
自転車のボトルケージって、どうやって取り付けたらいいの?
工具を持った経験すらあまりないほどの、超初心者の私でも出来るように教えてほしいんだけど・・・
こんな方にオススメの記事です。
水分補給を簡単に行えるようにしたり、ツールボトルを運んだりする時に便利なのがボトルケージですよね。
実は取り付けはとても簡単で、フレームに開いたネジ穴に対して2本のボルトを締めこむだけなのです。
自転車メンテナンスの入門とも言える難易度の作業です。
しかし、これまで工具をほとんど触ったことがないような方だと、
「自分でも取り付けられるのかな」
「自転車を壊したりしないかな」
と感じ、作業するのをためらってしまう方もいることでしょう。
そこで今回は、超初心者の方でも不安なく作業が行えるよう、
ボトルケージの取付方法を分かりやすく解説してみました。
ぜひ最後までご覧ください。
- ボトルケージの取付方法とコツ
- 作業に必要なアイテム
- ボトルケージに入れるもの
- +αでボトルケージの増設方法
取付作業に必要なアイテム
ボトルケージの取り付けに必要なアイテムは2つあります。
- 六角レンチ
- グリス
六角レンチ
ボトルケージの取り付けだけでなく、自転車のメンテナンスに欠かせないのが「六角レンチ」という工具です。
アーレンキーやヘックスレンチとも呼ばれます。
六角レンチは小さいものから大きなものまで色々なサイズがありますが、
ボトルケージの取り付けでは、以下3種類のどれかを使うことがほとんどです。
- 3mm (たまにある)
- 4mm (一番多い)
- 5mm (二番目に多い)
このような六角レンチセットを用意しておけば大丈夫。
100円ショップにも六角レンチは売っていますが、あまりオススメしません。
精度が良くないため、ボルトをなめやすかったり(なめる⇒穴を潰す)、力を加えたときに曲がりやすかったりしますし、短すぎるので作業性も悪いからです。

自転車用の携帯工具を持っているんだけど、これがあれば大丈夫だよね?
中にはこのように思った方もいるでしょう。
しかし、こちらもあまりオススメはしません。
確かに、携帯工具は自転車で使いやすいように最適化されており、必要なサイズの六角レンチが搭載されています。
しかし、ボトルケージを取り付けは狭いところで作業をするため、「大きさ」が邪魔をしてとてもやりにくいです。
やはり、先ほど紹介したように1本1本が個別になっているタイプを用意するのがオススメですね。
自転車メンテナンスには六角レンチが必須ですから、買って損をした気分になることはないでしょう。
グリス
そしてもう一つ。
無くてもいいけど、なるべく用意するべきなのが「グリス」です。
ネジ穴に塗布して使います。
なぜグリスを付けた方が良いかというと、
- 隙間に水分が入って錆びるのを防ぐため
- 固着(ボルトとネジ山がくっつくこと)を防ぐため
- ネジの入りを良くするため
しかし、メンテナンスをあまり行わない方だと、グリスを持っていない方も多くいますよね。
そんな方はこのような疑問を抱くのではないでしょうか。

