
災害ボランティアに興味があるんだけど、何をするのか全く分からなくて心配。本当に自分でもやっていけるのかな?
一日の流れや作業内容について知って、現場のイメージを膨らませたいな。
災害ボランティアに参加してみたいと思っているけれど、あと一歩のところで踏みとどまっている方に向けた記事です。
私も初めて参加する時は不安ばかりで、「知識も経験もない私が一人で行っても大丈夫かな?」なんて思っていました。
しかし、結論から言うと全く問題ありませんでした!
ちゃんとグループを率いるリーダーがいらっしゃるので、参加した誰もが即戦力として地域の復興に貢献することができます。
あなたの不安を解消して勇気ある参加を後押しするために、
・実際に現場で行う作業のイメージ
参加した場所・災害の種類
この記事で「とある一日」として紹介するのは、2019年に起きた台風19号の災害ボランティア(釜石市)の内容です。
自転車で日本一周中だった私は、向かう道のりにあった岩手県の釜石市で初めての災害ボランティアに参加し、その後宮城県の丸森町でも参加しました。
記憶にも新しい台風19号。
各地に記録的な大雨をもたらし、甚大な水害を及ぼしました。
そんな状況にあった岩手県釜石市での活動記録になります。
一日の流れ
一日の流れはこうでした。
- 9:00 ボランティアセンター開館 受付開始
- 9:40 マッチング(グループ分け)
- 10:00 オリエンテーリング
- 10:30 現場作業スタート
- 12:00 昼休憩
- 13:00 作業再開
- 15:00 作業終了
- 15:30 ボランティアセンターに戻って解散
約6時間のボランティアです。
具体的にどんな作業を行ったのか、詳しく紹介していきます。
災害ボランティアの活動内容例
9:00 ボランティアセンター開館 受付開始
場所によると思いますが、私が行ったところは9時から参加者受付を開始していました。
ボランティアの情報については事前にネットで調べていました。
「○○市 災害ボランティア」と検索すると、
- 拠点(受付)となる場所
- 受付時間
- ボランティアの有無
が確認できると思います。
初めての参加だったので、まずは「ボランティア活動保険」に入るために申請用紙を記入します。
登録料数百円と一緒に提出して加入し、その場でカードと名札を頂きました。
カードは一読してカバンへしまい、名札は分かりやすい胸元へと貼り付けました。
集合時間になるまで少し待ちます。
9:40 マッチング(グループ分け)
参加者が集合し、作業をするためのマッチング(グループ分け)が始まりました。
全体を統括する指揮者の方が、
- どれだけの人数を
- どの作業場所に配属するか
を、性別や年齢、経験や体力の有無をみながら参加者をグループ分けしていきます。
この日の参加者は全体で29名だったため、AチームとBチームの2チームに分けられました。
10:00 オリエンテーリング
マッチングが終了したタイミングで全体のオリエンテーリングが開始。
まとめ役となる社会福祉協議会の方々からの挨拶と、作業での注意事項などを聞きました。
- 安全第一
- 勝手な行動はしない
- ボランティアを「やってあげてる」のではなくて、「させていただいてる側」だという認識を持つこと
- お伺いするお宅に失礼の無いようにすること
といったお話の内容でした。
10:30 現場作業スタート
私たちAチームは運転を務めてくださる方の車へ同乗し、被災現場へと向かいます。
担当したこの地区は山と海を挟む結構な急斜面に作られた漁師町です。
ここでは濁流や土砂崩れ、小さな溝川の氾濫などの影響があり、基礎部分がえぐられた家、崩れ落ちた橋、陥没した道路など、想像を超える被害を実感しましt。
担当するお宅は土砂と濁流の流入がひどく、家の一階部分のほとんどが泥水に浸ってしまった状態でした。
私たちAチームはさらに3-4人の小チームに分かれて作業を行いました。
指示に従って
- 土砂をシャベルで掘って土嚢袋に入れる人
- 土嚢袋を用意&縛って置く人
の役割分担をしました。
私ともう一人の男性が力仕事のシャベルで掘る方を、女性2人が土嚢袋の詰め替えを担当しました。
溜まった泥の中にはゴツゴツとした石や折れた木の枝が混じっており、シャベルが全然刺さりません。そして何より重たいです。
土嚢袋に3分の1程度泥を詰めただけで、8-10kgになります。
- 泥を掘る
- 土嚢袋に詰める
- 土嚢袋を一か所にまとめる
といった肉体的に過酷な作業を繰り返しました。
目の前のにあるベッド1つ分程度のスペースに溜まった泥を掻き出すだけでも、全く終わりは見えず。
結局午前中は延々と泥詰め作業をして終わりました。
12:00 昼休憩
近くの公民館を使わせていただいてお昼休憩です。
それぞれが持参したお昼ご飯を食べます。
ここにいる方たちとはたった2時間前に顔を合わせたばかりなのに、同じ目標に向かってチームを組んで取り組んだおかげで、既に人々の間に隔たりはなく、チームの輪のようなものができあがっていたように思います。
20代の参加者(一番若い人が)が私だけで不安なところもあったのですが、「珍しく若い人がいる」ということでたくさん話しかけていただけて嬉しかったです。
私が自転車で日本一周中だということを話すと、「それなら午後の作業も余裕だな!もうおじさんたちはヘトヘトさ(笑)」なんて言われたのですが、そんな私も結構な疲れを感じるほどの大変な作業でしたね。
自分でやるといった以上弱みは吐いてられないので、気合を入れなおして午後の作業を再開です!
