
テクトロのブレーキって、実際のところどうなの?
よく「効かない」なんて言われるけど、他のブレーキと比べると具体的にどんな違いのあるのかな?
✓入門用バイクについてくるテクトロのブレーキは効かない!
105以上に交換するのがオススメ!
私が使っていたロードバイクはエントリーモデルであり、まさにテクトロのブレーキが使われているものでした。
自転車を購入してから2年ほど経った時、私はブレーキを「105」に換え、その後全てのコンポーネントを105に交換する機会がありました。
つまり、
- ブレーキテクトロ×クラリスSTIレバー
- ブレーキ105×クラリスSTIレバー
- ブレーキ105×105STIレバー
の状態を経験してきたわけです。
その経験からこの記事では、
・クラリスSTI×105ブレーキ ⇒ 105STI×105ブレーキ での違い
最後には、「テクトロのままでも制動力を上げる方法」についても紹介しておりますので、是非ご覧ください。
テクトロのブレーキキャリパーを使っていた時の印象
テクトロが付いていたこちらのロードバイクは、私にとって初めてのスポーツバイクでした。
それゆえ、比較対象がない状態であります。。
当時この自転車に乗っていた時に感じた、「率直なブレーキへの印象」について紹介します。
ブレーキの効きについて
正直不満はなく、「効かない」と思ったこともありませんでした。
私は荷物を数十キロ積んでの自転車旅も経験してきましたが、そのような状態でもレバーをぐっと握ればちゃんと止まりますし、無積載状態であればホイールのロックだってできます。
ブレーキの引きについて
でも、気になっていたことが1つありました。
それは「ブレーキの引きの重さ(固さ)」についてです。
ロードバイクのブレーキングポジションとして
- ブラケットポジション
- 下ハンポジション
の二つがありますが、ブラケットポジションではあまり力が入らず(重くて)、そういった意味では効かないと思うことがありました。
下り坂では下ハンポジションでないとしっかりブレーキをかけることができなかったため、毎回握り変える必要がありました。
そんな当時使っていた状況は、
ClarisのSTIレバー×テクトロブレーキ
という組み合わせです。
クラリス自体ロードバイクコンポで一番下のグレードになるので、この「引きの重さ」は仕方がないものだと思いこんでいましたし、下ハンドルを握ればしっかり効くことから、単純に「ブラケットポジションでは力を入れずらいから当たり前」とも思っていました。
ブレーキを交換したきっかけ
私がブレーキを105に交換したのは、ネットの評判や自転車友達からの言葉がきっかけです。
自転車友達に自分のロードバイクを試乗させてあげたところ、
「ブレーキ全然効かないね」と、言われてしまったのです。
自分はブレーキに不満が無かったため、全く意味が分かりませんでした。
そういう彼の自転車はコンポーネントに105を使っていたため、逆に私が試乗してみることに。

確かに、105ならブラケットポジションでもしっかりと止まる!
そう実感しました。
帰ってインターネットで「テクトロ ブレーキ 効かない」と調べた時、人の口コミからするに「確かに効かないブレーキなんだ」と、性能の低さを認識することとなったのです。
それらがきっかけで、まずはブレーキキャリパーのみを【テクトロから105】に交換しました。
実際にブレーキだけ105に換えてみた感想
STIレバーはclaris、ブレーキは105という状態です。
交換してみた感想を伝えていきます。
ブレーキの効きについて
105のブレーキを使った途端、これまで使っていたテクトロのブレーキがどれだけ効きが悪かったかを思い知らされることになりました。
「ガツン」と効いて、明らかに制動距離が縮まりました。
これまでのテクトロはグッとレバーを握りこむとブレーキに「ムニュ」とした感覚があり、その後シューっと滑りながらブレーキングしていくような印象でした。
しかし、105に換えてみると、その「ムニュ」とした感覚がなくなり、「ガツン」に変わったのです。
これがいわゆる「剛性の高さ」ってやつなのかと、驚きましたね。
また、「ホイールロック」の認識にも違いがありました。
確かにテクトロにもロックできるほどの性能があると思っていましたが、比較をした時に「あれはロックできていなかったんだ」と変わりました。
具体的にどういうところでそう思ったかというと、
自転車にまたがった状態でレバーをぐっと握り、ハンドルを前方に押し出すというテストをして比較した時です。
テクトロの場合は確かにロックしているのですが、力を加えればブレーキが滑って少しホイールが前に動いてしまいます。
一方で105はびくともせず、ガッチリとホイールをつかんで離しません。そのためハンドルを前方に押し出した時、全く滑ること無く後輪が浮き上がり始めたのです。
