
悩む人
最近ロードバイクを始めたんだけど、徐々に行動範囲が広がってきたから、パンク修理セットを揃えようと思うんだ。
そこで今は「携帯ポンプ選び」をしているところだよ!
でも、種類が多すぎてどれを選んだらいいのかサッパリ分からない。
ロードバイク初心者におすすめの携帯ポンプを教えてほしい!
こんな方にぴったりの記事です
【この記事で分かること】
- 初心者におすすめの携帯ポンプの種類
- ハンディタイプの中でもどんなアイテムを選べばいいのか
- 具体的におすすめな商品の紹介
自転車店で働く私が、解説します。
自転車の携帯ポンプにはたくさんの種類がありますよね。
何も下調べの無い状態で眺めても、どんな基準で選んだらいいかが全くわかりません。
実は、そんな初心者の頃に適当に選んでしまって、ゆくゆく不満を抱いて買い替える人も少なく無いんです。
だから、最初から納得のいく携帯ポンプを選びましょう
この記事では、初心者にはどんな携帯ポンプがおすすめなのかを、しっかりとした理由と共に絞り込んでいきます。
記事を読み終わったときには、おそらく私がおすすめする商品が魅力的に思えるはずです。
ちょっと長めですが、ポンプを選んでいただくうえで外せない大切なポイントをまとめました。
是非までご覧ください。
携帯ポンプの種類
(出典:shigeblog)
携帯ポンプには2種類あります。
- 手動でポンピングして空気を注入する「ハンディタイプ」
- 半自動的に空気を入れられる「CO2ボンベタイプ」
それぞれの特徴を紹介します。
ハンディタイプ
メリット
ハンディタイプの携帯ポンプのメリットは、「半永久的に使える」という点です。
CO2ボンベと違って、ポンピングをした分だけ何度でも、どれだけでも空気を入れることができます。
そのため、
「パンク修理でミスをしてしまったからエアーを入れなおしたい!」
「複数回パンクをしてしまったからまたエアーの注入が必要だ!」
そんな時でも対応することができます。
デメリット
デメリットは「ポンピング作業が大変」という点です。
携帯ポンプは“携帯”できるようコンパクトに作られています。
普段家で空気を入れているフロアポンプと違って、一回で入れられる空気量も少ないですし、力も入りずらいです。
何百回とポンピングする必要があります。
夏場のパンク修理は地獄のようで、顎から汗がしたたり落ちるほどの運動量です。
CO2ボンベ
メリット
CO2ボンベタイプはハンディタイプに比べて作業が非常に楽で、空気入れに掛かる時間も大幅に短縮できます。
交換したチューブにインフレーターをセットして、バルブをひねるだけ。
一瞬でエアーが7BAR程度まで注入され、再び走り出すことが可能になります。
ハンディタイプに比べてよりコンパクトなので、携帯性にも優れています。
デメリット
デメリットは「ボンベの数しか空気が入れられない」ということです。
ハンディタイプだったら半永久的に使えますが、CO2ボンベはそうではありません。
ボンベが無くなったらそれで終わり。
失敗してもやり直しが効かないというリスクがあります。
そして、ランニングコストが高いです。
ボンベは消耗品で、使い切り。
1本約400円ですから、ハンディに比べてお金がかかります。
もちろん「消費したら」の話ですけどね。
「ハンディタイプ」か「CO2ボンベ」どっちが良い?
2種類の特徴を紹介してきました。
初心者にはどちらがおすすめなのでしょうか。
結論から言うと、初心者におすすめなのは「ハンディタイプ」の携帯ポンプ。
半永久的に使え、やり直しできるのがポイントです。
初心者は空気の入れ方自体も不慣れで失敗することも多いですが、その前に「チューブ交換作業」が正しくできていないことが結構あります。
多いのが、「タイヤにチューブが噛んでいて、空気を入れたら爆発した」というパターン。
タイヤの内側にチューブがちゃんと納まっていない状態で空気を入れると、銃声のように大きな音と共にチューブが破裂してしまいます。
ハンディタイプなら徐々に空気圧が上がっていくので、途中でタイヤの異変(変形)に気づくことができるかもしれません。
破裂する前に手を止め、一度空気抜いてからやり直しを試みることもできます。
しかし、CO2ボンベだとそうはいかない。
良くも悪くも、一瞬で空気が満タンになります。
タイヤの異変を感じる隙も無く、作業が完了してしまうでしょう。
もちろん、チューブがしっかりとはまっていれば問題ありません。
でも下手な取り付けをしていた場合、破裂してから気づくことになります。
あるいは、もしエアー注入後に異変に気付いて空気を抜いたとしても、予備のボンベが無かったら直す術が無くなってしまいますよね。
パンク修理・チューブ交換作業に慣れた中級者以上ならCO2ボンベは確かに便利なアイテムです。
作業時間は短いし、辛いポンピング作業をする必要もありません。
でも、パンク修理対応に慣れていない初心者はミスをする確率が高い。
だから、やり直しの出来る「ハンディタイプ」の携帯ポンプがおすすめです。
ハンディタイプの携帯ポンプの選び方は?

