自転車屋に修理をお願いしたら、修理を断られてしまった。
一体なぜだろう?
具体的な理由が知りたいなあ。
こんなお悩みを解決します。
【この記事で分かること】
- 自転車の修理を拒否されたときに考えられる5つの理由
- 具体的な事情
- ロードバイクのパンク修理が断られる理由
スポーツサイクルショップ、そして一般的な自転車ショップで働いた経験を持つ私が解説します。
本記事を読めば「なぜ修理を拒否されたのか?」というモヤモヤが晴れると思います。
自転車屋に「修理できない」と言われた…。考えられる5つの理由
結論からいうと、修理拒否で考えられる原因は主に5つかなと思います。
…もちろんお店によって具体的な理由は様々だと思いますが、一般的に拒否するケースはこんな感じですかね。
自転車に問題があったり、取り扱いメーカーの関係だったり、店の方針だったり。
拒否するのにも理由があると思うので、これらについて詳しく解説します。
取り扱いのないメーカーである(キャニオンなど含む)
1つ目は「取り扱いの無いメーカーだから」という理由です。
取り扱いが無いとパーツが手に入らないため、修理の際のリスクを考えて拒否する場合もあります。
自転車ショップには、当然ですがそれぞれの店で「取り扱いメーカー」が異なります。
車で例えると分かりやすいですかね。
例えば「スズキ」のディーラーに「トヨタ」の車を修理依頼しても、多分修理を断られると思います。
と思うかもですが、理由はおそらく「取り扱いのないメーカーだから」です。
「取り扱いが無い」ので、そのメーカーのパーツが手に入りません。
修理できません。
また、整備士向けのマニュアルなども見れないので、詳しい修理方法が分からない場合もあります。
だから、その店に取り扱いの無いメーカーだった場合は断られるケースがあるわけです。
確かに、何か純正パーツを修理するときはそうかもしれないね。
でも「タイヤ交換」とかなら、汎用品を使って修理できるんじゃないの?
取り扱いが無いメーカーでも対応できるはずでしょ?
…と疑問に思った方もいると思います。
その場合は、「取り扱いが無いメーカーの自転車を触るリスク」で修理を断ったかもしれないですね。
例えばタイヤ交換をする際にも、どうしても「その車体」を触る必要があるわけです。
通常通りスムーズに終わればいいのですが、万が一何かが起こる可能性(車体を大きく傷つけた、純正パーツを壊してしまった等)もゼロではないですよね。
その「万が一」のことを考えた時に、取り扱いが無いメーカーだとパーツの仕入れようがないのです。
仮にお客様の自転車を大きく傷つけてしまったとしても、「車体を取り寄せて新品に交換…」みたいなことができないわけです。細かい純正パーツなんかもそう。
だから、取り扱いが無いメーカーの自転車はお断りするケースがあります。
スポーツバイクメーカーでいうと「キャニオン」が拒否される話はよく聞きますが、同様の理由かなと思います。
例えば変速調整を承り、その過程でディレイラーハンガーを巻き込んで折ってしまったとしたら、店としてはどうにも対応できないわけなので。
修理を行う工具を持っていない
2つ目が「工具を持ってない」というケースですかね。
特殊な工具が必要な場合だったり、その系統の自転車を触らない店だと「工具がないから修理できない」という場合もあります。
例えば、私が勤務していた「スポーツバイク専門店(ロードバイクやクロスバイクのみ)」では、ママチャリなどの一般車の修理はお断りしていました。
整備士の技術的には修理できるのですが、単に「工具が揃っていないから」です。
ママチャリにはママチャリの整備をするための工具があるし、スポーツバイクにはそれに応じた工具が沢山あるわけです。
いくら腕のいいメカニックがいても、工具が無かったら修理できませんよね。。。
なので、単に「工具を持っていない」ことが理由でお断りするケースもあります。
型式認定のない(法令基準に適合しない)電動自転車
最近増えているのが、「型式認定の無い(法令基準に適合しない)電動アシスト自転車」です。
自転車店として違法車を黙認するわけにはいかないので、修理を拒否し、一切触らないということ。
例えばサイクルベースあさひのサイトに、こんな説明文があります。
Q.修理ができない自転車はありますか?A.ノーブレーキの自転車はその場でブレーキを取り付けていただける場合を除き、修理・調整等をお断りしております。また、法令基準に適合しない電動アシスト自転車についても修理・調整等をお断りしております。
どちらの自転車をご利用の場合でも、公道を走ることは道路交通法違反になります。引用:サイクルベースあさひ
「型式認定が無い=法令違反」ではないので、必ずしも“無い自転車は悪”というわけではないです。
(触る側からして、もちろん型式認定のある自転車の方が安全安心には変わりありません。)
ただ、型式認定の無い電動アシスト自転車の中には明らかに法令違反しているものも多いんですね。
海外輸入の電動自転車とか、クラウドファンディングで買った自転車とか…怪しいのが多いです。
違法車を触るのは店側にとっても責任が及ぶので、修理を拒否するケースがあります。
ノーブレーキの自転車
↑で紹介したサイクルベースあさひの文にもありましたが、「ノーブレーキ」の自転車は修理拒否されるケースが多いですね。
道交法違反だからです。
それが例えばBMXとかの「競技用」だったら問題は無いのですが、公道を走るには大問題です。
店側にも責任が及ぶというリスクから、お断りするでしょう。
※もちろん、「ブレーキを付ける」という修理は対応してくれると思います。
自店購入車のみ対応の場合
店側の方針で「自店購入車のみ対応」の店舗もあります。
その場合は他店購入者の持ち込みはお断りされますね。
バイクのレッドバロンとかもそうですよね。
このようにする理由は店の事情で様々かと思いますので、割愛します。
まあそういうお店であれば仕方がないので諦めるしかないですね。
例えばサイクルベースあさひなら、他店購入車も対応しているようです。
Q.他店で購入した自転車の修理や、他店で購入したパーツの取り付けはしてもらえますか?A.他店でご購入された自転車の修理やパーツの取り付けも承っています。引用:サイクルベースあさひ
ロードバイクの「パンク修理」が断られる理由
補足として「ロードバイクのパンク修理ができない」と言われた場合の理由について話しておきます。
まとめ
最後に、本記事の要点をまとめます。
【自転車屋に「修理できない」と言われた…。考えられる5つの理由】
- 取り扱いのないメーカーである(キャニオンなど)
- 修理を行う工具を持っていない
- 型式認定のない(法令基準に適合しない)電動自転車
- ノーブレーキの自転車
- 自店購入車のみ対応の場合
↑上記の理由が絶対ではないと思いますが、よくある理由ですね。
お断りされて腑に落ちなかった方は参考にしてみてください。