なんだか最近自転車のの変速調子が悪くって。
なぜか分からないけど、リアディレイラーが「トップギア」に入らなくなっちゃったんだよね・・・
もしかして、壊れちゃったのかな?
【原因と直し方】を教えて欲しい。
こんな方にオススメの記事です。
【この記事で分かること】
- 自転車のリアディレイラーがトップギアに入らない時の原因と対処方法
- よくある原因5つ
- 直し方を解説した分かりやすい動画の紹介
自転車店でメカニックをしている私が解説します。
リアディレイラーがトップに入らない時の原因5つと対処方法
トップギアに入らない時の原因として考えられることは、以下の5つです。
- ディレイラーハンガーの曲がり
- シフトワイヤーの劣化
- シフトワイヤーのほつれ
- シフトワイヤーの張りすぎ
- ハイ(H)側アジャストボルトの締めすぎ
原因としての可能性が高い順に、詳しく解説します。
原因1:ディレイラーハンガーの曲がり
多くのスポーツバイクには「ディレイラーハンガー」という小さなパーツが使われています。
これが曲がることによって、トップに入らなくなっているかもしれません。
ディレイラーハンガーとは、リアディレイラーの取り付け部分に使われているパーツです。
主にアルミ・カーボン車に使われています。
なぜこのパーツが付いているのかというと、外部の衝撃からフレームを守るためです。
例えば、ロードバイクを倒してしまった時。
リアディレイラーに大きな力が加わってしまうこともありますよね。
もしこの時、ディレイラーハンガーが無かったら、フレームを歪ませ、致命傷に(フレームが使えなく)なってしまうかもしれません。
そんな時にディレイラーハンガーがあることで、フレームを衝撃から守る役割があるのです。
フレームへ深刻なダメージが入らないよう、あえて“曲がりやすく”作られています。
このように、ディレイラーハンガーは消耗品です。
正常に機能した結果、曲がりが生じてしまったら、交換が必要。
ディレイラーハンガーが曲がった状態では、リアディレイラーの取り付け元が曲がっていることになるので、当然変速の調子が悪くなります。
もしあなたが「トップギアに入らない!」と悩んでいるのなら、まずはディレイラーハンガーの曲がりを確認して下さい。
- 曲がりの修正
- ディレイラーハンガーの交換
を行うことで、正常な状態に戻すことができますよ!
詳しくはこちらの記事で解説しています。
もし、ディレイラーハンガーではなくて「フレーム一体型リアエンド(主にクロモリ車)」にお乗りであれば、こちらの記事をご覧ください。
原因2:シフトワイヤーの劣化
変速を行うための「シフトワイヤー」が劣化することで、トップギアに入らなくなることがあります。
なぜなら、ワイヤーが錆びたりすることで、抵抗が増えてしまうから。
電動変速(Di2など)ではない限り、自転車の変速にはシフトワイヤーが使われています。
ママチャリから高級なロードバイクまで、全てです。
手元にあるシフトレバーを押すことで、リアディレイラーが変速しますよね。
これは、
シフトレバーを押す⇒シフトワイヤーが引っ張られるor緩む⇒リアディレイラー動く⇒変速する
という仕組みになっているからです。
この時、シフトワイヤーが劣化していると、抵抗が増してワイヤーの動きが鈍くなります。
新品の時はレバーの引きが軽く、スルスルと滑らかに動いていたのに、時間が経つとレバーの引きが重くなるのはそのためです。
あまりにも錆が酷かったりして抵抗が大きくなりすぎると、ワイヤーが滑らなくなり、リアディレイラーの動きが悪くなるのです。
それが原因となって、「トップに入らなくなる」ことがあります。
- ずいぶん長い間メンテナンスしてなかったな
- シフトワイヤーがさびさびだな
- 確かに、変速レバーの引きが重たいな
- 屋外で自転車を置いていて、雨ざらしだな
と、心当たりがあるのなら、これが原因かもしれません。
直すためには【シフトワイヤーの交換】が必要です。
シフトワイヤーの通り道である「アウターケーブル」も一緒に交換するのが望ましいですね。
自分でトライしてみる方は、こちらの動画が参考になりますよ。
ただ、シフトワイヤーの交換は、リアディレイラーの調整が伴うため簡単ではありません。
自信がなければ、自転車店へお任せするのをオススメします。
原因3:シフトワイヤーのほつれ
シフトワイヤーが切れかかってほつれることで、トップギアに入らなくなることがあります。
写真のようにほつれたシフトワイヤーが引っかかることで、うまく動作しなくなることが原因です。
シフトワイヤーは3000km以上走ると、寿命を迎えて切れる可能性が出てきます。
心当たりがある方は、確認をしてみてください。
これを直すためには、【シフトワイヤーの交換】が必要になります。
作業内容は先ほど紹介した動画と同じですので、そちらをご覧ください。
原因4:シフトワイヤーの張りすぎ
もしかすると、「シフトワイヤーの張りすぎ」が原因となって、トップギアに入らなくなることもあります。
ただ、可能性は低いですね。
なぜなら、自然とシフトワイヤーが“緩む”ことはあっても、“張る”ことはないからです。
意図的に調整をしない限り、勝手にはなりません。
ですから、
- 最近自分で調整をやってみた
- どこかで調整をしてもらった
という方のみ、ワイヤーの張りすぎが原因となっている可能性があるでしょう。
直すためには、【ワイヤーを緩める】必要があります。
具体的に言うと、リアディレイラーの「アジャスター」を時計回しして、緩めてください。
こちらの動画の12:15秒からが参考になります。
原因5:ハイ(H)側アジャストボルトの締めすぎ
リアディレイラーには3本の調整ボルトがあります。
- Bテンションアジャストボルト
- ロー(L)側アジャストボルト
- ハイ(H)側アジャストボルト
このうち、トップ側の初期位置(制限値)を決める「ハイ(H)側アジャストボルト」を締めすぎていることが原因で、トップに入らなくなっていることも考えられます。
ただこちらも同様、可能性は低いです。
ボルトが勝手に締まることはないので、最近調整をした心当たりがある方が対象となります。
これを直すためには、【ハイ側アジャストボルトを半時計回し】に緩めてください。
すると、トップ側に制限値が広がって、動くようになるはずです。
この作業を行う時は、基本的に「シフトワイヤーをボルトで留めていない状態」で行ってください。
シフトワイヤーの張りが邪魔をして、ボルトを緩めてもリアディレイラーが動かなくなってしまうからです。
こちらの動画の3:05秒からが、作業手順の解説になります。
まとめ
まとめとして、本記事の要点をおさらいします。
トップギアに入らない時の原因として考えられることは、以下の5つ。
- ディレイラーハンガーの曲がり
- シフトワイヤーの劣化
- シフトワイヤーのほつれ
- シフトワイヤーの張りすぎ
- ハイ(H)側アジャストボルトの締めすぎ
最近調整をした覚えのない方は、恐らく①~③が原因でしょう。
直すには自転車知識が必要です。
むずかしそうなら、自転車店へ見てもらうことをオススメします。
この記事の内容が、原因追究に役立てば幸いです。
ご覧いただきありがとうございました!
★「変速トラブル」に関連した記事★