
「○○(自転車のメンテナンス)」って、自分にも出来ますかね?
別に自転車には詳しくないんですけど、どうなのかなあと思いまして。
簡単そうなら、自分でやってみようかなあ?
こんな方にオススメの記事です。
【この記事で分かること】
- 「自転車のメンテナンスを自分で出来るのか?」という超難しい質問に思うこと
- やってみないとできるようにはならない
- 挑戦した後はプロの目で確認してもらう必要あり
- 下手に触るより、最初からお店に任せた方がかえって安上がり

こんにちは、かけるです!
私は自転車整備士として、自転車のプロとして今働いているわけですが、よく聞かれる質問があります。
補助輪の取り外しだったり、ホイールの着脱だったり、ハンドルを下げたり、変速の調整だったり。簡単なものから難しいものまで様々です。
見た目があまり大掛かりではなさそうなので「できますか?」と聞かれるのですが、いつも返答に困ります。
そこでちょっと思うことを書いてみようと思うので、よければ参考にしてみて下さい。
ひとりごとみたいな記事です。
「自転車のメンテナンスって自分でできる?」という質問に思うこと
質問されてぶっちゃけいつも思うのは、
冷たく感じるとは思いますが、心の内はこうです(笑)
だって分かんないもん!ね、そうでしょう?
例えば、一般的にはものすごーく簡単なドリンクケージの取付作業をするとしましょう。
ネジを二本緩めて、適切な力加減でしめる“だけ”です。
すごく簡単そうですが、細かく分解すれば
てな感じで、実は注意するポイントがあります。
できる人からすれば「失敗するはずがない」と思いがちですが、例えば私の弟は当時中学1年生の頃、この作業を「やってみなよ」と挑戦させたところ、見事にボルトを斜めにさしこみ、フレームのネジ山を潰しました。完璧な失敗です。
この経験があるからこそ、どれだけ簡単な(簡単そうに見える)作業でも、「誰もが正しく完璧にできるとは限らないんだな」と学びました。
だからこそ、私は安易に「誰でも出来るよ」とは言わないのです。
質問の返答に困るのは、それが原因なのもあります。
目玉焼きを作るのは簡単?難しい?
「目玉焼きって、私にも作れますかね?」
こんな質問をされたらどうでしょう。
「焼くだけじゃん。作れるに決まってる」と答えたくなるでしょう。
でも、この質問を聞いただけでは、相手の“レベル感”がさっぱりわかりません。
例えば同じ質問を…
「目玉焼きって、私にも作れますかね?実は料理を作ったことは一切ないし、コンロの火をつけたこともないんです。」
と言われたらどうでしょう?
「焼く」ことはできても、
- ちょうどいい焼き加減で
- 見た目を崩さずに
- 一般的な調理時間で
作り上げることは難しいだろうな~ってなんとなく思いますよね。
「油を敷くのを忘れないでよ!」
「フライパンは熱くなるから、触ったらやけどするよ!」
こんな“当たり前”なことすら、注意点として伝えたくなるくらい心配ですよね。
大人だろうが子供だろうが、その分野の経験が0に等しければ、「目玉焼き(レベルの作業)をちゃんとできるか?」すら怪しいわけです。
話を戻すと、「自転車のメンテナンス、自分にも出来ますか?」という質問をしてくる人の中にももちろん、自転車でいう“目玉焼きを作ったことがない人”も含まれています。
だから、やはり質問に対する答えはなんともいえないのです。
でも例えば「このメンテって自分でも出来ますか?この前パンク修理はできました!」みたいな感じで、その人のレベル感が少しでも分かれば、「その作業が出来るなら、これも出来ると思う」と答えやすいです。
やってみなければ、できるようにはならない
何事もやってみないと出来るようにはなりません。
私も、今は自転車整備士資格を取っていますが、最初はパンク修理すら何度失敗したことか。ダメダメでした。
メンテを上達したいと思っているなら、まずはやってみることです。
で、作業した後で一番大事なことがあります。
メンテに挑戦したら、最後はプロの目で確認をしてもらう
自分で作業をして「できたっぽい」と思っても、最後は必ずプロ(その作業を完璧に出来る人)の目で確認をしてもらってください。
なぜか?
あなた自身が、その作業が「できているのか?間違っているのか?」の判別ができないからです。
ここを怠ると超危険。
たかが「ねじを緩めるだけ、締めるだけ」の作業でも、決して簡単ではないからです。誰でも出来るわけじゃない。
例えばハンドルの高さを変えようとして、固定を緩めて、締めるという作業をしたとしましょう。
自分は「締めた」と思っても、本来必要な力加減には全然届いていない…というのはよく見かけます。
ボルト一本触るだけでも、最悪の場合走行中の大事故に繋がるわけです。命に関わってくる。
「できるようになりたい」という思いからメンテナンスに挑戦するなら、必ず最後はプロに見てもらうこと。
もちろん点検にお金はかかると思いますが、それは授業料みたいなものだと捉えてください。
作業をミスすれば工賃以上に高くつく

自転車メンテに自信はないけど、店に任せると工賃が高いしなあ。
安く済ませたいから、自分でやろーっと!
こういう方もいるでしょう。私も昔はそうでした。
「店の工賃は高すぎる。払うのがもったいない」って思ってました。
でも今は違いますね。
私は“工賃を頂く側”なので、ポジショントークにはなってしまうのですが…
なので、特に「学びたい」という気持ちから挑戦するのでなければ、もうお店に任せてしまった方がいいです。
私はバイク(原付ですけど)にも乗っているのですが、下手に自分で触らず、プロに任せるようにしています。もちろん工賃を払って。
それは、自分が自転車のプロで、人の自転車を触る立場だからこそそう思います。
例えば「パンク修理(およびホイールの着脱作業含む)」においても、実はすごく沢山のことを気にします。
「パンク修理」といっても、真にパンク修理だけをしているわけではないのです。
- パンクの原因は何なのか?
- タイヤ、リム、リムテープの状態は大丈夫なのか?
- ホイールはフレームに対して真っ直ぐはまっているか?正しいトルクで固定できているか?
- ホイール取り付け後、変速に異常は無いか?チェーンの張りは適正か?
- ハブにガタツキは無いか?
- ブレーキに異常はないか?
- これらを含む自転車全体のチェック
挙げたらきりがないのですが、言いたいことは「作業1つするにしても、他のとこに異常が出ていないか?」も必ず確認するんですよね。
で、私はバイクの知識が無いですから、もうプロに任せた方が安全&安心。
そのための工賃は全然快く払えるし、高いとは思わなくなったんですよね。
15分でできる作業なのに、工賃が2000円?高い!
とか昔は思ってましたが、自分たちでやったら15分で出来ないですし、正しく作業出来ていない可能性が高い。他にも見落としていることがあるかもしれない。
…そんなふうにに考えると、実は「工賃」って別に高くないとは思うのです。
下手に触ってミスるより、お店に任せた方がいいですよ!というお話しでした。
さいごに
ひとりごとが無駄に長くなってしまいました。
「自転車のメンテナンスって自分でできる?」という質問への回答が難しい理由、分かったでしょうか。
てな感じ。個人的な感想ですけどね。
それでは。