自転車のことを調べていたら「カセットスプロケット」と「ボスフリー」という言葉が出てきた。
どちらも後ろのギアのことを指すみたいだけど、何がどう違うのだろう?
知識として知っておきたいから、教えてもらえると嬉しいなあ。
こんな方にオススメの記事です。
【この記事で分かること】
- 「カセットスプロケット」と「ボスフリー」とは何か?構造の違いや見分け方
- シマノ純正着脱工具
私はロードバイクから自転車の世界に入ったのですが、ママチャリのギアを交換しようと思った時に、スプロケットの構造が違ってびっくりしました。
その時に初めて、ギアには「ボスフリー」と「カセットスプロケット」の2種類があると知ったのです。
自転車について勉強中のあなたへ、できる限り分かりやすく解説させていただきますね。よければ参考にしていただけると嬉しいです。
【初心者向け】カセットスプロケットとボスフリーの違いとは
外装ギアは主に2種類
自転車の外装ギア(スプロケット)には主に2種類あります。
このうち、ロードバイクやクロスバイクなどの“スポーツタイプの自転車”によく使われるのがカセットスプロケットです。8段変速以上の自転車ならこのタイプがほとんど。
反対に、ママチャリや子供車などの“一般車”によく使われるのが「ボスフリー」となっています。
6/7段変速の自転車はほとんどこのタイプですね。
カセットスプロケットとボスフリーの構造の違い
これらの根本的な違いは、「フリー機構がどこにあるか?」です。
- ホイール側にあるのがカセットスプロケット
- ギア側にあるのがボスフリー
この説明だけでは分からないと思うので、順に解説します。
「フリー」機構とは?
「フリー」という言葉を聞いたことがない方も多いでしょう。
フリーというのは、漕ぐのをやめた時でも車輪が空転する機構のことを言います。
当たり前すぎて気にしたことがなかったかもしれませんが、「フリー」があるからこそ自転車は足を止められるのです。ペダルが常にグルグル回らなくて済むのです。
例えば競輪の自転車がそうです。
1段しかギアのない「固定ギア」が使われていまして、これにはフリーがありません。
要はギア部分がただの一枚板ってわけです。
固定ギアは足を止めようとしても、後輪が回っていればつられてクランクも回転します。空転しません。
あるいはクランクを逆回りに回すと、自転車が逆に進みます。普通は空転して力が加わりませんよね。
このように、「ペダルを止めたら車輪が空転する」仕組みを担うのが“フリー”という部分です。
「カセットスプロケット」はホイール側にフリー機構がある
で、話を戻すと…
フリーがホイール側にあるのがカセットスプロケットです。
既にカセットスプロケットの着脱をしたことがある方なら分かると思いますが、スプロケットはギザギザした筐体に装着されていますよね↓
そう。この“ギザギザした筐体”こそがフリーの機構を担っています。
フリーボディというパーツです。
だから、カセットスプロケット(ギア側)はただの板になっています。
スプロケットが装着されたホイール側の「フリーボディ」が空転することで、漕いでいる途中でも足を止めることができるのです。
「ボスフリー」はギア側にフリー機構がある
ではもう一つの方。
「ボスフリー」の場合、ギア側にフリーの機構があります。
動きが分かりやすいようGIF画像を作りました↓
こんな感じで、ギア中心部分が回るようになってます。
ボスフリーの場合、ここにフリー機構があるからです。
裏面はこんな感じ。
本体の下部に固定をするネジが切ってあります。
カセットスプロケットのように1枚1枚バラすことはできません。
細かな違いは他にもあるのですが、根本的な違いが「フリー」だということを覚えておきましょう。
カセットスプロケットとボスフリーの見分け方
この2種類の見分け方ですが、私はいつも「ロックリング部の形状」を見て判別しています。
カセットスプロケットの場合、トップギアの上に固定用の「ロックリング」が被さっていますよね。
こういうやつです↓
ロックリングがあればカセットスプロケット。
なければボスフリーです。
先述した通り、ボスフリーにはロックリングがありませんから。
他にも、型番から見分けることもできます。
例えばシマノの場合…
- カセットスプロケット:CS-〇〇
- ボスフリー:MF-〇〇
※CS=カセットスプロケットの略で、MF=マルチプルフリーホイールの略です。
着脱工具も異なる【工具紹介】
カセットスプロケット着脱工具
カセットスプロケットとボスフリーでは、着脱に使う工具が異なります。
まず、カセットスプロケットの着脱には2つの工具を使います。
出典:シマノ電子カタログ
シマノ純正工具を個人で買うにはちょっと高いかなと思います。
スプロケ工具はどれもそう変わらないので、バイクハンドのとかで十分ですね。
ボスフリー着脱工具
ボスフリー着脱工具は、そう高くないのでシマノの「TL-FW30」を買うといいです。
これにモンキーレンチなどを組み合わせて使います。
ボスフリーの場合、カセットと違ってチェーンのついた工具は必要ありません。
ハブ側にフリーがあるわけじゃないので、緩める時に一緒に回るわけじゃないからです。
これを知らずにカセットスプロケットと同様に2種類の工具を使って外そうとすると、自分でボスフリーの回転を止めつつ緩めようとしているので、もちろん外れません。注意してください。
まとめ
最後に、本記事の要点をまとめます。
【カセットスプロケットとボスフリーの違いとは】
- 根本的な違いは「フリーがどこにあるか?」
- ホイール側にフリーがあるのが、カセットスプロケット
- ギア側にフリーがあるのが、ボスフリー
- それぞれ着脱工具は異なる
というわけで、以上です!
この内容が少しでも参考になれば幸いです。最後までご覧いただきありがとうございました!