
ロードバイクに乗ってるんだけど、普段個人でできるメンテナンスって何をしたらいいのかな?
せっかく高い買い物をしたんだし、なるべく良い状態で保ちたいんだけど。
こんな方におすすめの記事です。
【この記事で分かること】
- ロードバイクのパフォーマンスを保つために「日常的に行う4つのメンテナンス」について
- メンテナンスを怠ることで発生する悪影響
- 具体的なメンテナンス方法
自転車店で働く私が、解説します。
ロードバイクへ日常的に行う4つのメンテナンスとは
ロードバイクに乗っている方は、これら4つのメンテナンスを普段から行うように心がけましょう。
- タイヤの空気入れ
- チェーンの洗浄・注油
- ロードバイク全体の掃除
- 消耗品の確認・交換
理由は「安全快適な走行を保つため」です。
ロードバイクはママチャリと違い、メンテナンスが非常に大切な乗り物です。
日々のメンテナンスを怠ると、みるみるうちにロードバイク本来のパフォーマンスを発揮できなくなり、寿命も大幅に縮まります。
イメージを紹介するとこんな感じ。
- スッと滑らかだった漕ぎだしが重くなる
- ブレーキが効かなくなる
- 時速20km以上を楽に維持できなくなる
- 変速がスパスパ決まらなくなる
- 自転車からおかしな音が鳴りだす
- たった1年でギア周辺パーツの全交換(1万円超)
スポーツ用自転車であるロードバイクには、手入れが欠かせません。
「自転車のメンテナンスって何をしたらいいの?」という方のために、4つのメンテナンスについて具体的に説明していきます。
たった、空気を入れるだけで
たった、チェーンの洗浄・注油をするだけで
たった、ロードバイクの掃除をするだけで
たった、消耗品の確認・交換をするだけで
ロードバイクを長く快適に乗り続けられるようになりますよ。
では1つずつ紹介していきます。
タイヤの空気入れ
ロードバイクは最低でも2週間に1回、出来ることなら走る度に空気を入れてください。
パフォーマンスを保ち、寿命を延ばし、パンクのリスクを減らすことができます。
ロードバイクに関わらず、自転車は乗っても乗らなくてもタイヤの空気は減ります。
なぜかというと、空気が入っているチューブやタイヤの主な原材料はゴムだから。
一般的にゴムは空気を通さないとイメージする方も多いですが、実はわずかながら空気を通してしまいます。
だから空気が抜けるのです。
パンクをしているわけではありません。
ママチャリのような一般車の場合は一ヶ月に1回程度空気を入れるだけで良いのですが、ロードバイクはそうではありません。
ロードバイクのタイヤって、カチカチですよね。
空気圧が非常に高く、抜けやすい。
タイヤには「どれだけ空気を入れたらいいか」を示す指定空気圧がありますが、その通りにしても、たった2週間でプニプニになるほど空気が抜けてしまいます。
もしそれが指定空気圧の下限値を下回った状態だと、主に3つの悪影響があります。
- 転がり抵抗が増して、ロードバイク最大の魅力である「スイスイ進むこと」が出来なくなる
- タイヤの寿命を半分に縮める
- パンクのリスクが高まる
勘違いが無いよう「パンクのリスクが高まる」を具体的に説明すると、
- 「リム打ち」といって、チューブが体重で押しつぶされることで起きるパンク
- 「摩耗パンク」といって、チューブがタイヤの中で削れて起こるパンク
これらのリスクが高まります。
異物が刺さってパンクするリスクは、大きく変わりません。
このように、空気を入れないだけで、高価なロードバイクの価値は瞬く間に無くなります。
逆に言えば、空気を入れるだけで軽やかに走り続けられるし、パンクのリスクも減るし、タイヤを長持ちさせることができるのです。
最低限2週間一回。
できれば乗る度に空気を入れましょう。
空気の入れ方が分からない方は、こちらの動画をご覧ください。
チェーンの注油・洗浄
ロードバイクのチェーンは、(一概には言えませんが)300-500kmおきにメンテナンスを行ってください。
洗浄と注油、これら2つを必ずセットで行います。
チェーンは動力を伝える非常に重要なパーツ。
メンテナンスをしないと、主に3つの悪影響があります。
- 変速がスパスパ決まらなくなる
- 金属抵抗が増して、足の回転が重くなる
- チェーンの摩耗を促進させ、本来3000-5000km持つはずの寿命まで耐えられなくなる
このようになってしまわないために、必ず洗浄と注油を行いましょう。
✓洗浄をする理由
- チェーンに付いたゴミを取り除き、無駄な金属摩耗を減らすため
- 古い油と混ざってしまい、本来の効果がなくなるから
