なんだか最近自転車のの変速調子が悪くって。
なぜか分からないけど、リアディレイラーが「ガチャンガチャン」と音鳴りして、勝手に変速しちゃうんだよね・・・
もしかして、壊れちゃったのかな?
【原因と直し方】を教えて欲しい。
こんな方にオススメの記事です。
【この記事で分かること】
- 自転車のリアディレイラーが「ガチャンガチャン」と勝手に変速してしまう時の原因と対処方法
- よくある原因2つ
- 直し方を解説した分かりやすい動画・記事の紹介
自転車店でメカニックとして働く私が解説します。
なお、
- 「変速してもトップギアに入らない」
- 「変速してもローギアに入らない」
という方は、こちらの記事をご覧ください。
>>>リアディレイラーが「トップ」に入らない時の原因5つと対処方法
>>>>リアディレイラーが「ロー」に入らない時の原因3つと対処方法
リアディレイラーが「ガチャンガチャン」と勝手に変速する時の原因と対処方法
「ガチャンガチャン」という特徴的な異音がして勝手に変速してしまう場合、考えられる原因は以下の2つです。
- シフトワイヤーの緩み(伸び)
- ディレイラーハンガーの曲がり
原因としての可能性が高い順に、詳しく解説します。
原因1:シフトワイヤーの緩み(伸び)
シフトワイヤーの緩みが原因となって、ガチャンガチャンと勝手に変速している可能性がとても高いです。
なぜなら、シフトワイヤーが緩むと、適切なギア位置までリアディレイラーを動かすことができなくなってしまうから。
正常な状態だと、変速レバーを一回押すごとに、
- 一段重くなったり
- 一段軽くなったり
しますよね。
これは、
レバーを押す⇒シフトワイヤーを引っ張るor緩める⇒リアディレイラーを動かす⇒変速する
という仕組みになっているからです。
例えば、変速レバーを押したときのワイヤーの引き量が「1」だとしましょう。
スプロケットのギア間隔も同じ「1」とします。
すると、
変速レバーを1回押す⇒ワイヤーが「1」引っ張られる⇒ディレイラーが「1」だけ動く⇒つまり、ギアが1段軽くなる
となるわけです。
これが、正常な状態。
では、シフトワイヤーが緩むとどうなるか。
「スタート地点が0ではなく、マイナス地点からのスタート」になるのです。
分かりやすく説明します。
緩んでいるシフトワイヤーは、“遊び”ができてしまっている状態です。
「レバーを引いたら、まず最初に緩んだ部分を吸収して、ワイヤーが“ピン”と張った時点から、ようやくリアディレイラーを動かし始める」ということ。
つまり、変速レバーを押しているのに、効いていない間が生じているんですね。
先ほどの数字を使った例でも解説します。
シフトワイヤーが緩んだ状態、つまり、「遊び」の分がマイナスです。
「0(スタート地点)」になってからようやく、リアディレイラーが動き始めます。
例えば、遊び分が「-0.5」あるとします。
するとどうなるか。
-0.5(スタート地点)⇒変速レバーを1回押す⇒ワイヤーが「1」引っ張られる⇒でも、リアディレイラーが実際に動くのは「+0.5」だけ⇒ギアが「0.5」軽くなる
⇒しかし、本来ギアを変速するためには「1」必要
⇒ギア位置が中途半端になり、上がったり下がったりして「ガチャンガチャン」と勝手に変速する
というわけです。
ですから、シフトワイヤーの緩みが原因となって、ガチャンガチャンと勝手に変速している可能性がとても高いと考えます。
そもそもなぜ、「緩み」が生じてしまったのでしょうか?
