最近ロードバイクを始めたんだけど、数十キロ漕ぐだけでお尻が痛くなっちゃって。
せめて100kmは苦痛なく走れるようになりたいんだけどなぁー。
お尻の痛みを和らげる方法を何か知らない?
こんな方にオススメの記事です。
想定している読者は「お尻が痛すぎて数十キロ走るだけでキツい!」という初心者の方です。
「100km以上のロングライドをするとお尻が痛くて・・・」といった中~上級者の悩みではなく、走りの基礎が全く整っていない初心者に対して解説する内容となっています。
ロードバイクにおけるお尻の痛みは、誰しもが通る道ですよね。
全ての人に共通する解決方法がないため、「沼」と言われることもあります。
実際に私もロードバイクを始めた頃(高校2年生)は、ライドごとに必ず起こる強烈なお尻の痛みに悩まされていました。
40kmを過ぎたあたりからお尻がヒリヒリと痛み始め、70kmに差し掛かる頃にはまるで腫れているかのように強烈な痛みを伴い、サドルにお尻をつけることすらできないような状態でした。
お尻の痛みに困っている人は沢山いると思いますが、その中でも重症な方だったと思います。
しかし、これまでに様々な試行錯誤を経て、今現在ではほとんど痛くならないようになりました。
100km程度のサイクリングでしたらお尻の痛みを気にすることなく走れるようになりましたし、一日で240kmのロングライドを成功させた経験もあります。
そこで今回は、自分自身の経験を元に、「お尻の痛みを和らげるために試したい7つのこと」について紹介します。
是非参考にしてみてください。
お尻の痛みを和らげるために試したい7つのこと
私はお尻の痛みを克服するために色々なことを試してみましたが、中でも効果的だったのがこの7つです。
- サイクルパンツを履く
- 車道を走る
- お尻の筋肉を鍛える
- 快適なサドルポジション(高さ・角度・位置)を見つける
- 体重を3点に分散させる
- 適度にダンシングを挟む
- お尻をサドルから下ろす
今だからこそわかるのですが、初心者の方は「サドルの合う合わない」よりも前に、走りの基礎となる部分が出来ていないことが多いです。
確かに、中にはサドルとの相性が悪くてお尻が痛む方もいらっしゃるのも事実ですが、それ以前の問題がある方も沢山いると感じています。
まずはサドルを交換する前に、これら7つのことを試してみてください。
きっと、今よりもお尻が楽になるはずです。
サイクルパンツを履く
ロードバイクの必須のアイテムです。
もし、まだサイクルパンツを履いていない方がいれば絶対に使いましょう。
パンツの中にクッションが入っているため、痛みを大幅に和らげてくれます。
ロードバイクに使われているスポーツタイプのサドルは、力が逃げないように硬く作られています。
そのため、普通のスポーツウェアで自転車に乗ると、すぐにお尻が痛くなってしまうのは当然です。
正直、今の私でもサイクルパンツなしでは長距離は厳しいですよ。
これは単純に「サドルが硬くて痛い」というのもそうなのですが、普通の下着やズボンは裁縫部分やポケットが痛みの原因になることもあります。
一般的な下着やズボンは、裁縫部分がちょうどサドルにあたる座骨の位置にあることが多いです。また、中には後ろポケット付きのズボンもありますよね。
これらが走行中に擦れたり、あるいは裁縫してある硬い部分をお尻で踏みつけることによって、痛みの原因となっていることもあります。
水泳をするなら「水着」、野球をするなら「ユニフォーム」を着るように、サイクリングに最も適した「サイクルパンツ・サイクルウェア」を使いましょう。
ただ一つ注意点があって、Am〇zonで売っているような格安のサイクルパンツはオススメしません。
個人差はあると思いますが、少なくとも私は一流のパンツに履き変えたら痛みが和らいだからです。
私も昔は2000円台で買える激安ウェアを使っていたのですが、それでもお尻がヒリヒリと痛み悩んでいました。
「サイクルパンツを履いているのになんで!?」と思いましたよ。
そのパンツを使いつぶしたタイミングで「今度は良いのを買ってみよう」と、一流ウェアメーカーであるパールイズミのサイクルパンツを使い始めました。
すると、これまでのヒリヒリ系の痛みが大幅に改善され、痛み克服に一歩前進することができました。
ですから、
- 現在激安ウェアを使っている方
- これからサイクルウェアを購入しようと思っている方
は、一流メーカーのサイクルパンツを試してみるといいですよ。
私は自分自身の経験から、パールイズミがオススメです。
車道を走る