CRC5-56やラスペネのような潤滑油なら持ってるけど、それで代用できる?
結論から言うと、完全な代替品にはなりません。
なぜかというと、
潤滑油はとてもサラサラしていて粘度が低いですよね。
揮発しやすいため、長期的な効果の持続は見込めないからです。
一方グリスはドロドロとしていて粘度が高いです。
揮発しにくく、長期的に効果を持続させます。
このように、潤滑油とグリスでは油の性質が異なり、シーンによって使い分けをします。
ですから、ボトルケージのような場所には「グリス」が最適です。
しかし、中には「グリスにお金をかけるのはなあ・・・」と思う方もいるでしょう。
そういった場合は、今お持ちの潤滑油を塗布しておけばOKです。
グリスに比べて持ちは悪いですが、塗らないよりは塗った方が絶対に良いです。
最悪どちらもなくても大丈夫です。(なるべく用意していただきたいところですが!)
ボトルケージの取付方法
必要なアイテムを紹介し終えたところで、いよいよ取付方法の紹介をしていきます。
全体的な流れはこうなります。
- ボルトを外す
- グリスを塗布する
- ドリンクケージをセットし、ボルトを仮留め
- ボルトの本締め
手順ごとに詳しく解説していきます。
なお、超初心者向けの記事なので、メンテナンスをしたことがある人にとっては「当たり前」と思う説明が多いと思います。ご了承ください。
ボルトを外す
まずはフレームについているボルトを外していきます。
ボルトによって使う六角レンチのサイズが異なるので、3,4,5mmのどれがはまるかを確認して下さい。
初めはボルトが固く締まっているので、力を加えやすいよう六角レンチを横に持ち、ボルトの頭にセットします。
ボルトを半時計回し(左回り)でクッと緩めたあとは、六角レンチを縦に持ち替え、軽い力でスピーディーに緩めて抜き取ります。
グリスを塗布する
ボルトを抜き取ってフレーム側のネジ山が見えたら、グリスを塗布しましょう。
軽く吹きかける程度でOKです。
ドリンクケージをセットし、ボルト仮留めする
いよいよボトルケージを取り付けていきます。
まずはボトルケージの上部にある穴にボルトをセットしておき、そのままネジ穴の上に持っていってください。
そうしたら、初めは工具を使わずにボルトを締めていきます。
指でボルトの頭を持ち、時計回り(右回転)に回しましょう。
この時、すんなり入っていけば問題ありませんが、全然入らないほど抵抗を感じたら一度緩めてください。
斜めに入ってしまっている可能性があります。
再度ボルトをネジ穴に対して真っ直ぐになるようセットし、軽い力で締めましょう。
2-3mm入り込めばしっかりと差し込めている証拠なので、工具での締め作業に移ります。
六角レンチを縦に持ち、軽い力で残りを締めていきます。
この段階では、最後までガッチリ締め付ける必要はありません。
ボルトの頭を1-2mm浮かせた状態のところで、次の作業に移ります。
(これが「仮留め」と言われる状態です)
次に、下部のボルトも同じように締めこんでいきます。
改めて確認すると、
【指で回す⇒六角レンチで締める⇒ゆるゆるの状態でストップ】です。
2本のボルトが完全に固定されていない状態になればOKです。
ボルトの本締め⇒作業完了
最後に、仮留め状態のボルト2本をしっかりと締めこんでいきます。
いわゆる「本締め」と呼ばれる作業ですね。
六角レンチを横に持ち、力を加えて締め付けます。
あまりガチガチに締める必要はありません。
文字で締め加減を伝えるのはとても難しいですが、感覚でいうと「キュッキュッ」ってくらいです(笑)
初心者の方はあまりにも強く締めがちなので、緩めくらいがちょうどいいかもしれません。
ガタツキが無く、しっかり固定できていれば問題ありません。
干渉したときは
小さめのフレームを使っている方だったり、ボトルケージの形によっては「取り付けた2つのボトルケージが干渉する」といったことが多々起きます。
ボトルケージに入れるものは?
ボトルケージの使い方として、主に3種類あります。
- ドリンクを入れる
- ツールボトルを入れる
- 好きなアイテム(テントや寝袋など)を入れる
ドリンクを入れる
サイクリングに最適なドリンクボトルを入れて使うことができます。
ほとんどのボトルケージに対応しているので、「入らないんじゃないか」という心配はありません。
「冷たいのが飲みたい!」という方に特に人気なのが、サーモスのサイクリング用の水筒ですね。
とにかく保冷力に優れているので、夏場でも冷たいままを維持してくれます。
一つ注意点があって、500mlペットボトルを入れて持ち運ぼうとしている時は、普通のドリンクケージはオススメしないです。
ガタガタしたり、時には振動で吹っ飛んでしまうからです。
メインにペットボトルを使おうと考えている方は、モジュラーケージ2がオススメですね。
こちらの記事で詳しく紹介しています。
ツールボトルを入れる
もう一つの使い方として、「ツールボトル」があります。
サイクリングする時の必須アイテムとして
- 予備のチューブ
- 携帯工具
などがありますが、これらをひとまとめにして持ち運ぶことができます。
ボトルケージが2つある場合は、
- 1つはドリンク用
- もう1つはツールセット用
にするのがオススメです。
好きなアイテム(テントや寝袋など)を入れる
ボトルケージの中には、多用途に使えるタイプのものもあります。
有名なのがこちらです。
このようなアイテムを使えば、規定の形にとらわれず、好きなものを運ぶことができます。
最近流行りの「バイクパッキング」・・・つまり荷台を使わずに旅をする時には、必須のアイテムとも言えるでしょう。
寝袋やテント、カッパや調理器具など、ベルトで留められるモノならなんでも運ぶことができますよ。
ボトルケージを増設したい時は

ボトルケージってとっても便利なんだね!
もっと沢山取り付ける方法はないの?
「ボトルケージを増設したいな~」という方には、このようなアイテムもあります。
簡単に紹介させていただきますね。
✓ サドルレールに付けるタイプ
✓ ハンドルやシートポストに付けるタイプ
✓ フレームの好きな場所に付けられるタイプ
実際に私も同じタイプのものを使って、ダウンチューブ裏にボトルケージを取り付けています。
スペースを有効活用できるのでおすすめのカスタムですよ。
まとめ
改めて取付の手順をまとめるとこうです。
- ボルトを外す
初めは六角レンチ横に持って緩めた後、縦に持ち替えて素早く回す。 - グリスを塗布する
軽く塗るだけで大丈夫。
グリスが無ければ、潤滑油でもOKです。
最悪無くてもいいです。 - ドリンクケージをセットし、ボルトを締める(仮留め)
指で回して軽く入るか確認した後、六角レンチを縦に持って締めていく。
頭が1-2mm程度浮いた状態(仮留め)でストップ。
これを2本とも行いましょう。 - ボルトの本締め
最後に六角レンチを横に持って、力を加えて締めていきます。
「キュッキュッ」というくらいの力加減でOK。
ガッチガチに締める必要はありません。
無事、作業が完了できましたでしょうか?
この記事があなたの役に立てば幸いです。
ご覧いただきありがとうございました。
もし、ボトルケージを2か所同時に取り付ける場合は、シートポスト側(サドルの真下のパイプ)から作業を完了させるのがオススメです。
反対のダウンチューブ側から取り付けてしまうと、工具が入りにくくなって作業がしづらいためです。