その理由には納得したよ!
だから私もハンディタイプの携帯ポンプを買おうかなと思うんだけど、種類がいっぱいあって迷っちゃうよ。
一体どれを選べばいいの?
確かに、ハンディタイプの中にも沢山の種類があります。
例を挙げるとこんな感じ。
- 全長が長くて空気を入れやすいタイプ
- 足踏み付きで力を入れやすいタイプ
- ホースがついていて、バルブにやさしいタイプ
- バルブにダイレクトに付ける、超軽量・超コンパクトタイプ
中でも初心者の方にオススメなのが「ホース付きでなるべく軽量コンパクト」なタイプ。
バルブを傷めにくいことと、普段の走行で邪魔にならないことが理由です。
それぞれ解説します。
ホース付きが良い理由
ホース付きの携帯ポンプはバルブを傷めにくいからおすすめです。
反対には「ダイレクトにバルブに取り付ける」タイプがあります。
こちらはホースが無い分、よりコンパクトにできるのが魅力的。
しかし、ポンピング作業中にバルブを傷めやすいのがネックです。
(出典:きゅうべえ)
バルブに対して直接差し込んだ状態でポンピングをするので、力を加えるたびにポンプが動き、バルブにダメージを与えます。
実際、それで仏式バルブの先(バルブコア)が曲がってしまうケースがとても多いのです。
曲がってしまうと空気が漏れてしまったり、また空気が入らなくなるというトラブルが起こる可能性があります。
だから、バルブを傷めにくいホース付きの商品がおすすめです。
軽量・コンパクトタイプが良い理由
もう一点、なるべく軽量でコンパクトな携帯ポンプがおすすめです。
ポンプの使い心地よりも、「使わない時間(普段の走行)」においてのメリットを優先させた方が良いと思うからです。
ハンディタイプの携帯ポンプ選びをしていると、ついつい「使う時のこと」だけを考えて、使い心地ファーストでアイテムを選びがちになります。
- 「空気が入れやすい方が良いから、全長が長いモデルや、足踏み付きの方にしよう」
- 「コンパクトだと全然空気が入らなくて大変だよね。それはやめておこう」
こんな風に思った方もいると思います。
でも、本当に「使い心地」を重視してアイテムを選ぶべきなのでしょうか?
一度冷静になって考えてみてください。
携帯ポンプを使う場面というのは、出先でパンクしてしまったときだけですよね。
果たしてそれがどのくらいの頻度で起こりますか?
半年で3回?2回?1回?
いやいや、全くパンクしなかったという人も沢山いるわけです。
携帯ポンプは、それくらい使用頻度が少ない。
なのに、使い心地を重視してアイテムを選んでしまうと、いつ使うかも分からないにも関わらず、無駄に重くてかさばるものを常に持ち運ぶことになってしまいます。
走行性を求めるロードバイクにおいて、軽さは正義です。
持ち物はなるべく少なくし、軽い方が良いに決まってます。
ですから、携帯ポンプは使い心地で選ぶのではなく、使わない時間のメリットを重視して「軽量・コンパクト」なタイプを選ぶと良いですよ。
かといって最軽量・コンパクトな商品はバルブに直接差し込むタイプになってしまうので、
- バルブを傷めないように「ホース付き」
- 普段の走行で邪魔にならない「軽量・コンパクト」
この2点を良いとこどりした携帯ポンプがおすすめです。
具体的な商品紹介については後ほど行います。
気圧メーターは必要なし
ここまで読み進めた方の中には、こんな疑問を抱く方もいるでしょう。

コンパクトにこだわるのは良いけど、さすがに気圧メーターは要るんじゃない?
