シマノのクランク「TC-TY501」に対応するBB(ボトムブラケット)を買いたいのだけど、規格や種類が多くて分からない…。
互換性のあるBBは何があるのかな?
こんな方にオススメの記事です。
【この記事で分かること】
- FC-TY501に対応するBB
- BBの互換性の調べ方
- シマノの駆動系互換表
- 「軸長」「D-NL」「LL-123」の選び方
- チェーンラインについて
FC-TY501は、主にクロスバイクや街乗りMTBなどで使われているクランク。
パーツを自分で交換しようと思った方に向けて、お役に立てば幸いです。
シマノクランク「FC-TY501」に対応するBBは?【互換性】
結論から言うと、(記事執筆時現在)現行モデルで対応するBBは下記2つです。
Amazonでは現在、BB-UN300のみ出てきました。
これを買えばOK↓
ただ、いきなり答えだけ言われても半信半疑だと思います。
どうすれば互換性のあるBBを探し出せるのか?
調べ方についてお伝えしていきますね。
やり方さえわかれば、クランクが変わっても自分で答えを導き出せるようになります。
互換性の確認方法
クランク商品詳細ページから確認
クランクが決まっている場合、対応するBBを見つけるにはシマノ公式サイトから「クランク」の商品詳細ページを見ると分かります。
※ただし、クランクは他の駆動系パーツと互換性があるものとする。
例えば今回の場合、「FC-TY501」と検索し、シマノの公式サイトを開きます。
>>https://bike.shimano.com/ja-JP/product/component/tourney/FC-TY501.html
製品の仕様欄に、「推奨ボトムブラケット」の記載があります。
この中から選べば間違えないというわけです。
今回の場合、あらためて「BB-UN101」「BB-UN300」となるわけですね。
ただ、BBを特定しただけでは軸長や左右の突き出し長(チェーンライン)が分かりません。
それを特定するのが下段に蛍光マーカーを引いたところ。
- D-NL
- D-EL*
今回の場合「D-NL」を選べばOKです。
※D-ELはチェーンライン50mmBB用、軸長127.5mm
今度は、BB側の商品ページを開いてみます。例として「BB-UN101」を使います。
>>https://bike.shimano.com/ja-JP/product/component/acera-t3000/BB-UN101.html
同じように、「製品の仕様」を見ていきます。その中から“D-NL”を探しましょう。
これです。
ややこしいとは思うのですが、「軸長122mm(122.5mm)のD-NL」のBB-UN101を選んでください。
BBによっては軸長の違いやチェーンラインの違いによって、同じ型番のBBでもたくさんの種類があったりします。
これを間違えるとチェーンラインが狂って悪影響が出ます。※後述します。
ですから「BBモデル名の特定(例:BB-UN101)」だけでは厳密には特定できなくて、軸長やチェーンライン(例:D-NL=47.5mm)も特定する必要があります。
ちなみにですが、クランクのパッケージに対応するBBの規格は書いてあります↓
「122.5」「D-NL」そして横のアイコンが四角軸を表しますから、パッケージを見ればどのBBを使えばいいかが分かります。
駆動系互換表から特定する
シマノのディーラー向けマニュアルに互換表が載ってます。
主に整備士向けの情報にはなりますが、一般公開されています。
>>https://productinfo.shimano.com/#/com?cid=C-432&acid=C-450
この中に、「クランクセット、ボトムブラケットとチェーンライン [MTB, LIFESTYLE]」という項目がありまして、BB-クランクの互換表が載ってます。
FC-TY501は一番下段。チェーンラインの違いによって対応するBBの種類が異なることが分かります。
ただ、これは全体を理解している方が見ると分かりやすいですが、基本的には先ほど紹介したように商品詳細ページから見た方が分かりやすいとは思います。
クランクもBBも交換する場合の互換性
BBの特定には、「クランクが何を使っているか?」の情報が必要です。
では、クランクとBBを同時に変える場合はどうしたらいいのでしょうか?
まず、(シマノのグループセットで組む前提で)コンポーネントの互換性を保ちながらパーツを交換する必要があります。
同じように、ディーラー向けマニュアルにアクセス。
>>https://productinfo.shimano.com/#/com?cid=C-432&acid=C-446
その中から、対応するページ(例:8,7,6速 フロントドライブトレインMTB系)の互換表を開きます。
線でつながっているところが「互換性あり」です。
というふうに、互換性のあるパーツを見つけることができます。
ここでクランクに対応するBBが見つかれば、あとは一緒ですね。
クランクの詳細ページ→BBの具体的な軸長・種類を特定
という流れです。
よくある質問
クランクがシマノじゃないんだけど、BBは何を使ったらいいのかな?
という場合が結構あります。
補足としてお伝えすると、そのメーカーのクランクにシマノのどのBBが合うのかは分かりません。そもそもシマノに互換性があるのかどうかが分かりません。
そのため、方法としては2つです。
- クランク、BBを両方ともシマノに交換する
- (購入したお店に問い合わせて)そのメーカーのリペアパーツとして該当BBを手に入れる
よければ参考にどうぞ。
チェーンラインについて【軸長やD-NL、LL123】
BBの特定方法は先述した通りやれば間違えませんが、いろいろありすぎて疑問に思う方も多いと思います。
例えば今回のFC-TY501の例では“D-NL”のBBを使用しますが、同じ軸長122.5mmでも“LL-123”というのもあったりします。
どういうことかというと…
という二種類があるということです。
「同じ軸長なのに何が違うの?」と思うかもですが、左右の出しろが変わります。その結果チェーンラインが変わります。
D-NLが47.5mm、LL-123が50mmです。
>>【シマノに聞いた】四角軸BB「LL123とD-NL」の違い
で、例えばFC-TY501のように「D-NL」指定のクランクに対して「LL123(=チェーンライン50mm)」をつけるとどうなるかというと…
正しく変速しなくなります。
BB軸に対してクランクを圧入することはできます。一応漕ぐことも可能。
しかし、クランクのチェーンライン(オフセット)が変わってしまうことで、今度はFDとの互換性がなくなります。
出る悪影響としては、例えば…
- インナー側“L”アジャストボルトを限界まで緩めても、チェーンがインナーに落ちない
- アウター側“H”アジャストボルトを緩めても、チェーンがアウターに入らない
- チェーンがちゃんと変速しなくなる
- アウターに入れて走っていると、急にミドル(インナー)へ落ちる
- チェーンが斜めになり、負荷が大きくなり、摩耗が激しくなる
てな感じです。要はちゃんと使えない。
というわけで、間違わないために一番大事なことは最初に言った通りです。
「クランクの“製品の仕様ページ”を見よ!」です。
まとめ
最後に、本記事の要点をまとめます。
【シマノクランク「FC-TY501」に対応するBBは?】
- 結論、現行モデルは「BB-UN101」「BB-UN300」の軸長122.5mm、D-NLです。
- クランク側の製品の仕様ページから確認すると間違えません。
- 結構ややこしいので、難しければショップで聞くといいかなと思います。
- チェーンラインを間違えると、走行に支障が出ます。
というわけで、以上です。
ご覧いただきありがとうございました!