
転んだり、ぶつけたりして、ロードバイクのハンドル(STIレバー)が内側に曲がってしまったんだけど、これって直せるの?
もし直せるなら、やり方を教えて欲しいんだけど・・・
初心者の私にも理解ができるようにお願いね。
こんな方にオススメの記事です。
【この記事で分かること】
- ハンドル(実はSTIレバー)が曲がってしまった時の直し方
- レバーの種類によって違う2パターンのやり方
- 直すために必要な工具
- 作業時の注意点

自転車店でメカニックとして働く私が解説します。
ロードバイク使っていて、こんな経験はありませんか?
- 自転車を倒したときに、STIレバーが曲がってしまった
- 気づいたらSTIレバーが真っ直ぐではなくなっていた
おそらく自転車に乗っている多くの方が経験するトラブルだと思います。
実際私も、何度も曲げてしまったことがあります(笑)
で、そんな時に心配するのが「直せるかな?大丈夫かな?」というところ。
結論から言うと、直せます。しかも、誰でも、超簡単に。
なぜなら、ハンドルが曲がっているわけではなくて、実はレバーがずれているだけだからです。
そこで今回は、「STIレバーが曲がってしまった時の直し方」を解説します。
これまで工具を握ったことのない初心者の方でも直せるよう、分かりやすく紹介しますので、是非チャレンジしてみてくださいね!
やり方を知れば、「なんだ、こんなことだったのか!」と思えるはず。
それではどうぞ!
(こちらの動画で、構造を解説してます。見ておくと、理解がスムーズにいくでしょう。
この投稿をInstagramで見る
作業に必要な工具
直し方を説明する前に、まずは必要な工具から解説します。
使う工具は、【5mmの六角レンチ(アーレンキー)】のみです!
このような工具ですね。
まだお持ちでない方は、ご用意ください。
ロードバイクに乗っている方の中には「携帯工具」をお持ちの方もいらっしゃると思います。
沢山の機能がひとまとめになった、写真のようなものです。
携帯工具の中には、必要とする「5mmの六角レンチ」があると思いますが、あまりオススメはしません。
単純に、使いにくいから。
できれば、先ほど紹介したように一本一本別々になっていて、ある程度の長さがあるものを購入した方が、うんと作業がしやすいですよ。
ただ、もちろん携帯工具でもこれから行う作業はできます。
なので、
「今回の作業だけしかメンテナンスをやらない」
という方は、現在お持ちの携帯工具でOK。
でも、
「これから色々なメンテナンスにも挑戦しようと思ってる」
という方は、六角レンチセットを用意しても損はないでしょう。
ロードバイクをイジる上で、絶対に欠かせないアイテムですからね。
【1分で解決】ロードバイクの“STIレバー”が曲がった時の直し方
それでは本題の「ハンドル(STIレバー)が曲がったときの直し方」について解説します。
全体の作業手順としては、このようになります。
- STIレバーのカバーを手でめくって、ボルトを確認。
- 六角レンチをボルトにはめて、反時計回しで緩める。
- レバーが左右に動く状態になったら、ハンドルから一直線なるよう位置を直す。
- その位置のままボルトに六角レンチをセットし、時計回しで固定。
それぞれの作業を画像付きで詳しく解説します。
STIレバーのカバーを手でめくって、ボルトを確認。
まず初めに、普段握っているSTIレバーのカバーを、写真と同じ向きにめくってください。
頑丈なゴムでできているので、簡単にちぎれたり、壊れたりすることはありませんから、グイッと力を入れて引っ張ってOK。
すると、今回の作業の要であるボルトが顔を出します。
六角レンチをボルトにはめて、反時計回しで緩める。
ボルトに手持ちの六角レンチを差し込み、反時計回し(左回転)でボルトを緩めます。
手で押してレバーが動くようになるまで緩めればOKです。
もし、ボルトを緩めすぎて抜けてしまった時は、同じ場所に付け直してください。
ゆるゆるな状態で留まっていれば大丈夫。
レバーが左右に動く状態になったら、ハンドルから一直線なるよう位置を直す。
ボルトが緩み、手でレバーが動くようになりましたか?
