自転車業界とは?
自転車業界はそれほど人気があるわけではなく、競争率はあまり高くありません。
だからと言ってエントリーすれば内定がもらえるかというと、それはもちろん違います。
日本における業界規模自体が小さいため採用人数も少ない上に、そこにエントリーする人は自転車がとっても好きな人が多いからです。
業界研究なしでは、彼らに太刀打ちすることは困難。
実際私が参加した大手自転車メーカーのインターンシップでは、12人中7人が自転車店でアルバイトをしているような状況でした。
志望動機を作成するために深い業界研究は絶対ですので、既に自転車に強い興味がある方も、まだ興味を持ち始めたばかりの方も、まずは自転車業界について理解を深めることが大切です。
業界の動向や職種などの知識を身に着け、これからの就職活動に備えていきましょう。
自転車業界の動向
日本全体の自転車販売台数は減少傾向にありますが、一方で高級車や電動アシスト自転車の普及により一台当たりの販売単価が年々増えています。
そのため、企業の売り上げが減少しているかというとそうではないです。
最近は新型コロナウイルスで好影響を受けており、業界内の多くの企業が売上高アップとなっています。
小売店の売上高前年比が200%になるところもあるなど、変化の少なかった自転車業界にかつてないチャンスが訪れています。
自転車業界に属す企業
自転車業界はとっても狭いです。
小売業(自転車屋)であれば全国に数えきれないほどありますが、卸やメーカーを希望するとなると狭き門となります。
- まだ行きたい企業が決まっていない
- 他にどんな企業があるか知りたい
という方は、採用情報が見込める企業をまとめたこちらの記事をご覧ください。
自転車業界の業種分類と職種
自転車業界の就職は主に3つの業種に分けられます。
・卸売業(代理店もここに含まれます)
・小売業(いわゆる「自転車屋」)
製造業
自転車のフレームメーカー、自転車関連パーツメーカー、アクセサリーメーカーなどがこちらにあたります。
具体的な会社を例に挙げると、ブリヂストンサイクルやパナソニックサイクルテック、シマノやキャットアイなどです。
メーカーを目指すのであれば、このような職種が想定されます。
(全ての企業にあるとは限りません)
・設計開発
・基礎開発
・製造
・生産管理
・品質保証
【文系職】
・マーケティング
・販売
・ブランドPR
・経営戦略
卸売業(販売代理店)
自転車用品や車体をメーカーから受け取り、小売店(自転車屋)に販売するのが卸売業です。
海外メーカーの日本法人(例えばジャイアントジャパン、トレックジャパン、キャノンデールジャパンなど)もあれば、販売代理店も多く存在します。
販売代理店とは、「GIOS」を扱っているのは「ジョブインターナショナル」という会社ですし、「ピナレロ」の取り扱いは「カワシマサイクルサプライ」が担っているようなことです。
基本的には製造はしていないため、
がメインの採用職種となるでしょう。
小売業
いわゆる「自転車屋さん」のことです。
全国にチェーン展開する「サイクルベースあさひ」をはじめ、大小さまざまなお店が全国に1万2000店ほどあります。
自転車屋の業務には、
・販売接客
・発注業務
がありますが、店の規模が規模ですので多くの場合は兼業となるでしょう。
自転車業界の志望動機を書くポイント
志望動機を書く際に業界研究は必須ですが、それだけでは他の志望者と差をつけることができません。
あくまでも「書き方」を工夫することがポイントとなります。
1.なぜ自転車業界なのか
2.中でもなぜ該当企業なのか(業種を踏まえて)
3.その企業で何がやりたいのか、それに対してどう貢献できるのか
これらのポイントを踏まえて、採用担当者に自分の入社意欲が伝わるよう志望動機を作成していきましょう。
なぜ自転車業界なのか
どうしてニッチな業界である「自転車業界」を選んだのか、あなたの素直な気持ちを伝えることが大切です。変に嘘をつく必要はありません。
- 自転車に興味を持ったエピソード
- 自転車業界で就活をしようと決めた理由
- 自転車に乗る中での心の変化
などを深堀りしていくと、自分だけの業界志望理由が発見できるでしょう。
とはいっても、なかなか難しいのが現実です。
というのも自分自身も相当悩んだ経験がありました。
私も一番最初に思い浮かんだ業界志望理由は「自転車がメッチャ好きだから」でしたが、でも、もちろんそれではだめですよね。
そこで好きな理由をとことん深堀りをしました。
- 自転車の好きな楽しみ方は何なのか
- 自転車のどんなところが好きなのか
- どうして自転車が好きになったのか
またほかにもランドナーやマウンテンバイクも所有していますし、自転車店でメカニックとしてアルバイト経験も積んでいます。
・・・こんなことを考えているときにふと思ったんです。
「人一倍自転車を楽しんで、自転車の魅力を知り尽くしてる自分が、お世辞にも自転車先進国とは言えないこの日本で、自転車の楽しさを多くの人に知ってほしいなあ」と。
