- 急に自転車のライト(手動/自動)がつかなくなってしまった
- 原因は何だろう?どうしたらいいのかな?
- お店で修理するとしたらどのくらい掛かるのだろう?
こんな悩みを解決します。
【この記事で分かること】
- オートライト(自動点灯)、ダイナモライト(手動)、それぞれ考えられる原因
- パターン別の対処方法
- 直すためにはどうしたらいいか。店での修理費用はどのくらいか。
自転車整備士の私が解説します。
これまで何百台とライトの不調を直してきた経験から、原因と直し方を紹介します。
「ライトがつかない」「ライトが壊れちゃったのかな?」とお困りではありませんか。
昨日まで普通に動いていたのに、突然動かなくなることはよくあります。
経験上、「ライト自体が本当に故障している」ケースの方が少なくて、たいてい他に原因があります。つまり直ることの方が多いんですね。
本記事を見れば、ライトがつかない原因と直し方が分かりますよ。
参考にどうぞ。
自転車のライトがつかない時の直し方【よくある原因10選】
自転車には2種類のライトがあります。
- 手動:タイヤに擦らせて発電する「ダイナモ(ブロック)ライト」
- 自動:走ると勝手に光る「オートライト(ハブダイナモ)」
※後付けの電池式/USB充電式ライトを除く。
ライトがつかなくなった時、考えられる主な原因は下記の通りです。
お使いのライトに合わせてご確認ください。
様々原因があるわけですが、自転車知識の無い一般人が自分で確認できるのは…
- 線が断線していないか?
- 端子が外れていないか?
- ダイナモライトがしっかりタイヤに擦れているか?
せいぜいこの辺りだと思います。
初心者~中・上級者にまで分かるよう書きますが、その仕組みが理解できていないならお店へ持ち込んだ方がいいですね。下手にやると悪化させてしまうかもしれませんので。
手動→自動の順に解説します。
※目次から見たい箇所へ飛んでください。
ダイナモライト(手動式)がつかない時の原因
ライトの取り付け位置がずれて、タイヤに当たっていない
ダイナモライトは、ライト上部(黄色部分)にあるローラーが回転して発電します。
- ここがタイヤにあたっていますか?
- 回っていますか?
この確認であれば初心者でも簡単です。
例えば何か引っかけたり、転んだりした拍子にライトの取り付け位置がずれることがあります。
ダイナモライトは手動で「ON/OFF」を切り替えますが、ONにした状態でタイヤに擦れていないなら位置が悪いです。ライトが付かない原因はそこです。単純に発電していません。
ライトを固定しているのはここのボルトです。ボルトと裏のナットは10mmスパナを使います。
大元の位置を調整したら、微調整はライト自体を曲げて行います。
タイヤに対して平行に擦れていればOKです。
タイヤに当たって回転する部分が、固くて回っていない
ひとつ前と同じ部分がタイヤに擦れていても、「回転が渋い(重い)こと」が原因で発電不良を起こすことがあります。
前輪を浮かせて回し、ローラーがしっかり回るか確認しましょう。
回転が渋い場合、ローラーが回らずタイヤを削るような状態になっています。
通常は手でも軽く回りますが、全然回らないくらい固くなります。
買って1-2か月で起こってしまったら、購入店に相談してみましょう。
サビの場合は単に劣化ですので、ライト本体の交換になります。オイルを注しても直らないですね。
サビなどによる通電不良
長く乗っている自転車なら「サビ」が原因で通電不良を起こしている可能性があります。
「ライトがつかない」と持ち込まれた方の多くがこの原因になります。
(先ほど説明してきた)
- ローラーがタイヤに擦れているか?
- 周りは渋くないか?
上記2箇所に異常がない場合、真っ先に疑うのがサビによる通電不良です。だいたいこれが原因。
ライトの下にあるツマミを押して線を抜き取り…
鉄ヤスリなどで銅線の表面を削り、錆を落とし…
※鉄やすりがなければザラザラした石でもいいです。
ツマミを押しつつ、銅線を〇←の中に入れ、ツマミを離すと固定されます。
この作業で直る場合がほとんどだと思います。
出来そうな方はやってみてください。自転車屋に行く手間が省けるかもです。
熱を持って一時的に点かなくなっている
「走ってたらライトがつかなくなることがある。でも時間を置くと直ってる」
…なんて症状の方はいませんか?
特に夏場に多いのですが、原因は「ライトが熱を持って一時的にダウンしている」ことが考えられます。漕ぐスピードが速かったり、長時間乗る方に出やすいです。
同じような症状が見られたら、試しに20分ほど自転車を休ませてみてください。
ライトを冷ました後もう一度乗ってみましょう。
もし直ったなら、やはり「一時的なオーバーヒート」が原因です。
故障をしているわけでは無くて、“そういうもの”ですね。
気になるようなら後付けのライトを別途購入するのがオススメです。
ライトが壊れている
今までの何をやってもダメならば、いよいよ「ライト本体の故障」が疑われます。
※今は少なくなっていますが、もしハロゲン球を使ったタイプのライトだと「電球が切れている可能性」もあります。
特に知識がない方が「故障かどうか」の判断をするのは難しいと思うので、自転車ショップに持ち込んでみることをオススメします。
新品で買っても安いものですから、諦めて買うのも一つの手です。
オートライト(ハブダイナモ)がつかない時の原因
続いて、走ると勝手に光る「オートライト」の原因&直し方について解説します。
線が断線している
オートライトの場合、ハブ(前輪の中心部分)からライトにかけて線が繋がっています。この線がどこかで切れていませんか?