実際に交換してみて、105ブレーキの効きの良さを大いに実感しました。
レバーの引きについて
前に比べて軽くはなりましたが、レバーのもっさり感は全て消えたわけではありませんでした。
まず交換する時に驚いたのが、ブレーキキャリパーのアーチを手で握った時の軽さです。
テクトロは手で「ムニュッ」と重たかったですが、105は「スルッ」と動きます。
この動きの軽さがレバーの引きにダイレクトに影響していることは確かです。
しかし、下ハンで握ればガッツリ効く(その度合いが変わった)のですが、ブラケットポジションでのブレーキングはまだ不満が残る状態でした。
確かに以前よりも引きは軽くなり、力が入れやすくなったとはいえ、友人の105を使った時とは明らかに違う・・・。
となると、レバー側もブレーキの引きに大きな影響を与えているのだと感じました。
その後、コンポーネント一式105に交換する機会があったので、レバーもブレーキも105に換えてみてどのような違いがあったのか紹介していきます。
コンポセットで「claris」から「105」に換えてみた感想
ブレーキの効きについて
引きの重さを含めないブレーキの効き具合については、以前のクラリスSTIレバー×105ブレーキの時とほとんど変わりませんでした。
レバーでブレーキワイヤーを引っ張っているだけで、ブレーキの能力には影響しないからです。
レバーの引きについて
一方で、ずっと不満だったブレーキの引きが大いに満足できるレベルになりました。
やはり、ブレーキだけ105に換えた時も残ったもっさり感は、レバー側がもたらす引きの重さだったということです。
レバーの動きが滑らかになったおかげでブレーキングがよりダイレクトに伝わるようになり、ブラケットポジションでも満足に「止まる」と感じられ、引きも軽いです。
【ClarisSTIレバー×テクトロブレーキ】と【105STIレバー×105ブレーキ】では、
- ブレーキの効き
- レバーの引き
ともに雲泥の差があることを実感し、エントリーロードのアップグレードでは効果の大きいパーツだと思いました。
注意点:テクトロのブレーキ全てが悪いわけでは無い
今現在私は自転車店でアルバイトをしているのですが、その経験から一つ注意点を上げさせていただくと・・・
テクトロのブレーキ全てが効かないわけでは無い!
ということを知って頂きたいです。
確かに、今回私が付けていたものはテクトロ製のブレーキであり、効きも悪かったです。
しかし、一般的に「効かない」といわれるテクトロのブレーキは、コストカットのため完成車に組み込まれているようなモデルで、具体的に言うと「R3〇〇」という型番のものが多いです。
私が使っていたのもR312という型番でした。
皆さんの中で「テクトロ=効かない」というイメージがあるのは、最底グレードの商品しか知らないからだと思います。
テクトロには他にもブレーキの製品ラインナップがありますが、実際にそれらを使ってみると、特別効かないという印象は無かったです。値段相応の動きをしてくれますよ。
ですから、「テクトロのブレーキは効かない」は半分間違いで、「テクトロのエントリーグレードのブレーキは効かない」が正解です。
勘違いしている人も多いと思いますので、あえて注意点として書かせて頂きました。
テクトロのままでも制動力をアップさせる方法
「効かない効かない」と説明してきたテクトロの”エントリーグレードの”ブレーキですが、制動力をアップさせる方法があります。
それは、ブレーキシューだけをシマノの105グレードのモノに交換してしまうという方法です。
商品側のレビューを見ると分かりますが、シューの違いで性能は大きく変わります。
安めのブレーキシューは硬く、長持ちする反面効きが悪いです。
一方でレーススペックを持つ105グレード以上のブレーキシューは柔らかく、削れやすい反面効きが良いです。
ブレーキシューは消耗品であり、必ず交換時期がやってきますから、その際にプチアップグレードをしてみてはいかがでしょうか。オススメです。
まとめ
交換してみて感じた印象をまとめると、
・ブレーキキャリパーとSTIレバー共に105に交換すると、効きも引きも満足するレベルになる
とはいえ繰り返しになりますが、テクトロのブレーキだけしか知らなければ特に不満はありませんでした。
レースに出るわけでは無いので高いスペックも必要ありません。
簡単なサイクリングや通勤、通学に使うのであればテクトロのままでも十分です。
しかし、150kmを超えるようなロングライドやレースに参加するような場合、スピードを調整するための効きや、一回一回レバーを握る負担を減らすことが重要になってきますので、そういった方には交換してみることをオススメします。
以上がテクトロから105に換えてみた感想です。
ご覧いただきありがとうございました。