ですから私の業界志望理由は、
「自転車の魅力をより多くの人に伝えたい」となりました。
業界志望理由が定まらなければ、とにかく好きな理由を深堀りするといいです。
あなただけの理由が見えてくるはず。
的確で熱意のあるオリジナルな志望動機であれば、それに良い悪いはありません。
本当に強く思ったその気持ちを担当者へ全力でぶつけましょう。
中でもなぜ該当企業なのか
次に決めるのが、「どうしてその会社なのか」ということです。
同じ業種・同じ職種を持った企業は他にもある中で、「こんな理由があるから御社しかないんです!」と言える理由を見つけましょう。
会社概要、経営理念、商品ラインナップ、会社の強み、あなたが該当企業を魅力的に感じたエピソードなどをもとに企業研究を行うことがポイントとなってきます。
しかし、自転車業界についてのデータはあまりなく、効率的に情報収集できなかった経験があります。
そんな私が企業研究に一番効果的だと思ったのは、やはりインターンシップや説明会です。
そこでは、
- 業界の動向
- 会社概要
- 会社の強み
- 今後の展望
- 採用する人物像
などについて詳しい情報が手に入りますし、その場で聞きたいことについての質問もできます。
さらに複数社いくことで違った側面から業界を知ることもできますし、意外と大切な「社内の雰囲気」の違いまで味わえます。
実際私は、興味があってインターンに行ってみたものの、社内の雰囲気がなんとも自分とはミスマッチだと感じ、エントリーすらやめた企業もありました。
本気で自転車業界を目指すのであれば、早い段階から企業の採用情報(インターン・説明会)をチェックし、行動しておくことをおススメします。
それが後になって「あなただけの強い志望動機」につながることでしょう。
会社で何をやりたいのか・自分に何ができるか
業界・企業への志望動機が決まったら、行きたい企業で何がしたいのかを考えましょう。
それに対して自分ができることを自己分析から見つけ出していきます。
例えば小売店での販売接客を未経験からやってみたいのなら、
- コミュニケーション能力
- 自転車の走行経験
などが生かせますよね。
普遍的なもので構わないですが、それを強みと言えるようなエピソードも併せて準備しておきましょう。
自転車業界の志望動機例文
以上を踏まえて、実際に私が使っていた志望動機の例文をお見せします。

私は、だれもが乗れて、どこまでも進むことができる「自転車の魅力」をより多くの人に伝えたいという思いから自転車業界を志望しています。
中でも、 (該当企業の志望理由) な御社を志望しております。
もし、入社した際には「 (職種) 」をやらせていただきたいです。
私には日本一周までした「走行経験」と、メカニックとしてアルバイトをして得た「知識と技術」、大学で学んだマーケティング知識があります。
これらを生かし、御社の(職種)で、(やりたいこと)を をし、自転車の魅力を広げることに尽力したいです。
該当企業の志望理由欄には、「〇〇だから自転車の魅力を人に伝えられる御社を~」としていました。
実際に私が就職活動をした自転車業界の7社すべてこのテンプレート文を利用して志望理由を作成しましたが、ESは全て通ることができました。
面接でも同じ文を使っておりましたが、1次選考で落ちたのが1社だけで、残り6社は2次選考以上まで進むことができました。
最終的に内定を頂いた企業から「志望理由に熱意が伝わったから」といったフィードバックを頂きましたので、自分の思いが伝わったのだと嬉しく思いましたね。
改めてこの順番を意識しながら、自分の言葉で志望動機を作成してみてください。
1.なぜ自転車業界なのか
2.中でもなぜ該当企業なのか(業種を踏まえて)
3.その企業で何がやりたいのか、それに対してどう貢献できるのか
さいごに
自転車業界の就職に関連したこの記事を作ったきっかけは、私自身が就職活動で困ったからです。
幸いなことに自転車店でアルバイトをしていたので比較的業界のことを知っておりましたが、それでも企業研究をしたり、誰かの例文を参考にしたりしたいときにどこにもデータが転がっておらず、困った経験があります。
情報の少ない自転車業界の就職事情について発信していくことは、微力ながら自転車業界に就職する人の増加や、業界に興味を持ってくれる人の増加につながります。
それが結果的に、私が自転車業界を志望した理由である「自転車の魅力を伝えること」につながることになると考え、現在力を入れはじめたところです。
今後も業界の動向や就活に関する記事をあげていこうと思いますので、よろしくお願いします。
この記事が誰かの悩みを解決し、役に立てば幸いです。
ご覧いただきありがとうございました。
下記に「自転車業界の就活」で役に立つ記事を貼っておきますので、よかったらご覧ください!
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