ロードバイクのハンドル(STIレバー)が内側に曲がってしまったんだけど、これって直せるの?
もし直せるなら、やり方を教えて欲しいんだけど・・・
こんな方にオススメの記事です。
【この記事で分かること】
- ハンドル(実はSTIレバー)が曲がってしまった時の直し方
- レバーの種類によって違う2パターンのやり方
- 直すために必要な工具
- 作業時の注意点
自転車整備士の私が解説します!
「ハンドルが曲がった!」と持ち込まれる方が多いですが、曲がっているのはハンドルではなくレバーの方。
実はレバーがずれているだけなんです。
本記事を見れば簡単に直す方法が分かります。
作業に必要な工具
このような工具ですね。
まだお持ちでない方はご用意ください。
※100均にも売っていますが、精度が悪く柄が短いのでおすすめしません。
ロードバイクに乗っている方の中には「携帯工具」をお持ちの方もいらっしゃると思います。
沢山の機能がひとまとめになった、↑写真のようなものです。
携帯工具の中には「5mmの六角レンチ」があると思いますが、あまりオススメはしません。
この作業をするためには使いにくいからです。
先ほど紹介したように一本一本別々になっていて、ある程度の長さがあるものを購入した方が作業がしやすいです。
ただ、携帯工具でも作業ができないわけではないです。
- 「普段はメンテナンスをしない」という方は、現在お持ちの携帯工具で何とかやってもOK。
- でも「これから色々なメンテナンスにも挑戦しようと思ってる」という方は、六角レンチセットを買って損はないと思います。
自転車をメンテする上で、絶対に欠かせないアイテムですからね!
【1分で解決】ロードバイクの“STIレバー”が曲がった時の直し方
本題の「ハンドル(STIレバー)が曲がった時の直し方」について解説します。
全体の作業手順は下記の通りです。
「レバーがずれているだけ」なので、一度固定を緩めて元の位置に戻すだけですね。
普段工具を触らないような方でも全然できる内容かなと思います。
それぞれの作業を画像付きで詳しく解説していきますね。
STIレバーのカバーを手でめくって、ボルトを確認。
まず初めに、普段握っているSTIレバーのブラケットカバーを、写真と同じ向きにめくってください。
頑丈なゴムでできているので、簡単にちぎれたり、壊れたりすることはありません。
グイッと力を入れて引っ張ってOK。
すると、今回の作業の要であるボルトが顔を出します。
六角レンチをボルトにはめて、反時計回しで緩める。
ボルトに手持ちの六角レンチを差し込み、反時計回し(左回転)でボルトを緩めます。
レバーを手で押した時、左右に動くようになるまで緩めればOKです。
もし、ボルトを緩めすぎて抜けてしまった時は、同じ場所に付け直してください。
ゆるゆるな状態で留まっていれば大丈夫。本締めはまだです。
レバーが左右に動く状態になったら、ハンドルから一直線なるよう位置を直す。
ボルトが緩み、手でレバーが動くようになりましたか?
そうしたら、レバーとハンドルから一直線になるよう位置を調整し、片方の手で支えたままにします。
もちろん、好みがある場合は自分の好きな角度で設定していただいて構いません。
基本的には「ハンドルから一直線」です。
その位置のままボルトに六角レンチをセットし、時計回しで固定。
そして片方の手でレバー支えながら、ボルトを締めればOK!
固定する力は「6-8Nm」…ですが、こういっても恐らく分からないと思います。
簡単に言うと「あまり強くなくていい」です。
バッキバキに締め上げる必要はありません。
もし締め付け力が足りていなくて再びズレてしまったとしても、直し方を知っているので問題ありませんよね。前より強く締めればいいわけなので。
説明した位置にボルトが無かった場合のやり方
少し前のコンポーネントをお使いの方だと、先ほど説明した位置にボルトが無い場合があります。
そういった方への手順を解説しますね。
カバーをめくる
先ほどとは違い、「レバーの頭」からカバーをめくってください。
ボルトの位置を確認
すると、先ほどの手順とは違う場所にボルトがあることを確認できます。
初めての方に向けて、今はあえて「ボルトの位置」を確認していただきました。
というのも、実はこのタイプのレバーであればカバーをめくらなくても作業ができるからです。
側面のクボミに六角レンチを差し込むと、先ほどの位置にあったボルトへ差し込む事ができます。
あとの手順は説明した通り同様です。
超簡単な作業なので、方法さえ知っていればどこでも誰でも出来るメンテナンスです。
締め付け時の注意点
作業をする上で「締め付けトルク(力)」に関して注意点があります。
先ほど「ボルトはあまり強く締めすぎないで!」といいました。
その理由は「締めすぎると、必要な時にSTIレバーが“ズレ”てくれないから」です。
そもそも、STIレバーが曲がるのは正常な動きです。
力が加わった時にズレて力を逃がすようになっています。
例えば、STIレバーがずれる原因って、「落車したとき」「レバーを何かにぶつけた時」など強い衝撃が加わった時ですよね。
必要に応じてSTIレバーがズレることで、「衝撃を逃がす」役割があるんですね。
レバーがずれることで、レバー自体が壊れることを防ぐわけです。
衝撃が加わったときにズレなくなり、ダメージを逃がすことができません。
結果、レバーが折れてしまうこともあるでしょう。
このように、あえてズレるくらいの固定力で十分なのです。
最後ボルトを締め付ける際にはガッチガチに締めるのではなく、レバーが動かなくなる適度の締め付けトルクで行ってください。
改めて確認すると「6-8Nm」であり、あまり強すぎない締め付け力です。
まとめ
本記事の要点をまとめます。
【作業に必要な工具】
- 5mmの六角レンチ
【STIレバーの直し方】
- STIレバーのカバーを手でめくって、ボルトを確認。
- 六角レンチをボルトにはめて、反時計回しで緩める。
- レバーが左右に動く状態になったら、ハンドルから一直線なるよう位置を直す。
- その位置のままボルトに六角レンチをセットし、時計回しで固定。
最初は「難しそうだな~」と思っていた方も、実際にやってみると簡単にできたのではないでしょうか。
これで次からはレバーがずれてもあわてず対処できますね。
お役に立てたら幸いです。
最後までご覧いただきありがとうございました!