- 自転車タイヤの空気を入れるところ(バルブ)のキャップがなくなっている。
- これってなくても大丈夫なのかな?空気が漏れたりしないかな?
こんなお悩みを解決します。
【この記事で分かること】
- タイヤのキャップはなくても大丈夫なのか?
- キャップの役割
- バルブの構造
- キャップを手に入れる方法3つ
自転車整備士の私が解説します。
タイヤのキャップが「気づいたらなくなっていた」と心配になる方が多いですが、焦らなくて大丈夫です。
本記事を読めば、キャップの役割が分かりますよ。
自転車タイヤ(バルブ)のキャップ、なくても大丈夫?
結論から言うと、「キャップはなくても大丈夫」です。
あのキャップはゴミや水の侵入を防ぐ役割でして、空気を止めているわけではないからです。
そのまま使っても空気が漏れてパンクするようなことはありませんから、特に焦らなくて大丈夫ですよ。
バルブ(空気を入れるところ)の構造を理解すると、より納得できるかなと思います。
自転車のバルブには3種類ありますが、今回はママチャリなどで使われる「英式バルブ」で解説しますね。
※どの種類のバルブでも、キャップはなくても大丈夫です。
英式バルブの構造
↑これが「英式」バルブです。普段から見慣れた形だと思います。
黒いキャップを外すと銀の棒が出てきますよね。
普段空気を入れる際は、キャップだけを外して空気入れをセットします。
だから「このキャップが空気漏れを防いでいる」なんて勘違いされがち。
でもよく考えてみて下さい。
空気を入れ終わった後、バルブから空気って抜けてましたっけ…?
まあ抜けてないわけです。
もし空気が抜けていたら、こんな気密性の悪いキャップでは止まりません。
もう少し分解すると腑に落ちるハズです。
銀の部分(袋ナット)を緩めると銀の棒が刺さっている姿が確認できますね。これを抜いてみます。
抜けました。黒いゴムが被さった棒が出てきました。
【パーツの名前】
- 銀の棒:プランジャー
- 黒いゴム:虫ゴム
普段はこの棒に空気入れをセットし、空気を注入しますよね。
棒の中腹に穴が開いていて、そこから空気が出るわけです。
通常虫ゴムはプランジャーに対してピタッとくっついていますが、空気を入れる圧力によって一瞬浮き、空気の通り道ができます。
そうしてチューブ内へと空気が入っていきます。
「虫ゴム」は空気の逆流を防止する弁です。
空気を入れたあと抜けないのは、「空気を入れる瞬間以外、虫ゴムが空気穴をふさいでいるから」です。空気を入れる瞬間だけフワッと浮き、入れ終わった瞬間ピタッと穴にくっつく。だから漏れない。
その棒がスポッと抜けないよう固定しているのは↑銀の袋ナットです。
袋ナットが緩んで外れ、中のプランジャーがピュッとどこかへ飛んでいくと、一瞬でタイヤの空気が抜けます。
つまり、この状態でも空気は漏れません。
プランジャーを押さえる袋ナットさえしっかり締まっていれば問題ないのです。
だからキャップはなくても大丈夫。
あらためて、ゴミや水の侵入を防ぐためにあります。
ただなくても大丈夫ですが、あるに越したことはないのも事実です。
そもそもキャップに全く意味がないのなら、メーカーはコストをかけてまでキャップを付属させないと思うからです。
…とはいえ、そう心配しなくて大丈夫かなーという印象です。
これまで数えきれないほど自転車を見てきましたけど、「キャップがないことで大きな問題につながった」という例は経験していないからです。
雨が侵入すれば中の虫ゴムは通常より傷みやすくなると思うので、長持ちさせるためにも付けておいた方が安心です。
バルブキャップの入手方法
バルブキャップがなくなって心配であれば、下記の方法で入手可能です。
新しく自転車のチューブを買う/虫ごむセットを買う
- 新品のチューブを買うとキャップが付いてきます。
- また、100均などで虫ゴムセットを買えば付いてきます。
わざわざ新しいチューブ(1000円程度)を買うまでもないと思うので、買うなら虫ゴムセットがいいでしょう。
虫ゴムならいずれ必ず使うため、無駄にはならないからです。
自転車店に尋ねてみる
買った自転車店に「キャップが貰えないか?」と尋ねてみて下さい。
おそらく無料~貰えると思います。
お店ではチューブ交換をするたびに中古のバルブキャップがゴミとなって発生します。
いくつか在庫を持っていると思うので、気軽に聞いてみて下さい。
実際に働いていると結構聞かれます。何回も差し上げてきました(笑)
スタッフからするといつものことで、別に迷惑だとは思いませんよ。
単体で購入する ←おすすめ
ただし、バルブキャップはいずれ割れてなくなる運命です。
樹脂製だから。
なのでアルミ製のものを購入するのがオススメです。
「英式対応」が、いわゆるママチャリのバルブにも対応しているキャップです。
アルミ製なら割れることがまずないので、割れる煩わしさから解放されます。
まとめ
最後に、本記事の要点をまとめます。
【自転車タイヤ(バルブ)のキャップ、なくても大丈夫?】
- なくても大丈夫です。空気は漏れません。
- キャップはゴミや水が入るのを防ぐ役割です。
- なくなったら、お店に尋ねるか、アルミ製を買いましょう。
というわけで以上です!心配だった方へ少しでも参考になればと思います。