13:00 作業再開
ある程度泥が取れてくると、反対に泥を詰めた土嚢袋が山のように溜まってきました。
今度はそれらをバケツリレーで外へと移動させます。
土嚢袋は土を運ぶための袋という役割だけでなく、再び水が入って来ないよう塞き止めるためにも使うんですよねー。
重機でいっぺんに運べればよいのですが、今回作業した場所のように細い道だと重機が入れず、作業が人力になってしまうのだそう。
復興にはとてつもない時間と労力がかかることを実感しました。
15:00 作業終了
結局この日は家周辺の泥かきをして作業が終了。
ただ完全に土砂を撤去できたかというとそうではなく、「ギリギリ雨水の抜け道を作れた」といった感じ。
Aチーム約15人が半日かけて作業したのにもかかわらず、進んだのはたったこれだけでした。
では翌日はこのお宅で続きの作業をするのかというと、そうではありません。
ボランティアを求める被災者の方は他にも大勢いらっしゃいます。
100件、200件、300件と、大小合わせて様々なボランティア依頼が届いているのだそう。
ですから優先順位の高い順に一つ一つをこなしていかなければならないため、次は別のお宅で新しい作業をします。
今回担当したお宅の泥かきを完璧にキレイにしたい気持ちは山々ですが、一人一人に時間をかけていられない事情があるのです。
15:30 ボランティアセンターに戻って解散
使った道具や汚れた長靴を水で軽く洗って拠点のボランティアセンターへと戻ります。
作業報告と簡単な挨拶を聞き、記念撮影をしたのちに解散。
スタッフの方が「若い子が来てくれただけで私は嬉しい!今日は君が主役だから!」と、写真撮影時には中央で看板を持たせてもらいました。
災害ボランティアを経験してみて
初めてボランティアを経験してみたわけですが、結構楽しかったです!
ここでいう「楽しい」とは、やりがいがあるからこそ生まれる楽しさだと感じています。
もちろん、やってる内容は決して楽なものではありません。汗は止まらないし、肉体労働でとっても大変です。
私はひたすらシャベルで泥をすくい上げていたので、気づいたら手に豆ができていました。
10kg程度になる泥を掻き出して土嚢袋を運ぶという作業は肉体的にとてもしんどく、腕も肩も腰も全身が筋肉痛になりました。
正直言って辛かったです。
けれどもココにいるみんなが「復興」という同じ目標に向かって一生懸命になるから楽しかったのです。
泥だらけになっても気にしません。
「重い重い」と言いながらも土嚢袋を運ぶおじいちゃんおばあちゃんをみんなで励ましながらバケツリレーをしたり、土砂の底に埋まったカーペットを取り出せた時は本当に楽しかったです。
「これで一歩進んだぞ!」って。
あの時みんなで共有した「達成感」は僕にとっての大きな財産です。
未経験で知識のなかった私でも、誰かのために貢献することができたのです。
アナタが今災害ボランティアに興味があるのであれば、一歩勇気を踏み出して参加してみることを強くオススメします。
日常生活では味わうことのできない沢山の学びを得られるはず。
悩む理由はありません。今すぐ行動に移してはみませんか?