- 自転車旅のキャンプで使う「クッカー」の選び方を知りたい
- 鍋やフライパン、ご飯を炊く飯ごうなど、どんなものを使えばいいのか教えて欲しい
こんなお悩みを解決します。
【この記事で分かること】
- 自転車キャンプで使う「クッカー(鍋、フライパン)」の選び方
- クッカー、バーナーの購入順序
- 「スタッキングできること」が大事なポイントである理由
自転車で日本一周し、これまで400泊を超えるキャンプ経験のある私が解説します。これから[自転車旅×キャンプ]を始める方に向けた記事です。
キャンプ用品は、使ううちに不満が出てきて「買い直し」することも多々ありますが、本記事を読めば今後ずっと使えるクッカーが分かりますよ。
よければ参考にどうぞ。
自転車キャンプで使う「クッカー(鍋、フライパン)」の選び方
結論から言うと、自転車キャンプにおけるクッカーの選び方は下記がポイントです。
【選ぶポイント】
- バッグに入りそうな形状か?大きさか?
- キャンプ場でどんな調理をしたいのか?
- バーナー類をスタッキング(中に収納)できるか?
例えば、
「キャンプ場ではお湯を沸かせればOK。凝った料理はしないから、小さい鍋があれば十分かな」
という場合もあれば、
「白米を飯盒で炊いて、更におかずを作ってしっかりとキャンプ飯を楽しみたい!」
という方もいるはず。
後者が“お湯を沸かすだけの装備”しか持っていなければ不満でしょうし、逆に前者が“色々作れるし装備”を持っていても、使わないので荷物になるだけです。
調理面で言えば大は小を兼ねますが、積載のことを考えると大は大です。邪魔になるので、目的を達成できる適切なギア選びが大事になってきます。
キャンプ場でどんな調理をしたいのか?
【考えるべき事】
- 自分がキャンプ場でどんな調理をしたいのか?何を作って食べたいのか?
- そもそもキャンプ場は“寝るため”に利用するのか“楽しむため”に利用するのか?
クッカーおよびキャンプ用品を揃える前に、ひいては自転車本体を購入する前に、出来るだけ具体的に上記のイメージを考えて欲しいと思います。ここを明確に決めないと、選ぶべきクッカーの種類が変わってくるからです。
(旅のスタイルによっては、そもそも使う自転車すら変わってきます)
バッグに入りそうな形状か?大きさか?
自転車旅のスタイルに応じて、積載量が変わります。
クッカーを買う上で「バッグに入りそうな形状、大きさかどうか?」は非常に重要なポイント。買ってから気づいては遅いです。
パニアバッグなら余裕あり
例えば日本一周中の私のように、パニアバッグスタイルで旅をするならそうシビアに考える必要はありません。積載容量や大きさにゆとりがあるので、たいていのクッカーは入ってしまうからです。
もちろん、それでも目的に応じてコンパクトなものを選ぶに越したことはないんですけどね。
お湯なら小さい鍋やコッヘルがあれば沸かせます。1つのクッカーに対して色々な使い道が出来た方が、装備が少なくなりコンパクトです。
バイクパッキングスタイルはコンパクトさを重視
一方でフレームバッグやサドルバッグなど、キャリア(荷台)を使わない「バイクパッキングスタイル」の自転車旅だと、積載量が限られます。各バッグは幅もないので、クッカーの大きさにも注意が必要です。
こちらの方がよりシビアに考える必要があります。
バイクパッキングスタイルの場合、揃える装備一つ一つに「コンパクト性」を意識しないと、全ての荷物が溢れて入らなくなります。夏場はまだ荷物が少なくて済みますが、寒くなるにつれて荷物が多くなります。
例えば、前三角を利用したフレームバッグ内にクッカーセットを収納しようと考えている場合、クッカーは出来るだけ平ぺったい方がいいですよね。丸いとフレームバッグに入らなかったり、入っても横に膨らんでペダリングの邪魔になったりするからです。
サドルバッグやフロントバッグ、フォーク横に積載するなら、特に形状に縛りはなくなるでしょう。出来るだけコンパクトならそれでヨシ。
このあたりは普段からバイクパッキングスタイルで旅を行っている方のブログを見て、参考にした方がいいと思います。先に“正解”を知っておいた方が、装備を揃える時の“間違い”を防げます。
バーナー類をスタッキング(中に収納)できるか?
