- 自転車の空気が一日経つと抜けてしまう
- 空気を入れ直しても、また抜けてしまう
- 原因と直し方を知りたいなあ
こんな悩みを解決します。
【この記事で分かること】
- 自転車の空気が一日で抜ける時の原因
- 原因別の直し方
- ロードバイクなどの「チューブレスレディ」はシーラントが原因かも
自転車整備士の私が解説します。
「空気を入れても“1日”で抜けてしまう…」とお困りではありませんか。
スグ抜けるわけでは無いので、「パンクしていないのに空気が抜ける、なぜだろう?」と思われる方も少なくないです。
本記事を読めば、ゆっくり抜けてしまうその原因と対処方法が分かりますよ。
また、ロードバイクなどでチューブレスレディタイヤをお使いの方に向けて、シーラントの説明もしています。ぜひ参考にどうぞ。
【整備士が解説】自転車の空気が「1日」で抜ける時の原因は?
「1日経つと抜ける(数時間は持つ)」という状況から察するに、考えられる主な原因は下記の通り。
経験上一番多いのが「スローパンク」な印象ですね。
要はパンクなのですが、穴が非常に小さくて時間が経たないと抜けません。空気を入れ直してもやっぱり抜けてくるならば、スローパンクの可能性が高いです。
原因として挙げた4つ、詳しく解説します。
スローパンクしている(チューブに穴が開いている)
一晩・一日で空気が抜けてしまうなら、やはりパンクしている可能性が高いです。
「パンク」というと、すぐに空気が抜けてしまうイメージがあるかもしれませんが、中にはそうでない場合もあります。極めて小さい穴が開いている時です。
パンクの穴が大きければ、一瞬で空気が漏れてしまいます。でも穴の小さいパンクは、時間をかけて徐々に抜けていくのです。これを「スローパンク」と呼びます。
「あれ、スローパンクかも…?」と思った時にやる事は、前後輪共に同じだけ空気を入れてみる。
それで様子を見て、どちらかが早く抜けるようなら問題がありますね。
スローパンクの原因は様々でして、一概に“刺さりもの”だけではありません。
また自転車購入時に「パンク防止剤」を注入された方は、それによってスローパンクになっているかもです。
普通ならスグに空気が抜けるような穴でも、パンク防止剤が穴につまり、空気の抜けを遅くする影響ですね。プラスに働いているパターン。
スローパンクの場合、まずは次に解説する「虫ゴムの状態(英式バルブ)」をチェックします。
虫ゴムに問題が無ければパンクしていますから、お店へ持ち込みましょう。小さい穴であればパンク修理できる可能性が高いです。
虫ゴムが劣化している
一般的な自転車のバルブ(空気を入れるところ)には、「虫ゴム」が使われています。
虫ゴムが劣化すると空気が漏れるようになりますから、これが原因かもしれません。「パンクかも?」と思ったらまずは確認です。
↑虫ゴムとは、バルブの中にあるパーツの名称です。棒についてる黒いゴムがそうです。
このゴムが空気を止める“弁”になっています。つまりゴムが傷んで破れると空気が漏れます。
例えば写真のように亀裂が入っているとダメですね。虫ゴムは消耗品ですから定期的に交換が必要です。
虫ゴムにわずかに穴が開いていて、少しずつ空気が抜けているかもしれません。
虫ゴムが傷んでいるかどうかのチェック・新品への交換なら、自転車に詳しくない方でもできます。
下の記事で解説しておりますので、写真を見ながら同じ作業をやってみて下さい。
もし虫ゴムが原因だったら、厳密に言うと「パンク」ではありません。チューブに穴が開いているわけでは無いからです。
交換して漏れなくなればラッキー。自転車店に持ち込む手間が省けます。
バルブが緩んでいる
バルブの締めが緩いと空気が漏れます。
手でがっちり締めてください。
↑英式バルブ(ママチャリ等)の場合、銀色の部分を時計回りで締め付けます。
↑フレンチバルブの場合、先っぽのネジをしっかり締めます。下にあるのが「締まっている状態」です。
↑これはNG例。ネジの先が上にあり、緩んだままです。これだと空気が漏れます。
実際に自転車を修理するときに「緩んでる…!」と感じるケースはぼちぼちあります。
締めて直れば問題なしです。いま一度確認しましょう。
シーラントが乾いている(チューブレスレディタイヤ/主にロードバイク)
チューブレスレディタイヤの場合、定期的にシーラントの補充が必要です。
シーラントとは写真にある白い液体のことでして、タイヤの内側に空気の保持層を作る役割があります。また、タイヤとホイールの細かな隙間に入り込み、空気漏れを防ぎます。
(シーラントの種類にもよるのですが)3カ月から半年に一回程度は補充が必要です。乾いてしまい、空気が漏れるようになるからです。
「チューブレスレディタイヤを使っているけれど、シーラントの補充は気にしていなかった」という方は、単にシーラント切れの可能性が高いです。補充をして様子見しましょう。
自転車屋で「水調べ」をしてもらおう
自転車屋では、パンクかどうかの確認をする「水調べ」という作業があります。
タイヤを外し、チューブを出して水につけ、空気が漏れていないかをチェックします。
「やっぱり空気が漏れてくる」のであれば、水調べをやってもらいましょう。だいたい800円程度です。
水調べをしてパンクしていれば修理をすればいいですし、パンクしていないなら800円程度で“安心”を買えます。不安なまま乗るくらいなら、一度見てもらった方がいいです。
まとめ
最後に、本記事の要点をまとめます。
【自転車の空気が「1日」で抜ける時の原因は?】
- スローパンクしている(チューブに穴が開いている)
- 虫ゴムが劣化している
- バルブが緩んでいる
- シーラントが乾いている(チューブレスレディタイヤ/主にロード、MTB)
可能性として高い原因を4つ紹介しました。
とはいえ現物を見たわけでは無いので、もちろん当てはまらないケースもあります。
参考にしつつ、解決しないのであれば自転車者店へ持ち込みましょう。
最後までご覧いただきありがとうございました!
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