」で、良いブレーキです。
4万円を超えるような通学用自転車には基本、ローラーブレーキが付いています。逆に、店の外に置いてあるような格安ママチャリにはバンドブレーキが使われているでしょう。
特に、乗ってて一番分かりやすい違いは「音鳴りのしにくさ」です。
街中でキーキーうるさい自転車を見たことがあるとは思いますが、まさにあれがバンドブレーキ。
まずは、それぞれの特徴から紹介していきます。
バンドブレーキの特徴
- およそ~2万円の廉価車(安い自転車)に付いていることが多い
- ブレーキの本体価格が安い
- いわゆる“キーキー”と音鳴りがするブレーキ
→買ってから時間が経つと、ゴムが固くなって音鳴りが発生しやすくなる - 実はダントツでブレーキの効きは良い。車輪を簡単に“ロック”できる
→その反面、効きを“調整”しやすいブレーキとは言えない - 雨の日はブレーキの制動力が落ちる
ローラーブレーキの特徴
- およそ2万円~の中-上級グレードの自転車に付いていることが多い
→4万円をこえるような通学車はほぼ全てローラー。 - ブレーキ本体の価格が高め
- “キーキー”という音鳴りはほぼ発生しない
- 車輪をロックさせるようなブレーキの掛かり方ではない
→マイルドにかかる。ゆえにタイヤのスリップとかはしづらい。 - 雨の日でもブレーキの制動力が落ちにくい
- 長期間(3年とか)安定した性能を維持できる。
→メンテナンスは必要。1年に一回くらいブレーキグリスの注入
いろいろあるのですが、やはり「キーキーなるか、ならないか」の違いが一番大きいと思います。
自転車に性能とか求めない方でも、乗ってて気になりますからね。
ローラーブレーキとバンドブレーキ車の値段的な差は3000円くらいですかね。(同一モデルで、ブレーキだけ違うとすれば。)
私なら、3000円くらい高くても絶対にローラーブレーキのモデルを選びます。キーキー鳴ったらうるさいもの。
そうなんだあ。
ちょっと疑問なんだけど、バンドブレーキの“キーキー音”って直す方法は無いの?
よく聞かれる質問です。あわせてお答えします。
バンドブレーキの音鳴りは直せるのか?
一時的に音を軽減させることはできます。
しかし、永久的に音鳴りしないようにはできません。根本的な修理ではないのです。
どうしても音鳴りするのがバンドブレーキの特性だから。
音が鳴るたびに“調整”が必要になります。
というわけでして、やはりオススメはローラーブレーキ搭載モデルですね。買った後の不満が出にくいと思います。
バンドブレーキとローラーブレーキの見分け方
バンドブレーキとローラーブレーキって、どうやって見分けたらいいの?
ぶっちゃけ、どれも同じに見えるのだけど…。
私も昔はそうでした。
「こっちがバンドで、こっちがローラー」と説明されても、すぐにごっちゃになって(笑)
自転車に詳しくない方なら、なおさら分からないですよね。クワガタの種類の判別がつかないようなものです。
ご自身で判別できるように、ポイントをお伝えしましょう。
バンドブレーキとローラーブレーキ
まずは2枚の写真をご覧ください。上がローラー、下がバンドです。
↑ローラーブレーキ
↑バンドブレーキ
確かに形は違いますが、とはいえ「違いがよく分からん」ってなると思います。
簡単な見分け方
ネジの無いほうが「ローラーブレーキ」、ネジのある方が「バンドブレーキ」です。
あらためて確認してみましょう。
↑ローラーブレーキ。ネジがない。
↑バンドブレーキ。
「1時」の方向と、(陰で見えにくい)「4時」の方向に2本のネジがありますよね。
バンドブレーキは中のライナーを調整するために、ネジが付いているのです。
あとで「バンド→ローラーブレーキ」に交換できる?
自分の持っている自転車を確認したら、バンドブレーキだったよ。
通りでキーキー鳴るわけか…。
バンドブレーキからローラーブレーキに換えたいなと思うのだけど、できるものなの?
こう疑問に思う方もいるでしょう。
残念ながら「できない」と思ってください。
ブレーキだけの交換では無理です。互換性がありません。
…というのも、厳密に言えばできないわけではありません。
「車輪ごと」交換すれば、ローラーブレーキに付け替えることができます。
これは、車輪によって使えるブレーキの種類が決まっているため。バンドブレーキが付いていた車輪には、ローラーブレーキが使えません。だから車輪ごとの交換が必要。
ただ自転車を買い替えた方がお得
ただし、車輪ごと交換すると1万円は確実に超えます。
元々バンドブレーキが付いていた自転車ということは、そう高くはなかったはず。
これだけの金額を掛けて交換するくらいなら、自転車ごと買い替えてしまった方がお得ですね。
だから、厳密に言えばバンドブレーキ車をローラーブレーキに変えることはできるけど、実際にやるような内容では無いということです。
どうしても音鳴りが気になるようなら、「サーボブレーキ」を使うと軽減します。
サーボならバンドと固定部分が共通なので、使えるからです。
まとめ
最後に、本記事の要点をまとめます。
【バンドブレーキとローラーブレーキの違いと見分け方】
- 一番感じる違いとして「音鳴りのしにくさ」
<バンドブレーキの特徴>
- およそ~2万円の廉価車(安い自転車)に付いていることが多い
- ブレーキの本体価格が安い
- いわゆる“キーキー”と音鳴りがするブレーキ
→買ってから時間が経つと、ゴムが固くなって音鳴りが発生しやすくなる - 実はダントツでブレーキの効きは良い。車輪を簡単に“ロック”できる
→その反面、効きを“調整”しやすいブレーキとは言えない - 雨の日はブレーキの制動力が落ちる
<ローラーブレーキの特徴>
- およそ2万円~の中-上級グレードの自転車に付いていることが多い
→4万円をこえるような通学車はほぼ全てローラー。 - ブレーキ本体の価格が高め
- “キーキー”という音鳴りはほぼ発生しない
- 車輪をロックさせるようなブレーキの掛かり方ではない
→マイルドにかかる。ゆえにタイヤのスリップとかはしづらい。 - 雨の日でもブレーキの制動力が落ちにくい
- 長期間(3年とか)安定した性能を維持できる。
→メンテナンスは必要。1年に一回くらいブレーキグリスの注入
迷ったらローラーブレーキ搭載車を買っておけば不満が出にくい。
安い自転車には、バンドブレーキの音鳴りのしやすさも含め、安いなりの理由があるのです。
本記事の内容を、自転車選びに役立ててみてください。
最後までご覧いただきありがとうございました!