そうしたら、レバーがハンドルから一直線になるよう位置を調整し、片方の手で支えたままにします。
もちろん、好みがある場合は自分の好きな角度で設定していただいて構いません。
基本的には「ハンドルから一直線」です。
その位置のままボルトに六角レンチをセットし、時計回しで固定。
あとは、片方の手でレバーが動かないよう固定しながら、ボルトを締めればOK!
固定する力は「6-8Nm」ですが、こういっても恐らく分からないと思います。
簡単に言うと、あまり強くなくていいです。
バッキバキに締め上げる必要はありません。
基準は、側面から手で「グッ」と押してみた時に、動いてしまわなければ大丈夫。
もし締め付け力が足りていなくて、またズレてしまったとしても、直し方を知っているので問題ありませんよね。
前より強く締めれば、作業完了です。
説明した位置にボルトが無かった場合のやり方
少し前のコンポーネントをお使いの方だと、上で説明した位置にボルトが無い場合があります。
そういった方への手順を解説しますね。
カバーをめくる
先ほどとは違い、「レバーの頭」からカバーをめくってください。
ボルトの位置を確認
すると、先ほどの手順とは違う場所にボルトがあることを確認できます。
初めての方は、このようにボルトを見ながら丁寧に作業するのもよいですが、実はこのタイプのレバーであればカバーをめくらなくとも作業ができます。
このクボミに六角レンチを差し込むと、先ほどの位置にあったボルトへと差し込む事ができます。
あとの手順は上と同様です。
【ボルトを緩めて→STIレバーの位置を直して→締める】
超簡単な作業なので、方法さえ知っていればどこでも誰でも出来るメンテナンスです。
注意点
これらの作業をする上で、一つだけ注意点があります。
それは「締め付けトルク」についてです。
先ほど「ボルトはあまり強く締めすぎないで!」といいました。
それはなぜか。
「締めすぎると、必要な時にSTIレバーが“ズレ”てくれないから」です。
もちろん、ハンドルやレバーが壊れるのを防ぐ意味もありますが。
そもそも、なぜSTIレバーが曲がってしまったのかというと、「必要なシーンで、ズレるようにできているから」なんですね。
例えば、STIレバーが曲がるシーンって、
- 落車したとき
- レバーを何かにぶつけた時
など、強い衝撃が加わったときです。
必要に応じてSTIレバーが曲がることで、「衝撃を逃がす」役割があるんですね。
結果、レバーがずれるだけで、本体の故障にはいたりません。
しかし、レバーの締め付けが強すぎたらどうでしょうか。
衝撃が加わったときにズレなくなり、ダメージを逃がすことができません。
結果、レバーが折れてしまうこともあるでしょう。
このように、あえて曲がるように考えられているんですね。
今回レバーが曲がってしまったは、決して締め付けが弱かったからなのではなく、そのようにできているからなのです。
ですから、最後ボルトを締め付ける際にはガッチガチに締めるのではなく、レバーが動かなくなる適度の締め付けトルクで行ってください。
改めて確認すると「6-8Nm」であり、あまり強すぎない締め付け力です。
まとめ
本記事の要点をまとめます。
【作業に必要な工具】
- 5mmの六角レンチ
【STIレバーの直し方】
- STIレバーのカバーを手でめくって、ボルトを確認。
- 六角レンチをボルトにはめて、反時計回しで緩める。
- レバーが左右に動く状態になったら、ハンドルから一直線なるよう位置を直す。
- その位置のままボルトに六角レンチをセットし、時計回しで固定。
最初は「難しそうだな~」と思っていた方も、実際にやってみると笑っちゃうほど簡単だったのではないでしょうか。
自分でメンテナンスが出来るようになると、ロードバイクを違った角度から楽しむことができますよ!
当ブログでは自転車のメンテナンスを解説した記事もありますので、よければご覧くださいね!
初心者の方がミスなく、簡単に行えるメンテナンスのおすすめはこちらです。
ご覧いただきありがとうございました!