ロードバイクに乗る時は、基本的に車道を走りましょう。
歩道は道も悪い上に段差が多く、振動でお尻が痛くなりやすいからです。
「私はまだ走行に慣れてなくて・・・」という方は歩道でゆっくり走ってもいいのですが、ある程度距離を走るとなると車道をメインに走った方が良いです。
もちろん、長距離を走る時は走行に慣れてからの話ですが。
歩道は車道に比べて道の状態が悪いです。
デコボコしているところもあれば、排水溝もあり、振動が大きいためにライダーへの負担が大きいです。
それに加えてスピードを出せないので、後述する「体重を三点に分散させる」ことができず、サドルへの加重割合が大きくなってしまいます。
しかもロードバイクは、
- タイヤが細くて空気圧が高い(=クッション性が無い)
- フレームジオメトリが走行に特化している
- サドルが硬い
と振動をダイレクトに受けてしまう乗り物です。
それが長距離蓄積されるとお尻が痛くなるのは当然ですよね。
走行に慣れ、車道を走ることが痛み改善へつながります。
お尻の筋肉を鍛える
よく「お尻を作る」と言われますが、このことです。
初心者の方は、まずはお尻の筋肉を鍛えるところから始めましょう。
筋肉が慣れていない状態では、痛くなるのは当然だからです。
「お尻を鍛える」と言っても、スクワットのような筋トレは必要ありません。
今まで通り自転車に乗ってサイクリングを楽しみ、必要な筋肉を使ってあげればいいだけです。強いて言うなら、少し頻度を上げると効果的です。
「お尻が痛い」と悩んでいる初心者さんの中には
- まだ自転車を始めたばかりで、あまり距離を乗っていない
- 自転車に乗る頻度が月に一回程度で、乗る数が少ない
という方が多くいらっしゃいます。
このような場合は、筋肉に慣れが生じていないためお尻が痛くなりやすいからです。
例えば、ランニングを想像してみてください。
超久しぶりにランニングをした時は、すぐに足が痛くなったり、疲れやすかったりしませんか。
また、翌日にバキバキの筋肉痛になった経験がある方も多いはず。
でも、それを毎日続けると次第に慣れていきますよね。
これは普段使っていない筋肉を動かしたことで、筋肉を構成している繊維(筋繊維)に細かな傷ができることが原因です。
サイクリングの場合も同じで、普段使っていないお尻の筋肉を急に使うことによって痛みが出ることがあります。
ですから初心者の方は、「痛みを感じつつも出来る範囲で自転車に乗って筋肉を鍛えること」が大切です。
快適なサドルポジション(高さ・角度・位置)を見つける
自分が快適だと感じるサドルのポジションを見つけるまでは、「高さ・角度・位置」の調整を繰り返すことが大切です。
ミリ単位の変化でも乗り心地が変わるので、「ココだ!」というポイントが見つかるまでやり続けましょう。
実際私も数えきれないほど調整を繰り返しました。
✓【乗る⇒違和感を感じる⇒その場で調整】
を何度も何度も行った結果、今のポジションに落ち着いています。
- 足が窮屈に感じないか
- 足が伸び切っていないか
- 膝裏の筋が痛くならないか
- サドルの面に座骨が乗っているか
を目安に、自分に最適なポジションを探し出してみてください。
そんなポジション出しにおける注意点が一つあります。
それは「ロードバイクに乗る時に服装の条件を変えないこと」です。
理由は、ポジションが変わってしまうからです。
例えば、
- 厚い靴下⇔薄い靴下
- A社のサイクルパンツ⇔B社のサイクルパンツ
といった感じで、異なる服装の条件でポジションを出そうとすると、「前はぴったりだったのに、今日乗ったら違和感がある」と感じてしまうことがあります。
それでは一向にポジションが決まらないので、細かい話ですが、自転車の乗る時は同じ条件で乗ることを心がけましょう。
体重を3点に分散させる
ポジションが出ていることが前提になりますが、体重を「ハンドル・サドル・ペダル」の3点に分散させた乗り方をマスターしましょう。
荷重の分散を意識することで、お尻への負荷を軽減できますよ。
初心者の中にはサドルへどっしりと座っているケースが見られます。
確かに、ロードバイクのフォームは上半身の筋肉を使ってきついかも知れません。
しかし、ママチャリのように体重のほとんどをサドルに預けるような乗り方は、お尻が痛くなる大きな原因の一つでもあります。
身体と接している3点への荷重の使い分けが重要です。
上記の動画をご覧になって、今一度乗車姿勢を確認してみてください。
適度にダンシングを挟む
ダンシングというのは「立ち漕ぎ」のことです。
サイクリング中に意識して行えていますか?