よりコンパクトに収納するために「スタッキング(重ねて収納)」できるかも大事です。
これは使うガス缶(バーナー)の種類によって大きく左右されます。
「スタッキング」といって、上の写真のように色々と重ねて収納すると便利です。マトリョーシカのように、大鍋→小鍋→その中にガス缶やバーナー、スポンジや洗剤…といった具合。
外側の大きさは変わらないので、コンパクトに収納できます。
CB缶とOD缶
ただし、スタッキングのしやすさ(コンパクト性)は使うガス缶/バーナーの種類が大事です。
シングルバーナーのガス缶には「CB缶」と「OD缶」の2種類ありますが、それぞれ特性が異なります。
「コンパクト・軽量」を求めるなら、OD缶タイプ1択です。
CB缶を選んでしまうと、ガス缶の形状がゆえスタッキングしづらいから。
このどちらを選ぶかについては、下記の記事で詳しく解説しています。
装備を揃える順序
装備を揃える順序はこのように行うのがオススメです。
通販で色々と揃えて一気に注文しがちですが、しっかりサイズ感を確認してからの方がいいですね。ネットではそれが出来ないので、店舗で実際に見て判断した方が失敗しません。
ネットよりちょっと高いかもですが、それは“確認させてもらった代”と思いましょう。
私が使っているクッカー、バーナー、その他調理関連
一応、自分が使っているクッカーやバーナーを紹介します。
使用用途に応じて、持っていくものを変えます。
メインとなるバーナー
持っているバーナーは2種類。用途、環境、積載容量に応じて使い分けます。
【使っているバーナー】
装備の一例
【目的】
- なるべく軽量コンパクト。平ぺったいと収納しやすい状況。
- キャンプ場ではご飯を炊き、加えて何か簡単に焼いたりして楽しみたい
…この場合、銀色のメスティン(飯ごう)をクッカーとして利用します。白米を炊き終わったらフタ部分をフライパンとして使用し、簡単に焼くことができます。ただフッ素加工はしていないので、くっつきやすいです。
メスティンは飯ごうですが、袋ラーメンやパスタなどを作るにも適しています。パスタなんかだと「深さが足りないじゃん?」と思うかもですが、半分に折ってから投入するのです。
クッカーの中にはOD缶のバーナーとライター(点火用)、そして油と塩コショウをボトルに入れています。※調味料はなくてもOK。
ガス缶はもう一回り小さい110タイプも売っているので、積載量に合わせて選ぶといいです。
なお1泊-2泊程度の短期ツーリングなら、洗剤やスポンジは持たないことが多いです。食材を買う際におしぼりを貰っておき、それで拭いてオワリ。一度使ったものを次他の食材を焼くのに使いたい時なんかも、基本拭くだけですね。
細かい洗浄は家に帰ってから行います。
装備の一例
【目的】
- なるべく軽量コンパクト
- キャンプ場ではお湯を沸かしたり、鍋やラーメンなどを作ったり、何か焼いたりして楽しみたい
…先ほどの飯ごうと用途は被りますが、「平ぺったくなくてもOK」な環境なら、このセットを使うことが多いです。鍋は深さがあるのでお湯を沸かすにも、鍋類を作るのもやり易いです。セットになっている小型のクッカー側は、例えばコーヒーを入れて飲んだり、焼肉を焼いたり、炒め物をしたりと用途は様々。
この製品はフッ素加工が効いているので、アルミ地むき出しのメスティンに比べてくっつきにくいですね。
場合によってはCB缶のバーナーをスタッキングすることもあります。ただし長さのあるガス缶は入りきらないので、分けて収納する必要が出てきます。
そこまで積載容量ギリギリじゃない、かつあたたかい時期であれば、CB缶を使った方が経済的です。OD缶のガスは高いので…(笑)
装備の一例
【目的】
- 複数人でがっつり料理を作るような「楽しむキャンプ」をしたい
- 大鍋で全員分の鍋料理を一気に作りたい
- 大きなフライパンで、効率よく焼きたい
- 料理を分けられるように、一応取り皿も持って行ってあげようか
- やっぱり白米が欲しくなるだろうから、メスティンも持っていこうかな
…こんな時は、メスティンに加えて大鍋+フライパンを持っていきます。ゆるゆるツーリング、パニアバッグ積載時ですね。加えてもう1台のバーナーを持っていくこともあり。
流石にこれだけ洗い物が多いと、「拭いてオワリ」にはできません。洗剤とスポンジも持っていきます。
おすすめの軽量化ポイントがありまして、「洗剤を目薬の容器に入れる」ですね。ずっとこれで使っています。
空になった目薬の容器の先っぽをプライヤーで引っこ抜き、洗剤を移し替える。これなら小さくて邪魔にならないし、漏れません。洗剤は実はすっごく少量で足りるので、この容量でも5-10回分くらいは使えちゃいます。
キャンプ場によっては洗剤が備え付けてあったりするので、使わないことも多いですけどね。
お遊び用の装備
遊び用として気に入って使っているのが、このロースター。
ガス火を遠赤外線に変換してくれるので、まるで炭火のような焼き加減になります。直接ガス火に当てると表面が焦げるだけで、中までじっくり温まりません。それを解決。自転車キャンプで炭を使うのは色々と大変なので、これがあると代用になって面白いです。フライパンで焼くよりも一層美味しく食べられます。
汁が出る対象物はコンロが汚れるので適していない(覚悟が必要)です。一応「乾きもの用」と注意書きにもあります。
例えば、相性がいいのが焼き鳥ですね。
塩コショウをかけて食べるとおいしいし、焼いている時間がすっごく好きです。装備に余裕があれば、持っていくと楽しめると思います。
まとめ
最後に、本記事の要点をまとめます。
【自転車キャンプで使う「クッカー(鍋、フライパン)」の選び方】
- バッグに入りそうな形状か?大きさか?
- キャンプ場でどんな調理をしたいのか?
- バーナー類をスタッキング(中に収納)できるか?
上記3つのポイントを意識。そのためには「どんなキャンプがしたいのか?」「どんな装備で行くのか?」を具体的に考える必要があります。
軽量コンパクトを求めるなら、OD缶タイプ1択ですね。軽くて小さく、スタッキングもしやすいからです。
以上です。
参考になれば幸いです。ご覧いただきありがとうございました!