ロードバイクのシフトワイヤーが切れたから交換しようと思ったのだけど、STIレバーの中でワイヤーが絡まってしまって、全然取り出せない…。
細いもので引っ張ろうにも、狭くて全然力が加わらなくって。
いろいろ試してはみたものの、一向に取れる気配がない。
どうやったら、絡まったワイヤーを取り出せるかな?
もしかして最悪の場合レバー交換とかになるの?参ったなあ…。
こんな方にオススメの記事です。
【この記事で分かること】
- 切れたワイヤーがSTIレバーの中で絡まって取れない時の解決方法
- 必要な工具→プラスドライバー#1
- 作業手順について解説
自転車ショップでメカニックとして働く私が解説します!
ワイヤーが切れたことに気づかず、何ともSTIレバーをカチカチやってしまうと、中で絡まって取れなくなることがあります。
千枚通しを使って取ろうとするも、中々外に出てきてくれない…と。
でも、実はとても簡単にシフトワイヤーのタイコを救出する方法があるのです。
知らない方も多いので、本記事にて紹介しますね。
是非試してみて下さい。
【裏技】STIレバーにシフトワイヤーが詰まった時の取出し方
結論から言いますと…
STIレバー裏側のカバーを取れば、簡単にシフトワイヤーを救出できますよ!
…ご存じなかったでしょう。
これは、実はシマノのディーラーマニュアルにも記載がある方法です。
といっても、自転車ショップのメカニックでもみんな知ってるわけじゃないと思いますね(笑)
マニュアル見てないと気づけないので、あまり知られていないような。
「ワイヤーが絡まってるなあ」と感じたら、まずは普通に外から千枚通しなどを使ってつついてみる。
全然取れる気配がなければ、さっさと裏のフタを開けてしまった方が早いです。
もったいぶらず、早速やり方について解説します。
STIレバーの裏側にあるカバーを外し、ワイヤーを救出!
シマノのディーラー向けサイトからSTIレバーの作業マニュアルを開きまして、中を読みましょう。丁寧に答えが書いてあります。
実際にSTIレバーを使って解説。
レバーをハンドルから外し、ブラケットカバーを外します。
※公式サイトでは「レバーを外し…」となってますが、ハンドルに付いたままでもできますので、割愛します。なお、分かりやすくするため、解説には外したSTIレバーを用います。
ブラケット下部のネジを外し、2つのカバーを取り外します。
STIレバーを裏から覗くと、「小さなプラスネジ」がありませんか。
これを半時計方向に回し、緩めます。
なお、このプラスネジは「1番」でして、一般的な「2番」に比べて細いタイプです。
あまり家庭に置いていないかもなので、無ければホームセンターにでも買いに行きましょう。
無理やり太い“2番”でやるとネジが舐めるので、やめてくださいね。
ネジを外すと、カバーがポロっと取れます。
もう1つカバーを外す必要があるのですが(※型式によってはカバー1つの場合あり)、↑の写真でいうとブラケットカバーで覆われているところです。
なので、一度ブラケットカバーを元に戻し、反対側(STIの頭の方)からベロッっとめくり直してください。
↓こんな感じ。
すると、もう一方のカバーがパコッと取れます。
分解図を用いて説明すると「11番」のカバーを2つ外した状態。
巻取体のケーブル掛け部に留まっているインナーエンドを取り出します。
カバーを外すと、「巻取体」が丸見えになります。
シフトのタイコ及びワイヤーが通っているところですね。
ここまで来たら、何か細いものを使ってワイヤーの頭を抜いてあげればOK。
壊れるといけないので、むやみにバネ部には触らないよう気を付けてください。
元に戻して終了です。
取れないまま外からつついて格闘するより、カバーを開けてしまった方がよっぽど早くタイコを取り出せます。
今後の心得
なるべくワイヤーが絡まらないようにするためには、「なんか変速の調子がおかしいぞ?」と感じた時点で、ブラケットカバーをめくって切れていないか確認するといいでしょう。
異変を感じている状態で「あれ?あれれ?」とレバーをカチカチすると、よけいワイヤーがほつれて引っかかりますので。
…といってもまあ、実際に“その時”が来たとして、中々気づきにくいものですけどね。
この前自分もやっちゃいましたもの(笑)
まとめ
最後に、本記事の要点をまとめます。
【STIレバーにシフトワイヤーが詰まった時の取出し方】
- STIレバー裏のプラスネジを緩め、カバーを2つ外す
- 巻取体からタイコを外す。完了。
以上、一般公開されているけど、裏技的な情報でした。(笑)
是非試してみて下さい。グッドラック!