✓注油をする理由
- チェーンの動きを滑らかにするため
- 足回りを軽やかにし、摩耗を減らして寿命を延ばし、サビを防ぐため
具体的なチェーンのメンテナンス方法については、こちらの記事で詳しく解説しています。
ロードバイク全体の掃除
定期的にロードバイクの掃除をして、美しい状態を保ちましょう。
モチベーションアップ、愛着アップという気持ち的なメリット以外にも、
- 汚れの固着を防ぐ
- ブレーキの制動力アップ
- 異音の発生などのトラブル防止
- 出先でのトラブル対応時、手が汚れにくい
といったメリットがあります。
ロードバイクの掃除と言っても、パーツを分解してまで行う必要はありません。
表面から手入れができる部分だけでOK。
初心者におすすめなのは、ワコーズの「フォーミングマルチクリーナー」を使った掃除の方法です。
とにかく簡単だから。
水洗いで掃除をしてもいいのですが、しっかりと乾燥させたり、必要な部分に注油をしないとかえって状態を悪くしてしまうこともあるので、初心者にはオススメしません。
初心者の方には、場所を選ばず、手軽に掃除のできるフォーミングマルチクリーナーが良いですよ。
ロードバイク全体にサーと吹きかけて、ウエスで拭き取るだけ。
泡の力で汚れを浮かしてくれるので、細かな隙間に入り込んだゴミも取り除くことができます。
弱アルカリ性でフレームに対しても優しいですし、艶あり・マット塗装のどちらにも対応してるのでとても使いやすいです。
消耗品の確認・交換
ロードバイクに使われている消耗品を定期的に確認し、適切なタイミングで交換をしましょう。
基本的に確認する消耗品パーツはこちらの3つ。
- タイヤ
- ブレーキシュー(ディスクブレーキパッド)
- チェーン
これらパーツの“摩耗”が進んでいないか、時々チェックをします。
タイヤとブレーキシュー(ディスクブレーキパッド)は分かりやすいですね。
自転車にあまり詳しくない方でも、パーツの減り具合が見た目で分かるからです。
✓タイヤの寿命はおよそ3000km~5000km。
新品の頃は円かったタイヤが、台形でツルツルになってきたら交換です。
✓ブレーキシューの寿命はおよそ5000km。パッドだともう2000kmは持つでしょう。
あくまでも目安で、走る状況やシューの種類によって寿命は変わります。
シュー・パッドが薄くなってきたら交換です。
しかし、見た目で分かりにくいため、気づきにくいのが「チェーンの劣化」です。
にもかかわらず、寿命を超えて使い続けると、ロードバイクに致命的な悪影響を及ぼすので非常に注意が必要。
チェーンは走る距離に比例して伸びが生じ、全体の伸び率が約“1%”に達すると交換時期を迎えます。
距離でいうと、3000-5000km程度。
参考記事>>>自転車のチェーンの交換時期は?【目安距離は3000-5000km】
「伸び」というのは、金属がびよーんと伸びるわけではありません。
チェーンの構成パーツ同士が金属摩耗を起こすことによってガタツキ(削れ・隙間)が生じ、その結果全体の長さが伸びるのです。
チェーンが伸び切った状態で走り続けると、チェーンの掛かっている3つのパーツの歯(ギアの山)が、伸びたチェーンの間隔に合わせて削られていきます。
具体的に言うと、
- リアディレイラー(プーリー)
- クランク(チェーンリング)
- スプロケット
の3つ。
寿命を過ぎてからあまりにもチェーンの交換が遅れると、これら3つを全て新品に交換するしかなくなってしまいます。
なぜなら、3つのパーツの歯が間隔の広がったチェーンのよって削られてしまい、漕ぐたびにチェーンが滑るようになってしまうから。
チェーンだけを新品に交換しても、上手くギアが噛み合いません。
だから全部の交換が必要。
値段でいうと1万円以上もします。
1年も乗っていないのに、パーツの全交換なんて嫌ですよね?もったいないですよね?
そう思った方は、チェーンの交換時期の確認は定期的に行うようにしてください。
とはいっても、チェーンの交換時期って目視では分かりにくい。
だから「チェーンチェッカー」を用意して確認するのがおすすめです。
これら3つを含むロードバイクに使われる消耗品の交換時期を確認するには、コチラの記事をご覧ください。
まとめ
ロードバイクに乗っている皆さんは、日常的にこれら4つのメンテナンスを行うようにしてください。
- タイヤの空気入れ
- チェーンの注油
- ロードバイク全体の掃除
- 消耗品の確認・交換
たったこの4項目を守るだけで、ロードバイクを安全・快適に、長持ちして乗り続けることができますよ。
ご覧いただきありがとうございました。