自転車がパンクしちゃった。
家や自転車店までそのまま乗り続けてもいいのかな?
さすがに押して歩くには遠いしなあ…。
こんなお悩みを解決します。
【この記事で分かること】
- パンクした自転車に乗り続けると、数万円の高額修理になる理由
- パンクしたらどうするべきか?
- 具体的にどんな問題が起きるのか?どんなパーツの交換が必要になるのか?
自転車整備士の私が解説します。
学生の頃、自分のパンクしたまま走ってしまったことがあるのですが、絶対にやってはいけません。
「パンクしてるけど、ちょっと乗るくらいなら大丈夫だろう…」
と考えてはいませんか。
私は整備士として修理をする立場の人間です。
「ちょっと乗ってしまった」がゆえに驚くほどの高額修理になり、親にブチ切れされている学生さんを何度も見てきました。もう大泣きです。
パンクした後に絶対やってはいけないこと。「そのまま乗り続ける」という選択です。
なぜダメなのか?何がどうなるのか? 詳しく解説しますね。
パンクした自転車で走るとヤバい理由【〇万円の修理になります】
今パンクしている状況の方に向けて、要点のみサクッとお伝えします。
【要点】
- パンクした自転車は、押し歩きしてください。
- 絶対に、絶対に、絶対に乗ってはダメ!
- 車輪が傷つき、高額な「車輪交換」になる可能が高いから。
- ママチャリでも安くて1万円程度、高いと2-3万円する場合もある。(両輪の交換は約2倍)
絶対に乗らないでください!
既にくどいくらい言っています。これでも乗る人がいるからです。
数万円という高額な修理費用を全く気にしないなら構いません。
でも普通に考えてそんな人いませんよね。
「ちょっと乗ってしまった」ことが原因で数万円の修理になったらもったいなさすぎます。
- 無駄な修理費用を払いたくなかったら
- 親に怒られたくなかったら
絶対に乗らず、押して歩いてください。
【質問】
そうはいっても、家や自転車屋まで距離があるんだよね。
さすがに自転車に乗らないのはキツすぎるよ、、、
…中にはこう思われる方もいるでしょう。もちろん乗ってはだめです。
【対処法】
- 一旦近くに止めてバスや徒歩で帰り、車で取りに来る
- 自転車運搬可能なタクシー会社を利用する
- (事前に)自転車のロードサービスに加入し、助けを求める
→CycleCall(無料配送年4回/年3400円~) - 出先での出張修理可能な自転車ショップに連絡をする
サイクリングではなく、通勤通学で使っている場合、頑張って歩けば家や自転車屋にたどり着ける距離かなとは思います。基本はそのまま徒歩で押して歩くのが無難ですが、難しそうなら上記の対処法を参考にどうぞ。
実は走行不能な自転車を搬送してくれるロードサービスもあります。
例えば有名どころが「CycleCall」ですね。
年3400円から(月々約283円~)加入できるので、パンクした時の移動に困るような方は入っておくと安心です。指定の自転車ショップや自宅など、希望の場所まで送ってくれます。
ちなみに「サイクルベースあさひ」で自転車を買われた方も多いと思いますので、参考までにお話ししておきます。
(結論:緊急時の出張修理、出先での修理には対応していないです。)
出張修理サービスのサイクルポーターは、下記料金で使用できます。(23/10月現在)
【サイクルポーターの料金】
- サイクルメイト会員なら3年間無料
- 未加入者の場合引取り/お届けは各1,800円(税込1,980円)
ただし「(緊急時の)今迎えに来て、その場で直してほしい!」という出張修理ではないようです。
自宅に不動の自転車がある状況で、持っていくのが大変な時に、アプリで日時を予約して取りに来てもらうという流れです。
修理が終わったらお店に取りに行くか、家まで届けて貰うかをスタッフと話すみたいです。つまり時間を要します。
※未加入者はお届けも有料。
というわけで、サイクルポーターは緊急時のその場で直す出張修理ではないようです。同様にイオンバイクも出張修理はやっていないようです。
サイクルベースあさひの各店舖では軽トラックの無料貸し出しサービスを行っています。
自宅に自転車を運べる車がない場合は、軽トラを借りるのも一つの手です。店舗へ連絡をしてみて下さい。
※本記事は別にあさひさんとの関係はないです。全国に店舗を持ち、頼る人も多いと思い、役に立つ情報だと思ったので書きました。
乗り続けると壊れるパーツ【車輪(リム)の交換】
パンクしたまま乗り続けると具体的に何がいけないのか?
