- 最近、自転車のチェーンが外れやすくなった。
- チェーンのたるみが原因なのかな?
- どうやって直したらいいのだろう?
こんなお悩みを解決します。
【この記事で分かること】
- 自転車のチェーンが外れやすくなる原因
- チェーンのたるみを直す方法
- 外装変速と内装変速の違い
自転車整備士の私が解説します。
「なんか最近、チェーンが外れやすくなったな…」とお悩みではありませんか。
実際にお店で働いていて、何度も相談を受けてきました。
外れやすくなる原因ですが…ずばり「チェーンのたるみ」が原因です。
数百円の工賃を払えばスグに調整が可能。よく外れて困るくらいなら、早めに調整をして直しましょう。
本記事を読めば「チェーンがたるむ自転車の種類」「なぜチェーンがたるむのか?」「どうやって直したらいいのか?」が分かりますよ。参考にどうぞ。
【外れやすい】自転車チェーンのたるみが起こる原因と直し方
本記事の結論を箇条書きでまとめると、下記の通りです。
【記事の要点】
- チェーンが外れやすくなる原因は「たるみ」
- たるみが起こる原因は「チェーンの伸び」
- 直すには「チェーンの張り調整」を行う
自転車のチェーンは走行距離に応じて「伸び」が生じます。
→そして、伸びるとチェーンの張りが緩み、「たるみ」が出ます。
→そして、そのまま走り続けると、たるみの影響でチェーンが外れやすくなります。
→なので、その都度「張り調整」が必要です。
ただし、一般人のよくある勘違いとして、全部の自転車に張り調整が必要なわけではありません。
あくまでも、「張り調整が必要な自転車」をお使いの場合は、その都度作業が必要になります。その確認作業から行っていきましょう。
たるみが出る自転車の種類
たるみが出る自転車は下記の条件です。
【たるみが出る条件】
- 変速(ギア)の無い自転車に乗っている
- 変速はあるが「内装変速」タイプの自転車である
→「外装変速」の場合は対象外
つまり、これらの自転車に乗っている方はたるみが出たら調整が必要です。
外装変速機が付いている場合は調整不要です。
よくある間違いは「外装変速なのに、張り調整が必要だと思っている」というパターンですね。
専門用語がよく分からないと思うので、かみ砕いて説明します。
変速(ギア)の無い自転車に乗っている
…まあそのままですね。変速するレバーが付いていない自転車のことです。シングルギアとも言います。
変速の無い自転車は比較的安価でして、おそらく1-2万円前後のママチャリかなと思います。
あるいは小学生未満の子が乗るような「幼児車(14-18インチ)」も対象ですし、小学生以上の子が乗るような「子供車(20-26インチ)」も対象です。変速の付いていない折り畳み自転車なんかもそう。
とにかく「変速の無い自転車」に乗っている場合、たるみが生じる構造です。
チェーンの張り調整が必要になります。
変速はあるが「内装変速」タイプの自転車である
自転車の変速には2種類あります。
- 外装変速
- 内装変速
このうち、チェーンの張り調整が必要なのが「内装変速」タイプ。
これらは見た目が違うので、初心者でも簡単に判別可能です。
以下で解説します。
↑これが「外装変速」です。
スプロケットとリアディレイラー(変速機)が特徴です。
ギア部分にはスプロケットと呼ばれるギア板がついており、ギアの段数分枚数があります。例えば「6段変速」の自転車であれば、スプロケットに6枚のギア板があります。
とにかく「スプロケット(例:6枚のギア板)」が付いていれば外装変速です。
外に変速機が付いているから“外装”です。
外装変速をお使いの場合、チェーンの張り調整は不要です。
実はチェーンのたるみ自体は起こっているのですが、バネのついた変速機がたるみを吸収し、自動で張りの調整を行っているからです。
↑これが「内装変速」です。
ギアを切り替えるレバーが付いているのに、ギア板は1枚しかありません。ハブの中で変速を行うからです。ギアを変えると漕ぐ重さが変わりますが、チェーンの位置は変わりません。
「変速があるのにギアが1枚しかない」なら、内装変速です。
内装変速の場合、チェーンがたるむ構造になっています。
その都度調整が必要です。
チェーンが伸びる原因
たるみの原因は「チェーンの伸び」です。
そして伸びの原因は「チェーンの削れ(摩耗)」によるものです。
自転車のチェーンは走行距離に応じて伸びが生じます。
これはチェーン(鉄)がビヨーンとゴムのように伸びているわけでは無くて、チェーン(鉄)同士が摩耗によって削れ、隙間が出来ることで見かけ上「伸びる」わけです。
例えば新品の時は「100cm」だったものが、1000km走ったら「100.5cm」になるようなイメージです。
メカニズムについては理解しなくても大丈夫ですから、とにかく「チェーンは伸びるもの!」と覚えてください。
自転車のチェーンは[後ろのギア-前のギア]に渡ってに取り付けられています。
最初はチェーンが張られているため「ピン」と伸びた状態です。
しかし走行によって削れ、伸びると、たるみます。
[後ろのギア-前のギア]の距離は変わらないからです。外装変速が付いている自転車は、このたるみを自動で取ってくれます。
そして張り調整をせず、過度にたるみすぎるとチェーンケースと擦れます。ガラガラと音が鳴ります。
>>【整備士が解説】自転車チェーンから音鳴りする原因と直し方
これが「チェーンがたるむ原因」です。
チェーンのラインを見た時に“だらーん”と垂れているようなら、張り調整を行ってください。外れやすい場合も調整必須。
たるみの直し方
チェーンのたるみを取るには「張り調整」を行います。
ホイールの固定を緩め、「チェーン引き」を使って車輪の位置を後ろに下げることで、チェーンが“ピンッ”と張られます。
チェーンの張り調整は、一度車輪の固定を緩める必要があります。
自転車知識が無い方が作業をするのは危険が伴いますので、素直に自転車店へ持ち込んでください。
チェーン張り調整の工賃は?
サイクルベースあさひの工賃表を参考にすると、張り調整は「550円」となっております。相場はこのくらいです。
(23年10月現在)
画像:サイクルベースあさひ
550円…全然高くないですよね。
むしろ550円でチェーンが外れにくくなるので、メリットの方が大きいと思います。急いでるときにチェーンが外れると最悪ですからね。時間もロス。手も汚れる。
作業自体は5分もあれば終わるので、ふらっと自転車店に寄って修理してもらってください。
※もちろん混雑状況による
まとめ
最後に、本記事の要点をまとめます。
【自転車チェーンのたるみが起こる原因と直し方】
-
自転車のチェーンは走行距離に応じて「伸び」が生じます。
-
そして、伸びるとチェーンの張りが緩み、「たるみ」が出ます。
-
そして、そのまま走り続けると、たるみの影響でチェーンが外れやすくなります。
-
なので、その都度「張り調整」が必要です。
- 外装変速機の場合は調整不要。
というわけで以上です!
メンテナンスは他にも「空気入れ」「チェーンの注油」が大切になります。
無駄な修理費用を払わないためにも、月に一回はメンテナンスを行いましょう。
下記記事にて解説しているので、あわせてご覧ください。