ダンシングを適度に取り入れることで、お尻への痛みを軽減することができます。
ママチャリの感覚だと立ち漕ぎをするシーンというのは、
- 座ったままではパワーが足りない時
- 加速をしたい時
を思い浮かべると思いますが、ロードバイクでは体のストレッチの意味合いでもダンシングを行います。
シッティング(座り漕ぎ)ではフォームが一定で、長時間同じ体勢で走ることになり、身体への負担が蓄積されてしまいますよね。
そこで、ダンシングを取り入れることによって身体の動きストレッチをするとともに、お尻へかかる荷重を一時的に無くすことができます。
その結果、部分的な筋肉疲労の蓄積を回避することで、お尻の痛み軽減につながります。
痛みが出てからでは遅いので、走り始めた余力のあるうちから意識的にダンシングすることを心がけると良いでしょう。
サドルからお尻を下ろす
ダンシングと意味合い的には同じですが、適度にサドルからお尻を下ろしましょう。
常にかかるお尻への負担を軽減し、痛みが出にくくなります。
例えば、
- 信号では両足地面に付けた状態で待つ
- 疲れる前に適宜休憩をとる
など、サドルからお尻を下ろす時間を作ることで負担を減らし、血流を良くすることで、お尻の痛みが発生しにくくなります。
それでもダメな時は・・・
これら7点を試してみてもダメだった時は、ようやくサドルの交換を視野に入れましょう。
いきなり購入するのではなく、まずはショップにあるテストサドルで試してみるのがオススメです。
サドルには無数に形状があり、どれが自分に適した形なのかって分からないですよね。
一つ一つの価格も安くはないので、買い替えるにはお金がかかってしまいます。
しかも、買い替えたからと言ってそれが必ず自分のお尻に合うわけでもなく・・・
これがいわゆる「サドル沼」です。
自分に合ったサドルを見つけるのって、本当に大変なんですよね。
そこでまず最初にテストサドルを使ってみて、「どんなタイプが自分に合っているのか」を探りましょう。
チェックポイントはこんな感じ。
- サドルの幅
- 座面の反り
- 座面の丸み
- 穴あき
- パッドの厚み
- 素材
「あれよりもこっちの方が合ってる!」という感覚を大切にしていくつか試してみれば、自分に合ったサドルが見えてくるハズです。
「もうこのサドル以外使えない!」と思えるような、自分にピッタリのサドルに出会えるといいですね。
まとめ
初心者がお尻の痛みに悩んだら、まずはこれら7つのことを試しましょう。
- サイクルパンツを履く
- 車道を走る
- お尻の筋肉を鍛える
- 快適なサドルポジション(高さ・角度・位置)を見つける
- 体重を3点に分散させる
- 適度にダンシングを挟む
- お尻をサドルから下ろす
全てを試してみてもダメだったら、サドルが原因かもしれません。
テストサドルを使って自分に合いそうなサドルを絞りこんだ上で、購入してみましょう。
お尻の痛みで苦しんだ自分の経験を元に作ったこの記事が、誰かの役に立てば幸いです。
ご覧いただきありがとうございました。