結論:車輪(ホイールのリム部分)を損傷するからです。
- チューブがパンクすることに繋がる
- タイヤが外れる恐れがでてくる
- ホイールが大きく歪んでしまう場合もある
車輪が致命的に削れると「修理」ではなくて「交換」です。
車輪は自転車の中でも高額なパーツとなっているため、修理費用が膨らみます。
タイヤ、チューブ、ホイール(リム)とは
一般人がよく言う「タイヤ」は、実は3つのパーツの組み合わせです。
ホイールに対してタイヤとチューブがはまっていて、チューブに空気が入るからタイヤが膨らむのです。パンクするのはタイヤに異物が刺さったりして「中のチューブ(ゴム風船)に穴が開くから」空気が抜けます。
タイヤが外れないよう引っかかる部分が「リム」です。
ホイールのうち、フラフープのような銀の輪っかになっている部分のことです。
リムは↑こんな形になっています。
タイヤのビードという部分が引っ掛かることで、走っていても外れません。チューブが膨らんでも外れません。
リムの致命傷が原因になる
【重要&原因】
この「リム」が致命的に傷つくと、交換が必要になります。
パンクしたまま走るのは、いわば「車輪(リム)で走る」ようなものです。
靴無し、裸足でコンクリートの上を走るようなものです。
1㎞でも2㎞でも、パンクした状態で走ると「リム」が削れて変形します。
例えばジュースのアルミ缶は普段ツルツルしていますが、道路で転がった缶はどうでしょう。
ボコボコ、ガリガリになっていて、手で触ると怪我をするくらい形が歪になるはず。
リムも同じです。
タイヤを引っかけるフックの部分が削れてなくなっていたり、酷いバリが全周に渡って出ていたりします。
タイヤという「クッション」がない状態で走ったので、ホイール自体が大きく歪んでいることも多いです。
例えばタイヤを引っかけるフックの部分が削れていたら、タイヤをはめた時に外れる恐れがあります。危険です。
リムがボコボコになって傷だらけだと、パンクを直してもまた中のチューブ(ゴム風船)に傷がついて、延々とパンクすることもあります。
一度そんな状態になったホイールを修理することはできません。
元には戻らないので交換するしかないのです。
あとで「ちょっと乗っただけなのに…」と後悔しても遅いのです。
だから本記事で注意を促しています。
ホイール(車輪)の交換費用
修理が高額になるのはホイール自体が高いからです。前輪よりも後輪の方が高いです。
購入時の価格が安い自転車ほど安いし、高い自転車ほど高くなります。単純にいいパーツを使っているからです。
ホイールの交換は注文になる可能性が高く、即時修理できないケースも多いです。
ステンレスリム
例えば通学車によくある「ステンレス製リム」を使ったホイールの場合、中でも高額な修理になります。ステンレスリムは一般車の中でも高級です。
おそらく新車価格で4.5万円以上はする自転車かなと思います。
オートライト(ハブダイナモ)
また、前輪の場合は「オートライト(ハブダイナモ)」という、発電式のハブを使ったホイールだと高価になります。
タイヤに擦らせて発電するのではなくて、走ると勝手にライトが光るやつです。実はホイールで発電をしているので、ホイールが高価になります。
内装ギア
内装ギアを使った自転車の場合、更に高額になります。
例えばブリヂストンの通学車の後車輪を交換しようと思ったら、たいていステンレスリム×内装ギアです。中々の額になります。(安い自転車は全然買えちゃう金額)
タイヤチューブの交換も必要
加えて、タイヤチューブの交換も必要になる可能性が高いです。
本来はパンク修理で塞げた小さな穴であっても、パンクしたまま乗り続けてしまうと、チューブもタイヤもボロボロになって使えなくなるからです。
そうなると、ホイール交換費用に加えてタイヤ+チューブ代もかかります。
購入時の車体金額の半額を超えるようなケースもあるので、絶対に乗ってはいけないのです。
まとめ
最後に、本記事の要点をまとめます。
パンクした自転車で走るとヤバい理由【〇万円の修理になります】
- パンクしたまま絶対に乗ってはいけません。押して歩きましょう。
- リムが致命傷を負うと、ホイール(リム)の交換になります。
- ホイールは高額で、高いと車体の半額以上の額になることもあります。
この事実を知ってもなお、パンクしたまま乗る人はいないでしょう。
本記事を通じて、一人でもそのまま乗る人が減ってくれればと思います。
※親御さんがお読みの場合は、お子さんに必ず伝えておいてください。
中学生、高校生、結構やりがちです。
というわけで、最後までご覧いただきありがとうございました!