※確認だけならだれでも可能。
「荷物を引っかけてちぎれた」「転んだ時にちぎれた」というケースが多いですね。
この線を伝ってライトに電気を送っているわけですから、途中で切れていては光らないのも当然です。
※線が短くなりすぎている時は線を新しいものに交換するか、ライトを新品に交換する必要があります。
自転車屋に持っていけば、そう高くはない値段で再接続の修理をしてくれると思います。
単純に端子が外れている
線のちぎれと同時に確認してほしいのが「端子が外れていないか?」です。
ハブ側に端子があります。
↑ハブ端子に挿さっている正常な状態。
↑端子が外れている異常な状態。
同様に、端子が挿さっていなければライトが光るはずがありません。
外れているなら付けてください。向きを確認してグッと押し込むだけです。
端子やネジが錆びて通電していない
オートライトでも「サビ」による通電不良はよくある原因です。
- 線がちぎれていないか?
- 端子が挿さっているか?
上記の問題がないのに光らないなら、次に疑うはサビです。
↑上記の箇所は全て理解しなくて大丈夫です。
とにかく電気の通り道にあるパーツが錆びていると通電がうまくいかず、光らなくなることがあります。
直すためには、電気の通り道(上記の箇所)全てを整えてあげる必要があります。
サビが発生している所は鉄ヤスリで削り落とすのです。
もちろん「通電しているか?」は目で見えませんから、疑わしいところを全部やるしかありません。
通電不良の場合、電気の通りさえ正常化できればライトは光ります。
何かが壊れているわけではありません。
ライト、ハブ本体が故障している
- 線も切れていない
- 端子も挿さっている
- サビもやすり掛けをした
ここまでやって光らない場合、「ライト本体」か「ハブ本体(ホイール)」が故障しているかもしれません。
ライト本体が壊れているか、ハブ本体が壊れているか、その判断はクロスチェックをしないと分かりません。
【クロスチェックの方法】
- 故障と思われるライト×正常なハブ
- 故障と思われるハブ×正常なライト
要するに問題がない自転車と一部のパーツを入れ替えて試し、問題が発生すれば「そのパーツが原因だ!」と特定できるわけです。
この作業を個人でやるのは難しいので、自転車屋でチェックしてもらいましょう。
クロスチェックを行う場合は時間がかかるので、預かり修理になると思います。
ライトの修理費用はいくら?
店によって料金は違うので一概には言えませんが、ザックリとした費用の目安だけお伝えします。
【修理費用の目安:ダイナモライトの場合】
- ライトの取り付け位置がずれて、タイヤに当たっていない
→購入店なら無料~数百円程度 - タイヤに当たって回転する部分が、固くて回っていない
→ライト交換なら2-3000円程度 - サビなどによる通電不良
→購入店なら無料~数百円程度 - 熱を持って一時的に点かなくなっている
→故障ではない。本体交換を希望するなら2-3000円程度。 - ライトが壊れている
→2-3000円程度。
【修理費用の目安:オートライトの場合】
- 線が断線している
→購入店なら繋ぎ直しで無料~数百円程度 - 単純に端子が外れている
→購入店ならおそらく無料 - 端子やネジが錆びて通電していない
→購入店なら無料~数百円程度
- ライトが故障している
→相場は5-6000円程度
→ブリヂストンなどメーカー品は8000円程度する場合あり。
- ハブが壊れている
→前ホイールの交換が必要で、1-2万円程度
修理の見積もりだけなら無料の店がほとんどでしょうから、まずはお店に自転車を持っていくのがオススメです。思っていたより高いなら「修理をしない」という選択肢もありますからね。
ハブやライトが壊れると高額修理になるので、「後付けのライト」を選択肢に入れるといいでしょう。最近のはUSB充電式で非常に明るいです。
走って発電する“オート”ではなくなりますが、値段を考えるとこっちの方が賢いケースもあります。
さいごに
色々と原因をお話ししてきましたが、実際にお店で修理をしていた実感として「すぐ直るケース」がほとんどです。
つまり、下記の原因です。
- 通電不良
- 断線
→見れば分かる。 - 端子のはずれ
→見れば分かる。 - ライトの位置が悪い(ローラーが当たっていない)
→見ればわかる。
通電不良を除き、他3つは初心者でも見ればわかるでしょう。
時間があるならいきなりお店に行くのももちろんOKですが、意外と「そんなことか」で直ることが多いわけです。
自分でチャチャッと確認すれば修理に持ち込む手間が省ける場合もあると思いますから、簡単なことだけでもご自身でチェックしてみるといいですよ。
以上、誰か1人にでもお役に立てばと思います。
最後までご覧いただきありがとうございました。