だって、どのくらい空気を入れたらいいか確認できないからね。
それに、空気圧が適正まで入れられていないと、「パンクしやすい」って聞いたことがあるよ。
確かに、メーターが無いと感覚で空気を入れることになってしまいます。
でも、メーターは必ずしも要るわけではありません。
続いて「パンクしやすい」についてですが、これは半分本当で半分勘違い。
詳しく解説します。
空気圧は感覚でOK
空気圧の調整は感覚で大丈夫。
パンクから復活し、再び走れるようにするための「応急処置」に過ぎないからです。
携帯ポンプは、出先で起こったパンクを直し、「走行を続けるため」に使います。
そこで、完璧な空気圧設定は求めなくても問題ありません。
手で触ってみた感じがあまりにもプニプニではいけませんが、
「ある程度タイヤが硬くなって、ポンピングが辛くなってきた。これくらいでいいかな~?」と思う頃には4-5BAR以上は入っているはずです。
それだけの空気圧があれば、再び走り出すことができます。
走ることさえ出来るようになれば、行きたい場所への移動が可能になる。
- 「もう予備のチューブが無いから、予定を変えて家に引き返そう」
- 「とりあえず町へ向かって、自転車屋さんへ行こう」
目的地へ着くことができたら、その場所でフロアポンプを使ってメーターを見ながら空気を入れればいいだけです。
例えば全国の街にある「サイクルベースあさひ」なら、店の外にポンプが置いてあります。
他の自転車店でも、ポンプの無料貸し出しをしているところは多いでしょう。
あくまでも「パンクを直して走り出すため」に携帯ポンプは使います。
だから、完璧な空気圧設定は必要が無いため、メーターは必ずしもいるわけではありません。
もちろん、「メーターが無いとやっぱり不安」という方は、付いているモデルを選べばOKです。
「空気圧が少ないとパンクしやすい」は本当?

確かに感覚で空気を入れても走ることはできるけど、4-5BARしか無かったらタイヤの適正空気圧を下回ってるよね?
空気圧が少ないとパンクしやすいって聞いたけど、大丈夫なの?
タイヤの空気圧が低いことで起こるパンクには主に2種類あります。
- リム打ちパンク
- チューブの摩耗パンク
このうち、「チューブの摩耗パンク」は気にしなくても大丈夫です。
なぜかというと、「空気圧が低い状態で長期間(月単位)走り続けないと起こらない」タイプのパンクだからです。
一日走るだけなら、全く問題なし。
一方、気を付けなければいけないのが「リム打ちパンク」
これは、空気圧が少ない状態で段差などを踏むと、体重でチューブが潰れて起こるパンクです。
(出典:masashik0305のブログ)
でも、4-5BARも入っていれば起こる確率は低いので、過度な心配はしなくてもOK。
1-2BAR程度しか入ってないとリム打ちパンクのリスクが非常に高まります。
しかし、それは指で触っても明らかに「プニプニ」な状態なので、感覚とは言えある程度の空気圧が入っていれば大丈夫です。
ただ、パンク修理後は「空気圧が少ない状態」という緊張感を持って、丁寧な走行を心がけましょう。
ホース付き・軽量コンパクトな携帯ポンプのおすすめは?
まとめると、ロードバイク初心者の方におすすめな携帯ポンプは、
「ハンディタイプの、ホース付きで、なるべく軽量コンパクトなモデル」
と説明しました。
いよいよ、おすすめする2つの商品の紹介をしていきます。
TOPEAK(トピーク) RaceRocket HP
私一番のオススメは、【TOPEAK(トピーク) RaceRocket HP】
簡単にスペックを紹介します。
- 全長約18cm
- 重量85g
- 米式・仏式バルブ対応
- ホース付き
- 最大120PSI/約8BAR/約800kPa まで対応
- 握るところにグリップがあり、力を入れやすい
- ポンピング約200回(8分程度)で、およそ70PSI(約5BAR/500kPa)まで入る
軽量コンパクト・ホース付きのポイントを押さえ、価格も良心的。
文句の付け所が無く、非常に使いやすいアイテムです。
Lezyne ポケットドライブ [POCKET DRIVE]
そしてもう一つが【レザイン ポケットドライブ】
スペックはこちら。
- 全長約14cm
- 重量79g
- 米式・仏式バルブ対応
- ホース付き
- 最大160PSI/約11BAR/約1100kPa まで対応
コンパクト×高気圧で使えるポケットサイズの軽量ハンドポンプ。
先に紹介したトピークのレースロケットよりも6g軽く、そして4cmもコンパクトです。
力のかかる部分以外はそぎ落とした無駄のない設計。
見た目もかっこよく、自転車に付けていても気になりません。
まとめ
本記事をまとめます。
ロードバイク初心者におすすめの携帯ポンプは、
- ハンディタイプ
- ホース付き
- 軽量・コンパクト
を兼ね備えたモデルです。
中でもオススメする商品が、
の二種類。
このどちらかをお選びいただければ、きっと、満足いただけるはずです。
あなたの携帯ポンプ選びに役立てば幸いです。
ご覧いただきありがとうございました。