実は、シフトワイヤーが緩むのはごく当たり前なことなのです。
シフトワイヤーは使うことによって“伸び”が生じ、その結果「緩み」ます。
特に新品(新車)のワイヤーを使い始めてすぐに必ず起こる「初期伸び」には注意が必要です。
この「初期伸び」とは、使い始めすぐのシフトワイヤーが大幅に伸びて緩むことであり、それによって必ず変速の調子が狂います。
これは、事前にどれだけ完璧に調整していたとしても、必ず起こってしまうのです。
なので、シフトワイヤーの伸びが確認できた時点で、再度調整を行う必要があります。
初期伸びが終わってからもワイヤーが伸びることはありますが、初期伸びほど大幅に伸びることはありません。
ですので、
- 「新車を購入してすぐなのに変速調子がおかしくなった!」
- 「自転車に乗り始めてから100キロくらい走ったら、ガチャンガチャンと勝手に変速するようになってしまった!」
- 「軽くなったり、重くなったりを繰り返すんだけど・・・」
という方は、初期伸びが原因となって、変速不調を起こしている可能性が高いです。
そうではない方も、自然と伸びたことによって変速不調になっていることが十分考えられます。
このように、まずは「シフトワイヤーの緩み」を疑いましょう。
シフトワイヤーの緩みが生じている時は、「ワイヤーを張る」ことで問題を解決できます。
こちらの動画を参考に、直してみてください。
ただ、リアディレイラーの調整は「誰でもすぐにできるほど簡単」ではありません。
ちょっと難しいと思いますので、自転車屋さんに見てもらうのがオススメです。
原因2:ディレイラーハンガーの曲がり
多くのスポーツバイクには「ディレイラーハンガー」という小さなパーツが使われています。
これが曲がることによって、勝手に変速するようになっているかもしれません。
なぜなら、ディレイラーハンガーが曲がると、リアディレイラーが“斜め”に動いてしまうから。
ディレイラーハンガーとは、リアディレイラーの取り付け部分に使われているパーツです。
主にアルミ・カーボン車に使われています。
なぜこのパーツが付いているのかというと、外部の衝撃からフレームを守るためです。
例えば、ロードバイクを倒したときや、落車してしまった時。
運悪くリアディレイラーに大きな力が加わってしまうこともありますよね。
もしこの時、ディレイラーハンガーが無かったら、取り付け部分であるフレームを歪ませ、致命傷に(フレームが使えなく)なってしまうかもしれません。
そんな時にディレイラーハンガーがあることで、フレームを衝撃から守る役割があるのです。
フレームへ深刻なダメージが入らないよう、あえて“曲がりやすく”作られています。
このように、ディレイラーハンガーは消耗品です。
正常に機能した結果、曲がりが生じてしまったら、交換が必要。
ディレイラーハンガーが曲がった状態では、リアディレイラーの取り付け元が曲がっていることになるので、当然変速の調子が悪くなります。
この写真でいうところの、青線(写真の状態)が正常。
ディレイラーハンガーがギアと平行に取り付けられているので、リアディレイラーもギアに対して平行に移動していきます。
しかし、ディレイラーハンガーが曲がってしまうと、赤線のようになってしまうんですね。
リアディレイラーが斜めに動く。
すると、チェーンが隣のギアに擦ってしまい、ギアに掛かったり、落ちたりを繰り返すんですね。
つまり、「重くなったり、軽くなったり」と、勝手に変速するようになります。
ですから、勝手に変速してしまう症状が見られたら、ディレイラーハンガーの曲がりも必ず確認して下さい。
もし曲がっているならば、
- 曲がりの修正
- ディレイラーハンガーの交換
を行うことで、正常な状態に戻すことができますよ!
ディレイラーハンガーの直し方について、詳しくはこちらの記事で解説しています。
まとめ
本記事のまとめです。
「ガチャンガチャン」という勝手に変速してしまう場合、原因は以下の2つを疑ってください。
- シフトワイヤーの緩み(伸び)
- ディレイラーハンガーの曲がり
ご自身で直すのが難しそうなら、自転車店へお任せするのをオススメします。
この記事が原因解明に役立てば幸いです。
ご覧いただきありがとうございました!